私の名前はジロギン。
「ジョジョの何部が好き?」
こんな質問をされたことはありませんか?
ジョジョ(ジョジョの奇妙な冒険)を知らない方にとっては、答えに困る質問だと思います。
一方、ジョジョが好きな方同士だと、会社員が初対面の相手に名刺交換するみたいに、この質問が平然と交わされます。
ジョジョは1〜8部に分かれており、ファンの間では何部が好きか挨拶のように聞き合う風潮があるのです(少なくとも私の周りでは)。
そのため、私は「ジョジョの何部が好き?」と質問をしてくる人はジョジョのファン、少なくともジョジョのストーリーやキャラを知っている人だと思って生きてきました。
しかし、この認識は誤っているのだと痛感する出来事があったのです。
今回はその時のことから得た教訓をお話しします。
Wi-Fiの工事にやってきたお兄さんとの出来事
先日、私は引っ越しをし、家の中のWi-Fi設置工事が必要になりました。
その時にやってきた工事のお兄さん(この記事では仮に「コウジさん」とします)との出来事です。
業者さんを家に入れた時あるあるだと思うのですが、業者さんが工事したり、書類を発行したりしてる間って、妙に気まずいですよね。
作業を見ていても、素人である私にできることはありません。
話しかけるのも作業の邪魔をしてしまいそうです。
業者さんを完全に無視して自分のやりたいことをやるのも、ちょっと気が引けます。
結果、自分の家なのに気まずい空気が充満してしまいがち。
今回コウジさんがやってきた時も、この空気が部屋に満ち始めていました。
それを察知してくれたのか、コウジさんは我が家にあるマンガしか入っていない本棚を見て、話題を振ってくれたのです。
はい来ました!例の質問!
コウジさんからは玄関口で名刺を受け取っていましたが、「ジョジョ好きのコウジ」としてはこの時初めて名刺をもらった感じ。
何部が好きか聞かれた時、私の答えは決まっています。
4部と7部…スティール・ボール・ランが好きです!
ちゃんとスティール・ボール・ランと言いました。
ジョジョ7部と8部はタイトルに「ジョジョの奇妙な冒険」が含まれていません。
そのため、コウジさんが7部、8部を1〜6部と別物だと認識している派で、
いやスティール・ボール・ランは7部とは言えないから!訂正してもう一度言って!
と怒るリスクも考え、ちゃんとスティール・ボール・ランと言い換えたのです。
何部か好きか言うことは、すなわち自らのジョジョ性癖をさらすようなもの。
自分がさらした以上、相手にもさらしてほしいところです。
そこで、私もコウジさんに
何部がお好きですか?
と聞きました。
本命は3部か…4部…対抗で5部か…大穴でジョジョリオンと行ったところ…
さぁ、コウジ!!!
キミのジョジョ性癖をさらしてもらおうじゃあないか!
コウジさんの回答は、
何ぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーっ!!?
意外!それは未読!!
「何部が好き?」と質問をする人=ジョジョ好き
私の頭に長年刻まれ続けていたこの方程式が、崩れかけました。
少しの間、動揺が止まりませんでした。
あせる私をよそに、コウジさんは続けました。
ジョジョってアニメもあるじゃないですか?
なるほど、私は見落としていました。
アニメね!コウジはアニメ派か!
ジョジョの原作は絵柄が劇画タッチすぎて受け入れられない人も多いと聞きます。
そんな人でも、大衆受けする絵柄になっているアニメなら入りやすいです。
コウジもアニメから入った勢だ!きっとそうだ!
ならアニメになっている部の話ならできるかもしれない!
そんな期待を抱いている中、コウジさんの口から出た言葉は、
結局、ジョジョの話題が広がることはありませんでした。
コウジさんは、その場の話題作りとしてジョジョを引っぱり出しただけだったのです。
どう切り返せばよかったのか
この一件、私の文章やイラストによってコウジさんが悪く見えてしまうかもしれません。
しかし、コウジさんは空気を和やかにしようと気を遣ってくれためちゃくちゃ優しいあんちゃんです。
問題点は、私の認識の甘さと返し方にあったと思います。
ジョジョの話題を出す人が必ずしもジョジョ好きではないと認識し、別の話題の振り方をしていれば、この事態を回避できたと思うのです。
では、どんな返しをすればよかったのでしょうか。
2パターン考えてみました。
ツッコミを入れる
「ジョジョの話を振ったのに自分は全く知らない」というのはコウジさんのボケだった可能性があります。
このボケを私は真に受けてしまい、変な空気を作り出してしまった…
そう考えると、私はコウジさんにツッコミを入れるべきだったということになります。
- 「いや知らんのかいっ!?なんでジョジョの話したの!?」
- 「ってうぉぉぉおおい!なんで知らんのにジョジョの話してんのっ!?」
- 「ええっー!?未読っ!?何の勝算があってこの話振ったのっ!?頭の中の計算式を見せてくれるかなっ!?」
ツッコミフレーズとしては、こんな感じでしょうか。
テンション高めのツッコミの方が、場の空気を盛り上げるのに良さそうですよね。
しかし私は、こんなツッコミができるほどのコミュ力は持ち合わせていません。
お笑いをやった経験もなければ、学校のクラスでボケツッコミのやりとりができる友達がいたことすらありません。
後で思い返すとツッコミという選択肢もあったのでしょうが、その場でとっさにツッコむことは、私の人間性を考えると100万回生まれ変わっても無理だったはず。
「コウジに痛烈なツッコミを入れる」という世界線へ進む自分の姿は、どうやってもイメージできませんでした。
気の利いたツッコミができる人に私はなりたい。来来来世くらいで。
「ジョジョお好きなんですか?」とワンテンポ置いて確認する
この一件は、私の頭の中にあった
「ジョジョの何部が好き?」と質問する人=ジョジョ好き
という方程式が招いた惨劇です。
コウジさんがジョジョの話をするものだから「ジョジョトークできる人だ!わーい!」と先走り、愚かな選択をしてしまいました。
ワンテンポ置いて、ジョジョが好きかどうか確認すれば、このような事態にはならなかったはず。
つまり、私もコウジさんと同じく「ジョジョお好きなんですか?」と一言確認を入れればよかったわけですね。
遠回りに思える道こそが、正しいゴールへの1番の近道。
そう遠回りこそが、最短の道だったんです。
出典:STEEL BALL RUN 21巻149P/荒木飛呂彦/集英社
皆がみんなジョジョ好きとは限らないことをジョジョに教えられるとは皮肉なものよ…
先入観は時としてコミュニケーションの足を引っ張る
大ごとのように書いてきましたが、今回の件は「雑談がうまくいかなかった」だけの話です。
ただ「自分の先入観がコミュニケーションの足を引っ張る時がある」という教訓を改めて理解するいい機会になりました。
私なりに先入観を持たず、人とコミュニケーションを取ろうと心がけてきたはずでしたが、まだまだ甘かったみたいです。
『自分の常識=他人の非常識』
この方程式を頭に刻んで生きていきます。
そしてコウジさんにはぜひ、ジョジョ原作を読むかアニメを見てもらえるとうれしいです。
ここにジョジョ全巻とアニメDVDのアフィリエイトリンクを貼ろうと思ったけどやめとく。