都大会準々決勝で青学に負けた聖ルドルフ学院は、5位決定戦で氷帝学園と対戦。
試合結果は以下の通り（VSの左がルドルフの選手、右が氷帝の選手）。
- 赤澤・金田 VS 小川・近林：7-5
- 柳沢・木更津 VS 樺地・海田：4-6
- 不二裕太 VS 芥川慈郎：1-6
- 観月はじめ VS 跡部景吾：0-6
- 野村拓也 VS 樫和（下の名前不明）：氷帝の3勝により試合なし
1-3で聖ルドルフは敗北し、都大会ベスト8という結果に終わりました。
新設校の聖ルドルフと、全国常連校の氷帝。両校の実績を考えれば、試合結果は順当だったと言えるでしょう。
しかし、都大会の氷帝は舐めプ状態で、オーダーには準レギュラーも含まれていました。この舐めプを利用すれば、聖ルドルフも勝つチャンスはあったと思うのです。
そこで、都大会5位決定戦で聖ルドルフが氷帝に勝つためのオーダーを考えてみました。
聖ルドルフが氷帝に勝つオーダー
氷帝側のオーダーは作中のまま固定で、聖ルドルフは氷帝のオーダーにあわせて試合順を自由に組める超有利状態で考えていきます。
観月くんはお得意のデータで対戦校のオーダーを予想ができますから、氷帝のオーダーを事前に、100%正確に読んでも不思議ではないでしょう。
ダブルス2：柳沢・木更津 VS 小川・近林
初戦のダブルス2には、青学戦と同じく柳沢・木更津ペアを選出。氷帝準レギュラーの小川・近林ペアに勝ってもらいます。
あまり強いイメージのない柳沢・木更津ペアですが、さすがに無名の氷帝準レギュラーに遅れをとることはないでしょう。
柳沢くんはテニスの手腕を買われて地方からスカウトされた補強組の一人。木更津くんは元六角中の選手。準レギュラーに勝てるだけのポテンシャルは持っていると思われます。地味に木更津くんは、海堂くんのブーメランスネイクを初めて返した技巧派でもありますからね。
ただ小川・近林ペアは、青学ゴールデンペアに勝利した赤澤・金田ペアから5ゲームも奪っているなかなかの猛者。他にも不動峰の石田・桜井ペアから4ゲーム奪っていて、油断のできないペアです。
柳沢・木更津ペアが負けることはないものの、かなりの接戦になることは間違いなし。
最終的なカウントは、7-5か7−6で柳沢・木更津ペアの勝利といったところでしょうか。
ダブルス1：野村・金田 VS 樺地・海田
続くダブルス1には、聖ルドルフの副部長・ノムタク先輩と2年生の伏兵・金田ペアを選出します。お察しの通り、このダブルス1は捨て試合です。
氷帝からは正レギュラーの樺地くんが出場してきます。彼が非常に厄介。樺地くんは相手選手のプレーや技を吸収＆コピーしてしまいます。つまり強い選手と対戦するほど樺地くんも強くなってしまうのです。
そんな相手に聖ルドルフの戦力を割くのは愚策。ここは無個性そうなノムタク先輩と金田くんペアを当て、樺地くんを華麗にスルーするのがベストでしょう。
というか、樺地くんのパワーに張り合える選手が聖ルドルフにいなさそうなので、どのみち樺地くんとまともに試合をするメリットは、聖ルドルフにないと思います。
ノムタク先輩と金田くんにはコートに入っておしゃべりでもしてもらって、樺地・海田ペアとは打ち合わないのが得策ですね。
シングルス3：赤澤吉郎 VS 芥川慈郎
1勝1敗で迎えるシングルス3。聖ルドルフからは、あの赤澤部長の登場です！相手はマジックボレーの使い手・ジローくん。
作中でジローくんは、裕太くん相手にわずか15分で勝ちを収めるほど圧倒しています。つまりジローくんを抑えるには、裕太くん以上の実力者が必要です。
その上、シングルス3を落とせば聖ルドルフは1勝2敗で負け越し、後がなくなってしまいます。すなわち、このシングルス3は聖ルドルフにとって絶対に落とせない試合ということ。
ならばこの男を起用する他ないでしょう！聖ルドルフ唯一の全国区プレーヤー・赤澤吉郎くんを！
青学と対戦した際はダブルスに回った赤澤部長。その理由は赤澤部長の奥義・ブレ球と、動体視力が良い菊丸くんの相性が悪く、ゴールデンペアの弱点を突くことができたため。本来の赤澤部長はバリバリのシングルスプレーヤーであり、2年生の時点で青学の3年レギュラーを倒した実績があります。
そして全国区プレーヤーといえば、手塚部長や跡部様、立海大レギュラーと同格ということ。そう、日本中学界のトッププレーヤーです。いかにジローくんが強いといえど、全国区プレーヤーには歯がたたないでしょう。青学の不二くんにすら遊ばれる程度でしたからね。
シングルスプレーヤーかつ全国区プレーヤーの赤澤部長なら、逆に15分でジローくんを屠ってくれるはず。これで聖ルドルフは2勝1敗。
シングルス2：観月はじめ VS 跡部景吾
次のシングルス2には、原作通り観月くんが出場し、跡部様と戦ってもらいます。
はい、この試合も捨て試合です。観月くんが跡部様に勝てる確率……0%！そもそものテニススキルに天と地ほどの差があります。観月くんが跡部様のデータを多少集めたところで、この差が逆転することはないでしょう。しかも跡部様の進化は止まりませんからね。データを取っても無駄ぁ！
聖ルドルフで跡部様に勝てる可能性があるのは、同じ全国区プレーヤーの赤澤部長だけでしょう。しかし、それでも勝率は良くて五分五分……そんな一か八かの勝負に、聖ルドルフ最強の男を起用する必要はありません。確実に勝てる試合に出すべきで、跡部様との試合は捨てる他ないでしょう。
捨て試合ならば観月くんが出なくてもいいのですが、観月くんは自分が集めたデータが強豪選手にどれくらい通じるか試したいはず。跡部様との試合は、その良い機会になります……というのは建前。本当は跡部様と、聖ルドルフの残りのレギュラーである裕太くんを戦わせるのは危険なため。裕太くんの身代わりとして、観月くんに頑張ってもらいます。
裕太くんは、観月くんに教わったツイストスピンショットを連発し、無意識に体、特に肩へ負担をかけていました。観戦していただけの竜崎先生ですらその事実に気付いたのですから、ずば抜けた眼力（インサイト）を持つ跡部様なら確実に見抜くでしょう。
当時の跡部様はゲーム感覚で持久戦を仕掛け、相手の弱点を突きまくって平伏させることを楽しんでいました。もし裕太くんが体に負担をかけていることを跡部様が見抜けば、関東大会の手塚部長戦のように、裕太くんの体が悲鳴を上げるまで持久戦で弄んでいた可能性大。そして裕太くんが故障してしまえば、聖ルドルフは次期エースを失ってしまいかねません。
裕太くんの将来を守るために、跡部様との試合は観月くんに犠牲になってもらいます。
シングルス1：不二裕太 VS 樫和
最終戦シングルス1には、左殺しの裕太くんが出場。謎の氷帝準レギュラー・樫和くんと戦ってもらいます。
この試合はさすがに裕太くんが圧勝するでしょう。まだ発展途上な裕太くんですが、左利きプレーヤーとの対戦成績は16戦全勝。左利き相手ということを抜きにしても、純粋に他校選手相手に16連勝できるのはスゴい……（手を抜いてわざと負けた六角の佐伯くんもこの数に含まれているようですが）
ジローくんには15分で負けてしまった裕太くんですが、青学戦でリョーマと試合をした際は3ゲームを奪っています。その実力はなかなかに高く、氷帝の準レギュラー相手なら負ける確率はほぼゼロと考えて良いでしょう。
ただ、準レギュラーの中で最も正レギュラーに近かった男・日吉若くんが出場していたら、この勝負の行方は分からなかったかもしれません。
それにしても、なぜ日吉くんは都大会の準レギュラー枠に入ってなかったんでしょうね？都大会のときは、まだ演武テニスが開花していなかったのかな？
オーダー次第では聖ルドルフの関東大会進出もあり得た！
- ダブルス2：柳沢・木更津ペア→勝利○
- ダブルス1：野村・金田ペア→敗北×
- シングルス3：赤澤吉郎→勝利○
- シングルス2：観月はじめ→敗北×
- シングルス1：不二裕太→勝利○
私が考えたこの完璧なオーダーなら、3-2で聖ルドルフの勝利。氷帝ではなく聖ルドルフが関東大会に駒を進めていたでしょう。
正レギュラーの半数以上を温存した舐めプ状態の氷帝になら勝てる実力者が、聖ルドルフにはそろっていたと思うのです。
原作の聖ルドルフのオーダーに問題があるとすれば、赤澤部長をダブルスに起用してしまったことでしょう。
赤澤・金田ペアが全国レベルの青学ゴールデンペアに勝利できたのは、赤澤部長の癖が菊丸くんの弱点に突き刺さったからこそ。実際のところ赤澤部長はダブルスに慣れておらず、試合中に精神を乱しそうになる場面もありました。やはり赤澤部長はシングルスでこそ輝く選手です。
「菊丸くんのように優れた動体視力を持つ選手がダブルスに出場していて、そのダブルスが全国レベルの強さ」というわけでなければ、赤澤部長をダブルスに起用するメリットはほぼありません。
聖ルドルフのオーダーを決めている観月くんは、「赤澤・金田ペアはゴールデンペアに勝ったし、次の試合もいけるでしょ」くらいの安直な考えで、赤澤部長を氷帝戦でもダブルスに回してしまったのかもしれません。
あるいは、生え抜き組である赤澤部長の実力を認めたくないプライドのようなものが、観月くんの中にあったのかも……？
