ハンターハンター396話『結成②』は、前回の395話の続きで幻影旅団の過去編が描かれました。
幼い頃から付き合いはあったものの、いくつかのグループに分かれていた幻影旅団ですが、クロロ、パクノダ、シーラ、サラサが主催したカタヅケンジャーの上映会によってついに心を通わせ合うことができました。
今回はそんな396話の感想&考察を書いていきます。
※本誌の画像等はありませんがネタバレを含む内容のため、単行本派の方はご承知の上お読みください。
- クロロの天才役者っぷりが旅団結成のきっかけ
- しれっと登場したノブナガ
- マチはスネ夫じゃなかった
- 旅団の名前決定!
- クロロは「ウボォーさん」呼び
- サラサの身に危険が迫る?
- 396話『結成②』全体的な感想
クロロの天才役者っぷりが旅団結成のきっかけ
クロロ、パクノダ、シーラ、サラサは、偶然見つけたVHSに録画されていた『清掃戦隊カタヅケンジャー』の吹き替えを完成させ、流星街の子供たちを招いて上映会を開催します。
そこにはガキ大将のウボォーギンとその取り巻きのマチ、バイクを乗り回していた不良のフィンクス・フェイタンの姿も。
勝手にVHSを奪ったことや、偽のVHSを渡されたことを根に持っており、クロロをいびりに来たようです。
しかしサラサが上手いこと立ち回り、フィンクスに参加者へのお菓子配りを手伝わせることに成功。
フィンクスはキメラ=アント編で登場した際も、衣服がボロボロになったシズクに自身の上着を貸していたいましたね。
旅団の中でも残酷な一面を見せることの多いフィンクスですが、当時からサラサには「フィンクスは根が優しい」と評価されていたようです。
暗雲が立ち込めながらも開催された上映会。
参加した子供たちは、理解できる言語で吹き替えられたカタヅケンジャーに大満足。
しかし映像が途中で止まってしまうハプニング発生。せっかくの上映会もここまでか……と思われたとき、クロロがマイクを手に壇上へ。そして即興で芝居を始め、ほとんどの役をこなし、クロロに続く形でパクノダ、シーラ、サラサも登壇。
無事に上映会を成功させることができました。
395話で、パクノダ、シーラ、サラサが担当する役以外はクロロがやると宣言していましたが、あらゆる声色・演技を使い分け、本当にやってのけていたようです。
クロロの演技は会場の子供たちを魅了し、役者としても天才っぷりを発揮しました。
さらにマイク1本で、即興で演技ができたということは、台本まで全て暗記していたということです。
マルチ過ぎるよクーちゃん……
クロロの演技力は、大人になってからの盗賊としての活動にも一役買ってそうですね。
クロロはネオンから念能力を盗む際に、普段とは異なる絵に描いたような好青年っぷりを見せていました。
子供時代のクロロを見ると、ネオンと話しているときの方が素のクロロっぽいですが、あんな感じでターゲットを巧みに騙し、盗みを達成することもあったのではないでしょうか。
しかもクロロってイケメンだから、結婚詐欺の才能もありそう
一方で、いくつもの顔を使い分けるクロロだからこそ、ヨークシンシティ編でゴンに「自分を掴むカギはそこ(動機の言語化)にあるか」という言葉を放ったのかも?
クロロの性格が大きく変わった、または本来の自分を掴めていない理由が、今回の過去編で明らかになるといいですね。
クロロの演技に心を打たれたのは、ウボォーやフィンクス、フェイタンも例外ではありません。
上映会の終了後、ウボォーはクロロに、次の公演で怪人役をやらせてほしいことを打診。マチ、フィンクス、フェイタンも合流し、幻影旅団の前身となる「劇団」が誕生したのでした。
しれっと登場したノブナガ
395話『結成①』では、旅団創設メンバーの中で唯一登場しなかったノブナガ。
どのグループに所属しているのか、あるいは別の機会に登場するのかなど不明なままでしたが、しれっと上映会の客席におり、クロロの演技に魅了されていました。
前回は単純に登場する機会がなかっただけのようですね。
分かったこととして、ノブナガはウボォーやフィンクスのようにクロロと険悪な関係ではなかったということ。
どちらかというとフランクリンやシャルナークらと、クロロの仲良しグループにいたみたいですね。上映会の後は、仲良く歩いていました。
そんなノブナガがウボォーの死に対して他の団員以上に激怒し、こだわり続けるようになるのは何故なのか……
後に2人が意気投合する場面が描かれる…かも?
マチはスネ夫じゃなかった
395話『結成①』では、ウボォーの取り巻きのような描かれ方をしていたマチ。
マチは最初、クロロとは敵対するウボォーグループにいたことが判明しましたね。
しかし幻影旅団の中でマチ推しである私としては、マチがジャイアン(ウボォー)にくっついているスネ夫みたいな立場だったのかと、ちょっと悲しい気持ちになりました。
マチのグッズを血眼になって探している自分は、すなわちスネ夫グッズを買い漁る男だったのかと……
そんなマチですが、396話ではウボォーの大声に対して「うっせ」と言いながら蹴りを入れたり、お姫様役を割り当てられても「嫌だ」と断ってウボォーにやらせようとしたり、演じるなら悪役をやりたいとわがままを言う一面を見せました。
どうやらウボォーとは対等な関係でスネ夫だったわけではなく、しかも傍若無人なタイプだったようですね。
マチらしくて一安心しました。
マチはお姫様役を嫌がっていたけど、私の中ではお姫様だよ…❤︎
旅団の名前決定!
VHSにはカタヅケンジャーが数話録画されており、クロロたちは引き続き吹き替え公演を開催。
メンバーたちの仲も深まっていき、まさに演劇集団となりつつありました。
次の公演に向けて役を割り振っている際に、シャルナークがふと「団員募集する?」と発言したことをきっかけに、自分たちが「何団」なのかを考え始めた団員たち。
ウボォーは「劇団」と言いましたが、ノブナガはどちらかというと「旅の一座」というイメージ。そこからパクノダは「旅団」はどうかと提案しました。
本来旅団というのは、直後にクロロが発言したように軍隊の単位での1つです。
小隊<中隊<大隊<旅団(連隊)<師団
みたいな感じで、構成する人員の多さで呼び方が変わります。
クロロは旅団の意味として1,000人以上で構成される部隊だと説明しようとしていましたが、旅団に明確な人数の決まりはなく、国や時代、軍隊によって変わります。
でも概ね数千人程度の部隊を旅団と呼ぶのが一般的なようです。
結局ウボォーの「オレら各自が百人力」という発言から旅団という呼び名に決定!
私も旅団という表現についてはクロロに近い認識でしたが、軍隊の単位ではなく「旅の一座」という意味合いが強かったようですね。
まさか旅団が元々演劇集団だったなんて、誰が予想できたでしょうか。
まだネーミングは確定したわけではなく、さらに「ナントカ旅団」という名前にしようと考えている団員たち。
ネーミングの件はここで終了となり、なぜ「幻影」と名付けたのかは次回以降になりそうです。
今の和気藹々としている団員たちから「幻影」という不穏な単語が出てくると思いません…後述する一件が旅団の名前にも影響するのかな?
クロロは「ウボォーさん」呼び
カタヅケンジャーが録画されていたVHSには8話分が入っていましたが、続きがないことに気づき、ゴミ山の中から探そうかという話に。
クロロが続きの脚本をオリジナルで書いて、自分たちの演劇をメインにしようという案も出ましたが、クロロとしてはやはり映像があった方が良いと考えている模様。
マチはわがままを言って劇にあまり乗り気ではないようですが、その相方だったウボォーは以前から想像ができないほどクロロに協力的で、誰よりもやる気に満ち溢れています。
ウボォー曰く「なんでもいいから欲しかったときとは違い、明確に欲しいものや、やりたい事があるのは格別」とのこと。
クロロが回想で「始めはただ欲しかった」と思い返していましたが、この一言はウボォーの発言が影響している可能性が高そうですね。
ウボォーの言葉を受けて、クロロは「ウボォーさんのやりたい事って?」と質問。
来ました!ウボォーさん呼び!
団長の手刀を見逃さなかった人を始末した直後、クロロが心の中で「ウボォーさん聞こえますか?」と呼びかけていましたが、子供のころはさん付けで呼んでいたようですね(本人がいないところでは呼び捨てにしていましたが)。
これは、おそらくクロロよりウボォーの方が年上なためだと思われます。幻影旅団は同い年ではなく、クロロよりノブナガの方が年上、パクノダの方が年下など、年齢がバラバラであることが本編でも描かれています。
ちなみにウボォーのやりたい事は、クロロと劇で世界中を巡って、世界一の悪役になること。
彼の夢は半分実現し、半分実現できなかったといったところでしょうか。
サラサの身に危険が迫る?
仕分け作業(流星街に捨てられたゴミから使えるものを仕分けする作業?)の当番だからと、他の団員たちより先に家へ帰ったサラサ。
しかし当番というのは口実であり、サラサはカタヅケンジャーの続きが録画されたVHSを1人で探しに行ったようです。
当時の流星街は悪党による人狩り(人攫い)が横行していた危険地帯であり、年間で数百人の子供たちが亡くなって(行方不明になって)いました。
そんな人狩りを行っている男たちが396話の最後に登場。
すでに数名を拉致した状態で車を走らせており、あと1名攫おうと考えているようです……
絶対サラサ攫われるじゃん!
旅団が助けに行く展開になるじゃん!
クロロは教会にある墓地に毎日花を届けに行っており、人狩りの犠牲者たちを悼んでいます。
そんなクロロの様子から、クロロ自身人狩りについて問題意識を抱えていることは間違いないでしょう。
サラサが1人で帰ったことに対しても心配していました。
サラサがどうなるのか、幻影旅団がどう動くのか……ほぼほぼ予想はできてしまいますが、次回以降楽しみです。
396話『結成②』全体的な感想
ついに心を通わせ、旅団として動き始めた団員たち!
396話の半分くらいはクロロによるカタヅケンジャーの上映会で、やや本筋からズレた内容でしたが、謎多き幻影旅団についてどんどん解き明かされていて、ワクワクしながら読み進めることができました!
正直、王位継承戦より旅団の過去編の方が気になるし面白い…笑
王位継承戦って、メインの登場人物たちですらそんなに重要視していないというか……現・カキン国王のナスビと王子の一部しか戦いの結果に関心がないというか……
だからなのか、私個人としてはあまり感情移入できないというのが正直なところです。
メインキャラたちの王位継承戦に対するスタンスを考えてみても、
- クラピカ→緋の眼を持つツェリードニヒに近づくために護衛として継承戦に参加。今はワブルとオイトを守るために頑張っているが、元々はツェリードニヒを慕っているハルケンブルグの護衛を希望していた
- センリツやハンゾーたち→クラピカの依頼で護衛になった。プロハンターとして全力で仕事に取り組んで入るが、どちらかというと下位王子たちを王位継承戦から離脱させたい
- 十二支ん→目的は暗黒大陸なので継承戦にはノータッチ
- ビヨンド・パリストン→同上(おそらく継承戦のことを知らない)
- ジン→同上
- 幻影旅団→狙いはヒソカの首と王子の宝。王位継承戦のことは知らない
- ゴン・キルア→主人公・準主人公なのに登場すらしていない
こんな感じですからね……メインキャラたちすら勝敗を重視していません涙
突然出てきたキャラたちが、よく知らない国の王位をめぐって小難しい争いをしている……だったらやはり旅団のような読者人気があって、思い入れのある人が多いであろうキャラたちの深掘りをしてくれた方が面白いなぁと、個人的には感じています。
ヨークシンシティ編まで読んだ人なら、王位継承戦すっ飛ばして最新話読んでもいいんじゃないかな?
ここまでは、将来何の躊躇もなく人の命を奪う盗賊団になるなんて思えない幻影旅団。
おそらくサラサに関する一件が、純粋な子供だった彼らを大きく変えるきっかけになるのでしょう。
暗い展開になるほど現在の幻影旅団の真相に近づくという悲しい状態ではありますが、今!ハンターハンターを読む手が止まりません!