連載再開となり次々と新展開を迎えているハンターハンター。
その中で新キャラクターとして、個人的に良いなと思えるキャラが出現しました。
それが、カキン帝国第1王子・ベンジャミンの私設兵の一人ビンセントさんです。
初登場の翌週で命を失うという、なんとも哀れなキャラでしたが、彼もまたハンターハンターを盛り上げてくれる咬ませ犬キャラとしていい働きをしてくれたと思うのです。ええ!
今回はビンセントの魅力を語っていきます。
ビンセントとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 週刊少年ジャンプ32号/冨樫義博)
第1王子・ベンジャミンが抱える私設兵隊のメンバーです。
ブラックホエール1号にベンジャミンの護衛として乗船していました。坊主頭の男です。
口癖のように「ええ!」と発するのが印象的。
ビンセントは、第14王子・ワブルの護衛という名目で、ベンジャミンからの刺客としてクラピカらに接触を図りました。
一時は追いつめるも、クラピカとビルの機転の前に敗れ、服毒自殺を図りました。
このビンセントも、新たなるハンターハンターの咬ませ犬キャラとして名を連ねてくれそうなのです。
見るからにやられそう
咬ませ犬キャラの特徴として、戦う前は異常なほど平静を装っています。
装っているといいますか、完全に落ち着き払っています。
自分の有利を疑っていない感じです。ビンセントもそんな感じでした。
ただ、ビンセントが冷静なのは、クラピカ達に実力的に勝っているからというよりは、「あくまでワブル王子の護衛協力に来た自分に手を出せば、それを阻害した=暗殺の共謀犯としてクラピカらも即有罪になる」というように権利の上での有利を確信してい宝だと思われます。
まぁ、だいたい敵キャラクターがうまくいっているときほど、主人公たちに逆転されちゃいますからね。
特にぽっと出の敵キャラクターならなおさらです。初登場からビンセントの敗北はほぼ決定していたと言えるでしょう。
しかし、ビンセントの盛り上げ方として上手だったのは、実力でクラピカを上回れるということではなく、本来クラピカですら逆らえない「防衛権」を突きつけた点ですね。
クラピカは作中屈指のチート能力を持つキャラですので、王子の私設兵ごときが勝てるわけがありません。
そんなクラピカに権利としての強さを示すことで、読者としては「力ずくでやればクラピカが圧勝だと思うけど、この場合はどうするの?」という緊迫感を与えてくれたと思います。
・・・まぁ結局クラピカのチート能力でやられちゃいましたけどね、ええ!
サイコパス感
ビンセントの「基本ちょっとにやけている」「登場していきなり人を殺している」「常に敬語」という要素は、サイコパスな感じを醸し出しています。
底が知れない悪を感じますよね、ええ!
「こっちは権利を行使しただけだから、それに逆らうなら殺しますよ、ええ!」って感じはどことなく恐怖を覚えます。
例えると、真っ暗闇の中、飛び込み台の上からプールをのぞいているような感じです。どれくらいの深さかもわからない水に飛び込もうとするときのような恐怖感があります。
そしてこういうサイコパス感のあるキャラはまず死にます。
野放しにしておくわけにもいきませんからね。見事にビンセントも1話でお亡くなりになられました。
どれくらい深いプールかと思って飛び込んでみたらめちゃくちゃ浅かったみたいなね感じですね。
この「深いと見せかけて浅い」感じは、団長の手刀を見逃さなかった人に通じるものがあると思います。思わせぶりがうまいんですよね、ええ!
関連記事:【ハンターハンター】団長の手刀を見逃さなかった人の強さはどれくらい? - 私の名前はジロギン。
念能力者に対して銃で攻撃
腕とオーラで急所をガードしながら接近するビルに対して、ビンセントは銃で攻撃していました。
(引用:HUNTER×HUNTER 週刊少年ジャンプ33号/冨樫義博)
はい、これやってはいけないことですね!念能力者に銃、しかも小さい口径の銃で攻撃しても仕留められません。
多少の牽制にはなるかもしれませんが、命を奪うまでは無理です。
しかし、ビンセントはこれをやってしまいました。これはですね、「クラピカに攻撃してください」と言わんばかりの時間を作ってしまったということになるのです。
こうなったら敗北一直線ですね。ビルは念能力者としてのレベルはクラピカより下ですから、間違いなく囮です。
そんなビルに、しかも銃で攻撃するという悪手を取ってしまったビンセントは、案の定クラピカの「盗む人指し指の鎖(スチールチェーン)」の餌食となってしまいました。
でもあえてですよ、ビンセントさんはあえて隙を作ることで、咬ませ犬として盛り上げポイントを作ってくれていたのです。
そこは本当に高く評価するべきところだと思いますよ、ええ!
能力の発動もできず
ビンセントは自身の能力を発動しようとしていました。名前は「虚空拳(エアブロウ)」。
能力名と掌底打ちのような構えをしてビルに攻撃しようとしていたことから、強化系か放出系の能力っぽい気がします。
(引用:HUNTER×HUNTER 週刊少年ジャンプ33号/冨樫義博)
しかし、その時にはすでにクラピカの「盗む人指し指の鎖(スチールチェーン)」によってオーラが吸われ、能力も奪い取られていました。
結果能力は発動できず、ビンセントは取り押さえられてしまいました。
能力すら描かれない・・・これも咬ませ犬キャラの宿命。
最初にクラピカに能力を盗まれたサイールドもそうですし、団長の手刀を見逃さなかった人もそうですが、能力を使わせてもらえないまま強制退場となります。
関連記事:【ハンターハンター】サイールドの念能力「裏窓(リトルアイ)」はクラピカの役に立ちそう! - 私の名前はジロギン。
ただ、「こいつの能力はなんだったのか?」という含みを持たせることで、読者に長きにわたって議論されるキャラになっていくのです。
咬ませ犬キャラは手の内を見せすぎないことで昇華していきます。
サイールドとビンセントの能力はクラピカが奪っており、使用しなければクラピカにもリスクが及ぶので、いずれお披露目されることでしょう。
最後は潔く自決
ハンターハンターの印象的な咬ませ犬キャラ達は、死に際に見苦しい命乞いなどはしません。敗北を受け入れ、死をも受け入れます。
ビンセントも、クラピカの能力で自分からベンジャミンの情報が漏れることを防止するため、自ら毒を飲み、命を絶ちました。
クラピカが「覚悟の服毒」と言っていましたので、見事な散り樣だったと言えるでしょう、ええ!
自分から戦いをふっかけておいて、いざとなったら命乞いをするというのはカッコ悪いことです。
死ぬ覚悟を持って戦うからこその「死闘」となるはず。
ハンターハンターの名物咬ませ犬キャラ達は命乞いすることなく死んでいきます。
その姿こそ魅力的で、印象的で、主人公格のキャラクターと同じくらい私たち読者の頭の中に深く残るのです・・・残るよね?私だけじゃないよね?
冨樫先生が生み出す咬ませ犬の魅力は素晴らしい
個人的に、冨樫先生はビンセントのような咬ませ犬キャラを描くことが抜群に上手いと思います。
当ブログをお読みいただいている方ならばお分かりかと思いますが、こうやって毎晩のようにハンターハンター考察をしている私の1番好きなキャラは、ゴンやキルアなどの主要キャラではなく、団長の手刀を見逃さなかった人ですからね。
彼のシーンだけでご飯7杯食べられるくらい好きです。
それくらい冨樫先生の描く咬ませ犬キャラは魅力的なんですよね。
咬ませ犬キャラが魅力的だと、それに勝つ主要キャラの魅力もさらに引き立つのです。
改めてビンセントというキャラを見て冨樫先生の描く咬ませ犬キャラの魅力を感じられたのと、またこういう咬ませ犬キャラが増えることで、私の考察も捗るなという喜びを得られました。
王子の護衛はビンセントに限らず、咬ませ犬になりそうなキャラが多いと思うので、今後も楽しみです。
ハンターハンタークイズ
最後はハンターハンタークイズです!
前回の答えは
A.親父
でした!
今回は「ビンセント」に関するクイズです!
Q.ビンセントが銃を持っていたのは左右どちらの手でしょうか?
難易度:星1(シングル)
ヒントはナシ!2択なのでね。
答えは次回!それでは〜!