『テニスの王子様』作中で、立海大附属中の2年生エース・切原赤也くんが初登場した際、彼は柿の木中との練習試合に向かっている途中でした(バスの中で寝過ごし、青学の前に到着。その後も寝過ごし、間に合ったのかは不明)。
柿の木中は、リョーマたちが所属する青学と同じ地区にある中学校です。立海大附属中と繰り返し練習試合を組むことで、戦力をアップしてきたそう。
しかし、作中での立海大附属中と柿の木中の実力差を考えると、差があり過ぎて立海大附属中側に練習試合を受けるメリットがなさそうなのです。
そこで今回は、なぜ柿の木中は立海大附属中と練習試合を組めたのか、考察していきます。
- 立海大附属中と柿の木中の実力差
- なぜ柿の木中は立海大附属中と練習試合を組めたのか?
- 立海大附属中の2軍・3軍と練習試合をしていた?
- レギュラーの赤也くんが練習試合に参加していた理由は?
- 筆者も近い話を聞いたことがある
- 立海大附属中は選手層がめちゃくちゃ厚そう
立海大附属中と柿の木中の実力差
まずは立海大附属中と柿の木中の実力差を、作中での実績から比較してみます。
立海大附属中は言わずもがなでしょう。
神奈川県内にある中学で、全国最強の名に相応しい実績。全国大会2連覇、関東大会15連覇を達成しています(作中では青学に敗れ、全国大会・関東大会ともに準優勝)。
元々テニスの強豪校でしたが、幸村くんたちの代が入部したことで、名実共に「王者」となりました。
立海大附属中のレギュラー陣は、全員が全国区プレーヤー。
青学の名将・竜崎スミレ先生曰く「手塚が7人いると思え(当時、幸村くんは入院中のため、本当は8人)」とのこと。
全国区プレーヤーを複数名有する学校はほとんどなく、立海の選手層の厚さは群を抜いています。
一方、柿の木中は、例年青学と地区大会で優勝争いをしていた都大会常連校。
主将は「お前は決して弱くない。オレが強かっただけの話だ!」の名ゼリフでお馴染み、九鬼貴一くん。
作中では、地区大会の準決勝で不動峰に敗北。都大会進出どころか、地区大会の決勝にすら進めませんでした。
才能のある人材が集まっていたとはいえ、部ができて1年未満の不動峰に完敗する実力を考えると、柿の木は都大会上位に食い込めるかどうかくらいの学校だったのでないでしょうか。
強くても聖ルドルフくらいだったと思われます。
なぜ柿の木中は立海大附属中と練習試合を組めたのか?
さて本題。
全国大会2連覇をしている立海と、都大会で上位入賞できるかどうかくらいの柿の木。
実力差は明らかで、仮に練習試合をしても、立海レギュラーにとっては練習にならないと思われます。
シングルスプレーヤーではないジャッカル桑原くん1人で、柿の木のレギュラー全員をボコボコにできそうです。
しかも柿の木中は東京都内の学校ですが、立海は神奈川県の学校。練習試合のために県をまたぐ手間も考えると、なおさら立海側にメリットは少なそうです。
なのに、なぜ柿の木は立海と練習試合を組めたのでしょうか?
立海大附属中の2軍・3軍と練習試合をしていた?
どう考えても、立海のレギュラーたちと柿の木の選手とでは、実力差があり過ぎて練習にならないでしょう。
しかし、立海大附属中の2軍や3軍の選手なら、もう少し近い実力差で試合ができるかもしれません。
テニスの強豪校である立海は、テニス設備も整備されているはず。が、普段の練習ではレギュラー陣が優先的に設備を利用していると思われます。
将来的な立海テニス部全体のことを考えると、レギュラー以外の選手の育成も大切です。
特に現在の3年生が卒業した後も関東・全国を勝ち抜くためには、2軍・3軍にいる1〜2年生の育成が必須。
彼らの練習の場を用意するのであれば、格下の他校と練習試合をさせるのが手っ取り早いと考えられます。
おそらく、作中で柿の木が練習試合をしていたのは、レギュラーの3年生以外の選手だったのではないでしょうか。
それでも、全国トップレベルの立海で練習を積んだ選手と戦えるのは、柿の木にとってメリットがあるといえます。
立海大附属中の2軍・3軍の選手にとっても、試合に出る機会になり、場数を踏めるのであれば、格下の柿の木が相手といえど練習試合は貴重な機会になるはずです。
レギュラーの赤也くんが練習試合に参加していた理由は?
しかし、作中では2年生にして立海のレギュラーになっている切原赤也くんが柿の木との練習試合に参加しています。
赤也くんの実力を考えると、柿の木は暇つぶしにもならない相手でしょう。
それでも赤也くんが練習試合に行こうとしていたのは、先生(監督)から試合経験を積むよう指示されたからではないかと考えます。
強いといえど、赤也くんはまだ2年生。立海に入って1年程度しか経っていません。
全国大会を2回も乗り越えた立海ビッグ3と比較すると、試合経験はまだまだ少ないといえます。
そんな赤也くんを少しでも育成すべく、立海の先生は赤也くんに、柿の木との練習試合に参加するよう指示したのではないでしょうか。
そのため赤也くんは、バスで寝過ごしたり、「せっかくの日曜日が潰れた」というようなことを言ったりして、やる気がなく、半強制的に参加させられたような形だったのではないかと。
筆者も近い話を聞いたことがある
今回の考察は、私が高校時代に聞いた話をもとに進めました。
私が高校3年生の頃、同級生に野球部の男子がいました。
私が通う学校の野球部はそれほど強くなく、西東京予選大会(東京は学校数が多いため、甲子園の予選が西大会と東大会に分かれていて、うちの学校は西大会に参加していた)で2〜3回勝てれば良い方というくらいの実績。
そんなうちの野球部が、甲子園の優勝経験もある日大三高と練習試合をしたそうです。
まさに立海と柿の木くらいの実力差があったと思います。
その男子曰く、日大三高側は3軍、うちの高校は1軍が試合をすることになったそう。
結果は日大三高側の圧勝だったそうです。
現実にも、スポーツ強豪校の2軍・3軍の選手が格下の学校と練習試合をすることがあることから、今回の考察をしました。
立海大附属中は選手層がめちゃくちゃ厚そう
もし今回の考察どおりだとしたら、立海大附属中は2〜3軍も都大会常連校レベルの柿の木と同等か、それ以上に戦えることになります。
めちゃくちゃ選手層が厚いですね。
幸村くんたちの世代が卒業しても、他校と練習試合をしまくり、超強くなった後輩選手がドンドン頭角を現しても不思議ではありません。
現状、翌年の立海エース候補であろう赤也くんも、うかうかしてられませんなぁ……