ハンターハンターに登場する幻影旅団。
幻影旅団は常時13人のメンバーで構成されています。
もともとは団長のクロロを筆頭に、流星街出身者で結成されていましたが、途中から参入したメンバーも多数います(コルトピやボノレノフなど)。
幻影旅団のメンバーは、上限は13人までのようですが、以下2つの方法でメンバーが入れ替わります。
・クロロが新しいメンバーを勧誘する
・入団志望者が在団員を殺す
「クロロが新しいメンバーを勧誘する」のはメンバーが死ぬあるいは脱退するなどして欠員が出た場合。
作中ではカルトがヒソカの抜け番として入団していました。
「入団志望者が在団員を殺す」というルールに関しては、作中でヒソカがこのルールで旅団に入った以外に描写がありませんでした。
(引用:HUNTER×HUNTER 9巻94P/冨樫義博)
ただ、クラピカと旅団の関係性を考えると、この「入団志望者が在団員を殺すと入れ替わり」ルールには謎が残るんですよね。
この謎について考察したいと思います。
- クラピカが所属するマフィアを攻撃した幻影旅団
- クロロはクラピカを仲間にしかった?
- クラピカは入団志望者ではなかったから例外?
- 時間制限がある?
- 手順は「クロロに申告→戦闘」?
- クラピカの目的判明したから仲間にしなかった?
- まとめ
クラピカが所属するマフィアを攻撃した幻影旅団
作中で、マフィアに所属したクラピカは、単独で幻影旅団員のウボォーギンを殺害しました。ウボォーギンがクラピカによって殺されたことはすぐに旅団も把握し、クラピカ及びクラピカが所属するマフィアへ報復を仕掛けました。
しかし「入団志望者が在団員を殺したら入れ替わり」のルールが旅団にある以上、クラピカがウボォーギン殺害を理由に入団してくる可能性だってあったと言えます。
そのクラピカが所属しているマフィアを攻撃してしまったら、クラピカを殺してしまう可能性がありますよね。
旅団内で定められたルールは絶対です(団員同士のマジギレ禁止、揉めたらコイントスで決める、生かすべきは旅団全体など)。
だとしたら在団員を殺したら入れ替わりのルールについても守らなければならないと思います。
そのルールを無視してクラピカを殺しかねない行動に出た旅団・・・この点が大きな謎なんですよね。
クロロはクラピカを仲間にしかった?
ウボォーギンの死を悟った旅団は、クロロの指示でメンバーが二人一組に分かれてクラピカを探し始めました。
作中ではノブナガとマチのペアの動きが描かれましたが、その時にマチは「クロロはクラピカを仲間にしたがっている」と推測していたんですよね。
それ以降もマチの勘や予想はよく当たるとノブナガ、クロロが認めていることからも、このマチの勘は概ね正しかったと思います。
(引用:HUNTER×HUNTER 10巻109P/冨樫義博)
クロロがクラピカを探すように指示した理由は不明で、考えらえるものとしたら
・マチの予想通りクラピカを仲間にしたかった
・クロロが直接クラピカを殺したかった
・クラピカの能力を盗みたかった
・クラピカからマフィアの情報を聞き出したかった
この4つだと思います。
クロロは仲間想いではありますが、固執している感じはないので直接クラピカを殺そうなどとは思ってなかったと思います。マフィアを攻撃したのち、クラピカを殺そうとせずすぐにヨークシンから去ろうとしていたことからも。
マフィアの情報を聞き出すにも、クラピカがノストラード組の構成員であることは旅団もわかっていましたし、ノストラード組がそれほど大きくない組織であることも承知していました。そのため、ただの構成員であるクラピカから情報を聞き出せることも期待していなかったと思います。
残るは「仲間にしたかった」「能力を盗みたかった」の2つ。
どちらにしてもクロロが直接クラピカと面会する必要があります。
この2つが目的なら、クロロがクラピカを探させた理由もわかります(旅団のルールではただ「探してこい」という命令の範囲内では生死は問わないみたいですが)。
クラピカの能力が戦闘に絶対的な自信を持つウボォーギンを殺せるほどのならば、もしクロロに盗めるものならば盗み、盗めなければクラピカを仲間にしようとしていたのではないでしょうか。
クラピカは入団志望者ではなかったから例外?
ウボォーギンを殺したクラピカですが、クラピカは旅団に入団する意思は全くありませんでした。
ルールでは在団員を殺して入団できるのは、「入団志望者」です。ヒソカはクロロと戦う機会をうかがうために入団志望者として前任者を殺したようですが、クラピカは違います。ですのでルールの適応外となったのかもしれません。
でもクラピカが入団志望かどうかの意思確認をしていませんでしたからね。
マフィアに攻撃し、報復するのは尚早だった気がします。
それか、入団志望の場合は、在団員と戦う前にクロロに事前申告がいるのかもしれませんね。「入団したいから、誰かと戦わせてくれ〜」って感じで。
それで在団員が了承した場合のみ、ルールが適応されると。
でもこれだと、戦いにおいてはルール無用で残虐な旅団にしては、逃げ腰なルール設定だとも思えますので、考えにくい気がします。
時間制限がある?
クラピカがウボォーギンを殺害し、旅団がマフィアに攻撃を仕掛けるまでの間は、だいたい1日ほど経っています。
クラピカがウボォーギンを殺した翌日、ゴンとキルアが値札競売市に行ったり、旅団に捕まったりし、その晩に旅団がマフィアを攻撃しています。
入団志望者が在団員を殺害後、例えば
「24時間以内に入団志望の意思表明をしなかった場合、入団の権利がなくなる」
といった条件があるかもしれませんね。
でも、旅団は何年もの間捕まらずに逃げ続けており、クロロの行方は超粘着質なストーカーであるヒソカですらつかめないほどです。
それでもヒソカは入団できたみたいですが、もし在団員を殺せても、旅団のメンバーを決める権利を持つクロロのもとに24時間以内にたどり着くのが無理ゲーでしょうね。
時間制限があるとしたら、「在団員を殺したら交代」ルールはあってないようなものだと思います。
手順は「クロロに申告→戦闘」?
もし入団までに時間制限があるのだとしたら、手順としては
まずクロロをなんとかして見つけて、仲間になりたい意思を申告
↓
その後クロロが指名した旅団メンバーと戦う
という流れを踏むしかない気がします。クロロを探すのは難しすぎますからね。
ヒソカもこの手順で入団したのかもしれません。
ただ、そもそもこのルール自体、ヒソカがクラピカに「とりあえず旅団の概要説明だけしとくね」程度に話したルールですので、その他に様々な条件があった可能性は大いにあります。
任務を優先したのでクラピカは例外?
クラピカの件については、旅団もいつもと状況が違ったと思うんですよね。
旅団はマフィアのオークションを狙い、出展されるお宝を盗むつもりでした。ただ、陰獣やクラピカとあれやこれや戦っている間にオークションの開催日時になってしまったわけです。
制限時間があったのは旅団の方だと思います。最優先なのはクラピカを仲間にすることではなくオークションのお宝を盗むことでした。
そのため、マフィアに対してはウボォーギンの報復にかかわらず攻撃を仕掛けなければならなかったはずです。
任務のついでにウボォーギンの報復をしただけで、クラピカもろとも殺そうというよりは、ただ任務を優先しただけだと考えられます。
個人的にはこの理由が一番しっくりきます。
顔も名前もわからないクラピカを、マフィアごと攻撃するローラー作戦で殺すことが目的だったのではなく、どのみちマフィアと交戦することになるのであれば、ウボォーギンの報復もやっておこう的な感じではないかと。
もしマフィア攻撃中にクラピカを見つけた場合、できればクロロのもとに連れてくるような指示は継続中だったこともありえます(でも生死は問わないので、殺しちゃったら仕方なし)。
クラピカを殺したがっていたのはノブナガくらいで、他の団員はマフィアに攻撃時点でもう報復は終わりにしようとしていたので、やはり任務を優先したのだと思います。
クラピカの目的判明したから仲間にしなかった?
クロロはクラピカが、過去に旅団が滅ぼしたクルタ族の一員で、旅団抹殺を狙っていることに気がつきました。
旅団の存続が一番の目的である以上、クラピカを仲間にすることは絶対にしてはならないことです。
クラピカがただの入団志望者だったならば、マフィア襲撃後もクラピカを仲間に受け入れることはしたと思います(ノブナガはブチギレそうですが)。
しかし、クラピカの危険性を考えると、潰しておいたほうがいいとクロロも判断したわけですね。
マフィアとのドンパチが目立ってしまった以上、クロロは居場所がバレないよう早めにヨークシンを去りたかったでしょうが、「天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)」の占いで旅団がクラピカに殺される占いが出た以上(本当はヒソカが捏造した占いをクロロが信じてしまっただけで、ヨークシン去るべきでした)、クラピカの始末を優先したのでしょう。
まとめ
だいぶ長くなってしまいましたが、ここまでの考察を私なりにまとめます。
「入団志望者が在団員を殺したら入れ替わり」というルールは、おそらくクロロへの事前申告の必要も制限時間も、本来ないと思います。
クラピカがこのルールに適応されずに旅団に狙われたのは、
・旅団の目的であったマフィア主催のオークションのお宝を盗むまでの時間が短かったこと
・わがままなノブナガがウボォーギンと仲が良く、仇を取りたがったこと
・クラピカが旅団の抹殺を狙っていたこと
が主な理由となり、仲間にするのではなく始末するべきだと判断されたためだ思います。
もしクラピカが旅団の抹殺などを掲げておらず、普通の入団志望者だとしたら、クロロは仲間に招き入れた可能性もあったということです。
クラピカは旅団との接触を狙っていたわけですので、ヒソカのように身分や目的を隠して旅団に入ってしまった方が、全滅のために動きやすかったと思います。
クラピカがそうしなかったのは、プライドが許さなかったためでしょうね。
仲間を殺した集団に嘘とはいえ入るのは嫌だったのでしょう。
クラピカのケースは例外で、本当の入団志望者の場合、在団員を倒して時点で入団する資格が与えられると考えていいのではないかと思います。
まぁその描写もなかったので、100%そうとも言い切れませんが。
とか言っておいて旅団が
「はいお前俺たちの仲間殺したー!報復にお前殺すー!」
って感じで、ルールを無視して入団志望者を叩き潰していたとしたら・・・ちょっと残念ですね。