私の名前はジロギン。
ネットで噂の心霊スポットを尋ねる幽霊ハンター活動。
前回は、頂上で人のうめき声が聞こえるなどの噂がある「東京都立戸山公園・箱根山」に行った。
第2回となる今回は、日本三大怨霊に数えられる「平将門(たいらのまさかど)」をまつる首塚に足を運んでみた。
高層ビルが立ち並ぶオフィス街に、異様な雰囲気を放ちながら建つ将門の首塚。
一体どんな場所なのか調査した。その一部始終をここにまとめる。
「平将門の首塚」の伝説
まず、平将門と首塚の伝説について簡単にお話ししたい(諸説あり)。
平将門とは、平安時代中期を生きた関東地方の豪族(大きな勢力を持つ一族)である。
当時の朝廷と敵対していた将門は、大きな反乱を起こしたが討ち取られ、その首は平安京(現在の京都府京都市あたり)に運ばれた。
将門の首が都大路でさらされて3日がたった頃、首はひとりでに浮かび上がり、東の方へと飛んで行った。
やがて将門の首は落下したが、その場所は様々な伝承があり、将門の首をまつる塚が各地に存在している。
その中でもっとも有名なのが、今回私が訪れた東京都「大手町」駅近くにある首塚なのである。
首塚にまつわる噂・怪事件
将門は、強い怨念をもつ「日本三大怨霊」に数えられる(平将門、崇徳天皇、菅原道真の3人が日本三大怨霊)。
悲運な死を迎えた将門の怨念は、長い時間が経ってもなお影響を及ぼしている。
大正時代に発生した関東大震災の後、現在将門の首塚が建っている場所に大蔵省の仮庁舎が建てられた。
建設後、役人の病気や怪我、さらには不審死が続出したとされている。
また、第二次世界大戦後、将門の首塚のある地域はGHQによる区画整理の対象となった。
この工事中にも事故が発生し、犠牲者が出たそうだ。
このような出来事が続いた結果、将門の首塚は今でも撤去されることなく同じ場所に建ち続けているとのこと。
さらに「将門の首塚に触れると祟られる」などの噂もあるようで、おふざけは決して許されないスポットであることがわかる。
洒落にならないスポットじゃないか…
将門の首塚に行ってみた
平将門の首塚があるのは、東京「大手町」駅のすぐ近く。
駅構内を歩き、C6a出口の階段を上り地上へ出る。
すると…
道の向かい側に見える、これが将門の首塚だ。
周囲は高層ビルが並ぶオフィス街。
首塚が建っている環境としては「異様」と言えるだろう。
数十メートル離れていてもかなりの怖さを感じる…気がする。
今回も前回同様、ボディガードたちと調査隊を組んで訪れた。
日本三大怨霊に数えられる平将門。もし何かあれば、私だけで対処するのは難しいだろう。
何においても命が第一!いざという時に犠牲になってくれるボディーガードたちは欠かせないのだ。
将門の首塚はパワースポット?
将門の首塚はただの心霊スポットではない様子。
そう感じた理由は、将門の首塚への案内看板が道端に建っているからだ。
いわく付きのスポットにわざわざ看板を立てて道案内する必要はないはず。
では、なぜこのような看板が立っているのだろうか?
調べたところ、将門の首塚はパワースポットとしても有名な場所。
お参りを目的にやってくる人も多いそうだ。
私たちが訪れた日も、数組のグループがお参りに来ていた。
「日本三大怨霊」なんて物騒な言葉を聞いていたから構えてしまったが、杞憂だったようである。
しかしまだ油断はできない。『凝』を怠るなよ
大きな首塚
「将門塚」というのが正式な名前なのだろうか。
だとしたら、ブログに書くときは「将門塚」とするべきか…?だが、SEO的には「将門の首塚」の方が検索に引っかかりやすそうではある…
そんな気持ちを胸に、将門の首塚に足を踏み入れる。
将門の首塚は、過去に何度か整備されているとのこと。
心霊スポット云々はさておき、将門の首塚は歴史が刻まれている場所である。
それを守るために整備してくれている人がいるので、訪れる際は決して荒らさないようにしたい。
敷地内には、将門の首塚や平将門についての説明書きもちらほら。
ネットで調べるよりも正確な将門の情報が読める場所でもある。
入口から数メートルほど歩くと、見えてくるのが将門の首塚だ。
人ひとりのお墓と考えると非常に大きい。
イタズラ防止のガラス板が人工的な感じを出しているものの、実際に近づくとなかなか雰囲気がある。
ふざけて何かしてやろうなんて気は全く起きない。
そんなことをしたらバチが当たる気配は、霊感ゼロの私にも感じ取れた。
将門の首塚にお願いをしてみる
将門の首塚はオフィス街にあることから、仕事に関するお願いをする人がよく来るそうだ。
彼らの願いとして多いのが「会社をクビになりませんように」というものだと聞く。
首塚だけに。
決して冗談を言ったわけではない。
不景気が続き、暗いニュースも多い昨今。
「会社をクビになるくらいなら、文字通り首を切られる方がマシだ」と考える人も少なくないだろう。
もちろん私も他人事ではない。
最近仕事でうまくいかないことがあり、自分の将来を心配していたところだ。
と、祈りを捧げてきた。
大量のカエルの置物
大きな首塚ばかりに気を取られてしまうが、塚の周りにも注目したい。
そこにあったのは…
大量のカエルの置物が並べられていた。
明らかに誰かが意図的に置いたものである。
よく見ると、「ケロちゃんコロちゃん」の姿も。
将門の首塚とカエルの置物…
一体どんな関係があるというのだろうか。
後日調査したところ、諸説あるようだが「帰る(カエル)」という言葉にかけているとのこと。
将門の首は、関東から京都に運ばれ、その後また関東へ戻ってきた。
この伝承から「手元から離れたお金やいなくなった人が帰ってくる」という意味でカエルの置物を置いているのだそうだ。
いろんな人たちの思いが、このカエル一体一体に込められているのかもしれない。
首塚を訪れた後の不可解な出来事
そのほかにもいくつか写真を撮ったが、不思議なものが写ることはなかった。
嫌な気配や怪現象もなかったのは、平将門に敬意を払えていたからだろうか。
無事に調査を終え、我々は祝杯をあげるべく某回転寿司チェーン店に向かった。
すっかり油断していた我々だったが、この後不可解な現象に巻き込まれることになる。
呪いのイクラ
回転寿司店に到着。
座席について、それぞれ好きなネタをタッチパネルで注文した。
タッチパネルで注文すると「ご注文が届きました」という機械音声が鳴り、注文したお寿司がレーンを流れてくる。
私たちが頼んだお寿司が全て届いてから、5分ほど経った時のことだ。
「ご注文が届きました」
タッチパネルから機械音が流れた。
しかし、私たちが注文した品は全て届いている。
そして、レーンを見ると、
誰も頼んでいないはずの「イクラ」が流れてきた。
注文履歴を見ても入っていない。
店員さんを呼んでイクラを回収してもらった。
「機械の不調か何かだろう」
私たちはそう思っていた。
さらに10分ほど経った時のこと。
「ご注文が届きました」
聞き覚えのある機械音が鳴った。
そしてレーンには…
もちろん誰も注文していない。
イクラはちょっと高いから、お金に余裕のない我々が注文するはずないのだ。
この不可解な現象を目の前にして、私たちは嫌な予感がした。
もしかしたらこれは、将門の呪いかもしれない。
つまり、このイクラは『呪いのイクラ』なのかもしれない。
もしこのイクラが将門の呪いによるものなら、何かしらのメッセージが込められているはず。
心霊スポットに過去2回行った(今回も含む)、経験豊富な幽霊ハンターである私なりに考察してみた。
イクラに込められたメッセージ
将門の首塚には、仕事に関するお願いをする人が多く来る。
その話から、このイクラにも仕事に関するメッセージが込められていたと仮定する。
イクラはサケの卵。
つまり、『芽が出る前の存在』。
そんなイクラを私たちに当てはめてみよう。
今回の調査隊メンバーはみんな20代で、長い人生から見ると、仕事ではまだまだ芽が出ていない若手である。
まさに『ビジネスのイクラ』と言えるだろう。
そんなイクラを食べる。
そう、嚙み潰し、暗い食道を通り、胃の中で溶かされ、う●こになる。
これが私たちの将来を暗示しているのだとしたらどうだろう?
仕事に明るい未来はなさそうである。
もしあのイクラを食べていたら、我々は一体どうなっていたのだろうか。
ただ一つ言えるのは、きっとすごく美味しかったということだけだ。
将門の首塚は心霊スポットというより…
実際に足を運んでみて、将門の首塚を「怖い場所」とは思わなかった。
心霊スポットと呼ぶのは、少し違和感がある。
怖い噂や伝説はあるものの、今は「パワースポットとして親しまれている歴史的な遺産」という感じだろうか。
さらに、今回の記事を書くにあたりいろいろ調べたが、平将門に関する伝承はとても面白く興味深かった。
将門の首塚は心霊スポットではなく、将門について調べたり、お祈りをしたりする場所として訪れることをオススメする。
今回の調査は以上である。
イクラの件は機械の不調!!…たぶん…