サクッと決まるかと思ったが、これが難航。
お昼過ぎから探して、プレゼントが決まったのが夜の8時過ぎだった。
すっかり夜ご飯の時間になってしまったため、どこかお店を探していた。
そんな中見つけたのがとある「パスタ屋さん」。同僚の一人が以前行ったことがあるらしく、なかなか美味しかったとのことだった。
私は無類のパスタ好き、「スパゲッティのジロギン」と呼ぶ者も少なくないほどのパスタ大好き人間。いや、人間なのか否か、私はパスタの星からやってきた、パスタ星人なのかもしれない、というくらいパスタが好きだ。
そういうこともあり、是非ともこのお店にしようということで、お店に入った。
店内は静かで、パスタのお店だけあり、イタリアのような様相をしていた。
だがそんなことは私にとってどうだって良い…
パスタ、パスタを食わせてくれ!という精神状態だった。プレゼントを探して歩き続けたので、死ぬほどお腹も空いていた。
私が特に好きなパスタは「明太子パスタ」3食明太子パスタでも問題ない。
もちろん注文した。しかも量は大盛、より上の特盛600g!
同僚の1人はは
「食べられるの?」
と半信半疑。
「舐めてもらっちゃ困るよ。私は明太子パスタなら命が尽きるまで食べ続けることが出来るのだからね」
私は自信満々にそう言い放つ。
言葉通り、余裕だろうと思っていた。
明太子パスタが到着。
あれ?思っていたよりすごい多い。
そして一口食べた瞬間理解した。
これ、食べ切れないや…
食べども食べども減らないパスタ。
むしろ増えてる気がした。
店員が目に見えない速度で、わんこそばのようにパスタを継ぎ足してるんじゃないかと疑いたくなるほどだ。
同僚が
「いや食べられないんでしょ?無茶したでしょ?」
と聞く。
「このペースが大事なんだよね。量が多いものほどゆっくり食べるんだよゆっくり。長距離走を全速力で走る人はいないでしょ?それと同じ。」
私は誤魔化す。まぁ何とか誤魔化せた。が、同僚2名はすでに食べ終わりそうだ。残されたのは満腹に近い私と、まだ半分以上ある明太子パスタのみ。
己との戦い。ここで残すというのは己に負けたということだと自分に言い聞かせ、食べる。
しかし苦しいことには変わらない。
もう食べたくないという気持ちが私を襲う。
男が女がという考えは好きではないが、女の人たちが完食している傍らで男の私が残しているという構図はやはり格好悪い。
それにあれだけ自信満々に言っておいて「食べられないから残してもいいかな?」とは言えない。しかし、念のため食べられなかった時の予防線を張っておく必要はあった。
「あー、味にね、味に飽きてきちゃったよね。今までたくさん明太子パスタ食べてきたからかな?味に飽きちゃったよ。退屈。明太子パスタ退屈だわぁ〜。退屈が人間の一番の敵だよ。まだ全然お腹空いてるんだけどなぁ。」
あくまで味に飽きてきただけで、お腹いっぱいではないという予防線。
素晴らしい作戦だと思ったが、同僚2名はあまり聞いてない。くそッ!大切なところだというのに!
結局40〜50分かかって私はパスタを完食した。残さなかったのは本当に褒めて欲しい。そして私は最後に一言言い放った。
「全然大丈夫だったよ。お店のルールで特盛までしかなかったから注文できないけど、あの倍は食べられたよ。残念♧」
弱みは見せず、強さを口ずさむ。
It's my life.