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【テニスの王子様】六角中が不遇すぎて悲しい件

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千葉県代表の六角中学校。

テニスの王子様では少数派の公立校ですが、「古豪」と呼ばれ、昔からテニスの強豪校として知られているようです。

実際に六角中は、関東大会ベスト4、そして全国大会出場と強豪校らしい実績を残しました。

 

しかし、作中の試合描写を見ると、六角中は負けばかりであまりにも不遇……

実績だけで見ればもっと不遇に思える氷帝学園よりも、悲しい扱いを受けているのです涙

 

そこで今回は、六角中がいかに不遇かを紹介しようと思います。

六角中学校とは

まずは簡単に、六角中について振り返ります。

六角中は千葉県にある公立校。テニス部は長い歴史と高い実績を誇り、関東の強豪として有名です。

六角中テニス部の現レギュラーは、以下の7名。

  • 葵剣太郎(あおいけんたろう):1年
  • 佐伯虎次郎(さえきこじろう):3年
  • 黒羽春風(くろばねはるかぜ):3年
  • 木更津亮(きさらづりょう):3年
  • 天根ヒカル(あまねヒカル):2年
  • 首藤聡(しゅどうさとし):3年

部長は1年生の剣太郎くんです。顧問のオジイが決めたとのこと。

六角中の部員たちは、みんな幼馴染で、小さい頃から遊びの中でテニスを学んできました。作中でも海で遊んでいる描写がありましたね。

 

六角中の特徴は、部員全員がウッドラケットを使っていること。

ウッドラケットは遥か昔のテニスプレーヤーたちが使っていたもので、現代で使っている人はほとんどいません。

このウッドラケットは、ラケット職人でもあるオジイのオリジナル製品で、部員それぞれの個性に合ったラケットになっています。

 

六角中と青学は以前から馴染みがあるようで、青学の顧問・竜崎先生曰く「昨年の大会や新人戦などで何度も顔を合わせ、お互いに手の内を知っている」とのこと。

実際に佐伯くんは不二くんと仲が良さげでしたし、関東大会の準決勝では「今度はダブルスで当たるとはね」と言っていたことから、この2人はシングルスでも対戦経験があると見られます。

 

後述しますが、六角中は青学のライバル兼友人のような学校として登場しましたが、全国大会で敗北して以降の深掘りはあまりなく、新テニスの王子様では完全に影の薄い学校に……

しかし、実はオジイが、日本代表主将・平等院鳳凰くんの師匠であることが判明し、まさか選手ではなく顧問にスポットが当たるという、イレギュラーな角度で再注目された学校でもあります。

オジイはリョーマの父・南次郎が中学生のときからオジイと呼ばれていたそうです。一体何歳なのか……

それからオジイ、六角中のメンバーにもお頭と同じ精神修行させた方が良かったんじゃない?

六角中の不遇列伝

では本題。作中で描写されたのみではありますが、六角中がいかに不遇な扱いを受けているかをまとめていきます。

関東大会で六角と青学が戦ったのは準決勝。そこまで負けなしで勝ち上がってきた六角中は、間違いなく強豪校です。

しかし、青学との対戦以降、不遇枠にすっぽりと収まってしまった印象があります。

関東大会準決勝:VS青学戦

実質、六角中の初登場となった関東大会準決勝・青学戦。

千葉の強豪校との戦いで、青学にとってこれまで以上に激しい戦いになるかと思いきや、青学が3-0でストレート勝ち。

それぞれの試合は接戦だったのですが、結果を見ると六角中は1勝もできずに負けているのです。

 

初戦のバネさん・ダビデペアVSタカさん・桃ちゃんペアのダブルス2は、全員がパワープレーヤーであり、力と力のぶつかり合いになりました。

序盤は長いラケットを持つダビデくんと、プロネーションサーブを得意とするバネさんがパワーで圧倒。タカさんと桃ちゃんのパワーを封じ込めます。が、桃ちゃんの奇策により大逆転を許し、さらにタカさんの新技「ダッシュ波動球」のパワーでねじ伏せられてしまいました。スコアは6-7。

 

2試合目のダブルス1は、佐伯・樹ペアVS不二・菊丸ペアの一戦。

佐伯くんのマークにより菊丸くんが普段のプレーができなくなったり、樹くんのシンカーによって不二くんの「つばめ返し」が封じられたりと、青学が押され気味な展開でスタート。

しかし、新技「菊丸印のステップ」で分身する菊丸くんに翻弄され、不二くんにカウンターを打つ機会を与えたことから試合の流れが一変。この勝負も逆転を許してしまいます。スコアは3-6。

 

3試合目のシングルス3には、1年生部長の剣太郎くんが出場。リョーマとのスーパールーキー対決になるかと思いきや、青学からは2年の海堂くんが参戦しました。

序盤から攻めまくる海堂くんでしたが、実はこれが剣太郎くんの作戦。剣太郎くんはあえて相手にポイントを与えることで、自分にプレッシャーをかけ、プレーの切れを上げるスタイルだったのです。

徐々に盛り返す剣太郎くん。途中、海堂くんが頭をネットのポールにぶつけ流血するハプニングがありましたが、そのまま試合続行。

粘りに粘る海堂くんに対抗し続けた剣太郎くんは、体力をじわじわ削られ、ミスを連発。

結果、序盤で海堂くんにリードを許していたことも影響し、剣太郎くんは敗北。スコアは5-7。

この試合で六角中の団体としての敗退も決定しました。

 

「氷帝の準レギュラー100人を1人で倒したダビデくん」

「そのダビデくんと互角の剣太郎くん」

など前評判が上がっていた六角中でしたが、まさかストレート負けしてしまうとは……

しかも六角中の面々には固有の「技」と呼べるものがなく、割と現実味を帯びたテニスをしていたこともあり、試合の印象もやや薄め……

六角中は、青学にあっさりと負けてしまうというデビューを飾ったのでした。

関東大会3位決定戦:VS不動峰中

青学に負けた六角中は、別ブロックで立海大に負けた不動峰中との3位決定戦に臨みます。

しかし、この試合の描写はほぼ全カット。どうやらシングルス1までもつれ込む接戦になったようですが、佐伯くんが橘さんに負けたコマがあったのみ。

橘さんに2-6と、だいぶ差をつけられて負けた佐伯くん。でも相手は全国区ですからね、仕方ないですね。

 

ただ、この試合を見ていた橘くんの元同級生・千歳くんが「今年の関東大会はショボい」とディスっていたことから、佐伯くんはあまり健闘できなかったのでしょう。

そんな佐伯くんに快勝した橘さんに対しても「弱くなったばい、桔平」と言い放った千歳くん。千歳くんと橘さんは1年ほど会っていなかったようなので、2年生のときより弱くなったという意味だととれます。

千歳くんの一連の発言により、橘さんに負けた佐伯くんの評価も下がってしまったように感じます。

佐伯くんが千歳くんに何か悪いことでもしたのかい…?(絶対にない)

練習試合:VS聖ルドルフ(佐伯くんVS裕太くん)

実は、佐伯くんだけ六角中の登場より前に名前だけ出演していたんですよね。

都大会で青学が聖ルドルフと試合をした際、シングルス3に出場した不二くんの弟・裕太くんが「左殺し」と呼ばれている理由を、乾くんが語っていました。

その際に「(裕太くんは)練習試合で千葉代表・佐伯を圧倒したそうだ」と言及。

 

その後、関東大会で六角中が青学と試合をする直前、佐伯くんは不二くんから「裕太と試合したときはわざと負けてくれたんでしょ?」的なことを聞かれ、「あんなテニスをしていたら、腕を痛めてしまう」と答えています。

裕太くんがマネージャーの観月くんに教わった「ツイストスピンショット」は、無理な体勢で打つ分、体に負荷をかける危険なショットだったのです。佐伯くんはその事実に気づいて、わざと手を抜いて裕太くんにツイストスピンショットを使わせないようにしたのでしょう。

 

作中公式イケメンの佐伯くん。性格までイケメンですね。

しかし、佐伯くんが裕太くんにわざと負けたことで、「佐伯くんは裕太くんの『左殺し』による犠牲者の代表格」というような風評が、他県にまで知れ渡ってしまいました。

もし裕太くんが危険なプレーをしていることに気付いたのなら、試合を中断して直接言ってあげた方が良かったんじゃないかな……?佐伯くん自身の評価を落とさないためにも。

全国大会1回戦:VS比嘉中

関東大会を4位で通過した六角中は、全国大会への出場権を獲得します。

初戦の相手は、沖縄県代表の比嘉中。26年間九州地区止まりだった学校で、今大会のダークホースとも呼ばれていました。

 

シングルス3に出場したのは、関東・青学戦と同じく剣太郎くん。対戦相手は不気味な雰囲気を放つノッポ・知念寛くん。

序盤は知念くんのペースでポイントを重ねていきますが、やはりこれも剣太郎くんの作戦。自分にプレッシャーをかけることで、ネットにボールを引っ掛けて相手コートに入れる、得意の「コードボール狙い」を披露します。

しかし、剣太郎くんには大きな誤算がありました。比嘉中の面々は、沖縄武術をテニスに取り入れており、サービスラインからネットまで1歩で移動できる「縮地法」をレギュラー全員が習得しています。つまりコードボールでネット際にボールを落としても、縮地法があれば簡単に拾われてしまうのです。

剣太郎くんのプレーと縮地法は相性最悪。結果、0-6でストレート負けしてしまいます。

 

その後も敗退が続いた六角中。ダブルス1までの4試合で獲得できたゲーム数は3ゲームと、大差をつけられ団体としての敗北が決定しました。

しかし、初戦は団体としての勝敗に関わらず最後のシングルス1まで行うルール。六角中からは佐伯くんが、負けを覚悟の戦いに挑むことになりました。相手は甲斐裕次郎くん。

試合中にオジイが縮地法の原理を見抜き、佐伯くんにアドバイスを送りますが、その直後に甲斐くんの打ったショットがオジイの顔面に命中。オジイは他の部員たちと共に病院へ運ばれました。

たった1人コートに残った佐伯くんは試合を続けます。途中から青学が臨時応援団として佐伯くんを支えるものの、結果は4-6で敗北。

しかし、この試合で佐伯くんは「縮地法がコートに対して横の動きに対応できない」ことを実証し、青学に伝えるというファインプレーをします。転んでもタダでは起きないのは、さすが佐伯くんと言ったところでしょう。

 

……ただ残念なことに、この後に行われた青学VS比嘉中との戦いで、またも佐伯くんの評価が下がってしまう出来事が起こります。

佐伯くんを倒した甲斐くんは、青学戦でシングルス2に出場。そして青学からは、まさかの菊丸くんが参戦。作中では初の、菊丸くんのシングルス公式戦となりました。

試合序盤は菊丸くんが甲斐くんを圧倒。甲斐くんも「お前、本当にダブルスプレーヤーか?」と、菊丸くんのシングルスプレーヤーとしての能力を評価するほどでした。

その後、実は甲斐くんは裏手の左利きであることが発覚。佐伯くんとの試合は、全て利き手ではない右手でプレーしていたのです。

それでも結果は、菊丸くんの勝利。

 

全力を出しても、シングルス経験の乏しい菊丸くんに勝てなかった甲斐くん。その甲斐くんが手を抜いても勝てる佐伯くん……

なんでこんなに佐伯くんへの風当たりが厳しいのだろう…悲しくなってしまいます

新テニスの王子様では…

新テニスの王子様では、U-17日本代表合宿に、中学生の強豪プレーヤーたちが全国から参戦!

六角中からは、ダビデくんとバネさんの2人が参加しました。

……えっ!?2人だけ!?と驚いた方も多いのではないでしょうか。

しっかり実力で全国大会に出場した六角中ですが、合宿には2人しか呼ばれなかったようです。

 

一方、しれっと聖ルドルフの観月くんと裕太くんが合宿に参加。

聖ルドルフは都大会で敗退した学校なので、全国レベルの強豪が集うU-17合宿についていけるとは思えないのですが……なせか呼ばれていたようです。聖ルドルフから参加するなら、全国区の赤澤部長だろう!合宿運営陣はどこに目をつけているんだ!

剣太郎くんも佐伯くんも、合宿には呼ばれず……やはり全国大会までに格を落とし過ぎてしまったのが原因でしょうか?

 

ちなみにダビデくんもバネさんも、中学生の日本代表メンバーには選ばれていません。

会場のオーストラリアに応援には来ているようですが、ギリシャ代表の観光に紛れるなど、すっかり満喫している様子。

これは仕方ないですね。代表に選ばれる中学生は、もう人間を辞めている選手ばかりなので……

六角中が不遇なのは読者人気が出なかったことも原因か?

主人公・リョーマが所属する青学の、良き友人のような立ち位置になれそうだった六角中。

しかし、だんだんと作中での存在感が薄くなっていってしまいました。

 

もうちょっと試合を描いて、青学との再戦をさせても良い学校だったのではないかと思います。が、そうならなかったのは、六角中メンバーの読者人気があまり出なかったことが原因ではないでしょうか。

特に、意味深に登場した剣太郎くんがリョーマと戦わず、海堂くん(しかも頭をぶつけて流血)にすんなり負けてしまったことが、六角中が目立たず、人気を上げられなかった決定打になったように感じます。

 

ただ剣太郎くんに限らず、リョーマのライバルっぽい感じで出てきたキャラは、リョーマと公式戦をすることなく終わり、読者は肩透かしを食らっています。こればかりは神・許斐剛 様のさじ加減次第なので、剣太郎くんが悪いとも言い切れません。

  • 切原赤也くん:全国最強の立海大に所属し、リョーマと同じ1本足スプリットステップが使える数少ない中学生→野良試合でリョーマに負け、公式戦での対戦は無し
  • 遠山金太郎くん:関西のスーパールーキーで、リョーマと戦うことを目標に全国大会に出場→四天宝寺戦は金ちゃんまで試合が回らず、リョーマとは1球勝負をしただけ

やっぱり、敵キャラ・ライバルキャラの人気は、主人公と戦って初めて出てくるものですよね……

特にテニスの王子様のように主人公が最強格の作品は、「主人公と戦わない敵キャラ=主人公が戦うまでもない弱キャラ」みたいな評価を受けてしまいがちです。

それから剣太郎くんは性欲全開なところも…いや何でもありません。テニプリがもっとリアル路線だったら六角中が再評価されたかも?