私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

【ハンターハンター】クラピカ「荒野がいいな。お前の断末魔はうるさそうだ」【SS】

※ 注意:ファンによる二次創作です。原作の設定と異なる部分があります。

 

 

9月2日 ヨークシンシティ 

あるホテルの一室で向かい合うクラピカとウボォーギン

 

ウボォーギン
「一人か……感心だな。どこで死ぬ?好きなところで殺してやるよ」

 

クラピカ
「人に迷惑がかからない荒野がいいな。お前の断末魔はうるさそうだ」

 

ウボォーギン
「なら車を出そう。オレは身長的に電車に乗れねーからな。
適当にそこらへんの車をかっぱらってくるぜ。車種の希望はあるか?せっかくならベンツに乗って……」

 

クラピカ
「いや、私の組の車を使う。そして運転も私がやる。お前、酒を飲んでいるだろう?」

 

ウボォーギン
「あ?……まぁそうだが」

 

クラピカ
「飲酒運転はダメだ。事故を起こし、民間人を巻き込む可能性がある」

 

ウボォーギン
「法律を守るマフィアか、珍しいもの見たぜ。お前もオレと同じ無法者だろ?」

 

クラピカ
「確かにそうだな。しかし、少なくとも私は、無用な違法行為をして目立ちたがるお前たちとは違う」

 

ウボォーギン
「口の減らねぇ野郎だ……オレとレスバしたいわけじゃねぇだろ?さっさと車を出せよ」

 

人骨

車に乗り、荒野へ向かうクラピカとウボォーギン

クラピカが運転し、ウボォーギンが後部座席に座っている

 

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クラピカ
「……」

 

ウボォーギン
「……」

 

クラピカ
「……」

 

ウボォーギン
「……(気まずいな)」

 

クラピカ
「……」

 

ウボォーギン
「(街外れの荒野まで行くとなると、30分はかかるか。なんか会話しねーと、この空気感だけで死んじまいそうになる……地獄のように長いドライブだ)」

 

クラピカ
「……さっきから何をソワソワしている?」

 

ウボォーギン
「(うわっ!話しかけてきた!どうするか…あまりナメられたくないしな。返答に気をつけねぇと)」

 

クラピカ
「なんだ?トイレにでも行きたいのか?あとでたっぷりできるぞ。地獄の血の池の中でな」

 

ウボォーギン
「そんな考え方するなんて……もしかしてお前、風呂の中でオシッコするタイプか?
こう見えてもオレはキレイ好きでな。トイレ以外でしないと決めてるんだ」

 

クラピカ
「では何だ?用がないなら、ただまっすぐ前を向いていろ」

 

ウボォーギン
「(チッ、ムカつくぜ。ここでカマしとかねーと、こいつのペースになっちまう)」

 

クラピカ
「……」

 

ウボォーギン
「へい、ヨークシンでうまいラーメン屋を知らねぇか?テメーを殺した後、ラーメン食いたくてな。
できれば、テメーの人骨で出汁をとってくれるラーメン屋だと、死体処理もできてありがてぇんだが(どうだ?この挑発。ブルって声も出ねーだろ?)」

 

クラピカ
「知らんな。私は数日前にヨークシンに来たばかりだ。
少なくとも、持ち込んだ人骨で出汁をとってくれる店はないだろう。その店にはその店のレシピがあって、客の要求でそれを変えることはない。至極当然のことだ」

 

ウボォーギン
「……そ、そうだな(こいつオレの挑発が効いてねぇ……いや、挑発されていると気づいてねぇのか?)」

 

飲酒

クラピカ
「……」

 

ウボォーギン
「(また沈黙か……沈黙好きなやつだぜ。この空気、何とかしねーとな。そうだ!酒だ!もっと酒を飲んでオレのテンションを上げれば、コイツとの会話も弾むだろう)」

 

ビールの缶を開け、喉を鳴らしながら一気に飲み干すウボォーギン

 

クラピカ
「……酒臭いな。これまでに何杯飲んだ?」

 

ウボォーギン
「さぁな、数えてねぇ。オレが今まで殺してきた人間の数と同じようにな」

 

クラピカ
「……酒というのは、うまいのか?私は酒を飲める年齢ではないのでな」

 

ウボォーギン
「(おっ!話題に乗ってきた!酒に興味があるのか……少し掘り下げてみるか)見た感じかなり若いと思っていたが、未成年か。
オレはうまいと感じるが、人それぞれだな。酒の種類によっても好き嫌いが分かれる」

 

クラピカ
「なるほどな。蜘蛛でも飲み会はするのか?」

 

ウボォーギン
「(おお!いい感じだ!もっと話そうぜ!この空気にビッグバンインパクトかまそうぜ!)ああ、やるぜ。仕事が終わった後はだいたいやってるな」

 

クラピカ
「そうか。蜘蛛で一番酒が強いのは誰だ?」

 

ウボォーギン
「(よし!もっと来い!もっと聞いて来い!)一番はオレじゃねーか?フランクリンやフィンクスも結構飲むけどな。あとマチとパクノダ、ノブナガもそこそこ飲むタイプだ。逆にコルトピやボノレノフはほとんど飲まねぇ」

 

クラピカ
「そうか、蜘蛛にはフランクリン、フィンクス、マチ、パクノダ、ノブナガ、コルトピ、ボノレノフという団員がいるのか。いい情報を聞いた」

 

ウボォーギン
「(クソッ!うっかり喋っちまった!このガキィィィィ!)」

 

勝負

車で移動を続けるクラピカとウボォーギン

 

クラピカ
「……」

 

ウボォーギン
「(景気良く飲みすぎたか、判断能力が鈍っちまってる。これ以上話すと、蜘蛛の情報を漏らしかねん。やはり沈黙は金か)」

 

クラピカ
「そういえば、何故ずっと酒を飲んでいる」

 

ウボォーギン
「(なんでオレが話したくないときに限って話しかけてくるんだコイツは……全然気が合いそうにねぇ)またオレから情報を聞き出そうとしてんだろ?そうはいかねーぜ」

 

クラピカ
「いや、単純な興味だ。戦いを前にして酒を飲むのは、お前にとって不利になるだろう」

 

ウボォーギン
「(……まぁこれくらいなら話しても問題ないか)テメーも見てただろ?陰獣って連中と戦った時、体にヒルの卵を産み付けられちまってな。孵化する前に、全部尿で出さないと死ぬらしい」

 

クラピカ
「なるほどな。だが、お前が手負いだからと言って、手加減するつもりはない」

 

ウボォーギン
「へっ、勘違いすんな。こちとら、酒を飲んでようが、ヒルに卵を産み付けられてようが、テメーには負ける気がしねぇぜ。
勝負が始まったら手を抜くんじゃねぇぞ。殺し甲斐がねぇからな」

 

クラピカ
「……お前の方こそ勘違いしているようだから教えておこう。勝負はすでに始まっている」

 

ウボォーギン
「はぁ?何を言ってやが……(うっ……気持ち悪い……)ちょ、ちょっと……車を停めてくれ」

 

クラピカ
「どうした?遺言書でも書くつもりか?なら5分だけ時間をくれてやろう」

 

車を停めるクラピカ

勢いよく車を降りるウボォーギン

 

ウボォーギン
「オボロッシャァァァァァァァァァァ」

 

近くの草むらで勢いよく嘔吐するウボォーギン

 

ウボォーギン
「あの野郎……わざと荒い運転してやがったな……酒だけでなく車酔いまでさせてオレを弱らせるつもりだったか。
何が『勝負はすでに始まっている』だ!ただの小細工じゃねぇか!」

 

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趣味

車の後部座席に戻ってきたウボォーギン

 

クラピカ
「どうやら戻していたようだな。すまない、私はペーパードライバーで、運転に慣れていないのだ」

 

ウボォーギン
「白々しい……とにかく出せ。少し休憩する」

 

車の運転を再開するクラピカ

 

クラピカ
「さっきまで強気だったが……だいぶ調子が悪そうだな。大丈夫か?薬局にでも寄って行こうか?」

 

ウボォーギン
「余計なお世話だ……薬局なんて行こうもんなら、今度は毒を盛られかねん。とにかくまっすぐ荒野へ向かえ」

 

クラピカ
「随分偉そうな物言いだな」

 

車を走らせること十数分

 

ウボォーギン
「(酔いがだいぶ覚めてきたぜ。バカめ、作戦が裏目に出たな。オレに嘔吐させずもっと酒を飲ませていれば、楽に戦えたというのに)」

 

クラピカ
「……」

 

ウボォーギン
「(このまま弱っていると思わせるのもいいが、それじゃオレの流儀に反する。コイツにナメられっぱなしじゃ、蜘蛛の特攻の名が廃るぜ!もっと余裕ぶってやる!)」

 

クラピカ
「もうすぐだ」

 

ウボォーギン
「早くしてくれよ。明日の朝『プリキュア』を見るんだからな。さっさとお前を始末して、早く寝てぇんだ」

 

クラピカ
「『プリキュア』……お前も見ているのか?」

 

ウボォーギン
「あ?そうだが……もしかしてお前」

 

クラピカ
「私もプリキュアは毎週見ている。放送の時間は仕事をしていることが多いので、録画したものを見ているが」

 

ウボォーギン
「おいおいマジかよ!それを早く言えよ〜!同じ趣味を持ってるやつだったなんてな!」

 

クラピカ
「お前の第一印象から『プリキュア』が好きなんて予想できるわけないだろう」

 

ウボォーギン
「いいよなぁ『プリキュア』。女の子が近接戦闘してるのが萌えるんだよ!『プリキュア』見るたびに、オレも『もっと強くなりてぇ!』って思うんだよな!」

 

クラピカ
「私は操作系なのだが、元々は強化系を希望していた。それはもしかしたら『プリキュア』が影響していたのかもしれないな」

 

ウボォーギン
「そうかそうか!やっぱり強化系っていいだろう!?」

 

クラピカ
「お前は見るからに強化系の戦い方をしていたな。羨ましい限りだ」

 

ウボォーギン
「(なんて、このオレがただ『プリキュア』の話なんてすると思ったか。お前は今、自分の念系統を『操作系』と言ったな。これはいい情報だ)」

 

クラピカ
「いくら希望を言ったところで、生まれ持った系統は変えられない。配られたカードで勝負するしかないのだと割り切ってはいるが……」

 

ウボォーギン
「(前に捕まった時、コイツの操る鎖がでかく強力になってオレは失神させられた。このことから、コイツの能力は操作系か具現化系だと思っていたが……自ら明かしてくれるとはな。
コイツと戦うときは、鎖の動きにさえ気を配っていれば問題ない)」

 

捕獲

荒野に到着

車を降りるクラピカとウボォーギン

 

ウボォーギン
「後半はえらく話が盛り上がっちまったが、ここからは真剣勝負、いや殺し合いだ。
正直、趣味の合う奴とはやりづらいんだが、お前が決闘を望む以上、容赦はしねぇ」

 

クラピカ
「私も同じ気持ちだ。もう少しお前と『プリキュア』の話をしてもいいと思ったが、こちらにも事情がある。これ以上馴れ合うつもりはない」

 

睨み合う両者

 

ウボォーギン
「っとその前に、ちょっと小便させてくれねーか?そろそろヒルの卵が出そうなんだ」

 

クラピカ
「……私に見えないよう、岩陰で隠れてしてこい」

 

ウボォーギン
「なんだよ、男同士なんだから恥ずかしがんなよ〜」

 

クラピカ
「早くしてこい!これは車内を盛り上げてくれたお前に対する唯一の容赦だ。
それと……カマをかけたり、わざと車酔いさせたりしてすまなかった」

 

ウボォーギン
「お前……へっ、気にしてねーよ。とにかくお互いイーブンの状態でやり合おうぜ」

 

 

その後、クラピカとウボォーギンの死闘が行われた。

クラピカが「隠」で見えなくしていた「束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)」で拘束されたウボォーギン

 

クラピカ
「この鎖は念能力でオーラを具現化したもの!したがって『隠』で見えなくすることも可能!」

 

ウボォーギン
「お前が普段から鎖を具現化していたのは……『本物の鎖』に見せかけるため!」

 

クラピカ
「その通りだ。『実在する鎖を操る』操作系能力者を装っておけば、敵は見える鎖にだけ注意を払うだろう?
それが今まさに証明された。お前がつまらん強がりを言いかけた時、すでに鎖はお前の体を覆っていたのだよ」

 

ウボォーギン
「じゃあ、車内で『プリキュア』の話をしていた時、自分の系統を操作系と言っていたのも、オレを罠にはめるため……?」

 

クラピカ
「言ったはずだ。勝負はすでに始まっていると」

 

鎖が完全にウボォーギンの体を縛り上げる

 

ウボォーギン
「チクショォォォォ!重要な情報を得たと思ったのに!そこそこ仲良くなれたと思ったのにィィィィィッ!!」

 

クラピカ
「捕獲完了」

 

 

この話は、ファンが考えた妄想ストーリーです。ハンターハンター原作とは一切関係ありません。