私の名前はジロギン。

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団長の手刀を見逃さなかった人に学ぶ「良い咬ませ犬キャラ」の条件

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少年漫画に欠かせないキャラクターとして、「咬ませ犬キャラ」の存在があります。一概に咬ませ犬キャラと言っても明確な定義はないのですが、私が思う咬ませ犬キャラとは、

「主人公のライバル、あるいは味方キャラの強さを際立たせるために犠牲になるキャラクター」

という認識でいます。彼らの存在があることで、私たち読者に敵キャラクターたちの強さを実感させてくれるのです。

私が好きな漫画であるハンターハンターの中にも咬ませ犬キャラはたくさん登場するのですが、最も素晴らしい働きをしてくれたキャラとして

団長の手刀を見逃さなかった人

がいます。彼が作中で見せた咬ませ犬キャラとしての働きは王道ながらも無駄がなく見事としか言えないのです。そこで今回は

団長の手刀を見逃さなかった人に学ぶ「良い咬ませ犬キャラ」の条件

を考えていこうと思います、以下の条件を満たすキャラは咬ませ犬として素晴らしい働きをしてくれています。

 

 

 

団長の手刀を見逃さなかった人とは?

f:id:g913:20170818053933j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 11巻54P/冨樫義博)

ヨークシンシティ編でマフィアが、幻影旅団抹殺のために雇った殺し屋の一人です。名前は特にありませんし、すぐに殺されてしまうのですが、その見事なまでの咬ませ犬っぷりは、他作品の咬ませ犬キャラ達も見習わなければならないと思うほどです。

幻影旅団団長のクロロの目にも留まらぬ手刀を見切ったシーンが印象的ですが、それだけでなく、彼の登場から退場まですべてがクロロの強さを魅せるための流れとして完璧と言えるのです。

 

 

前評判が高い

咬ませ犬キャラは前評判が高いです。例えば

・大会3連覇の猛者

・主人公が苦戦した敵と互角以上に渡り合った

・モブキャラを大量に殺害する

などなど、そう言った過去または作中での実績があります。この評判が高ければ高いほど、咬ませ犬キャラとして使った時に、本当に強さを示したいキャラクターの強さの裏付けになるわけです。

団長の手刀見逃さなかった人は、クラピカから「ゾルディック家のシルバ、ゼノに何とか対抗できそう」という評価をされていました。

f:id:g913:20170818054114j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 11巻33P/冨樫義博)

その時点でシルバとゼノの強さは明言されていませんでしたが、その息子(孫)に当たるキルアが12歳にして一流の殺し屋であり、ハンター試験で異様な強さを見せていたことから、キルアを指導したシルバとゼノの強さは読者たちにも何となく伝わってきました。当時のシルバとゼノは間違いなく作中最強クラスのキャラだったでしょう。

そのシルバとゼノに対抗できそうな団長の手刀を見逃さなかった人は、クラピカの評価も後押しし、かなり強いと認識してしまいます。このクラピカの評価があったからこそ、団長の手刀を見逃さなかった人の咬ませ犬キャラとしての価値が大きく上がりました。

 

 

謎の自信

咬ませ犬キャラは自信家でなければなりません。自信ありげな態度を取ることで、読者に「こいつは自他共に認める強さがあるんだ」と認識させる必要があります。これが自信のないキャラだと、「メンタルは弱いけど実はめちゃくちゃ強いキャラ」になってしまい、主人公または主人公の仲間くらいキャラが立ってしまうのです。

咬ませ犬キャラは「ああこいつ絶対死ぬな」とあらかじめ読者に分かってしまうくらい死亡フラグビンビンの自信家でいいのです。読者の期待を裏切ることなんて咬ませ犬キャラの仕事ではありません。見るからに強そうだけど死ぬ、それだけでいいのです。期待を裏切るのは主人公の仕事です。

団長の手刀を見逃さなかった人は、その名の通りクロロの肉眼では捉えることが不可能な手刀を見切ったり、他の殺し屋たちとの協力を拒んだり、クロロの罠にあえて踏み込んでいくような真似をしたりと謎の実力と自信を見せていました。

f:id:g913:20170818054424j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 11巻58P/冨樫義博)

これらも全てクロロの強さを示すためのステップにすぎません。このような自信があることで、団長の手刀を見逃さなかった人の強キャラ感がより顕著になります。

 

 

主人公のライバル(または味方)にやられる

咬ませ犬キャラの仕事は、基本的には「主人公のライバルとなる敵キャラクターの強さを示すこと」です。ライバルの強さが主人公と戦う前に明らかになることで、主人公がいかに強大な敵に挑もうとしているのかが読者に伝わります。

あるいは主人公の味方キャラにやられる場合もあります。この場合は、「味方キャラも強くなっている」のだと、その成長を明らかにするために咬ませ犬キャラを使って示すのです。どうしても主人公格のキャラにスポットがあたりがちですので、味方キャラの成長を手っ取り早く描くために咬ませ犬キャラが使われます。

団長の手刀を見逃さなかった人は、クロロの強さを示すキャラとして使われたことはこれでに言及してきました。主人公にやられるキャラも咬ませ犬といえば咬ませ犬なのですが、そういう敵キャラはあまりにもキャラが立ちすぎてしまい、咬ませ犬と呼ぶにはふさわしくないです。もっとちょい役で、数話のうちに死亡してしまうようなキャラこそ咬ませ犬キャラに該当します。

 

 

 

戦闘描写なし

これは絶対条件ではないのですが、できれば戦闘描写なくやられた方が咬ませ犬として素晴らしい仕事をしていると言えます。なぜなら主人公が戦うべき敵キャラの実力や手の内が事前に読者にわからず、主人公と戦うまで読者の期待を引き延ばし続けることができるからです。咬ませ犬との戦闘を見せてしまうと、主人公と戦う前にネタバレしてしまいます。

団長の手刀を見逃さなかった人の素晴らしいところは、戦闘描写なくクロロの強さを読者に印象付けたことです。前評判と自信からなんとなく強さを示し、クロロにほぼ戦闘描写なくやられることで、読者にクロロの強さを様々妄想させる余地を残し続けました。結果としてクロロの強さはヒソカとの一戦が行われるまでの十数年間謎のままで、読者たちの妄想と期待を引き延ばし続けました。これは団長の手刀を見逃さなかった人最大の功績と言っても過言ではないでしょう。

戦闘描写をあえてなくすことで、読者の期待を維持あるいは向上させることすらも可能となります。

場合によっては戦闘描写があった方が良いケースもあると思います。攻略不可能な能力と思わせるなど、敵の絶望感を際立たせる場合などは、あえて戦闘描写があった方が良いです。

 

 

命乞いをしない

団長の手刀を見逃さなかった人がなぜここまで咬ませ犬として名を馳せているかというと、彼の死に様が見事だったためとも言えます。途中段階でも咬ませ犬のセオリー通りの動きをしてくれていますが、死ぬ時に彼は命乞いをしていないのです。見苦しい死に方をしていないんですよね。

命乞いをしないことで醸し出される大物感・・・それを団長の手刀を見逃さなかった人からは感じられます。敵キャラの強さを示す使い捨てのキャラとはいえ、命乞いをさせると逆に「こんな小物を倒したところで強いとはいえない」と、強さを印象付けることができなくなってしまう可能性があります。

最後まで咬ませ犬に大物感を出すことで、相当強い奴を倒したんだと読者に印象付けしやすくなります。「立つ鳥跡を濁さず」ということわざ同様、咬ませ犬キャラも最後まで妙な自信や潔さを見せることで咬ませ犬としての仕事をしっかり果たせると思うのです。

団長の手刀を見逃さなかった人は、「密室遊魚(インドアフィッシュ)」に全身をほぼ食われてなぜ死んでいないのか?と最後まで念の詳細を探ろうとする異様さを見せていました。この死に様があったからこそ、魅力的なのです。

f:id:g913:20170818055010j:plain(引用:HUNTER×HUNTER 11巻63P/冨樫義博)

 

 

 

まとめ

ということで、団長の手刀を見逃さなかった人を参考に、良い咬ませ犬キャラの条件としては

・前評判が高い

・謎の自信

・主人公の敵(または味方)にやられる

・戦闘描写なし(場合による)

・命乞いをしない

となると私は考えています。これらの条件に当てはまる、または近いキャラクターは、個人的に大好物です。彼らがいないと、作品として諸々回らなくなってしまうのです。脇役こそ主役と言っても過言ではないと思います。

 

アニメでも漫画でも、咬ませ犬キャラがいないと視聴者や読者に伝わらないことがたくさんあります。残念なことかもしれませんが、それは幼稚園や小学校のお遊戯会でも同じことが言えます。咬ませ犬キャラはあらゆる作品に必要です。

最近はお遊戯会などで、自分のお子さんを主人公にして欲しいと懇願するお父さんお母さんも多いようですが、私はむしろ、団長の手刀を見逃さなかった人のような咬ませ犬キャラに甘んじられる子こそ評価したいです。彼らこそ作品を真に盛り上げようとしてくれる協調性のある子だと思います。当ブログで取り上げてあげたいくらいです。