私の名前はジロギン。
ブロガー、小説家、プロハンターなど肩書(自称)をいくつか持っている私。その中の一つにWebライターがあります。
収入的に最も多いのがこのWebライターなので、初対面の方には「オレッちはWebライターだよ、よろしくね」と自己紹介します。
ですがWebライターなんてのは虚栄心まみれの自惚れた肩書であり、実態はただの会社員。仕事内容が「Webの記事を作る」というだけの、ごく一般的な会社員、それが私です。
少し違うことがあるとするなら、ライティングというスキルを使って仕事をするので、会社員の中でもクリエイティブ系の専門職に近いという点でしょうか。
たとえば会社勤めをしているシステムエンジニアやWebデザイナーなどと同じ括りになると思います。
仕事をする中で大変なことは人体の細胞の数くらいあるのですが、それでも私が6年以上Webライターを続けられたのは、「あまり人と関わることなく黙々と作業ができたから」です。
というのも私は、『もののけ姫』に登場する森の賢者・猩々(しょうじょう)たちのように人間嫌い……学生時代からろくに友達がおらず、「孤独のこっちゃん」「5年2組の陰獣」などと呼ばれたほど。
そんな私にとって、黙々と目の前の原稿に向かって指を動かし文字を打っていれば評価さえれ、お金をもらえるWebライターという職業は、天職に近いと思っていました。
しかし、ここ1〜2年ほどでそうはいかなくなってきています。
原因はAIの台頭。Chat-GPTなどのツールを使えば、私のようなWebライターが数時間かけて作成する記事を、数分〜数十分で作れてしまいます。
もちろんAIで作った記事が100%正しい内容で出力されるかというとまだその領域には達していないとは思いますが、多分時間の問題で、人間が情報収集するよりも的確な精度かつ高速で出力できるようになる時代は、そう遠くないうちにやってくるでしょう。
こんな状況の中でWebライターに何が求められるかというと、AIができない作業を行うこと。黙々と記事を書くのはAIがほぼ全てやってくれます。そうなると、Webライターは今までより人間らしく仕事をしなければならないのです。
たとえば、依頼主の困りごとを先回りして改善策を提案したり、ヒアリングの時間を設けて悩みを聞き出したりなど。
でもですね、そういうことが苦手だからWebライターをやって来たわけで……内向的な人間にとって適職であろうWebライターがめちゃくちゃ苦手な外向的ことを要求される世の中になりつつあるんですよね。
まだAIは人間の心を読み取って記事にする、インタビュー記事の作成までは対応できません。しかし、インタビュー記事を作成するには取材相手と連絡をして日程調整をしたり、聞いた話をそのまま文字にするだけでなく読者の気持ちを考えながら読みやすく構成したり、完成した記事を取材相手に見てもらって修正をもらったりといったことが必要になります(ざっくりとした流れですが)。
こういう対人のやり取りって、多くのWebライターが苦手としていることではないでしょうか。「人間、嫌い……人間、食う……」みたいな感情で最低限の人としか接してこなかったWebライターにとって、富士山くらい高いハードルです。
AIの進化によって、Webライターは今まで以上に人間らしさが求められている……人間らしくなくてもマシーンのように記事を書いていれば評価された、これまでの時代が終わりつつある……そんな中で、果たしてこれからもWebライターを続けられるのか、分岐点に立たされているなというのが、私の正直な気持ちです。
「自分がめちゃくちゃ有名人で、股間をいじりながら書いた記事でも何千、何万のファンが読んでくれる」みたいな、インフルエンサーとか芸能人とかなら話は別ですが、そういう人になれるのはごくわずか。私のようなパンピーWebライターには非現実的な話です。
この状況を打開する方法はまだ掴めておらず、半ば愚痴のようなまとまらない文章になってしまいましたが、今の気持ちを吐き出してみました。
同じことに悩んでいるWebライターの方は多いかもしれません。私自身、これといった打開策は思いついていませんが、今はこの記事を読んだWebライターの方や近しい仕事をしている方に「そうだよなぁ、世知辛ぇよなぁ、ふざけんじゃねぇよ全くこのヤロー」と共感してくれるだけでも、少し前向きに考えられそうです。
冗談じゃないくらい追い詰められつつあるWebライターという仕事。解決するには、今Webライターとして働いている人たちが知恵を出し合う必要があるでしょう。
私も自分の考えを頭の中にしまっておくだけでなく、このブログを通して発信し、どなたかの目に留まり、それが現状打破の一助になればいいなと思っています。
とりあえず今回はここまで!不定期ですが、またWebライターに関す話をアップしていきます。