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【テニスの王子様】全国各地から選手をスカウトしているのに層が薄い聖ルドルフの謎

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都大会準々決勝で青学と対戦した聖ルドルフ学院中学テニス部は、レギュラーの半数以上が「補強組」と呼ばれる選手たちです。

彼らは週2回程度しか部活動に参加せず、他の日はテニススクールに行き、より専門的なレッスンを受けています。

補強組は全国各地からテニスの実力を買われてスカウトされた選手。そのため、部活動だけで練習してきた「生え抜き組」とは実力が数段違います。

これだけ聞くと、聖ルドルフはめちゃくちゃ精鋭揃いなイメージを持ちますよね。

しかし団体戦メンバーには、マネージャーの観月はじめくんから「捨て駒」呼ばわりされているノムタク先輩(野村拓也くん)が入っているなど、選手層は薄い模様……

全国各地から選手をスカウトして、戦力アップしているはずの聖ルドルフの選手層がなぜ薄いのか。その原因を考察します。

聖ルドルフの「補強組」と「生え抜き組」

聖ルドルフのテニス部では、外部からスカウトされて入部(入学)した部員を「補強組」と呼んでいます。文字通り、聖ルドルフテニス部を「補強」するための選手であり、彼らは高い実力を備えています。

作中で判明している補強組のメンバーは、

  • マネージャー兼選手の観月はじめくん
  • 「だーね」が口癖の柳沢慎也(やなぎさわしんや)くん
  • 赤いハチマキがトレードマークの木更津淳(きさらづあつし)くん
  • 青学の天才・不二周助くんの弟である不二裕太(ふじゆうた)くん
  • 副部長・ノムタク先輩こと野村拓也(のむらたくや)先輩

の5名。

柳沢くん、ノムタク先輩の出身は不明ですが、観月くんは山形から聖ルドルフへ。木更津くんは千葉の六角中から(本当は双子の兄である亮くんがスカウトされていましたが、手違いで淳くんが聖ルドルフに入部することに)。裕太くんは元々青学にいましたが、テニス部には入らずスクールに通っていたところを観月くんにスカウトされました。

 

一方、元から聖ルドルフに在籍していたメンバーは「生え抜き組」と呼ばれています。生え抜き組でレギュラーになっているのは、次の2人。

  • 全国区の赤澤吉朗(あかざわよしろう)部長
  • 隠れたダブルスの名手・金田一郎(かねだいちろう)くん

成績はイマイチだった聖ルドルフ

作中での聖ルドルフの成績は、都大会準々決勝敗退。それまでは観月くんが収集した他校生のデータから弾き出した「シナリオ」通りに試合を展開してきた聖ルドルフ。しかし、都大会で戦った青学の面々が観月くんのデータを上回る活躍を見せたことで、1-3で敗退してしまいました。

続く5位決定戦では氷帝と戦い、やはり1-3で敗北。全国大会を目指して優秀な選手を集めチームを補強していたはずの聖ルドルフですが、都大会すら勝ち上がれず、かなり残念な結果に終わってしまいました。

 

しかも、青学戦・氷帝戦ともに勝利を上げたのは、生え抜き組である赤澤・金田ペアによるダブルスのみ。補強組は都大会上位校の選手にすら及ばないことが露呈してしまいました。

スカウトなど行わず、ごく限られたメンバーで一から部を立ち上げて関東・全国へ進んだ不動峰と比較すると、本当に残念と言わざるを得ない結果です。

聖ルドルフの選手層が薄い理由を考察

全国から強豪選手を集めているはずの聖ルドルフ。しかし試合結果や各選手の能力を見ると、立海大、青学、氷帝、山吹などに比べて実力は遥かに劣ります。

なぜ聖ルドルフはこれほどに選手層が薄いのか、その理由を考えていきます。

新設校のため実績が少なくスカウトがうまくいっていない?

聖ルドルフは学校自体が新しくできたばかり。創設からまだ5年という、非常に若い学校です。学校として運営できるだけの生徒は集まっているものの、現状は生徒集めに四苦八苦しているところでしょう。

聖ルドルフの各部活も同じような状況だと思われます。いわゆる人材不足のため、なるべく早く実績を作り、スポーツでも優秀な生徒を獲得するべく全国でスカウトを行っているのではないでしょうか。

 

つまり聖ルドルフはまだ実績を作っている段階の、成長真っ最中の学校ということです。そのような学校に将来性を感じて入学する学生もいないことはないでしょうが、多くもないと思われます。

特にスポーツで上を目指したい学生は、歴史や実績のある学校を選ぶでしょう。そのほうが練習環境やノウハウなどがそろっていて、成長できる可能性が高いですからね。

テニスに限っていえば、聖ルドルフは無名に等しく、立海大や氷帝、青学、山吹などのほうが魅力的に感じる人が多いでしょう。

聖ルドルフは現行のメンバーだけである程度の実績を作らなければ、スカウトも上手くいかないと思われます。

観月くんが自分の言うことを聞きそうなレベルの選手しか集めていない?

淳くんや裕太くんをスカウトしたのがマネージャーの観月くんだったことから、補強組の選出は観月くんが主導していたと思われます。つまり聖ルドルフテニス部は、観月くんが「コイツは役立つ」と感じた選手をスカウトしていたということでしょう。

聖ルドルフの部長は赤澤くんですが、実質的に部を仕切っていたのは観月くん。団体戦のオーダーも、観月くんのデータに基づいて全て決めていました。観月くんは自身が収集した部員および他校選手のデータに絶対的な自信を持っており、そのデータから導き出したシナリオ通りに試合を展開することにこだわっていたのです。

 

そんな観月くんの行動や性格を考えると、観月くんがコントロールできず、お得意のシナリオを構築できない選手をメンバーに引き入れることはしなさそう。観月くんの言うこと聞く選手のみをスカウトしていた可能性が考えられます。

裕太くんに関して「打倒兄貴に燃えるバカ弟は操りやすかった」と言い放っていることからも、可能性としてゼロではないかと。

 

もし本当に聖ルドルフが全国大会を目指すのであれば、正直に言って観月くんですら実力不足。ガチの強豪選手を全国からかき集めたら、全国区の赤澤部長以外全員レギュラー落ちでしょう。そんなことは、観月くんのプライドが許さないはず。

観月くん自身が試合に出場でき、かつ観月くんの指示をバカ正直に聞きそうな選手のみを集めたら、やはり他校と比べて選手層の薄いチームになってしまうでしょう。

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スクールでの練習メニューがイマイチ?

テニススクールでの練習がメインだった補強組。その練習メニューは、観月くんから各コーチに指示されたものだったようです。

 

例えば淳くんと柳沢くんは、青学の桃城・海堂ペアと対戦する想定で、海堂くんのスネイク対策をスクールでしていたとのこと。

桃ちゃんの十八番・ダンクスマッシュは決め球として非常に強力で、打たれると桃ちゃんの調子が上がってしまう。そんな桃ちゃんのダンクを封じるにはロブを打たないことが必須ですが、海堂くんの得意技・スネイクも返球が難しく、打ち返せてもロブになってしまう可能性が高い。そこで観月くんは、淳くんと柳沢くんにロブを打たないようスネイク対策を積ませたのです。

 

また、裕太くんは相手選手の左目を狙うという練習をしていました。裕太くんはその目的を知らずに練習していたようですが、これも観月くんの指示。裕太くんが対戦する予定だったリョーマは、地区予選でアクシデントにより左目を怪我した経験があります。この経験が無意識にトラウマになっていると予想した観月くんは、トラウマを利用してポイントを取るため、裕太くんに左目を狙う練習をさせていたのでした。

 

一見すると青学対策を徹底し、万全な体勢を整えていた聖ルドルフですが、あまりにも青学対策に偏りすぎているように感じます。

確かに青学は都大会出場校の中でも強く、聖ルドルフと対戦する可能性が高いものの、他にも氷帝や山吹など強豪校は多数。青学以外の対策もしなければ、都大会を勝ち上がるのは難しいでしょう。

しかも、もし青学が聖ルドルフと対戦する前に負けてしまったら、青学対策はほぼ無意味になります。

青学が順当に勝ち上がれば聖ルドルフと戦うのは確かでしょうが、事前の決めつけが過ぎると思うのです。青学だけをメタる練習ではなく、どの学校と対戦しても勝てるようなスキルを磨く練習をするべきだったのではないかと、個人的には感じます。

 

それから、観月くんが裕太くんにツイストスピンショットを教えていたのも、練習メニューに問題を感じてしまうポイント。

ツイストスピンショットは体に大きな負担がかかる打球で、成長期の中学生が打ち続ければ故障してしまう恐れのある諸刃の剣でした。そんなショットを部員に教えて使わせる意味が分かりません。裕太くんは聖ルドルフのエース選手で、潰れてしまえば聖ルドルフの戦力が大幅にダウンしてしまいます。

その上、ツイストスピンショットは体に負担をかけてでも打つべき必殺ショットだったかというと、そうでもなし。ライジングやボレーで返されるとほぼ無力化されてしまう、欠点だらけの技でした。

 

観月くんがスクールのコーチを通じて補強組に施していた練習メニューがイマイチで、せっかく集めた選手を育成できていなかったことも、選手層の薄さに拍車をかけてそうです。

現状の聖ルドルフテニス部に入るメリットは少ない

新設校である聖ルドルフは、相当魅力的な要素を作らない限り、中学受験を考えている学生の志望校として選ばれにくいでしょう。例えば、学業にめちゃくちゃ力を入れているとか、最新のスポーツ設備があるとか。特に運動部を強化するなら、実績が少ない今のうちは設備面での充実さをアピールするのが効果的だと思います。短期間で強化するなら、なおさら先行投資が必要です。

 

しかし聖ルドルフテニス部に関しては、補強組は練習のほとんどをスクールで行なっていることから、学校内の設備はさほど整っていないと予想できます。その上で都大会すら勝ち上がれない成績となると、わざわざ聖ルドルフテニス部に入るメリットは少なそうです。

頼みの綱である全国区の赤澤部長も、補強組ではなく生え抜き組ですからね……なおさら全国から選手をスカウトする意味があるのかと、疑問に思えてしまいます。

乾くんや柳くんに劣る二流データマン・観月くんが部を主導していたことも、聖ルドルフというチーム全体の成長を妨げる要因になっていたかもしれません……

来年は裕太くんと金田くんが、フラットな目線でスカウト活動を行なってくれることに期待ですね。

いや、もうスカウトなんかせず、OBの赤澤部長に練習に来てもらって、全員部内で練習したほうが良い成績を残せそう。