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【テニスの王子様】不動峰が不遇と言われる理由

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元九州二翼の橘桔平さんが率いた、黒い軍団・不動峰中テニス部。

元々あったテニス部から独立し、わずか1年足らずで以下のような輝かしい実績を残しました。

  • 地区大会準優勝
  • 都大会第3位
  • 関東大会第3位
  • 全国大会ベスト8

テニスの強豪校と言って差し支えない成績だと思うのですが、テニプリファンからは「不動峰は不遇なチーム」と評価されることも少なくありません。

なぜ不動峰は不遇と言われるのか、その理由をまとめました。

部の創設にめちゃくちゃ苦労している

冒頭で紹介した通り、不動峰中テニス部は、橘さんが当時の1年生を引き連れ、元あったテニス部から独立する形で創設されました。

というのも、不動峰のテニス部は練習環境が整っていない上、部員たちも全くやる気がない超弱小チームだったのです。しかも、顧問や上級生から1年生に対する酷いパワハラが横行しており、どう考えても成長できる余地のない部でした。

そんな不動峰に転校してきた橘さんは、才能とやる気のある1年生と一緒に部を再建。しかしその道は非常に険しく、上級生や顧問を巻き込む暴力事件にまで発展するほどでした。

『テニスの王子様』において大会の上位に勝ち進む学校は、元々テニスの強豪校で、部活動としての歴史が長く、設備や部員がそろっている学校ばかり。一方で不動峰は部活動という環境づくりからスタートした、珍しい学校です。

他校と比べて恵まれた状況でなかったことは、不動峰が不遇と言われる理由の一つだと思われます。

終始メンバーがギリギリ

橘さんが転校してくる前の不動峰中テニス部は、地区大会すら勝ち残れない無名チーム。もちろんそんなチームに強い人材がそろうわけなく、全国区プレーヤーの橘さんが転校してきたのは偶然です。

その上、橘さんと1年生だけで既存のテニス部から独立したわけですから、部全体の人数はとても少ない。団体戦のメンバーである7人ギリギリで、誰か1人でも怪我をすれば、大会にすら出られなくなってしまう、丸井くんばりの綱渡りの状態でした。

このような「部としての人数の少なさ」も、不動峰が不遇と言われる理由だと思われます。

他校は団体戦メンバーの他に補欠が1人、さらにレギュラーになっていない部員が十数人〜100人以上いるのが当たり前ですから、不動峰との差は歴然です。

しかも後述する事故や、関東大会準決勝で橘さんが立海大の赤也くんに負傷させられるアクシデントなどにより、かなり危険な状況に陥る場面もありました。

最終的に全国大会まで7人のメンバーで戦い続けた不動峰。終始メンバーの少なさに悩まされていた印象です。

交通事故でメンバーの半数以上が本領を発揮できなかった山吹戦

都大会準決勝まで勝ち進んだ不動峰。対戦相手は、全国レベルのダブルスとラッキー千石さんが有名な山吹。

不動峰と山吹の実力はほぼ互角だと思われましたが、蓋を開けてみると山吹が圧倒する展開に。

実は試合前、会場にタクシーで向かっていた不動峰の神尾くん・伊武くん・石田くん・桜井くんが交通事故に巻き込まれるアクシデントがあったのです。どの程度の事故だったのかは分かりませんが、彼らは試合で本来の実力をほとんど発揮できていなかったので、何かしらの怪我を負うレベルの事故だったことは間違い無いでしょう。

亜久津くんが「よく無事だったよな」と言うくらいでしたので、試合に出られたことすら奇跡なくらいの大事故だったのかも。

しかし不動峰は、7人全員がそろわなければ団体戦に出場できません。そのため神尾くんたちは、橘さんに事故のことを報告せず試合に臨んだのです。

 

真相を知った橘さんは試合を棄権。部員たちの体を優先しての判断でした。

山吹との戦いの前に、不動峰にとって最も危惧していた「メンバーの怪我」という事態が実現してしまった形です。本来の実力でなら勝てるチームが相手でも、部員が1人でもそろわなくなったり、不調なメンバーが増えたりするとチームとしての安定感を失ってしまうという不動峰の大きな弱点が露呈しました。

しかも、神尾くん・伊武くんら主要選手を含む半数以上が不調になってしまっては、不動峰の勝率は大幅に下がってしまいますよね……

 

ちなみに、関東大会で不動峰は山吹と再戦。このときは万全の状態でした。結果は3-1で不動峰の勝利。見事、都大会でのリベンジを果たしました。

ただ、勝利後に橘さんが言っていたように、山吹の主力選手であった亜久津くんが都大会を最後に退部してしまったので、関東大会にも出場していたら結果は分からなかったでしょう。山吹の部長・南くんは「そうでもない」的なことを言っていましたが、だいぶ謙遜していると思います。ガチった橘さんですら、亜久津くんに勝てたかは微妙です。

立海大戦・四天宝寺戦で咬ませ犬化

残念なことに、関東大会で山吹に勝って以降、不動峰の咬ませ犬化が加速します。

関東大会準決勝で対戦した立海大には3タテされ、しかも3試合で獲得できたゲーム数は、橘さんが赤也くんから先取した1ゲームのみ。その橘さんも赤也くんに14分で叩きのめされ、不動峰は立海大の実力の高さを示す咬ませ犬になってしまったのでした。

確かに、青学や山吹と互角だった不動峰が圧倒される描写は、私たち読者に「立海大は別格だ」と印象付ける意味で効果てきめんでしたね……

しかも、赤也くんとの試合でボールをぶつけられまくった橘さんは怪我を負ってしまいました。3位決定戦前には治ったようですが、また怪我が原因で試合ができない展開になっていたらと思うと……ヒヤヒヤです。

 

なんとか全国大会まで駒を進めた不動峰。しかし全国大会の準々決勝でまたも咬ませ犬と化してしまいます。

四天宝寺と対戦した不動峰でしたが、シングルス3に出場した伊武くんは金ちゃんに手首を破壊され、ほんのわずかな時間で棄権負け。

続くダブルス2の神尾・石田ペアは、銀さん・謙也さんペアに、それぞれが得意とするスピードとパワーを上回られ、やはり棄権負け。

実質的な大将戦となったシングルス2では、橘さんが旧友の千歳くん相手に奮闘しました。が、千歳くんの『才気煥発の極み』を攻略できず5-7で敗北(この試合、橘さんは千歳くんの右目の視力が回復していないことを知っており、死角になるフォアサイドには打たないという気遣いプレーをしていました)。

青学戦前に四天宝寺の強さをチラ見せするために、不動峰は使われてしまった感が否めませんね……

四天宝寺戦が不動峰の最後の試合となってしまったため、不動峰=咬ませ犬というイメージがついた読者は多いかも?

地元のライバルだった青学との再戦なし

主人公・リョーマが所属する青学にとって、不動峰は地区大会でぶつかった最初の強敵です。一方で、所在地が近いということもあり、作中では練習試合を一緒にしていました。

「主人公が所属する学校のライバル校」的なポジションが、不動峰だったと言えるでしょう。不動峰の面々も、地区大会で青学に負けたことを糧に「打倒青学」を掲げていました。

しかし、先述の咬ませ犬化により、公式戦で青学と不動峰が再戦する機会はゼロ。青学のライバルポジも氷帝に奪われた感があり、戦績だけでなく作中の立場的にも不遇だと言う読者もいるとかいないとか……

不動峰よりもっと不遇な学校はあるから…

ここまで書いてきたことを振り返ると、不動峰はどちらかというと不遇寄りのチームだったと思います。というか、苦労が多いチームと言った方がいいかもしれませんね。

一方、詳しく描かれていないだけで不動峰は、関東大会で六角中に勝利したり、昨年の全国準優勝校である牧之藤学院を4-1で倒したりと、見事な成果も残しているのです。不動峰はまだ見せ場があった方だと思います。

不動峰よりもっと不遇な学校なんて、たくさんありますからね。

どことは言いませんが、例えば全国から強豪選手をスカウトしているのに都大会準々決勝で負けてしまった学校とか……

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U-17日本代表No.1である平等院のお頭の師匠・オジイから指導を受けていたのに、作中で勝ち描写が一切ない学校とか……

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