私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、ウォーキング(散歩)の記録などを書いている趣味ブログです!

【ハンターハンター】蚯蚓「息子が職場を見学したいだって!?」【SS】

 ヨークシンシティ とあるエリア

そこに一軒の幸せそうな家庭があった

 

蚯蚓
「ちょっと待ってろよ、お父さんが獲ってきてやるからな!」

 

息子
「わーい!やったー!」

 

自宅の庭の地中に潜り込む蚯蚓

1分後、地中から出てきた蚯蚓の手には、たくさんのミミズが握られていた

 

蚯蚓
「ほ〜ら、すごいだろ!これがミミズだ!一見気持ち悪いが、ミミズの糞は肥料になる。植物がすくすく育つための手助けをしてるんだぞ」

 

息子
「へぇ!そうなんだ!ミミズってすごい生き物なんだね!」

 

蚯蚓
「(オレは蚯蚓。マフィアンコミュニティーを統べる十老頭直属の実行部隊『陰獣』の一人。もちろん、蚯蚓という名前はコードネームだ。
闇の仕事に就くオレではあるが、学生時代から付き合ってきた妻と、8歳になる息子がいて、休日は良き父として生活している。
家族に仕事のことは話していない。ある企業でサラリーマンとして働いていることになっている)」

 

息子
「ミミズもすごいけど、お父さんもすごいよ!ボク、大きくなったらお父さんみたいな念能力者になる!」

 

蚯蚓
「そうか!それは楽しみだなぁ!もう少し大きくなったら、念を教えてやるからな」

 

息子を抱き上げる蚯蚓

 

蚯蚓
「(オレみたいな念能力者になる、か……嬉しい反面、オレを目指して欲しくないという気持ちもある。なぜなら……)」

 

 

〜蚯蚓の回想〜

マフィアンコミュニティーの対立組織と、荒野で戦う陰獣

 

病犬
「蚯蚓!地中から攻めろ!」

 

敵対マフィア数十人を生き埋めにする蚯蚓

戦闘が終わり、地中から這い出てきた蚯蚓の姿は海パン一丁

 


「やるなぁ蚯蚓。ほとんど1人でやっちまうとは」

 

蚯蚓
「こんな雑魚ども、オレだけで十分だ」

 

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病犬
「言うこともやることもかっこいいんだけどな……」

 

豪猪
「その姿で戦うのはかっこ悪いんだな、うん」

 

蚯蚓
「仕方ねぇだろ!地中を水のように泳ぐイメージを強めるためには、海パンが必要なんだ」

 

病犬
「ま、せいぜい身内に見られないようにな。制約だからって、海パンで戦ってちゃ格好つかねぇだろ」

 


「おいおいお前ら、そう言ってやるなよ」

 

〜蚯蚓の回想終了〜

 

 

蚯蚓
「(オレを目指すと言うことは、息子も海パン一丁で発動する念を身につけるということ……いやダメだダメだ。バカにされてしまう。念を教えるときは、他の能力にさせないとな)」

 

見学

家の中から蚯蚓の妻が現れる

ごく普通のお母さんという雰囲気

 


「もうあなたったら、また土に潜ったの?そんなに服汚して!洗濯するのは私なんですからね!」

 

蚯蚓
「ああ……ゴメンゴメン。この服はオレが自分で洗うよ」

 


「もう、これからは海パンで潜って欲しいところだわ!」

 

蚯蚓
「ギクギクギクーーーッ!」

 

息子
「?」

 


「何よそのリアクション……冗談よ。それより、お父さんにあのこと伝えた?」

 

息子
「そうだった!ボク、お父さんにお願いがあって!」

 

蚯蚓
「なんだ?」

 

息子
「学校の宿題で、お父さんかお母さんの仕事について作文を書くことになったんだ!
だからお父さんの仕事を見学したいんだよ!」

 

蚯蚓
「え……お父さんの仕事を……?お母さんのじゃダメか?」

 


「私は専業主婦だから、宿題の趣旨とちょっと違うみたいなのよね。いわゆる職業としての仕事をまとめるんですって」

 

息子
「いい?パパ?」

 

蚯蚓
「(ま、マズイぞ……家族にオレの仕事がバレてしまう……それだけじゃなく、オレが海パンで戦っていることもバレる……
もしそれを息子が作文にして、学校で発表しようものなら……)」

 

 

〜蚯蚓の妄想〜

 

息子の教室

自分の席で作文を読む息子

 

息子
「ボクのお父さんの仕事は、マフィアンコミュニティーの実行部隊「陰獣』として、海パン姿で戦うことです」

 

クラスの男子A
「え〜!?海パン!?なにそれ!」

 

クラスの男子B
「先生〜!息子くんのお父さんは変態なんですか〜?」

 

クラスメイト全員
「ギャハハハハハ!」

 

息子
「………」

 

〜蚯蚓の妄想終了〜

 

 

蚯蚓
「(オレが辱めを受けるだけでなく、息子まで笑われてしまいかねない……)」

 


「どうなの?あなた?」

 

蚯蚓
「えっ、あっ、ちょっと職場の人たちに聞いてみないとだな……少し時間をくれないか?」

 

息子
「ありがとう!お願いね、お父さん」

 

蚯蚓
「お、おう……」

 

相談

翌日

マフィアンコミュニティー本拠地のビル

 

ある会議室に集まった陰獣10名

定例の会議が行われている

 

病犬
「じゃあ会議を始めるが……正直、話すこと何もねーんだなこれが。特に報告や相談がなければ終わりにしようと思うんだが、どうだ?」

 

蚯蚓が手を上げる

 

蚯蚓
「みんなに相談というか……お願いがある。次の任務の時、服を着て戦わせてほしい!」

 

病犬
「……はぁ?いや別に、好きにすりゃ良くね?」

 

豪猪
「わざわざ会議で相談することでもないんだな、うん」

 

蚯蚓
「でも、服を着れば制約がなくなって能力の精度が落ちるのは確かだ……その結果、みんなを危険にさらすこともあるかと思ってな」

 

机をドンッと叩き立ち上がる蛭

そして蚯蚓に詰め寄る

 


「おい蚯蚓!寝ぼけたこと言ってるんじゃねぇぞ!お前、自分の制約を恥ずかしいと思ってるのか?」

 

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病犬
「蛭、どうした?突然熱くなりやがって。いつも以上に汗かいてんじゃねぇか」

 


「こいつの考え方が許せないんだ!自分の戦い方に誇りを持てないで、なにがマフィアンコミュニティー最強の陰獣だ!自分の戦い方を信じられないやつに勝機はない!」

 

豪猪
「蛭……」

 

蚯蚓
「でも……」

 

病犬
「蛭がキレてる理由はよくわからないが、言っていることは間違っていないかもな。
というより、オレたちが蚯蚓の海パン姿をバカにしたことにも非がある。追い詰めてしまっていたなら謝るぜ」

 

豪猪
「確かに、海パンで仕事をすること自体は普通なんだな、うん。水泳選手やライフセーバーは、海パンこそが作業着なんだな、うんうん」

 


「何があったか詮索するつもりはない!だがな、自分の姿を恥ずかしがっているお前の気持ち自体が恥ずかしいんだってことは、理解しろよ!蚯蚓!」

 

蚯蚓
「……」

 

病犬
「(やっぱちょっと何言ってるのかわからないな)」

 

相談②

帰宅した蚯蚓

 


「あら、今日はだいぶ早いじゃない?まだ16時よ、どうしたの?」

 

蚯蚓
「今日は早退させてもらった。息子はまだ帰ってきてないか?」

 


「一度帰ってきて、塾へ行ったわ。多分帰ってくるのは18時くらいになるんじゃないかしら」

 

蚯蚓
「そうか、ならいいんだ……ちょっとお前に話がある」

 


「?」

 

リビングの椅子に座る蚯蚓と妻

 

蚯蚓
「仕事のことでな……お前たちにずっと隠してたことがあるんだ」

 


「どういうこと?」

 

蚯蚓
「……ずっとオレの仕事は企業の経理だって伝えてきただろう。あれはウソなんだ。本当は……マフィアなんだ」

 


「マフィア……」

 

蚯蚓
「しかも、実行部隊『陰獣』っていう、組織に敵対する連中と前線で戦うチームに所属している。命を落とすの危険も何度もあった」

 


「なるほど。それで、息子に職場見学をお願いされた時にしどろもどろになっていたのね。見せたくなかったから」

 

蚯蚓
「しかもオレは……オレは……海パン姿で戦っている。そんな父の姿を年頃の息子が見たらどう思うか……作文にまとめて、学校で発表したらどうなるか……
今まで隠していて悪かった。本当に申し訳ない……」

 


「……私が気づいていないと思った?」

 

蚯蚓
「え?」

 


「あなたと何年一緒にいると思ってるのよ。とっくに気づいてたわ」

 

蚯蚓
「なんで……?」

 


「だって、休みの日も電話で『いんじゅう』がどうのこうの言ってたし。洗濯物に海パンが何枚も出してあったし。全部知ってるのよ、あなたのこと」

 

蚯蚓
「そうだったのか……」

 


「でも私ね、そんなあなたの仕事をダメだなんて全然思わない。
確かにマフィアの仕事は褒められたものではないかもしれないわ。でも、あなたが自分の力を発揮して、しっかり働いているのであれば、その仕事を止める権利は誰にもない」

 

蚯蚓
「でも息子は……」

 


「職業に貴賎はないの。どんな仕事をしていても、一生懸命働いている父の姿はカッコ良く見えるものなのよ」

 

蚯蚓
「お前……じゃあ海パン一丁で仕事しているのはどう思う?」

 


「私はあなたの妻。私以上に、あなたの裸体を愛している人間はいないわ」

 

蚯蚓
「(あ……ありがとう……ありがとう……)」

 

蚯蚓のケータイが鳴った

 

父親

帰宅する息子

 

息子
「ただいま!」

 


「おかえり!」

 

蚯蚓
「おかえり!塾、終わったか?」

 

スーツ姿で玄関から出ようとする蚯蚓

 

息子
「うん!っていうか、パパどこか出かけるの?今から仕事?」

 

蚯蚓
「ああ、ちょっとな。帰りは明日の朝になるかもしれない」

 

息子
「じゃあボクも行っていい?見学したいんだ!」

 

蚯蚓
「……ああ、いいぞ。だが、お父さんの仕事は少し危ないからな。離れて見てろよ」

 


「私と一緒に行きましょう。それなら安心でしょ?」

 

息子
「うん!ありがとうお父さん、お母さん」

 

車に乗って現地に向かう蚯蚓一家

 

〜 数時間後〜

 

ゴルドー砂漠方面の荒野に到着

そこでは、幻影旅団員・ウボォーギンとマフィアンコミュニティーとの戦いが行われていた

 

蚯蚓
「いいか、絶対に近づくんじゃないぞ。双眼鏡を使って遠くから見てるんだ」

 

息子
「わかった!」

 


「あなた…気をつけて、頑張ってきてね」

 

蚯蚓
「ああ!」

 

車を降りて土に潜る蚯蚓

 

蚯蚓
「(もうオレは迷わない。自分の仕事に自信を持つ。オレを支えてくれる家族のため、仲間のために全力で戦う……そう、海パン一丁で!」

 

蚯蚓は着ていたスーツを脱いだ

 

 

荒野の一角

ノストラード組の面々が、ウボォーギンの戦いを見ている

 

センリツ
「心音が……いつの間にか1つ増えているわ」

 

地中から蚯蚓が姿を表す

 

蚯蚓
「オレは陰獣の蚯蚓。お前らどこの組のもんだ?」

 

ダルツォルネ
「ノストラードさんに雇われているものだ」

 

蚯蚓
「(息子と妻が見ている…登場シーンはカッコつけておくか)……なるほど、少しは念が使えるようだがやめておきな……(決まった!)」

 

他の陰獣たちが暗闇から現れる

 

病犬
「あいつら、ただのコソ泥じゃない」

 

豪猪
「殺しが生活の一部になってるな。いわば殺しのプロだな、うんうん」

 


「餅は餅屋」

 

病犬
「オレたちに任せときな」

 

陰獣たちが揃う様子を、遠くで見学している妻と息子

 

息子
「お母さん……なんでお父さんだけ海パンなの!?他の人はちゃんと服着てるよ!なんでなの!?そういう癖があるの!?」

 


「あれがお父さんの一張羅、いや、戦いに挑むための鎧よ!本当に強い男はね、身を守る鎧は最低限でいいの!
あれこそ、自分の息子を守る父という名の海パンなのよ!よく見ておきなさい!」

 

息子
「………」

 

ウボォーギンの元へ向かう4人

 

病犬
「昼間とは雰囲気が全然違うな、蚯蚓よ」

 

豪猪
「自信に満ちているな、うん」

 


「待っていたぞ、本気になったお前を」

 

蚯蚓
「すまなかったなお前たち。オレが地中から先手を打つ、お前たちは地上から攻撃しろ!」

 

勇姿

ウボォーギンに接近する病犬、豪猪、蛭

 

ウボォーギン
「陰獣か。競売品をどこにやった?」

 

病犬
「警備と客をどうした?」

 

ウボォーギン
「殺した。競売品は?言わねーと……」

 

ウボォーギンの背後から現れた蚯蚓

拳でウボォーギンの顔を殴りつける

 

その様子を眺める息子と妻

 

息子
「すげー!お父さん!相手に一発お見舞いした!」

 


「私も初めて見たわ、あんなバイオレンスなお父さん!家では虫一匹殺さない気弱な男だけど、仕事となると別人なのね!」

 

しかし、殴ったはずの蚯蚓の指はボキボキに折れ曲がっている

 

ウボォーギン
「効いたぜ」

 

蚯蚓の顔を殴り返すウボォーギン

蚯蚓の顔は一発で変形してしまう

 

息子
「やられたぁぁぁ!お父さんやられたぁぁぁ!全然強くないの!?もしかしてお父さん、全然強くないの!?」

 


「ほら!お父さん、肌が柔らかいから!柔肌だから!ちょっと刺激を与えただけで、形が変わっちゃうのよ!
でも柔らかいからすぐ戻るわよ!心配ないわよ!」

 

息子
「いやでも……目玉飛び出てたよ?柔肌が解決してくれる怪我のレベルじゃなくない?」

 

殴られた直後、ウボォーギンの腕を掴み、地中に潜る蚯蚓

ウボォーギンの片腕を地中に引きずり込む

 

蚯蚓
「(ここからがオレの真骨頂だ!よく見ておけよ、息子、妻!これがお父さんの仕事だ!)くくく、もう逃げられねぇ……さぁ選びな……地中でオレに殺されるか!?地上で3人に殺されるか!!」

 

息子
「出たぁぁぁ!お父さんのあの技!技名知らないけど、いつもと比較にならないほど速く潜ったよ!」

 


「お父さん、本気ね……真剣なあの人、久しぶりに見たわ。なんだか、出会ったばかりの頃を思い出す……初デートも土の中だった……」

 

ウボォーギン
「馬鹿が!逃げられねーのはテメェだ!超破壊拳(ビッグバンインパクト)!!!」

 

ウボォーギンの拳で地面が吹き飛び、巨大なクレーターができた

 

息子
「……死んだよね……アレ、お父さん完全に死んだよね?粉々になったよね?分子レベルで破壊されたよね?」

 


「……あれは……助かってないかもしれないわ」

 

息子
「同僚の人たちも全然気に留めてなさそうだよ。なんか『ヤツは四天王の中で最弱』みたいなテンションで、お父さんの死をスルーしちゃってるよ」

 


「……いい?あれがお父さんの仕事よ。どう思った?」

 

息子
「海パン一丁で、勢いよく殴りかかったのにカウンター食らって、念能力も効かなくて、最後は粉々にされて……でも、カッコよかった」

 


「(あなた……あなたの勇姿、ちゃんとこの子に伝わったわよ)」

 

その後、他3人の陰獣もウボォーギンによって殺された

 

蚯蚓
「……ってうぉおおい!オレはまだ死んでない……最後まで陰獣として、父として、仕事を果たすんだ……」

 

ケータイで電話をかける蚯蚓

 

蚯蚓
「……そう…蜘蛛だ……残り……全員でか……からねぇと……危ねぇ……ぞ」

 

蚯蚓は生き絶えた

しかし、蚯蚓の最後の健闘も虚しく、陰獣は全滅した

 

継承

〜10年後〜

 

新たなるマフィアンコミュニティーの体制が整いつつあった

十老頭の新メンバーが、暗い会議室に集合している

 

十老頭A
「かつて、幻影旅団に壊滅寸前まで追い込まれた我がコミュニティー」

 

十老頭B
「完全に機能を失っていた期間もあったが、ようやく再建の目処が立ちそうだ」

 

十老頭C
「我々十老頭だけでなく、陰獣も復興すべきという意見が、コミュニティーの各所から挙がっている」

 

十老頭D
「陰獣の新メンバーも選出せねばな。前任者よりも強い人材が望ましい」

 

十老頭E
「……私の方は、すでに一人候補が決まっている。本人もかなり前向きでな。異論がなければ、話を進めたい」

 

十老頭F
「ほう……どんなやつだ?」

 

十老頭E
「今日ここに連れてきている……入れ」

 

会議室の扉が開き、暗い部屋に光が射す

そこには海パン一丁の男が立っていた

 

十老頭G
「名前は……?」

 

息子
「オレは蚯蚓……2代目蚯蚓だ!!!」

 

 

この話は、ファンが考えた妄想ストーリーです。ハンターハンター原作とは一切関係ありません。