私の名前はジロギン。

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【裁判傍聴】ストーカーを働いた被告人。裁判長にまさかの提案

私の名前はジロギン。

 

3ヶ月ほど前から裁判傍聴の沼にハマってしまいました……

裁判傍聴とは文字通り「裁判を傍聴(見聞きする)こと」です。法廷には傍聴人用の席が設けられており、基本的に誰でも裁判を見ることができます。

 

昔から行きたいと思っていたのですが、なかなか時間が取れず……

最近になってようやく時間ができたので行ってみたら、案の定「沼入り」。

気がつけば70件以上の裁判を見ていました(傍聴歴数十年のベテランさんには到底及びません)。

 

裁判というと、怖いイメージを持つ方も多いと思います。

もちろん凶悪事件を裁くこともありますが、中には一風変わった珍事件や思わず笑ってしまいそうな裁判もあるのです。

 

何の役に立つかわかりませんが、裁判中は必死こいてメモを取っている私。

せっかくなら備忘録も兼ねて、個人的に思い出に残った裁判を本ブログにまとめていこうと思いました。

今回はその第1回目です。

 

女性のストーカー事件を傍聴!と思ったら…

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裁判には傍聴人がたくさん集まるものと、そうでないものがあります。

こういう言い方は適切ではないかと思いますが、裁判には人気、不人気があるのです。

 

今回紹介する裁判は、罪名が「ストーカー行為等の規制に関する法律違反」。いわゆるストーカー事件の裁判で、人気の高いもののひとつです。

被告人が女性であることも人気の理由でした(女性の被告人は少なく、珍しさから傍聴人が集まりやすい)。

 

3月24日。

法廷の前には十数人の列ができており、満員で入れない傍聴にもいました。

満員ギリギリのところで入れた私。どんな話が聞けるのか、正直ワクワクしていました。

 

被告人が入廷。車椅子に乗った白髪混じりの女性で、年齢は50〜60代といったところ。

ストーカーはもっと若い人がやるイメージでいたので、意外でした。

 女性は、開廷前からずっと咳き込んでいました。かなりツラそうなのです。

背中も丸まって前かがみになり、弱々新印象を受けました。

裁判長が開廷の合図をすると咳は激化。傍聴席からでは裁判長や検察官が何を喋っているのかわからない状態でした。

 

女性は証言台の前に行くと、スッと右手を挙げました。何か言いたげな様子。

証人尋問や裁判長から促される以外で被告人が喋ることは稀です。

裁判長が「どうしましたか?」と聞くと、

 

被告人「あの…咳がひどいし…頭も痛いので…裁判を延期してください…」

 

被告人が自ら裁判の延期を切り出したのです。

これはかなり異例の展開。

 

裁判長「そんなに長くないのでやります」

 

被告人の提案は却下されてしまいました。

そのまま検察官の冒頭陳述に入ったのですが、被告人の咳はピークに。

 

被告人「…聞き取れないから、続けるのは無理です」

裁判長「そんなに時間はかかりませんけど、難しいですか?」

被告人「…無理です」

検察官「でも裁判長の声は聞き取れてますよね?証人も来てますし、聞き取れるならやってしまいたいんですが」

被告人「…ゴホッゴホッゴホッゴホッ…ゴホッゴホッゴホッ…」

弁護士「被告人がきちんと理解できる時にやりたいです」

 

裁判長の判断で、今回はこれにて閉廷。事件についてほとんど話を聞けませんでした。

証人は有給を使って法廷まで来たそうで、私とは比較にならないほどガッカリしていたことでしょう。

 

次回はいつ?

裁判は1回で終わることはほとんどありません。

判決を出すまで、最低でも1〜2回は審理を行うイメージです。

裁判が終わらなかった場合、裁判長、検察官、弁護士が次回の日程調整を行います。

本来1〜2週間以内に次の審理を設定することが多いのですが、今回は少し違いました。

 

弁護士「ある程度期間を置くべきじゃないですか?コロナの可能性もありますし」

 

弁護士が裁判長へ提案。

確かに被告人がコロナウイルスに感染していたとしたら、すぐに体調を万全の状態まで戻すのは難しいでしょう。

しかし不思議なことに、裁判の延期が決まったあたりから被告人の咳は止まっていました。

 

裁判長「医者じゃないのに、何故ある程度の期間が必要だと判断できるんですか?」

 

裁判長がすかさずツッコミ。被告人の体調について疑問視している様子。

弁護士は思わず、しどろもどろになってしまいました。

 

弁護士「ではいつなら大丈夫か本人に聞いてみます」

 

私は「本人に聞いてもわからないのでは?」と思いました。

裁判長は「医者(専門家)でないのに何故判断できるのか(弁護士や被告人の判断では次回日程を決める根拠にならない)」と言っているわけですし…

しかし、これについて裁判長は特にツッコミを入れず。

傍聴人である私は、ただ流れを見守ることしかできませんでした。

 

被告人「ゴホッゴホッ」

 

思い出したかのように咳き込む被告人。

 

弁護士「いつ頃治りそう?」

被告人「………4月」

 

だから何故わかるのっ!?

自分の体調といえど、いつ治るのかなんて普通わからなくないかっ!?

しかも4月のいつなんだ?上旬なのか下旬なのか、それによって大きく変わるし、下旬ならゴールデンウィークに重なるから結局5月になってしまうよっ!?

 

裁判長「誘導(尋問)ですよね?」

 

やはり裁判長からツッコミが入る。

誘導尋問とは、質問者が答えて欲しい内容を暗示して尋問することです。

何の根拠もなく被告人が「4月」と答えるのは不自然。誘導だと捉えられても仕方がないでしょう。

 

弁護士「いや!本人が言ってるので!誘導じゃないですよ!」

 

慌てる弁護士。

弁護士というのはいつでも冷静沈着なイメージがありましたが、やはり人間なのだなと痛感させられる光景でした。

 

裁判長「そうですか……わかりました。では次回は3月30日にしましょう」

 

被告人と弁護士による必死の提案は受け入れてもらえず。

法廷には、被告人の咳き込む声だけが空しくこだまし続けました。

 

その後

予定通り3月30日に続きが行われることに。被告の咳はすっかり治っていました。

4月に治ると言っていたのに、3月中に完治させるとは…

正直、前回は嘘っぽい咳で裁判を延長させたかったのかなとも思いましたが、今回はしっかり向き合おうとしていたので嘘ではなかったのでしょう。たぶん。

 

このように意外な方向に進む裁判もあるので、傍聴は飽きません。