私の名前はジロギン。
先日書いた「マルチ商法と思われる女性とご飯に行った話」の続き。
正確にはネットワークビジネスという類の勧誘を考えている女性だと思うのだが。前回は半信半疑のまま終わってしまったが、今回は本格的に調査報告という形にさせてもらう!
昨夜も前回会った女性と会ってきた。女性というと分かりにくいので。この女性は便宜上「マル子」と呼ぶことにする。「ネト子」でもいいのだが、ちょっと語呂が悪いし、神の名前っぽいからやめておく。マル子も私と同じ社会人だ。
場所は伏せるが、昨夜はマル子と仕事終わりに待ち合わせ。
まずは食事をするために、居酒屋に入った。マル子は学生時代はお酒をよく飲んだそうだが、最近は飲まなくなったそうだ。
私の予想だが、これは嘘だ。最近飲まないのではなく、「今日は」飲まないのだ。
酒が入るとボロが出る可能性がある。だから飲まないのだろう。徹底している。
ならば私も飲むわけにはいかない。これはデートではない。一種の商談だ。商談に酒を飲んで挑むなんて言語道断だし、足元をすくわれる。こちらもマル子の目論見がいまいちわからない状況で迂闊な真似はできない。
もしお酒をそこそこ飲んでいたら、私はマル子に騙されやすくなるのと同時に、
「いい加減ゲロッちまったらどうなんだよぉ〜!?あんたは勧誘目的で近付いてきたんだよなぁ〜?この嘘つき野郎が!!」
と言ってしまいそうで、いろいろ計画が崩れてしまう恐れもある。やはりお酒は控えておくべきだと思い飲まなかった。
社会人が居酒屋で、2人とも酒を飲めるにもかかわらず飲まない・・・まずありえない状況だ。こんな会合、打算があるに決まっている。
マル子の話は相変わらず「今の仕事の不満」「ビジネス」「将来の夢」のことが基本。私も前回の経験を経てマルチについてネットで調べてきたが、セオリー通りのトークだ。何かフォーマットのようなものがあるに違いない。
まだ数回しか会っていない人間の将来の夢になんて興味が湧くわけがない。新築の家にゴキブリが湧くくらいおかしな話だ。
さらにマル子が勧誘目的だということが確定的になったのが、マル子の口から「金持ち父さん 貧乏父さん」という自己啓発本の話題が出たこと。
この本自体が悪い本というわけではないのだが、異常に勧めてくるのもマルチの特徴なのだそうだ。
私は戦いに挑む際の下調べを怠らない。勝率を少しでも高められるよう情報を集め、頭にインプットしておく。そう、私は初めてのゲームでも攻略本を買って、プレイする前に読んでしまうタイプだ。面白みのない性格と思われるかもそしれないが、今回はこの性格が奏功し、マル子の目的に気がつくことができた。
それにデート中の女の子の口からビジネス本や自己啓発本の話題は出てこないだろう・・・多分男性のアレの名称と同じくらい出てこない。
大方確定した。彼女の目的は勧誘!!
今回マル子と会う名目は「会わせたい人がいるので是非会ってほしい」というもの。
これも勧誘のパターン。男女が2人きりでデートしていて「会わせたい人がいる」なんて言って第3者を呼ぶか?いや呼ばない。そんなわけない。そんなことされたら悲しいよ。
しかも今回は、「その会わせたい人が住んでいる部屋に来てほしい」ということだった。なぜ向こうからやって来ないんだ?なぜこっちから出向かなきゃならないんだ?
普通ならばこの時点でやばいと察して適当な理由を付けて断るだろう・・・
しかし私はブロガー!好奇心が先行する!
私はマル子とともにその「会わせたい人」の家に向かった。この人も女性であった。
彼女のことは便宜上「アワ子」と呼ぶことにする。
アワ子も一般の人であろうから詳細は伏せさせてもらうが、アワ子の家はめちゃくちゃ立派なタワーマンション、略してタワマン。アワ子のタワマン。確かにゴージャスだった。凄まじい、家賃はいくらだろうか・・・50万はするだろうなってくらいのマンションだった。これだけは素直に凄いと思った。マンションの質だけは。
おそらく「そのビジネスで成功すればこういうところにも住めるんだよ」ということをアピールしたいのだろう。しかし、ゴキブリを素手で捕まえることができるくらい意識の低い私はこんな立派な場所になど住みたいとは思わない。家賃5万のアパートでいいのだ。残念だが、私にこんな作戦は効果なし。
いざアワ子の部屋へ。アワ子は私よりも少し年上らしいが、何歳かはわからない。謎の雰囲気があった。おそらくアワ子がマル子を何らかのビジネスに勧誘したのだろう。いわゆる「アッパー」という存在だ。
いろいろ話したが、私の家族、友人知人のことはすべて偽名、嘘の話をさせてもらった。そうやすやすと本当のことを喋るわけにはいかない。仕事の商談だって、本当のこと話さないのだから当然だ。
アワ子は確かに仕事ができそうというか、喋り方からして相当優秀な感じがしたが、「一体どんなビジネスでタワマンに住めるほどの収入を得ているのか」までは明かしてくれなかった。これが怪しい。出元のわからない金、実体の知れないビジネスモデル、これでは何を言われても信用ならない。
これでも私は営業マン。相手が物を売りつける、ないしはそれに近い目的で商談を仕掛けてくるのなら、こちらも仕事モードに切り替えれば対応はいくらでもできる。
しかも普段はこちらが提案する側だが、今回はこちらが提案される側。非常に楽だ。これまでに商談してきた相手の中で、「こいつだけはどうしても契約までに到れなかった」という相手の真似をすれば、断るのは容易い。いろんな人間と商談してきた、極端に態度の悪い者、明らかにこちらを見下してくる者、粗探しに必死な者・・・このような人間たちの真似事をすればいいのだ。
場数はそれなりに踏んでいる。ズケズケと心に侵入されはしない。・・・って自信満々なやつほど、ミイラ取りがミイラになるんだよねー。少年漫画にありがちなパターン。
そんな感じで身構えていたが、アワ子と話した時間は本当にわずかだった。特に何か売り付けられたり勧誘されたりすることもなかった。
が、やはり「金持ち父さん」は凄まじいほどに勧められた。そんなにいい本なのか?よくわからないが・・・
もしかしたら、たいして費用のかからない本から買わせ、購買のハードルを下げ、次第に高額な物を買わせるという戦略かもしれない。商売の基本だ。
怪しさ満点であったが、アワ子に
「ジロギン君はスタイルがすごくいいねぇ〜」
と言われたのは素直に嬉しかったぜ・・・おっといけない、いけない、心が傾きかけた。
結局その後、マル子からも勧誘の話はなく、マル子は夜の街に消えていった。
もう一人くらい別のカモを引っ掛けて、アワ子に会わせるのかもしれない。
まだ勧誘されたりしたわけではないが、明らかに怪しい交遊になってきている。
・・・っていうかこれで勧誘に乗っちゃう人いるのかな・・・あからさま過ぎて、バレバレなのだが・・・これで大丈夫なのか?もっと有効な手段はないのかと逆に心配になる。
その後知人に聞いたところ、別の人からまったく同じ手法を仕掛けられたことがあるそうだ。
知人はタワマンから出て、相手との連絡を絶ったそうだが、私と同種の勧誘を受けていたとみて間違いないだろう。
マル子とはまた後日会うことになったが、次あたりから勧誘が本格化しそうな気がする。今は、スポーツジムで言うところの「お試しレッスン」みたいなものだろう。
1人の人と仲良くなって、そこからその人のアッパーの人につながり、さらにそこから他の人ともつながって・・・ってなっていくのだろう。
やはりこれは完全にネットワークビジネスというやつだ。マルチというより、ネットワークビジネスといったほうが正しいだろう。
ネットワークビジネスが悪いとは言わないし、それで幸せになれる人がいるのであればあってもいいとすら思う。でも私には合わないなぁ。目的が違うし。
しかしなんというか、例えば、私が当ブログで「ハンターハンター読んでみて!」と勧めるくらいの感覚で、彼女たちも「金持ち父さん」を進めているのだと思うと、やっていることは同じなのかなぁとも思う。
マル子は早期クロージングではなく、長期フォローを続け、少しずつ心に侵入してくるつもりだろう。少なくともあと2〜3回くらい続きそうだぞ、マル子との関係は・・・長期戦必死!
引き続きこの報告をしていこうと思う。今回の調査報告はここまで!アデュー!