私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

【ジョジョ】死んだはすの川尻早人がバイツァ・ダストの能力で生きたままなのはなぜか?

 

ジョジョ4部のアニメもついに最終回を迎えてしまいました。

ジョジョの中でも好きな部だったので、楽しみが一つ減ってしまい、個人的に残念な気分です。

 

アニメも完結したことですし、ジョジョ4部のネタバレも気にせず考察もしやすくなりました。

ということで今回はジョジョ4部で気になっている部分の考察をしたいと思います。

 

それが何かというと、

4部ラスボス「吉良吉影」のスタンド能力「キラークイーン第3の爆弾バイツァ・ダスト」と、吉良がなりすました川尻浩作の息子・川尻早人との関係の疑問点です。

 

概要を言うと、

吉良は風呂場で早人に自身の正体がばれ、勢い余って早人を殺してしまいます。その際に「時間を1時間巻き戻す能力」であるバイツァ・ダストが発現するのですが、

バイツァ・ダストで時間を戻したとしても運命が変わることはありません。しかし早人は死ぬことなく翌朝を迎えていました。

 

さらにバイツァ・ダストで時間が戻ったことはスタンド能力者である吉良自身もわからないのですが、吉良には早人の死をかき消した記憶がありました。

 

この早人の死がなかったことに関して、バイツァ・ダストについて吉良が言及した能力の内容と異なるのです。その点については原作でも語られることはありませんでした。

ここがとても疑問でした。そこで今回考察したいと思います。

 

 

 

キラークイーン第3の能力「バイツァ・ダスト」とは?

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吉良吉影がスタンド能力を強制的に発現させる「石の矢」に貫かれて発現した能力です。

スタンド使いが石の矢に貫かれると、それまでのスタンド能力に新しい能力が付加されるようです。

 

これによりキラークイーンの能力は

第1の爆弾(触れたものを爆弾に変える)

第2の爆弾「シアーハートアタック」(遠隔で高熱のものを追跡する自動追尾爆弾)

第3の爆弾「バイツァ・ダスト」

の3つになりました。

吉良だけスタンド能力が多いんですよね。基本は1人につき1つの能力のはずですが。

 

バイツァ・ダストの能力は、簡単に言うと先述の通りで、「時間をぶっ飛ばして1時間ほど巻き戻す」能力のなのですが、ただ時間を戻すだけではなく、複雑な発動条件と付属の能力があります。

 

1.バイツァ・ダストは吉良が深く絶望した時のみ発動できる。いつでも繰り返し使える能力ではない。

 

2.バイツァ・ダストはキラークイーン本体を吉良自身から引き離し、スタンド使いではない人間に小さいキラークイーンとして憑依させる(スタンド使いに憑依させられないのは、スタンドは1人1つしかもてないから?)。

憑依させる条件は、吉良吉影の名前など情報を対象者に教え、吉良が対象者に触れること。

 

3.キラークイーンが憑依した対象者は全ての攻撃からキラークイーンが身を守るため、実質不死身になる。

憑依している期間、吉良はキラークイーンの能力を使えない。

 

4.キラークイーンが憑依した対象者に、他の人間が「吉良吉影の情報を訪ねる(スタンド能力で調べたりすることも含まれる)」などして、吉良の情報がばれた時、尋ねた人間をキラークイーンが爆殺し、その時点から1時間ほど時間が巻き戻る。

 

5.バイツァ・ダスト発動中に起きた出来事は時間が戻ったとしても必ず起きる。

そのため1度バイツァ・ダストの能力で死んだ人間は、時間が戻っても必ず爆死する。

キラークイーンを憑依させた対象者から別の者に吉良の情報がばれると、4の要領でまた時間が巻き戻る。

これを、吉良のことを嗅ぎまわる人間がいなくなるまで吉良は繰り返す(予定だった)。

 

6.時間が戻ったことを認識できるのはキラークイーンが憑依した対象者のみ(作中では早人のみ)。

その他の人間、吉良自身ですら時間が戻るまでの間に何があったかわからない(吉良は自分にキラークイーンが付いていないことと、早人の行動から「バイツァ・ダスト発動中で時が巻き戻っていること自体」は認識していました」)。

  

かなり複雑な能力ですが、作中のバイツァ・ダストの説明をまとめるとこんな感じです。

それから川尻早人の説明もしておきます。

 

 

川尻早人とは?

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吉良吉影が殺害し、なりすました川尻浩作の息子です。小学生で、スタンド使いではありません。

母・しのぶが吉良に夢中になる中で(しのぶは吉良だと知らず、浩作の性格が突如変化し、魅力的になったと思っていました)、早人は吉良が本当の父ではないのではないかと怪しんでいました。

 

小学生なのに両親の部屋に監視カメラと盗聴器をつけて監視していたり、スタンドが見えないにもかかわらず仗助と吉良のスタンドバトルを把握していたり、攻略不可能のう無敵の能力であるはずのバイツァ・ダストを打ち破るなど、ただ者ではない小学生です。

 

事前情報としてはこんなところで十分かと。それでは考察してみます。

 

 

 

バイツァ・ダスト発動時の状況

 吉良がバイツァ・ダスト発現前後の状況をまとめます。

吉良は川尻浩作として生きるために自身の殺人衝動を抑えて生きてきたものの、我慢できなくなり、電車で遭遇したカップルを爆殺したところから始まります。

 

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吉良は、その光景を早人にビデオカメラで撮影され、風呂場で証拠をばらされたくなければ隼人としのぶに手を出さないよう吉良は脅されました。

このことに頭にきた吉良は早人を爆殺してしまいます。

 

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その頃、ちょうど岸辺露伴たちが川尻浩作について調べ始めていたところでした。吉良が早人を殺害してしまったタイミングは最悪だったのです。

息子が死んだとなれば川尻浩作、つまり吉良吉影本人への疑惑が強まってしまいます(おそらくこの時点でバイツァ・ダストが発現していなければ吉良は露伴のスタンド能力「ヘブンズ・ドアー」で調べられ、正体がばれていたでしょう)。

 

早人が死亡した事実をもみ消したくて絶望した吉良に石の矢が反応し、吉良を自動で貫き、バイツァ・ダストが発現。

時が巻き戻り、早人の死がなくなり、早人は生きたままになりました。

 

ついでに吉良の髪型が変わりました。能力が発現して変わったのかと思っていましたが、アニメだと自分で髪の色染めてましたね。

吉良は目立たないように生きてきたはずですが、自分のことを探る人間、つまり仗助たちをバイツァ・ダストで始末できるので、勝利の余裕から目立つようにしたのかもしれません。

 

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バイツァ・ダストの疑問点

 バイツァ・ダストは先述の5の条件

 

5.バイツァ・ダスト発動中に起きた出来事は時間が戻ったとしても必ず起きる。

 

の通りで、起きてしまった運命を変えることはできません。

ということは早人の死もバイツァ・ダストで変えることはできないはずなのでは・・・?

 

さらに、バイツァ・ダストの発動には、4の条件

 

4.キラークイーンが憑依した対象者に、他の人間が「吉良吉影の情報を訪ねる(スタンド能力で調べたりすることも含まれる)」などして、吉良の情報がばれた時、尋ねた人間をキラークイーンが爆殺し、その時点から1時間ほど時間が巻き戻る。

 

キラークイーンを憑依した対象に、別の人間が吉良について探りを入れなければ発動しないはず。

しかし、早人を殺害した時点では、吉良以外には吉良の親父しかいませんでしたから、誰かが吉良の情報を探るなんてこともありません。

でもバイツァ・ダストは発動しました。

 

また6の条件

 

6.時間が戻ったことを認識できるのはキラークイーンが憑依した対象者のみ(今回の場合早人のみ)。その他の人間、吉良自身ですら時間が戻るまでの間に何があったかわからない。

 

があるにもかかわらず吉良自身もバイツァ・ダストの能力を把握していることから、早人殺害から1時間戻った時点で記憶があったものと考えられます。

吉良も記憶がなくなっていたら、バイツァ・ダストの能力を把握できないはず。

 

吉良が風呂場でバイツァ・ダスト発現直後に使った時の能力内容は、本来のバイツァ・ダストとは異なる条件、能力のような気がします。

でもこれらの辻褄を合わせられるような気がしないでもなかったので、考えてみました。

 

 

 

死んだはずの早人が生きたままのはなぜ?

 揚げ足取りのような感じなのですが、バイツァ・ダストの能力をよく読むと、「バイツァ・ダストの発動中に起きた出来事は、時間が巻き戻っても必ず起きる」んですよね。

 

早人が吉良によって爆殺された時は、バイツァ・ダストの能力は存在すらしていませんでした。ということは、

「早人の死はバイツァ・ダスト発動中に起きたことではない」ので、必ず起きるわけではないのです。バイツァ・ダストの能力の範囲外になるのです。

お風呂で吉良と早人が遭遇することすらも避けられたかもしれません。

 

しかし、1回目のバイツァ・ダスト発動後も早人の発言から吉良と早人との風呂場のやり取りはあった模様。

 

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吉良はあえて自分の正体を早人にばらし、バイツァ・ダスト発動条件を満たしたようですが、早人は殺さなかった。だとしたら、吉良自身に「風呂場で早人を殺さないようにしよう」と考えていたということです。

そのことからすると、前述の通り吉良自身に時間が戻った認識があったということになりますよね。

 

少し話が飛びますが、救急隊員の女性にバイツァ・ダストを発動した後のことを思い出してみましょう。

吉良はバイツァ・ダスト発動後(本当は発動していませんでしたが)

「フハハハハハハ、戻ったぞ!」

 

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と発言しています。

このことから、「バイツァ・ダスト初回発動時は吉良自身に記憶は残る」ということだと推測できます。これは、初回から吉良の気起きが失われてしまっては、吉良自身能力の把握ができないためだと思われます(ただ、救急隊員の時にバイツァ・ダストは発動していなかったので、吉良自身が発動したと勘違いして細かい能力の制約に気がついていなかっただけの可能性もあります)。

 

そして救急隊員にバイツァ・ダストを発動すべくキラークイーンを憑依させた後、吉良は自分で爆弾の起爆スイッチを押してバイツァ・ダストを発動させようとしていました。

 

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バイツァ・ダスト発動には、憑依された対象に別の人間が吉良について探りを入れなければならないはずが、救急隊員には吉良以外誰も話しかけてすらいません。

 

このことからは

「バイツァ・ダスト初回発動は吉良の意思で行えるorバイツァ・ダスト発動後は吉良の任意のタイミングで時を巻き戻すことが可能」

と考えられます。

 

 

まとめるとバイツァ・ダストの能力にはもう一つ、7つ目の条件の項目を増やす必要がありそうですね。私の推測ではありますが、

 

7.バイツァ・ダストを初回発動時は吉良の任意のタイミングで起爆ボタンを押し、時を巻き戻すことが可能。また初回巻き戻し時には吉良の記憶は残ったまま。

 

 

 

まとめ

以上のことから、吉良と早人の風呂場での流れはバイツァ・ダスト発動後、このような流れになったと思われます

 

吉良、早人を爆殺。絶望からバイツァ・ダストの能力を得る。

吉良は自身の情報を持つ早人(死体)にキラークイーンを憑依。吉良自身が7の条件でバイツァ・ダストを発動して時を1時間巻き戻す。

吉良は時が巻き戻る前の記憶があるので、風呂場でのやり取りは繰り返したものの、早人は殺さなかった(もともと早人殺害はバイツァ・ダスト発動時間外の出来事であったため、避けることができた)。

早人は死亡せず、バイツァ・ダストの能力が継続

 

この理屈が通れば、早人がバイツァ・ダストで時間が巻き戻っても死ななかったことになります。

 

 

しかしジョジョのスタンド能力に関しては何かと変化しがちです。

荒木先生もいろいろ辻褄を合わせようとして考えているのでしょうが、よく読んでみると「ん?これはどういうことだ?」と疑問に思うシーンがたくさんあります。

 

バイツァ・ダストも「なんでこんなにややこしい能力にしたんだ?」と思うくらい難しい能力ですね。

荒木先生自身「どうやって吉良を倒す流れにしようか・・・」と悩んでしまったというエピソードがあるくらいです。

 

文章でバイツァ・ダストの能力を伝えるのは難しいなぁ・・・なんとか汲み取っていただけると幸いです。

ジョジョ4部を一気読みすればもっとよくわかります!