私の名前はジロギン。

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【テニスの王子様】観月はじめという自己分析が苦手なデータマン

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都大会準々決勝で青学が対戦した聖ルドルフ学院中。

聖ルドルフは、マネージャー兼選手の観月はじめくんが収集した他校のデータをもとに、練習を重ねてきました。

観月くんのデータは精度が高く、相手校のオーダーを的確に予想し、試合結果まで事前に予測できてしまうほど。部員たちは、観月くんのデータに信頼を置いていました。

 

しかし観月くん自身はというと、強みであるデータを試合でほとんど生かせず敗北……

「他の部員のデータは正確に収集しているのに、自己分析はできていないのか?」と感じてしまうほど。

そこで今回は、作中の描写から「観月くん、自己分析が苦手説」を考えていきます。

観月はじめとは

観月くんは聖ルドルフ学院中のテニス部3年生。選手であり、練習メニューの考案や試合中のアドバイスなどをするマネージャーでもありました。

聖ルドルフはスポーツを強化するために、全国各地から強豪選手を集めている学校で、観月くんもその一人。出身は山形県です。

テニス部には、観月くん以外にも地方からスカウトされた選手が複数名おり、彼らは「補強組」と呼ばれています。

補強組は週に2回しか部活動に顔を出さず、他の日は外部のテニススクールで練習しています。中学生が趣味を兼ねてやっている部活とは、雰囲気が全然違いますね。

 

観月くんは試合前に相手選手のデータを収集・分析して、弱点を突くプレーを得意としています。青学の乾くんや立海大の柳くんのようなデータテニスが持ち味です。

収集したデータは自分だけでなく、部員たちにも共有し、全部員が観月くんのデータと指示に従って試合をしています。

例えば、青学戦のダブルス2に出場した木更津・柳沢ペアは、海堂くんのスネイクを徹底的に対策。

続くダブルス1にはシングルスプレーヤーである赤澤部長があえて出場し、ブレ球で菊丸くんの体力を削りまくりました。

そしてシングルス3では「左殺し」と呼ばれる不二くんの弟・裕太くんが、サウスポーのリョーマと試合。裕太くんは実行しませんでしたが、練習には相手の左目を狙うメニューが組み込まれていたそう。これは、地区予選でリョーマがアクシデントにより左目を負傷した際のトラウマを利用する、観月くんの作戦でした。

 

このように、相手選手の弱点を事細かに分析し、チームメイトに対策させてきた観月くん。その正確さは試合のゲームカウントまで予想できるほどであり、部内では観月くんの試合予想を「シナリオ」と呼んでいました。

データマン・観月くんの自己分析不足

赤澤くんのブレ球と菊丸くんの動体視力の相性の悪さに目をつけ、そこを狙った観月くんの作戦は、あの乾くんが「狙い所がなかなか(良い)」と評価するほど。

他校の選手やチームメイトのデータ分析能力は、非常に高い観月くん。ですが、自分の試合では、その分析能力があまり発揮されていないように思われます……

調子に乗っていたら不二くんにボロ負け

青学戦のシングルス2。聖ルドルフは1勝2敗で、観月くんが出場。対戦相手は不二くん。

観月くんは予め、自分が不二くんと戦う想定でオーダーを組んでいましたが、あくまで観月くんは「保険」であり、本来はシングルス3までに試合を決めるシナリオを考えていたのです

しかし、観月くんのシナリオをことごとく覆した青学メンバー。観月くんにとってシングルス2まで試合が回ること事態、不本意な状況でした。

 

とはいえ、しっかり対策をしていた観月くん。

不二くんのデータから苦手コースを割り出し、試合序盤から圧倒します。

不二くんは観月くんのデータテニスの前に何もできないまま、ゲームカウント0-5と大差をつけられる展開に。

 

聖ルドルフの面々は、観月くんの勝ちを確信しました。が、この展開は不二くんがわざと仕組んだもの。

不二くんは乾くんですら正確なデータが取れない選手であり、自分の弱点を他人に晒すようなことはしません。観月くんは間違ったデータをとり、不二くんの弱点を知り尽くしたと勘違いしていたのでした。

その後、1ポイントも取れないまま逆転負けした観月くん。自分のデータに踊らされ、チームの誰よりも惨めな負け方をしてしまいました。

 

観月くんは不二くんの正確なデータが取れているのかどうか、自分でしっかり検証していなかったのでしょう。

自分のデータを信じ込みすぎ、疑念を持たなかったことが慢心となり、敗北という結果を招いてしまいました。やはり、データ収集・分析が甘かったと言わざるをえません。

 

ただこの試合は、不二くんのデータがあろうがなかろうが、観月くんの勝ち目がほとんどなかったのも事実。

滅多に本気を出さない不二くんが、観月くんにマジギレモード(弟の裕太くんに、負担の大きいツイストスピンショットをわざと教えていたため)。そんな青学No.2を抑えられる地力は、観月くんになかったでしょう。

観月くんは「自分は大丈夫」と信じ込み、チームメイトの対策に気を回し過ぎていたのかもしれません。不二くんに勝つには、自分のデータの精度を高めるか、素のテニススキルをもっと磨く必要がありました。

5位決定戦で跡部様に惨敗

青学に敗北後、5位決定戦に臨んだ聖ルドルフ。別ブロックで不動峰に負けた氷帝と戦いました。

試合描写はなかったものの、観月くんは氷帝の絶対王者・跡部景吾様と戦ったようです。

『氷帝学園中等部テニス部ガイド CALL』で試合のスコアのみ記載されていましたが、観月くんは0-6でストレート負け。聖ルドルフの部長・赤澤くん曰く、跡部様は「観月を全く寄せ付けなかった」とのことです。

 

まぁそりゃそうですね。跡部様は全国区に数えられるプレーヤーで、当時は不二くんより格上。不二くんが舐めプしても楽勝できる観月くんが敵う相手ではありません。

跡部様と試合をするなら、聖ルドルフが誇る全国区プレーヤー・赤澤部長が適任だったと思うのです。

氷帝との試合で赤澤部長は、青学戦と同じくダブルスで出場(しっかり勝っています)。青学戦で赤澤部長をダブルスに起用したのは菊丸くんを封じるためであって、本来の赤澤部長はバリバリのシングルスプレーヤー。大石・菊丸ゴールデンペアに勝ったからといって、氷帝戦でもダブルスをやらせるのは、もったいなかったと思います。

 

赤澤部長を差し置いて、全国区の跡部様と戦った観月くんは、自分の実力を買い被っていた感が否めない……

もしかしたら、「地方からスカウトされた補強組である」というプライドみたいなものがあり、赤澤部長たち生え抜き組より実力が下だと認めるのが嫌だったのかも。

だとしたら、氷帝戦のオーダーはデータとか関係なく、ただ意地を張ってただけ……?

一流データマンには劣る観月くん

乾くんや柳くんのような、全国大会でも通用する一流データマンと観月くんとには、データの質に大きな開きがあると思います。その原因は「過信」でしょう。

自分が収集したデータが正しいかどうか疑い、検証する。そこまでやって初めて「データ」として蓄積する。実際に柳くんは関東大会決勝のシングルス3で、乾くん相手に自分のデータが正しいかどうか検証するために、わざと2ゲームを落としていました。

乾くん・柳くんは、良い意味で猜疑心を常に持ち続けているのかもしれません。

観月くんは他人のデータ分析ではなく、自己分析を重点的に行った方が、データマンとして成長できそうな気がします。

 

それから、観月くんの「シナリオ」が外れまくりすぎて、部員たちからの信頼を欠いていないかも心配です。

もっというと、地方からスカウトされた選手で固めたチームが都大会すら勝ち抜けないとなると、聖ルドルフ校内でのテニス部の評価が落ちそうです。そのチームを実質率いていた観月くんにのしかかる責任も重そうで……想像するだけで胃が痛くなってきます……