ハンターハンターに登場する幻影旅団メンバーの一人、「フランクリン」をご存知でしょうか?
私は結構好きなキャラなのですが、正確に言うと「ヨークシンシティ編後半に差し掛かるに連れてのフランクリン」が好きなのです。
なぜかというと、フランクリンのキャラが序盤とは変わっていき、段々と
頭脳明晰キャラとして旅団のまとめ役担っていくからです。
冷徹な旅団に馴染んでいった気がして、旅団メンバーらしいフランクリンが好きなのです。
しかし最初はですね、フランクリンはかなり横暴なキャラのように描かれているんですよね。
今回はそんなフランクリのキャラの変遷をご紹介したいと思います。
驚くべき速度でキャラチェンしていき、頭脳派フランクリンが誕生するのです!
フランクリンとは?
(引用:HUNTER×HUNTER 9巻41P/冨樫義博)
本名:フランクリン=ボルドー。
幻影旅団メンバーの一人で、ウボォーギンに次いで大柄なフランケンシュタインのような大男。ヨークシンシティ編では同じく旅団メンバーのシズクとともに行動する機会が多かったです。
放出系の念能力者で、能力の名前は「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」。両手の指から念弾を連射し、対象物を射撃します。さらにフランクリンは自らの指を切り落とすことで、覚悟のようなものから念弾の威力を上げることに成功しました。
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初登場した時は大雑把で横暴そうな性格で放出系らしいといえばらしいのですが、明らかに頭脳派として描かれてはいなかったと思われます。上の画像の顔もわんぱく坊やみたいな顔ですし。しかしストーリーが進むごとにフランクリンはどんどん頭脳派になっていくのです。
序盤:頭脳派の面影なし
フランクリンは初登場時、同じく旅団のノブナガと「ヒソカの実力は強いか大したことないか」という些細なテーマで喧嘩をおっぱじめてしまします。
(引用:HUNTER×HUNTER 8巻151P/冨樫義博)
くだらない内容で喧嘩をしだす・・・明らかにフランクリンに頭脳派の面影なんてありません。
ノブナガに関しては作中通して頭脳派とは言えない働きをし、旅団メンバーや、挙げ句の果てにはゴン、キルアからも馬鹿にされる始末。しかし「喧嘩は同じレベルの者同士でしか起こらない」と言いますので、まさにフランクリンは非頭脳派のノブナガと同レベルだったということです。
すなわちお馬鹿さ・・・これ以上は言わないでおきましょう。
(引用:HUNTER×HUNTER 9巻56P/冨樫義博)
このシーンは、ウボォーギンが陰獣の豪猪を大声で殺害した直後です。少し見えにくいですが、画像にてウボォーギンに怒鳴っているのは先のフランクリンとノブナガ。他のメンバーは特に怒っておらず、旅団としてはウボォーギンの声が届く前に耳をふさぐのなんて朝飯前とのこと。にもかかわらず怒っているフランクリンとノブナガ。冨樫先生も明らかにこの時点ではフランクリンを頭脳派としては描いていませんね。
序盤はフランクリンをフォーカスしたシーンが少ないのもありますが、このような頭がいいという印象を抱けないシーンが目立ちます。
中盤:少しずつ頭脳派になっていく
ヨークシンシティ編中盤、クロロがネオンの能力「天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)」を盗み、旅団メンバーの占いを開始したあたりから、フランクリンに頭脳派の影が見え始めました。
ラブリーゴーストライターについては、こちらを。
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まずはこのシーン。
(引用:HUNTER×HUNTER 12巻46P/冨樫義博)
ヒソカが自らの予言を改ざんした嘘の予言内容に出てきた「懐郷病」という言葉の意味についてフィンクスに聞かれた際、フランクリンがさらっと答えていました。
ついこの前までノブナガと一緒になって喧嘩したり怒ってたりしたフランクリンが懐郷病の意味を知っているとは意外です。
フィンクスもそんなに頭脳派というわけではないものの、フランクリンの方が幾分物知りのようですね。
さらにこのシーン。
(引用:HUNTER×HUNTER 13巻19P/冨樫義博)
ヒソカがイルミとカルトの協力を仰ぎ、旅団のアジトから一人抜け出すシーンです。
ボノレノフの「追うか」という問いに対してフランクリンが冷静に制止しています。
ノブナガと喧嘩していた血気盛んなフランクリンだったら間違いなくカルトを追いかけて殺すことを考えていたでしょう。しかし、もしそうなれば、この場にはヒソカとイルミという凶悪な二人がいましたし、さらにイルミは家族大好きなので、弟が殺されたとあったらフランクリン、ボノレノフ共々殺すまで戦闘したかもしれません。
もし戦ってしたとしてどっちが勝ったかはわかりませんが、余計な戦闘を避けられたという意味ではフランクリンのナイス判断です。冷静に対応できる頭脳派になりつつあります。
ちなみに結局このシーンでは、カルトがフランクリンとボノレノフの注意を引いているうちにイルミがヒソカに変装し、ヒソカはアジトを抜けることができてしまいました。
フランクリンとボノレノフはこのヒソカの作戦の真意は知らなかったとはいえ、カルトを追おうが追うまいが、ヒソカは思惑通りアジトを抜けることはできたというわけですね。余談でした。
終盤:頭脳派フランクリン誕生!
終盤で、クラピカは旅団に捕まったゴンとキルアを奪還するべく、旅団の団長クロロを人質にし、旅団メンバーのパクノダのみを交渉人に指名しました。
さらに、パクノダ以外のメンバーが交渉場所に向かうパクノダに同行あるいは尾行していると分かった時点で、クロロを殺害するという条件も旅団に突きつけました。
旅団の掟に従えば、「頭より手足を生かすべき場合がある」。すなわち旅団メンバーはクラピカの条件を無視してパクノダを追跡し、クロロが殺されようがなんだろうが、クラピカも殺して、別の団長を立てればそれで完結のはずでした。
人質となったクロロも旅団メンバーがそのように行動することを期待していましたし、なんならクラピカは仲間を救おうと思うと、冷酷になれずクロロや旅団の命すら取れないと判断していました。
しかしクロロの期待とは裏腹に旅団メンバーはクラピカの条件を鵜呑みにし、団長を助ける派と殺してもいい派で決別してしまいます。
言い争いが続く中、ここまで頭脳派になりつつあったフランクリンがなんと!分裂寸前だった旅団をまとめ上げ、完全に頭脳派の一面を見せたのです!
そのシーンがこちら!
(引用:HUNTER×HUNTER 13巻42P/冨樫義博)
(引用:HUNTER×HUNTER 13巻42P/冨樫義博)
(引用:HUNTER×HUNTER 13巻43P/冨樫義博)
冷静!そして的を射ている!最初のフランクリンとは別人だぞ!?
「団長を殺してもいい派」だったフィンクスとフェイタンは、クラピカの条件を呑み、クロロを助けようとしているマチやコルトピに対して「クラピカに操作されている!」と揶揄していましたが、もし操作されてるとしたらフランクリンでしょ!序盤とのキャラが違いすぎるよ!みんな気がついて!
ですが、何はともあれフランクリンのありがたいお言葉によって旅団は仲違いを解消することができました。
本当を言うとクロロの期待通り、ゴン、キルアを人質に取っていた旅団の方がクラピカとの交渉においては断然有利で、クロロの解放とゴン、キルアの解放を天秤にかけて脅せば、クラピカはクロロを殺さずゴンとキルアの救出を優先したでしょう。
旅団みんなでパクノダと共にクラピカの元へ行っていればクロロを取り戻せた可能性が非常に高かったんですよね。
結局クロロはクラピカの念により旅団メンバーと一時会えなくなり、パクノダは死ぬ羽目になってしまいました。頭脳派フランクリンさんの采配ミスとまでは言いませんが、そううまくはいかないものです。
IQ爆上がりのフランクリン氏
異常な速度でキャラチェンジしていったフランクリン。初登場が8巻、最終的に頭脳派になったのが13巻。そんなにメインキャラでもないですし、あれこれ性格を変える必要もなかったのですが、なぜだかフランクリンは地味に激しいテコ入れが施されていました。冨樫先生のこだわりでしょうか。それとも旅団のメンバー的に、冷静に場を仕切れそうなのがクロロ、シャルナークあたりを抜かすとフランクリンしかいないという都合からなのでしょうか・・・繰り上げでフランクリンが頭脳派キャラに滑り込み!?
でも個人的には冷静で頭脳派のフランクリンの方が好きです。フランケンシュタインっぽい見た目なので、キャラクター的に怪力な脳筋キャラに思われがち・・・でもそうしないあたりに冨樫先生の重箱の隅を突く感じが現れていると思います。
頭脳派になったフランクリンが見られるのは、ハンターハンター13巻!