私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

【ジョジョ】仗助より康一くんの方が高評価を得てしまうのはなぜか?

 

今日は久しぶりにジョジョの奇妙な冒険に関する記事を書いていこうと思います。

私が一番好きな4部「ダイヤモンドは砕けない」に関する記事です。

 

4部の主人公は「東方仗助」です。仗助は自身のスタンドである「クレイジーダイヤモンド」を使い、杜王町にはびこる悪いスタンド使いや吉良吉影と戦いました。

仗助の活躍は読者としても盛り上がる場面ばかりなのですが、意外にも作中では主人公の仗助よりも、その友達である康一くんこと「広瀬康一」の方が周りのキャラクターたちから高評価を得ているのです。

 

しっかり戦績を上げている仗助ですが、

なぜ康一くんの方が高評価を得てしまうのでしょうか?

今回はそれを考察していこうと思います。

 

 

 

東方仗助とは?

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(引用:ジョジョの奇妙な冒険 29巻 集英社文庫12P/荒木飛呂彦)

4部の主人公です。各シリーズの主人公は苗字に「ジョ」名前に「ジョ」が1つずつ入り「ジョジョ」というあだ名で呼ばれることが多いですが、仗助は下の名前に2つ「ジョ」が入るため、ほとんどジョジョと呼ばれることはなかったです(3部承太郎の時から主人公をジョジョと呼ぶ風潮はなくなってきていましたが)。

仗助は杜王町に住む高校1年生で、2部の主人公ジョセフの実子にあたります(ジョセフは不倫をしていました)。ジョセフにとって承太郎は正妻との系譜上にある孫ですが、仗助は不倫相手との子なので、承太郎からすると仗助は叔父のような感じになります(正式に叔父ではないですね)。

仗助はスタンド使いから杜王町に住む住人たちを守るために自身のスタンド「クレイジーダイヤモンド」を使って戦いました。クレイジーダイヤモンドは仗助以外の人や物、動物など怪我をしたり壊れたものは何でも一瞬で治せます。この治す力を使って追尾弾や敵を他のものの一部に組み込むなど、多様な戦術の広さを見せました。普通に殴り合ってもクレイジーダイヤモンドは非常に強いです。ただ、死んだ人を蘇らせることはできません。

 

 

康一くんの高評価

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(引用:ジョジョの奇妙な冒険 29巻 集英社文庫243P/荒木飛呂彦)

康一くんもスタンド能力を使えるものの(3段階進化しましたが)、小柄で臆病で、生真面目で、魅力のある男かというとそうは見えません。しかし、時に仗助以上の機転を利かせて敵のスタンド攻撃を見破ったり、仲間が助けを求めている場面で自分のスタンド能力を使い絶妙なタイミングでサポートしてくれたりと、随所で貢献してきました。康一くんの助けがなければラスボスの吉良も倒せなかったことでしょう。

そんな康一くんは、後席に相まって、言い方は悪いですが人誑しと言いますか、誰からも憎まれない優しい性格をしているので、登場人物からの評価も高いです。例えば、

 

・山岸由花子は康一くんのことを好きすぎてストーカー、および監禁までしてしまうが、康一くんの心の広さもあってお付き合いすることに。

 

・岸辺露伴は康一くんを最高の漫画の材料であり、主人公にふさわしいと絶大に評価。人との関わりをなるべく立とうとする露伴が自分から親友と呼ぶのは康一くんだけです。

 

・歴戦の猛者である承太郎も康一くんの能力を高く評価。さらに5部序盤ではジョルノの調査に単独で向かわせるなど、4部以降もその信頼は衰えていませんでした。

 

康一が高評価を得るために自らセルフプロモーションしていたかというとそういうことでもないですし、仗助のネガキャンをしていたわけでもないです。実際のところ仗助も康一くんに助けられる場面は多々あったので、康一くんのことが嫌いかというと違います。ただ、康一くんが撃破したスタンド使いはそう多くなく、やはり仗助がいなければやられていたという場面が多かったことを考えると、仗助の評価も上がっていいと思うのです。が、康一くんの評価には敵わない感じがありました。まぁ理由は明らかなんですけどね。

 

 

 

悪いことばかりする仗助

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(引用:ジョジョの奇妙な冒険 26巻 集英社文庫23P/荒木飛呂彦)

4部は冒険というより杜王町という1つの町の中での出来事をテーマにしていたので、キャラクターの日常が描かれることが多かったです。

比較的真面目に学生をしており、塾などにも通っていた康一くんに比べ、仗助はというと、まず見た目がリーゼントに改造した制服姿とかなり不良じみてますよね。想像通りの不良のような行為はしていなかったものの、想像以上に悪いことをしていました。

 

・しげちーのスタンド能力「ハーベスト」を使って、町中に落ちているお金を集めさせる(その過程で偶然見つけた高額当選の宝くじを親友の億安と2人だけで山分けしようとした)。

 

・何にでも変身できる未起隆の能力を使って露伴にイカサマゲームを持ちかけて金を騙し取ろうとし、そのゲームの最中に(不慮の事故ではありますが)露伴の家が火災になり700万円の損失を与える。

 

・頭のリーゼントを馬鹿にされるとスタンド使いであろうがあるまいがクレイジーダイヤモンドで相手をボコボコにする。

 

など、まだ「隠れてトイレでタバコを吸っていた」の方がマシなくらいのいたずらや悪行をたくさんしています。スタンド使いとの戦いには勝ってはいるものの、普段の行いが悪すぎることが仗助が高評価を得られない原因だと思います。でもルックスはいいので女の子からはモテるみたいですけどね。羨ましい。

仗助の父であるジョセフも若い頃はいたずらさながらのトリックで敵を騙して、最強生物カーズと渡りあったくらいですからね、仗助もその血を受け継いでいると考えればおかしくはない行動ではありますが・・・ジョセフの時とは時代と状況が違いますね。

 

 

億安の方が仲良さそう

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(引用:ジョジョの奇妙な冒険 25巻 集英社文庫204P/荒木飛呂彦)

仗助がいつもつるんでいるのは康一くんと最初は敵スタンド使いだった億安こと「虹村億安」の2人ですね。仗助的に出会ったのは億安より康一くんの方が先なのですが、ストーリー後半に差し掛かると仗助は億安とばかりつるむようになっていきました。

生真面目な康一くんに比べ仗助も億安もどちらかというと不真面目なタイプですから、気があうのでしょうね。また億安もそんなに頭がいいわけではないですし(「俺はよぉ〜、バカだからよぉ〜」という前置きを言いながらめちゃくちゃその場に適した行動をとりますけどね)、仗助同様制服を改造しまくったりしてますから、お勉強などもきちんとする康一くんより仗助とつるんでいた方が楽しいなと感じていそうです。

また3人とも高校生ですから、おそらく作中でも期末試験期間などがあったはず。そうなると真面目な康一くんは家に帰って勉強をしてしまい遊ぶことはできないため、勉強をしなさそうな仗助と億安の2人で遊ぶことが増えたのかもしれませんね。

吉良との最終決戦で仗助は億安を親友と呼んでいましたし、億安も仗助のことはすっかり信用しているみたいでしたので、この2人の結束と吉良戦の勝利はまさにジャンプ作品でいう「努力・友情・勝利」に当てはまると思います。しかし4部以降出番があったのがこの3人の中では康一くんのみ(「岸辺露伴は動かない」には一部億安と仗助も登場していましたが)というのは荒木飛呂彦先生の容赦のなさが見えますね。真面目にやった人にこそチャンスは与えられるべきだということでしょうか・・・荒木先生も康一くん推しなのかな?

 

 

 

実は仗助も認められている

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(引用:ジョジョの奇妙な冒険 29巻 集英社文庫281P/荒木飛呂彦)

露伴は仗助と馬が合わずいつも喧嘩腰で接していますし、承太郎も身内であるためか仗助には厳しく当たる場面が多かったです。命をかけてスタンド使いと戦っていた仗助ですが、表面上は周りのキャラクターからそんなに好かれていない印象を抱いてしまいます。

しかし、多くのキャラクターが仗助に助けられており、仗助がいなければ間違いなく命を落としていた場面もたくさんありましたから、心の底では「仗助は大したやつだ」と認めていると思います。露伴も素直な性格ではないので表には出さないものの仗助の力は認めているでしょうし、承太郎も仗助を認めているからこそより厳しく育てようとしていたのではないかと思います。

仗助がいたずらしたり、仗助自身も感情的になってしまうことがあったのでついつい周囲のキャラクターたちと衝突しがちだったものの、みんな仗助の事を一目置き、高く評価していたはずです。康一くんについても仗助がピンチの時には積極的に協力していたので、仗助には信頼を置き、また仲間として尽力しようとしていたと思います。仗助もそれに気がついていたので、仗助にとっても康一にとっても互いに大切な仲間であるに違いないです。

 

でも

絶対に仗助は康一に由花子とはいえど彼女がいることに嫉妬していたはず!

これは間違いない!