キメラ=アント編中盤、討伐隊のメンバーであるモラウに戦いを挑んだキメラ=アント師団長のヂートゥ。
ヂートゥは持ち前のスピードで戦うだけではプロハンター級の念能力者には勝てないことをしり、「発」を会得。
その「発」を試す相手として、最初の接触で仕留めきれなかったモラウを選んだのでした。
結果としてモラウに破られたヂートゥの能力。この能力を実際に受けたモラウは「ナックルの影響を受けている」と判断しています。
ヂートゥとモラウが初戦闘をした際、モラウの弟子・ナックルもその場におり、ヂートゥに念能力「天上不知唯我独損(ハコワレ)」を使っています。このナックルの能力がヂートゥの能力に影響していると、モラウは思ったようです。
具体的にどのような点が影響を受けていたのか、考察していきます。
ヂートゥの念能力
まずはモラウが「ナックルの影響を受けている」と判断した、ヂートゥの念能力の特徴をおさらいします。
能力の名前・系統ともに不明で、キメラ=アント護衛軍シャウアプフの力により、ヂートゥに宿った念能力のようです。
ヂートゥが攻撃した(触った)相手を、サバンナを模した野球グラウンドほどの念空間に、自身と共に閉じ込め、鬼ごっこを強います。
空間の中央にある砂時計の砂が全て落ちるまで(8時間)に、閉じ込められた者がヂートゥに触れることができれば勝利。念空間から解放され、ヂートゥはこの能力を使用できなくなります。
8時間以内にヂートゥにタッチできなければどうなるのかについて、ヂートゥは説明をしませんでした。理由は、モラウに破られた時点で同じ能力は使えなくなる制約を設けており、説明しても意味はないためです。
ナックルの「天上不知唯我独損(ハコワレ)」
ヂートゥの能力がナックルのどのような点に影響を受けているか考えるには、ナックルの念能力「天上不知唯我独損(ハコワレ)」の特徴についてもおさらいする必要があります。
「天上不知唯我独損(ハコワレ)」は、時間経過により対象者の念能力を封じる能力です。
ナックルが対象者を殴ると同時に能力が発動。ポットクリンという可愛らしいマスコット(無害ゆえに無敵)が、カウントを開始します。
ポットクリンのカウントが示すのは、ナックルが対象者を殴った際に貸し与えたオーラと、10秒ごとに1割増えていく利息分のオーラ量。
利息が増えていき、カウントが対象者の総オーラ量を超えると破産。ポットクリンはトリタテンに変わり、対象者は30日間『絶』状態になります。すなわち、ナックルとの戦闘が長引くと、自分の念能力が使用不可になるリスクも高まるということです。
ナックルが追加で攻撃を加え、対象者にさらにオーラを貸し与えるとカウントの上昇率も増え、オーラ量の上限に達するまでのスピードも加速します。
一方、ナックルが対象者から攻撃を食らうと貸し与えたオーラが返済されたことになり、利息による上昇率は減少。
まるでお金の貸し借りみたいな能力です。
ヂートゥがナックルから受けた影響とは?
一見すると全く関係なく思えるヂートゥの能力とナックルの能力。
しかし、百戦錬磨のプロハンターであるモラウが「影響を受けている」と言うのであれば、何らかの共通点があるのでしょう。
ここからは、ヂートゥがナックルから受けた影響とは何か、考えていきます。
時間経過が能力に関係する
ヂートゥの能力もナックルの「天上不知唯我独損(ハコワレ)」も、時間経過が関係するという共通点があります。
ヂートゥの能力は8時間以内にヂートゥに触れるというルール。ナックルの「天上不知唯我独損(ハコワレ)」は貸したオーラが10秒ごとに1割増えていく。
能力に時間が関係していることから、モラウは「ナックルの影響を受けている」と思ったのではないでしょうか。
タッチできなかった場合のペナルティも関連?
ヂートゥの能力がナックルの影響を受けていることから、モラウは8時間以内に念空間から脱出できない場合のペナルティが存在する可能性も考えていました。
そのペナルティが何か、モラウがヂートゥに聞いても教えてもらえせんでしたが、おそらく念の使用不可(強制的な絶)ではないかと私は予想します。
ナックルの「天上不知唯我独損(ハコワレ)」は、対象者に貸したオーラがその者の総オーラ量を超え、返済が不可能になった時点で強制的な「絶」状態にし、30日間念の使用ができなくなります。
ヂートゥの能力も「天上不知唯我独損(ハコワレ)」と同じく、制限時間までにヂートゥに触れられなかった場合、鬼になった者の念を使用不可にするペナルティがあった可能性は高そうです。それなら、モラウの言う通りヂートゥの能力はナックルの影響を受けていることがハッキリします。
ヂートゥがナックルの影響を受けた理由
ヂートゥの能力がなぜナックルの影響を受けたのか、その理由も謎。
念能力の「発」は、能力者が自由に編み出すことができます。もちろん得意な系統、修練度などによって実現できる「発」も変わるので、どんな能力でも編み出せるわけではありません。が、能力の方向性を決めるのは能力者自身です。
となると、ヂートゥがナックルの能力を受けて、あえて同じような特徴を持つ「発」にしたと考えられます。
あるいは、ヂートゥの意思とは関係なくナックルの能力の特徴が「発」に影響してしまった可能性もゼロではありません。
ヂートゥは一般的な方法で「発」を習得したわけではなく、プフの能力で習得しています。
プフには他のキメラ=アントの念能力習得を促す力があるようです。しかし、作中では詳しく言及されておらず、全貌は分かりません。
プフの力で「発」を開花した場合、その者の強みを活かした「発」になるだけでなく、その時点までに念による攻撃を受けた場合、その念の特徴も反映されてしまう、みたいなルールがあるのかも?
この場合、ヂートゥの能力は100%自分の意思で開発したわけではなくなります。
……などと考えてみても、ヂートゥもプフも命を落としてしまったのでほぼ無意味という悲しさよ……