私の名前はジロギン。

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【ヒトコワ】長そでの下の秘密

私の名前はジロギン。

 

今回紹介する話は、山本 香織さん(仮名)という女性から伺いました。

7年前、山本さんが大学1年生だった頃のエピソードです。

 

長そでの下の秘密

大学に入学した山本さんは、テニスサークルに入った。

飲み会ばかりやっているサークルが多い中、山本さんのサークルはテニスの練習にも勢力的に取り組んでいた。

 

サークルにはいろんなタイプの人がいたが、山本さんが一番気になっていたのは2学年上の中沢さん(仮名)という女性の先輩。

特別仲が良かったわけではなく、話す機会があれば会話する程度の関係だったが、興味深いことがあった。

それは、中沢先輩がいつも長そでのシャツを着ていること。

暑い夏の練習日でも必ず長そで。

かなり汗をかいているにも関わらず腕まくりすらしないことに気づいた山本さんは、疑問に感じていた。

 

さらに奇妙だったのが、中沢先輩が着替えている姿を一度も見たことがないという点。

練習後はテニスコートに併設された更衣室で着替えるのだが、中沢先輩は必ず全員が着替え終わって更衣室から出た後に着替え始めるのだ。

 

同級生や他の先輩にも、中沢先輩の着替えを見たことがある人はいない。

山本さんと同じく気になっている人もいたようだが、「腕に大きな傷があってそれを見られたくないのではないか」と考え、中沢先輩には詮索していなかったそうだ。

 

山本さんは、中沢先輩が長そでの下に隠している秘密を知りたくなった。

もし腕に傷があり、中沢先輩にとってそれがトラウマだったとしたら、彼女の心まで傷つけてしまうかもしれない。

それでも見てみたい。

山本さんは好奇心に負け、ある日の練習後、更衣室で一人着替えている中沢先輩をこっそり覗くことにした。

 

音を立てないように更衣室のドアを開け、中に入る。

通路を進むと、ロッカーの前でシャツを脱いでいる中沢先輩の後ろ姿が見えた。

その瞬間、中沢先輩はグルッと向きを変え山本さんに両目を向けた。

山本さんは驚きながらも、中沢先輩の腕に視線をゆっくりと移した。

 

両腕の関節あたり、赤紫色の小さなアザがいくつもついていた。

注射痕だ。

 

言葉を失う山本さんに対して、中沢先輩は

「誰にも言わないでね」

とだけ発し、素早く着替えて更衣室を出て行った。

山本さんは本当に見てはいけないものを見てしまったと後悔した。

 

それから数日、山本さんは悩み続けた。

おそらく中沢先輩は覚せい剤を使っている。

しかし腕の注射痕を見ただけで、実際に使っている現場を見たわけではない。

警察に通報するべきだろうか。

 

それに中沢先輩のあの言葉も気になる。

腕の秘密を誰かにバラしたら、何をされるかわからない。

 

自分の行動に後悔し、悶々としていた山本さんのもとにある知らせが飛び込んできた。

中沢先輩が逮捕されたのだ。

 

中沢先輩と関係のあった男性が、振り込め詐欺の受け子をやってたことが発覚し逮捕された。

男性は覚せい剤の常習者でもあり、中沢先輩に薬を数回売ったと証言。

中沢先輩は自分自身で腕に注射して使っていたとのこと。

医療の知識などないため、何度も失敗したらしい。

それは彼女の両腕にある無数のアザが物語っていた。

 

この経験で山本さんが最も恐怖を感じたのは、中沢先輩が覚せい剤を使っている様子が一切なかったということ。

彼女の話し方や挙動に違和感はなく、楽しそうに笑顔で会話してくれる人だったそう。

そんな中沢先輩が覚せい剤を使っていたとは信じられず、しばらくの間あらゆる人間関係が怖く感じた、と語ってくれた。

※ご本人や関係者に配慮し、内容を一部変更しています。

 

さいごに

「人は見かけによらない」なんて言葉もありますが、ある一面だけではその人の全てを知ることはできないのでしょう。

山本さんの話だと、中沢先輩はいつも長そでを着ている以外はごく普通の人で、薬物に手を染めているなんて全く思わなかったとのこと。

 

あなたの身近な人も、意外な一面を持っているかもしれません。

それを知るべきなのか、知らない方が良いのか……秘密の取り扱いはとても難しいです。