あまり言及してこなかったかと思いますが、ハンターハンターでわたしが最も好きな念能力、というより欲しい念能力は、
天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)
です!
ネオン=ノストラードの持つ特質系の念能力。
占いの念能力で、占う相手の名前(ペンネームなどでも可)、生年月日、血液型がわかれば、念の力で、その人に今月起こる出来事を、4行詩という詩の形で占うことができます。
4行1段落で、4〜5段落の詩となり、各段落がその週に起こることを表しているので、4〜5週分、すなわち最長1ヶ月先までを占うことができます。
予言は紙に書き起こされ、100%当たります。
そのため、逆にその占い結果に反する行動を取れば100%当たらないということで、ノストラードファミリーは、ラブリーゴーストライターの力で他のマフィアなどに占い結果を売り、巨額の利益を得ていたようです。
占っているネオン本人の意思で書いているわけではなく、腕だけが動く(念で出来た天使か悪魔かよくわからない念獣がネオンの手を動かして占いを書く)ので、ネオンには占いの内容はわかりません。
また「占い結果は見ない方が当たる気がする」というネオン自身のジンクスから、ネオンは占い結果を知ることはありません。もしかしたらこれは制約と誓約なのかも?ラブリーゴーストライターはネオンが修行して身につけた能力ではなく、先天的に発現したと見られる能力なので、無意識に誓約をかけていたのかもしれませんね。
ラブリーゴーストライターはクロロに念能力ごと奪われ、クロロが団員の占いをした後は登場していません。ネオンに返ったのか、まだクロロが保有しているのかも不明です。
ちなみに自分を占うことは出来ません。
近しい人を占って、自分に関連する出来事などがあれば、そこから占い結果を推測するしかないですね。
自分のことまで占えたら最高なんですけど、そこら辺は念能力らしく制限があって然りですね。
これまで書いたハンターハンターの記事は、どちらかというと「戦闘」に関する内容が多かったですので、私の欲しい念能力とかも「ジャジャン拳」とか、「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」とかだとお思いかもしれませんが、日常生活で念能力を駆使するなら、明らかにこういうサポート系の能力の方が使い勝手良さそうですよね!戦闘向きの能力って日常生活でいつ使えばいいんだ…?
私もラブリーゴーストライターでボロ儲けしたいなぁ。1〜2年あれば一生分稼げてもおかしくないのでは?笑
是非とも欲しいラブリーゴーストライター。
しかし大きな問題が!!!
ラブリーゴーストライターによる占いは、詩の形で表現されます。ですので「暗喩」が多い!
特定の個人名や場所名、出来事などをストレートに表現してくれないので、ラブリーゴーストライターの占い結果を正しく判断するためには
めちゃくちゃ高い読解力
が必要なのです!
…ない…僕にそんな読解力ないよぉ〜!!!
国語は「なんとなくこれが正解だろ?」とか、「いつも喋ってる言葉なんだし、勉強しなくても余裕でしょ!」とか考えてたから、絶対に占い結果を正しく読み取ることが出来ないでしょう!!
ここにきてツケが回ってくるとは…ってなるでしょうね。
例えば占いはこんな感じで示されます。
これはクロロがネオンに占ってもらった結果です。
大切な暦が一部欠けて
遺された月達は盛大に葬うだろう
喪服の楽団が奏でる旋律で
霜月は高く穏やかに運ばれていく
菊が葉もろとも涸れ落ちて
血塗られた緋の目の地に臥す傍で
それでも貴方の優位は揺るがない
残る手足が半分になろうとも
幕間劇に興じよう
新たに仲間を探すのもいいだろう
向かうなら東がいい
きっと待ち人に会えるから
作中ではこのように表現されました。
うーん、わからん!
これだけではわからん!
全てを正確に訳すことは難しいですが、
めちゃくちゃ頭のキレるクロロは、この詩を意訳しました。各ワードはだいたいこんな感じの意味です。
・大切な暦=ウボォーギン
・遺された月達=残りの旅団
・喪服の楽団が奏でる旋律=マフィアの戦闘音
・霜月=ウボォーギン(旅団No.11で霜月は11月のこと)
・菊=菊月(旅団No.9でおそらくシャルナークかパクノダ)
・葉=葉月(旅団No.8でシズク。シズクはヒソカと同じく新入りで、フェイタンの「4番と8番が変わった」との発言と、ヒソカは自らNo.4と名乗ったため、No.8はシズク。)
・涸れる=水無月(旅団No.6でシャルナークかパクノダ)また涸れる=死ぬの意味もある
・緋の目=クラピカ
・残る手足=死を逃れた旅団
・向かうなら東がいい=グリードアイランドの方にむかうといいよ
・待ち人=除念師=アベンガネ
という意味合いがありますので、
意訳すると、
旅団大切なメンバーウボォーギンが死んで、旅団達はマフィアと戦争を起こし、その戦闘音をレクイエムにNo.11のウボォーギンは天に昇るよ。
No.9、No.8、No.6が死ぬけど、クラピカは血まみれでぶっ倒れてるからクロロは有利なままだよ。旅団はメンバーが半分になるけどね。
クラピカとの戦いは終わりにして、
新しい仲間を探すのもいいかも。
グリードアイランドに行ってごらん。
たぶん除念師のアベンガネがいるから、クラピカの念は除念してもらえるよ。
という意味です。
すごいですねクロロ。この占いについてはクラピカが血まみれになる、旅団が半分なる、意外はクロロの訳通りに進みました。
さすが切れ者のクロロさんです。
しかし、3週目の予言に関してはかなり先だったので、どういう意味か読みきれなかったようです。クロロといえど全部を把握することは難しいということでしょうね。
他にもこんな占いが。
ノブナガの占い結果
大切な暦が一部欠けて
遺された月達は盛大に葬うだろう
加わり損ねた睦月は一人で
霜月の影を追い続ける
菊が葉もろとも涸れ落ちて
血塗られた緋の目の地に臥す傍で
それでも蜘蛛は止まらない
残る手足が半分になろうとも
クロロの占いとかぶるワードがありますが、
新しく出てきたワードの意味としては
・加わり損ねた睦月=マフィアとの戦争に入れなかった旅団No.1のノブナガさん
・霜月の影を追い続ける=ウボォーギンの復讐のためにクラピカを追い続ける
・蜘蛛は止まらない=旅団は行動をやめない
というところですね。意訳すると
旅団の大切なメンバーのウボォーギンが死んで、遺された旅団はマフィアと戦争を起こして弔うよ。
戦争に入れてもらえなかったノブナガさんは、一人でウボォーギンの復讐のためにクラピカを追い続けちゃう。
No.9、No.8、No.6が死んで、クラピカが血まみれで倒れてるけど、旅団は行動をやめない。
メンバー半分になるけどね。
予言通りノブナガはマフィアとの戦争には参加できず、クラピカに固執します。
そしておそらくノブナガの詩は2段落までしかないので、3週目は死んでいる可能性が高いです。
シズクの占い結果
大切な暦が一部欠けて
遺された月達は盛大に葬うだろう
貴方はなかまとともに墓標に血をそえる
霜月が寂しくないようにと
黒い商品ばかりの収納場で
貴方は永い眠りを強いられる
何よりも孤独を恐れなさい
2人きり程怖いものはないのだから
新しく出てきたワードの訳は
・墓標に血をそえる=コルトピの能力で作った死体の偽物で死んだフリをすること
・黒い商品=不明です。おそらくこの占いは回避している可能性が高いです。
・収納場=これも不明です。
・永い眠り=死
・2人きり=旅団を狙うクラピカと2人きりになる、または裏切り者のヒソカの可能性もあります。
で訳すと
ウボォーギンが死んで旅団みんなで弔うよ。
ウボォーギンが寂しくないように貴方は死んだフリをするね。
黒い商品ばかりの収納場で貴方は死ぬよ。
仲間と離れないようにしよう。
2人きりになったら死ぬからね。
という感じ。
シズクはストーリー的に2週目の予言を何らかのきっかけで避けている可能性が高いです。
でも黒い商品と収納場がわからなかったのが悔しい…クロロみたいに頭良くなりたい…
ヒソカの占い結果(本物)
ヒソカはドッキリテクスチャーで改竄した偽の占いもありますが、まずは本物から
赤目の客が貴方の店を訪れる
半身は天使で半身は死神
月達の秘密を売るといいだろう
霜月のそれが特に喜ばれるはずだ
暑い日に件の客の仲介で
逆十字の男と2人きりになれるだろう
偽りの卯月は暦からはがされる
これで残りは6枚となる
Newワードの意味は
・赤目の客=クラピカ
・半身は死神で半身は天使=明確ではないですが、クラピカが旅団への復讐心と仲間を危険に合わせたくないという葛藤を抱えていること?
・秘密=念能力
・件の客=クラピカ
・逆十字の男=クロロ
・卯月=4月で旅団No.4のヒソカ
・はがされる=旅団を抜ける
・6枚となる=旅団メンバーが6人になる
では訳します。
クラピカが貴方のところに来るよ。
旅団への復讐心と仲間を危険にさらしたくないという気持ちで揺れているけど、旅団の念能力を教えてあげるといいよ。ウボォーギンの能力が特に喜ばれる。
暑い日にクラピカによってクロロと2人きりになれるよ。裏切り者のヒソカは旅団を抜けて、旅団メンバーは6人になる。
2週目までしかないので、この場でヒソカはクロロと戦っても死んでいたかもしれませんね。
結局2人きりにはなれましたが、戦うことはありませんでした。
もしかしたら続きの詩もあったのかもしれませんが、作中では2週目までしか明らかになっていません。
そしてこれがヒソカが改竄した詩
赤目の客が貴方の店を訪れて
貴方に物々交換を持ちかける
客は掟の剣を貴方に差し出して
月達の秘密を攫って行くだろう
11本足の蜘蛛が懐郷病に罹り
さらに5本の足を失うだろう
仮宿から出てはいけない
貴方もその足の1本なのだから
クロロや旅団メンバーで割と訳してくれてますが、念のためワードの訳と意訳を
・物々交換=情報交換、おそらくクラピカの能力と旅団メンバーの能力
・掟の剣=ジャッジメントチェーン
・差し出して=情報提供するという意味(だと思われますが、クロロは「剣を刺す」と意味がかかっていると判断し、ヒソカにジャッジメントチェーンが刺さっているとも考えました)
・懐郷病=ホームシックのことで、旅団が本拠地に帰ること
・仮宿=今いる仮のアジト
クラピカが貴方のところに来て
情報交換をしようと言ってくるよ。
クラピカはジャッジメントチェーンのことを教えて、チェーンを刺して旅団の念能力の情報を奪っていくよ。
死んだウボォーギン以外の残された旅団メンバーが本拠地に帰りたがるけど、帰ったら5人死ぬ。
今の仮のアジトから出てはいけません。
貴方も死ぬ5人のうちの1人だからね。
この占いとヒソカの発言を受けて、クロロは
「クラピカが最低でも2つ以上の能力を持っている(ウボォーギンを捕まえたチェーンジェイルとヒソカの言動を縛るジャッジメントチェーン)」
「ジャッジメントチェーンが相手に何らかのルールを定める念能力」
「ヒソカの体内にはジャッジメントチェーンが埋まっている(物々交換なのに攫っていくのは矛盾しているから、ヒソカはすでに攻撃されていることと、先述の「差し出しす」と「刺し出す」から推測)」
と推察しました。実際には、ヒソカの体内には何も刺さっていなかったのですが、結果的にクロロはジャッジメントチェーンがクラピカの見ていない遠隔でも使え、強制力の強い=死ぬレベルの強力な能力であることを推測できました。
さらにジャッジメントチェーンが刺さってるヒソカは死ぬ確率が高いので、
仮宿から出てはいけない→旅団半壊を防げる
という占いの信ぴょう性を高め、クロロにはヨークシンに残る判断をさせ、
ヒソカとしてはクラピカを利用してクロロとサシで戦えるチャンスも得られると考えてこの詩を書きました。
ヒソカが本物の占い結果を渡されて、この作戦を練り、さらに嘘の詩を考えるまでの時間はおそらく1分足らずですよ。
ヒソカの戦略もさることながら、瞬時に詩を考えるポエマーとしての力もすごい!!
その他の団員の結果
パクノダの占い結果
暗くてわずかに光る明るい日
貴方は狭い個室で2択を迫られる
誇りか裏切りしか答えはないだろう
死神が貴方の側に佇む限り
短いのは、おそらくこの詩は2週目のもので、1週目はクロロやノブナガ、シズクとほぼ同じのためだと思われます。
Newワードの訳は
・暗くてわずかに光る明るい日=この予言の日は雨が降っている日ですが、意訳としては「クラピカに追い詰められて悪い状況ではあるが、助かるための光明がわずかに残されている」と訳してもいいかもしれません。
・狭い個室=パクノダの頭の中か飛行船の中のことですが、両方ですかね。パクノダは前者だと思っていましたが。
・誇り=旅団のルール。クロロが死んでも別の誰かを団長として旅団全体を活かすことを選ぶこと。
・裏切り=旅団のルールを無視してクラピカの言う通りに行動すること。
・死神=ゴンとキルア
意訳すると
クラピカに追い詰められて悪い状況だけど、クロロが助かる方法もある状況で、
貴方は頭の中(飛行船の中)で2択を迫られるよ。
旅団のルールに則ってクロロを犠牲にしてでも全員でクラピカを始末しに行くか、ルールを無視してクラピカの言う通りに動き、クロロを助けるかの2択しかないよ。
ゴンとキルアが旅団の人質になっている限りはね。
クラピカはクロロを人質に取れたものの、自分のミスからゴンとキルアが旅団の人質になってしまったことで、クロロを殺すことよりも取引でゴンとキルアを救うことを選びます。
クロロはそんなクラピカの心情を見抜いて、旅団のルール通り自分を犠牲にしてでもクラピカを全員で殺しに来るよう願います(上手くすればクロロも無事に助け出せ、クラピカを始末できたかもしれません)。
しかしクロロが思っている以上に旅団メンバーはクロロ大好き派が多く(基本みんな好きなんですけど)、ルール最優先派と大揉め。
結局パクノダはクロロ大好き派だったので真っ先にクラピカの指示に従い、ゴン、キルアとクロロの交換に乗り出しました。
旅団側にゴンとキルアがいる以上、クラピカは交渉をやめません。クロロが攫われ、ゴンとキルアが逃げれば、間違いなく旅団はクロロ奪還に全員で向かいましたが、ゴンとキルアが人質となったことで、パクノダは厄介な交渉をしなければならなくなりました。
苦労人のパクノダさん。
シャルナークの占い結果
電話をかけてはいけない
一番大事な時につながらないから
電話に出るのも進めない
3回に1度は死神につながるから
正直に言うと、このシャルナークの訳が難しい…というより、作中で描写がないかもしれません。
電話というのはシャルナークが念能力と併用している携帯電話のことだと思います。
確かにクラピカとの交渉の際はシャルナークの電話を使っていましたが、シャルナークは電話をかけていませんし、出てもいません。
死神というのもクラピカのことなのか、それとも別の人なのかわかりません。
もしかしたら、シャルナークが電話に出なかったことで占い結果が変わったのかも。
このときクラピカからの電話に出たのはフィンクスでした。占い結果からシャルナークは電話を使うことをクロロから禁止されていて、代わりにフィンクスが出たことで占い結果が変わったと考えられます。
こんな感じで、ラブリーゴーストライターの詩は訳すのが難しいです。
しかも未来に起こることを詩にしているので、訳し方を確認することも出来ません。
クロロ並みのずば抜けた読解力が必要です。
日頃からネオンのラブリーゴーストライターで予言してもらっていたであろうマフィアンコミュニティも、オークションに出品される品物を「旅団が」奪いに来ることまでは読みきれず、あまりにもお粗末な対策しか出来ていませんでした(大勢が犠牲になりましたが、一応、陰獣のフクロウが肝心の品物は輸送してその場にはありませんでした)。
やはり正確にラブリーゴーストライターを訳して未来を把握するということはかなり難しいのでしょうね。
便利なようでちょっと厄介な能力ですね。
もっと「今日の星座占い!」的な、朝のニュース番組くらいのノリで占えたらいいですね。
「当たるも八卦当たらぬも八卦」が占いの根本にはありますから、それを軽く凌駕するラブリーゴーストライターにはそれなりの使い勝手の悪さも用意されているということですね。
100%未来がわかるというのも、楽しみが減ってちょっと寂しいですけどね。
わからないから面白いというのも人生なのかもしれません。
こちらの記事もどうぞ!!!