クラピカは半年ほど念の修行を積み、ウボォーギンを単独で倒すレベルの力を身につけました。
さらに、体術主体で戦うウボォーギンと同等かそれ以上の格闘技術を習得していたのにも驚きです。
そのクラピカを指導していたのがイズナビ師匠。
「さぞ偉大な師匠なのだろう」と感じてしまいますが、イズナビはクラピカとの修行中に白帯をつけているんですよね。
出典:HUNTER×HUNTER 9巻/183P/冨樫義博/集英社
後ほど説明しますが、白帯は空手や柔道などにおいて段位を持たない初心者がつける帯。
つまりイズナビは何らかの武道の初心者である可能性が高いのです。
クラピカの師匠であるイズナビですが、初心者の証とも言える白帯をつけていたのはなぜでしょうか。
考察します。
イズナビとは
出典:HUNTER×HUNTER 9巻/173P/冨樫義博/集英社
ハンター試験に合格したクラピカを指導し、念を習得させた師匠です。
名前が長らく明かされませんでしたが、カキン帝国の王位継承戦編にて「イズナビ」だと判明しました(新アニメ版だと「ミズケン」という名前です)。
その名前からネットでは、イズナビのモデルはB'zの稲葉浩志さんだとされており、
B'z稲葉→ビイズイナバ→ビイズ(イ)ナ(バ)→イズナビ
となっているのではないかと考えられています。
ブラックホエール1号内にてイズナビが歌っているシーンもありましたので、かなり有力な説です。
イズナビは王位継承戦に参加中で、第6王子タイソン(イケメンを侍らせている丸顔の王子)の護衛をしていますが、まだこれといった活躍はしていません。
若手の護衛とヒソヒソ話ばかりしています(本記事公開の2021年4月時点)。
しかし、念について全く知識のなかったクラピカをたった半年で鍛え上げたことから、イズナビは師匠として非常に有能であることが伺えます。
クラピカに素質があったことも影響しているとは思いますが、1000万人に1人の才能を持つゴンとキルア(ウイング談)とほぼ同じ期間で「発」の開発までできていることを考えると、イズナビの指導レベルはかなり高かったのでしょう。
白帯は段位を持たない人がつけるもの
次に現実世界の話になりますが、白帯について説明します。
空手や柔道などで段位を持たない初心者がつける帯が白帯です。
武道を始めたばかりの人は白帯から始まり、段位が上がることで帯の色が変わります。
師範と呼ばれる人々は黒帯や赤帯をつけており、それだけ経験と技術があることを意味しているのです。
反対に、師範なのに白帯をつけているという事例はほとんどない様子。
私自身、武道の経験がなく詳細はわからないのですが、基本的に師範は黒帯以上の帯をつけるのが一般的なようです。
なぜイズナビは師匠なのに白帯をつけていたのか
白帯をつけているということは、イズナビは武道の初心者だった可能性が高いと思われます。
クラピカの師匠である彼が全くの初心者だったとは思えません。
なぜ白帯をつけていたのでしょうか。いくつかの説を考えてみました。
私服が道着
まず最初に思いついたのが、イズナビの私服が道着という説。
常に道着を着ていて、帯の色はファッション感覚で選んでいるという考察です。
イズナビ的に、帯の色は黒や赤よりも白の方がしっくりきたのかもしれません。
だから武道の実力や経験にかかわらず白帯をつけていたと……
しかしこの考察は、王位継承戦直前にイズナビが再登場した際の服装で説明が難しくなりました。
なんとイズナビはジャージのような服を着ていたのです。
出典:HUNTER×HUNTER 33巻/189P/冨樫義博/集英社
もしイズナビが私服として道着と白帯を愛用しているのであれば、このシーンでも着ていたことでしょう。
ジャージを着て来たことで、イズナビの私服=道着という説が不確定なものになりました。
しかも道着ってゴワゴワしてますし、冬場は寒そうなので私服としては不向きですよね。
パジャマにしても、ちょっと寝苦しくなりそうだなという印象です。
イズナビ自身も学ぶ立場にあった
調べたところ、白帯は「師範である有段者(黒帯)から学ぶ立場にある」という意味合いでつける帯とのこと。
つまりイズナビが白帯をつけていた理由は、イズナビ自身も師匠であると同時に他の師匠から別の武道を学ぶ立場にあったからと考えられそうです。
例えばイズナビは、空手を極めて黒帯を取得していたとします。
そして、新たに柔道を一から稽古してもらうために白帯をつけていた。
その過程でクラピカと出会い、師匠になった。
このような可能性です。
実際にクラピカの体術は打突が多いので、空手のような武術をベースにしていると思われます。
空手では師範だったイズナビに師事し、念と併せて武術も教わったと考えられないでしょうか。
まとめると、イズナビは新たな武道を始めたばかりだったため白帯をつけてましたが、別の分野では師匠になれるだけの実力を持っていたという考察です。
空手歴40年の先生でも学ぶときは白帯をつける
果たして師匠と呼ばれる人が白帯をつけることはあるのでしょうか……
このような事例がないか探したところ、ある動画を見つけました。
それがこちら。
空手歴40年、普段は先生として指導している方が別の先生に教わるにあたり、白帯をつけている動画です。
師匠クラスの人でも「教えてもらう」という立場になる際は、白帯をつけることはある様子。
このことからもイズナビは、何らかの武術を初心者として学んでいた可能性が高いのではないかと思われます。
あるいはクラピカとの修行を通じて「師匠としての自己を一から磨き上げる」という意味合いでの白帯だったのかもしれません。
イズナビはさらなる高みを目指す男
考察をまとめると、イズナビは、
新しい武道を学習中だった
故に白帯をつけていたのではないかと思われます。
師匠という立場になってもなお新しい技術を身につけ、成長しようという姿勢がイズナビの白帯に現れているのでしょう。
または、先述の通り
クラピカとの修行で師匠としての自己を成長させる
という意味で白帯をつけていたとも考えられます。
どちらにせよイズナビは、現状よりさらなる高みを目指している男ということが伺えそうです。
……その割には、タイソン王子の護衛中におしゃべりばかりしていますね。
サボっているわけではないのですが、高みを目指す男にしては気を抜きすぎかなと……
いやいや!クラピカを半年で幻影旅団レベルにまで鍛え上げたイズナビ師匠のことです。きっとおしゃべりにも何か意味があるはず!
やるときはしっかりやる、でもリラックスする時間も欠かさない!
それがさらなる高みへと自分を押し上げることをイズナビ師匠は理解している!
そうに違いありません!!