私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

バトル漫画の悪役の最後は?70キャラの末路からパターンを調査

 

私の名前はジロギン。

 

小さな頃からバトル系の少年漫画が大好きな私。大人になった今でも変わりません。

なぜこんなにもバトル漫画が好きなのかよく考えてみたら、その理由は「敵キャラ」にありました。

 

特に自分が好きな作品には、主人公と同じくらい魅力的な敵キャラが登場します。

私の性根が「悪」だからなのでしょうか、敵キャラをきっかけに作品を好きになってしまうようです。

 

そんな悪役好きな私には、気になることがあります。それは、

 

少年漫画の悪役はどんな最後を迎えるパターンが多いのか?

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いわゆる「末路」ですね。

好きなキャラが死んだりひどい目にあったりするのは悲しいですが、悪者の末路は悲惨なものです…

 

では、どんな最後を迎えるパターンが多いのか、様々なバトル漫画の敵キャラを調査し、集計してみました。

 

 

様々なバトル漫画の悪役キャラ70体の末路を調査

今回は、以下の条件で悪役キャラ70体の末路を調査し、パターンを集計してみました。

 

  • 作品の主人公または主人公の仲間と敵対関係にあったキャラ
  • 主人公勢と戦い、味方になった敵キャラも含む
  • 20208月時点(記事執筆時点)でストーリーに登場し続けている敵キャラは除く
  • 名前のないモブキャラなどは除く。有名な敵キャラ、ラスボス級キャラを中心に調査
  • 原作、アニメで末路が異なるキャラは原作を優先
  • 人の生き死にが関わらないスポーツ系漫画は除く

「遊戯王」はバトル漫画じゃないですが、遊戯くんたちはデュエルに命をかけてるので含めました

キャラごとの末路をまとめたわけではなく、あくまで「悪役はこういう最後を迎えるパターンが多い」という結果です。

 

調査対象は私の好きな作品(主に週刊少年ジャンプの有名作品)に偏ってしまっていますが、傾向を導き出すだけなら問題ないかと思います。

 

では早速、どんな最後が多いのか集計した結果をご覧ください。

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1位「死亡」47.1%(33体)

2位「改心」25.7%(18体)

3位「行方不明」5.7%(4体)

4位「その他」21.4%(15体、後ほど詳しく解説)

 

それぞれの末路について、解説と私なりの解釈を付け加えていきます。

 

最多は「死亡(消滅)」でラスボスに多いパターン

悪事を働いてきた敵キャラの末路は「死亡」が最多でした。

そのキャラが「霊体」みたいな存在で消滅した場合も、死亡とみなしました(「遊戯王」のバクラなど)。

 

今回調べた70キャラのうち、死を迎えたキャラは半数近く。

少年漫画のストーリーは「勧善懲悪」が多いので、悪にはそれなりの罰(=死)を与えなるのが基本となるようです。

 

特にラスボス級のキャラは、軒並み死んでいます。

ラスボスは悪の根源みたいな存在ですので、主人公サイドとしても改心させようがないのでしょう。

 

死後の世界は、とんでもなく悪い奴らの巣窟となってそうですね。

現在連載中の作品に登場している悪役にも、この巣窟に仲間入りするキャラがたくさんいることでしょう…

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実はいい人で、惜しまれながら死んだ敵キャラもいますが、今回調べた中だと少数派でした。

例えば、「NARUTO」のうちはイタチ

 

自己犠牲の精神で悪人のふりをしていたイタチ。

敵キャラかというと微妙なのですが、初登場時は完全に敵の雰囲気だったので、今回の調査に含めました。

 

イタチは多くの人を手にかけたので、死後の行き先は他作品の悪役たちと同じ場所だった可能性が高いと思います。

そっちの世界では、無理して悪役ぶってそうです。演技派で騙すのが得意なイタチですから、きっとうまくやっいることでしょう。

長男はだいたい苦労人

関連記事:【ナルト】うちはイタチの顔の線の正体は何か?線がある理由は何か考察してみた!

 

「死」を迎えた代表的なキャラ

百地再不斬(NARUTO)

うちはイタチ(NARUTO)

長門(NARUTO)

オビト(NARUTO)

うちはマダラ(NARUTO)

ディオ1部&3部(ジョジョ)

DIO7部(ジョジョ)

吉良吉影(ジョジョ)

プッチ神父(ジョジョ)

バレンタイン大統領(ジョジョ)

ペガサス(遊戯王)

バクラ(遊戯王)

メルエム(HUNTER×HUNTER)

シックス(魔人探偵脳噛ネウロ)

イレブン(魔人探偵脳噛ネウロ)

お父様(鋼の錬金術師)

ラディッツ(DRAGON BALL)

フリーザ(DRAGON BALL)

セル(DRAGON BALL)

仙水忍(幽遊白書)

戸愚呂弟(幽遊白書)

ユーハバッハ(BLEACH)

ラオウ(北斗の拳)

カイオウ(北斗の拳)

ボルゲ(北斗の拳)

奈落(犬夜叉)

高杉晋助(銀魂)

志々雄真実(るろうに剣心)

大魔王バーン(ダイの大冒険)

鬼舞辻無惨(鬼滅の刃)

アカシア(トリコ)

三虎(トリコ)

魔神王(七つの大罪)

 

「改心」した敵は主人公のライバルキャラとして有名に

2位は「改心」するパターン。

最初は悪事を働いて主人公と対立していたのが、戦いを通して悪から足を洗うことになった敵キャラです。

 

このようなキャラは、主人公の良きライバルとなるケースが多いですね(「DRAGON BALL」のベジータ「遊戯王」の海馬など)。

 

こういうライバルキャラって、初登場時より丸くなってはいるものの、まだ少し悪の影を残しているのが魅力的なんですよね。

作品によっては、主人公よりも人気ランキングで上位になってしまうことも…

でも、脇役が目立つ作品って名作が多いですよね

また、完全に改心して主人公の仲間になる敵キャラも見られます(「NARUTO」の我愛羅など)。

このパターンは、少年漫画としては理想的な解決だと思います。

命を奪うことなく、悪の生き方をやめさせる平和的な最後ですよね。

 

ただ、「改心したからといって悪事が許されるわけではない」という読者の意見もあるので、このパターンは賛否が分かれるところ。

 

個人的には、人気キャラなら主人公の味方になるのも全然ありかなと思います 

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「HUNTER×HUNTER」のゲンスルーは、次の「行方不明」に含めようか迷いました。

しかし、「行方不明」は改心・反省せず姿をくらましたキャラにしたかったので、こちらにしました。

 

関連記事:【ハンターハンター】もしゲンスルーがコミュ障だったら「命の音(カウントダウン)」の威力上がりそうだよね?

 

「改心?」した代表的なキャラ

ゲンスルー(HUNTER×HUNTER)

薬師カブト(NARUTO)

我愛羅(NARUTO)

サスケ(NARUTO)

海馬瀬人(遊戯王)

マリク(遊戯王)

岸辺露伴(ジョジョ)

スカー(鋼の錬金術師)

ベジータ(DRAGON BALL)

ピッコロ(マジュニア)(DRAGON BALL)

人造人間17号(DRAGON BALL)

人造人間18号(DRAGON BALL)

朽木白哉(BLEACH)

斎藤一(るろうに剣心)

六道骸(家庭教師ヒットマンリボーン)

XANXUS(家庭教師ヒットマンリボーン)

白蘭(家庭教師ヒットマンリボーン)

スタージュン(トリコ)

 

行方不明になる敵キャラには3パターンある

3位は「行方不明」になるという末路。

どこにいったのかわからなくなり、以降登場しなくなった敵キャラですね。

 

この「行方不明」になる敵キャラは、大きく3つのパターンに分けられると思います。

  • 実質的に死亡
  • 生存(逃亡)
  • 生死不明

の3つです。

 

それぞれ説明していきます。

 

実質的に死亡

これは、実例を出した方がわかりやすいと思います。

「ジョジョの奇妙な冒険第2部 戦闘潮流」のラスボス・カーズです。

 

弱点だった太陽を克服し「究極生物」となったカーズ。

どんな手段でも倒せなくなったカーズの末路は、「宇宙空間に放り出され、生物と鉱物の中間の生命体となり、考えることをやめる」でした。

 

カースは宇宙をさまよい続けており、行方不明です。

そしてただ行方不明になっただけでなく、体は硬化してしまい何もできない状態に。

実質的な「死」と考えていいかもしれません。

 

1位の「死亡」に含めようかとも考えましたが、カーズは一応生きているので、「行方不明(実質的な死亡)」という分類にしました。

 

カーズ以外に大ボスキャラでこのような末路を迎えたキャラは少ないかもしれません。

もし他にもご存知でしたら、ぜひ教えてください

 

生存(逃亡)

死亡する敵キャラが多い中、生き延びて消息不明となったキャラもいます。

私の中でもっとも印象的なのが、「魔人探偵脳噛ネウロ」の葛西善二郎(かさいぜんじろう)です。

 

葛西は、前科1,000犯を超えるレジェンド犯罪者。

両手に仕込んだ火炎放射器で戦う放火魔です。

 

主人公のネウロとは直接戦うことなく、警察たちに追い詰められ、燃え盛るビルの崩落に巻き込まれて死んだと思われました。

 

しかし、ギリギリのところで生存。最終話で姿を見ました。

そこで作品自体が終わってしまったため、葛西は主人公ネウロから逃げ切った形となります。

 

前作で逃げ切ったキャラは、続編で登場するのが鉄板!!

敵の幹部で唯一生き残った葛西の存在は意味深だったので、ネウロの続編に期待してしまいます。

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特殊な細胞でドーピングし、身体能力を強化している敵が多い中、唯一生身で戦っていた葛西!

ただのおじさんが奮闘していたのだと知った時は、興奮してしまいました。

 

葛西のような末路も珍しいような気がします。

 

生死不明

姿をくらまし、生死すら不明なキャラもいます。

 

正直、モブの敵キャラやその後を語るまでもない中ボスキャラは、このパターンがとても多いんですよね。 

でも、このような敵キャラは今回の調査対象には含まないため、数はかなり限定されました。

 

具体的には「ONEPIECE」のキャプテン・クロ首領クリークですね(彼らも中ボスクラスですが、印象的なキャラだったので調査対象にしました…)。

 

初期のルフィに立ちはだかった2人は、敗北した後の行方が完全にわからない状態です。

クロはアニメオリジナルの話で海賊に復帰していた描写がありましたが、原作だと行方知れずだったはず。

 

首領クリークは、部下のギンの話だと偉大なる航路(グランドライン)に再挑戦したようですが、その後の情報はなし。

首領クリークの戦力を考えると、偉大なる航路(グランドライン)で勝ち残るのは厳しいでしょう。

 

部下の中で最強だったギンも毒ガスで死にそうでしたから、クリーク海賊団は壊滅していてもおかしくありません。

 

クロとクリークは、生きているかどうかも不明なキャラとして「行方不明」に含めました。

 

関連記事:【ワンピース】キャプテン・クロとギンが戦ったらどちらが強いのか?考察してみた!

 

「その他」の末路パターンが面白い!

「その他」として一括してしまったのですが、個性的な最後を迎えている敵キャラが結構います。

 

中にはかなりぶっ飛んだものもあり、ここら辺は調べていてとても面白かったです。

 

特に印象的だった敵キャラの末路をピックアップしたので、紹介します。

 

強すぎてどうしようもない奴は封印・拘束

バトル漫画にありがちなのが、ストーリー後半のインフレ化。

どんどん強くなる主人公に合わせて敵キャラを出し続けていった結果、ラスボスは「こいつどうやって倒すんや…?」って強さになってしまうことも。

 

このような敵は殺すことも改心させることもできないので、とりあえず「封印or拘束」あるのみ!

身動きを封じ、能力を使えない状態にするほか解決策がないのです。

 

例えば「NARUTO」のラスボス・大筒木カグヤ

忍者同士の戦いを描いてきた「NARUTO」ですが、カグヤはその忍世界を作り出すきっかけとなった存在で、神に近い力を持っています。

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最終的にカグヤはナルトとサスケが封印。

死亡したわけではなく、力を押さえ込む形で解決となりました。

 

カグヤはこれまでナルトたちが戦ってきた敵とは比較にならない力を持つ、いわゆる「チートキャラ」。

封印する以外に倒す方法がなかったようです。

強すぎてポカーンとしてしまいました…
うちはマダラがラスボスでもよかったなぁ…

他にも封印・拘束されたキャラには「BLEACH」の藍染惣右介(あいぜんそうすけ)や、「ソウルイーター」の鬼神などがいます。

いずれも作中最強クラスの敵キャラです。

 

「死に続ける」という絶対に嫌な末路

もし自分が物語の敵キャラだったとして、一番嫌だなと思ったのが「死に続ける」という末路。

この末路を辿ったのが、「ジョジョの奇妙な冒険第5部 黄金の風」のラスボス・ディアボロ

 

主人公・ジョルノのスタンド能力で、永遠に死ぬ瞬間を繰り返し続けることになりました。

…嫌ですね…ゾッとします。

 

死ぬ瞬間って、死ぬほど怖いと思うんです、死ぬんで。

それでも死ねないって、どうすればいいのか全くわからない地獄でしょうね。

ジョジョは4〜5部くらいからエグい能力が増えたように感じます。

 

「生き続ける」のも絶望

ディアボロと近いのですが、「死ねない=何をしても生き続ける」という最後を迎えた敵キャラもいました。

「幽遊白書」の戸愚呂兄です。

 

不死身とも言える再生能力を持った戸愚呂兄。

その能力が裏目に出て、蔵馬の幻影と戦い続ける末路を辿りました。

 

戦いにおいては最強レベルの能力を持つ戸愚呂兄でしたが、死ねないということが永遠に続く苦痛に変わってしまうとは、皮肉ですね。

 

ディアボロのように死に続けるのも、戸愚呂兄のように生き続けるのも、どちらも恐ろしい最後だと思います。

こんな末路を思いつける荒木先生、冨樫先生の思考回路こそ恐ろしい…

 

なぜ許された…?

あまりに絶望的な末路が続いてしまったので、ここで少し平和的なものを紹介します。

 

「NARUTO」序盤の大ボスにして、多くの人にトラウマを植え付けた大蛇丸(おろちまる)さん。

人体実験を繰り返し、故郷である木の葉隠れの里を襲撃した危険人物だった大蛇丸さんですが、最後はなんやかんや許されました。

 

監視付きですが、アジトで自由に研究する生活を送っています。

 

作中で大蛇丸さんがやってきた所業はシャレにならない物が多く、大量の犠牲者が出ました。

それでも、忍界大戦に協力した恩恵なのか、お咎めなしなようです…

 

大蛇丸クラスの敵が、割と幸せそうな末路を迎えるのはある意味珍しい感じがします。

「憎まれっ子世に憚る」なんて言葉がありますが、大蛇丸さんにピッタリの言葉ですね…

 

一応大蛇丸さんは、サスケに1回、イタチに1回殺害&封印されているので、それを罰としたんでしょうかね。

どのみち大蛇丸は死なないので、監視しつつ放置するほかなかったとも考えられます。

 

ちなみに、大蛇丸の仲間だったカブト、サスケもなんやかんや許されてます。

彼らも改心したとはいえ、かなり危険なテロリストだったんですけどね…

七代目火影・ナルトさんの懐の深さは異常

 

ぶっ飛びすぎたお姫様化

最後に紹介したいのが、一番ぶっ飛んでいるなと感じたラスボスの最後…

「シャーマンキング」のハオです。

 

連載当時「シャーマンキング」は打ち切りが決まったようで、ストーリーが完結することなく終了してしまいました。

連載の最終話は、主人公・葉(よう)の友達まん太の夢オチ。

 

その夢の中で、ラスボスのハオはお姫様化(本来は男の子)。

「プリンセス・ハオ」として、可愛らしい寝顔を披露してくれました。

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ネット上で「シャーマンキング」は、意外すぎる最後を迎えた作品としても有名です。

あまりにも唐突な終わり方で、当時の読者は度肝を抜かれたのではないでしょうか。

 

これで終わったのではスッキリしないですよね。

ラスボスの末路と言っていいのかどうか…それ以前に、葉たちがどうなったのかもわかりません。

 

実はシャーマンキングはその後「完全版」が発売されまして、このプリンセス・ハオENDとは別のエンディングを迎えています。

そのエンディングだと、ハオは生き延びて、改心したような最後を迎えます。

 

「完全版」の方がエンディングとしては正しいのでしょうが、今回は連載時点のハオの最後をピックアップしました。

プリンセス・ハオENDの方がインパクト強いですよね…?

 

調べるキャラを増やしても1位は変わらないと予想

本当に申し訳ないのですが、この調査…

かなりガバガバ

です。

 

冒頭でも触れた通り、今回集計した敵キャラは、私の好きな作品や知っている作品のキャラが多数。

結果にはある程度の偏りが生まれていると思います。

 

作品の幅を広げ、細かく敵キャラの末路を調べたら、割合は変わるかもしれません。

末路の解釈も人によって違いますから、私以外の人が同じ調査をしても同じ結果にはならないでしょう。

 

ただ、調べてみた所感として、調査対象の敵キャラを増やしても「死亡」パターンが1位には変わらないのではないかと思います。

実は、もう少しマイナーなキャラも20〜30体ほど調べたのですが、その大多数が死亡する最後を迎えていました。

 

少年漫画の敵キャラの最後は「死亡」がセオリーのようです。

 

この調査を始める前、私は「少年漫画は敵キャラも味方キャラもあまり死なない」と考えていました。

純粋な少年・少女たちが読者となるため、命の奪い合いを描くのを避ける作品が多いのではないかと。

 

フタを開けてみたら、全然そんなことはなかったですね。

ザックザックやっちゃってました。

 

意外な結果がわかり、自分としても楽しく調査ができました。

 

まだまだ継続中の作品は多く、どんな最後を迎えるかわからない敵キャラがたくさんいます。

あなたの好きな悪役はどんな末路を辿るのでしょうか。

ぜひ見届けてあげてください。

私は幻影旅団とヒソカの最後が知りたい…頼みますぜ、冨樫先生!