『テニスの王子様』には、名前と顔出しはしているものの、試合をしている姿がほとんど描かれないまま作品が終了してしまった、「実力未知数な選手」が多数います。
今回は、作中で試合描写がほぼなかった選手を紹介。謎多き彼らの様子を、少ない描写から見ていきましょう。
「こんなキャラいたっけ?」なんてツラいことは言わないで…
- 聖ルドルフ:野村拓也
- 山吹中:室町十次
- 山吹中:新渡米・喜多ペア
- 六角中:木更津亮
- 六角中:首藤聡
- 四天宝寺中:小石川健二郎
- 比嘉中:不知火・新垣ペア
- 牧ノ藤学院:萩栄ノ進
- 牧ノ藤学院:門脇悟
- まだまだたくさんいる「実力未知数プレーヤー」
聖ルドルフ:野村拓也
まずは聖ルドルフの野村拓也(のむらたくや)くん。不二くんの弟・裕太くんからは「ノムタク先輩」と呼ばれていましたね。
ノムタク先輩は、都大会準々決勝の青学戦でシングルス1に登録されていました。
もしシングルス1まで試合が回っていたら、青学最強の男・手塚国光(てづかくにみつ)くんと対戦していたノムタク先輩。そのため、ファンブックでは「真の実力者という噂もある」と記載されていましたね。
しかし、ノムタク先輩は後輩の裕太くんに暴力を振るわれたり、観月くんから捨て駒扱いされたりと、作中の描写からは手塚くんに匹敵するような実力があったとは思えません。
でも試合をしている描写もないので、ノムタク先輩が聖ルドルフ最強という説も覆せない……
聖ルドルフには疑惑の全国区・赤澤部長がいますが、もしかしたら真の全国区はノムタク先輩という可能性も微レ存
山吹中:室町十次
ゴーグル?サングラス?をかけた男、山吹中の室町十次(むろまちとうじ)くん。彼も試合描写がほとんどなく、実力が謎の選手です。
室町くんの唯一の見せ場は、全国大会で山吹中が敗退した後、サングラスの下だけ日焼けしておらず、逆パンダ状態になっていることが判明したシーンくらいでしょうか。
室町くんのごくわずかな試合描写は、都大会準決勝のシングルス3で出場し、不動峰の伊武くんと対戦したとき。この試合は伊武くんが棄権したことで、室町くんの勝利となりました。
しかし、当時の不動峰は伊武くん、神尾くん、石田くん、桜井くんが試合直前に自動車事故に巻き込まれており、全力を出せない状態でした。伊武くんも本来の力で試合をできていたわけではない様子。
試合は室町くんが優勢だったようですが、伊武くんが万全だったら結果はどうなっていたか分かりません。
その後、室町くんが試合をした描写はなし。
くじ引きで試合順を決めているらしい山吹中は、ラッキー千石さんが持ち前の強運でシングルス3、シングルス2など団体の勝敗を決めることの多い試合を勝ち取ってしまうよう。室町くんはくじ運が悪いのか、よくシングルス1に置かれていました。
しかも、山吹中はダブルスが2組とも全国レベル。団体戦はダブルスから試合が始まる都合上、山吹中はシングルス1まで試合が回らずに勝敗が決まってしまうケースが多かったと思われます。そのため、室町くんが試合をする機会も少なかったと。
そんな室町くんですが、全国大会では1勝を上げているようなので、全国の2年生選手の中では強い方といえるでしょう。
残念ながら、室町くんはU-17日本代表合宿に参加していないため、『新テニスの王子』様でも出番なし。山吹中は全国区のダブルス、Jr.選抜の千石さん、怪童・亜久津くんの知名度が高いので、室町くんの評価が上がりにくいのも仕方ないですね。
でも室町くんは2年生。来年は山吹中の主力選手として、試合をする機会も増えるはず。
くじ運が良ければ、ですが…
山吹中:新渡米・喜多ペア
こちらも山吹中、新渡米稲吉(にとべいなきち)・喜多一馬(きたいちうま)ペア!新渡米くんは頭から新芽が生えている3年生で、喜多くんはほっぺにナルトマークが書いている2年生。先輩・後輩ペアですね。
この2人はシュールなコンビとして、ボソッと一言ツッコミを入れるシーンこそあったものの、試合描写はほぼなし。
しかし、山吹中のダブルスは2組とも全国レベルとのことなので、地味'Sだけでなく、新渡米・喜多ペアも相当な実力なのでしょう。
都大会決勝の青学戦では、ダブルス2に出場した新渡米・喜多ペア。試合終了直後のシーンだけ描かれ、不二・河村ペアに6-3で快勝したことは分かりました。
当時、不二くんは勝利に執着できず悩み中、河村くんは波動球をマスターしていない段階で、2人ともまだ本来の力を発揮できているとはいえない状態でした。とはいえ、この2人を抑え込んだ新渡米・喜多ペアの実力は計り知れません。
その一方、関東大会では不動峰の森・内村ペアに敗北するなど、安定感に欠ける部分もある様子。
山吹中のダブルスの強さ順は、やはり地味'S>新渡米・喜多ペアでしょうね。
六角中:木更津亮
続いては六角中の3年生、木更津亮(きさらづりょう)くん。帽子とロングヘアが印象的な美男子ですね。
亮くんは聖ルドルフ・木更津淳(きさらづあつし)くんの双子の兄。全国から強いテニス選手を聖ルドルフに集めるべく、観月くんが六角中を訪れた際、スカウトしようと目をつけたのが亮くんでした。
しかし何らかの手違いがあり、弟の淳くんが聖ルドルフに転校することに。
以来、観月くんは双子の見分けがつくように、淳くんに赤いハチマキを巻かせています。
亮くんも試合描写がない選手。得意技は「スカイハイボレー」ということが単行本で明らかになっていますが、詳細は不明。
青学と六角がビーチバレーをした際、亮くんは試合中にスパイクを打つと見せかけて、フェイントでボールを浮かせドロップボレーのように打つ技を見せていました。もしかしたら「スカイハイボレー」は、これに近い技なのかも……?
淳くんも、スマッシュを打つと見せかけて空中で回転しドロップボレーを打つ(テニプリのゲームでは「エアウォークドロップ」と呼ばれている)のが得意技でしたので、亮くんの技も似ている可能性はありそうです。
関東大会の青学戦では、亮くんまで試合が回らずに団体戦が終了。全国大会の初戦は比嘉中の平子場凛(ひらこばりん)くんに負けたようですが、やはり描写なし。
亮くんは、氷帝100人斬りのダビデくんを差し置いてシングルスを務めているので、かなりの実力者だとは思いますが……ぜひ試合を見てみたかったですね。
アニオリやゲームなどでは亮くんの試合・技もあるのですが、今回は原作に沿った紹介とさせてもらいたいので、カットします。
六角中:首藤聡
亮くんと同じく六角中からもう1人、首藤聡(しゅどうさとし)くんも紹介します。
首藤くんは亮くん以上に見せ場がなく、謎な選手です。
試合描写がないだけでなく、青学とのビーチバレーのとき、全国大会期間中の焼肉大会のときの両方とも、早々に乾特性汁を飲んで気絶しています。
恐れることなく乾汁を飲むあたり、首藤くんは怖いもの知らずの自信家であるようですが、人間性も不明な点が多く、アニメでも特に補完されることはありませんでした。
テニプリファンの7割、首藤くんの存在を忘れてる説
四天宝寺中:小石川健二郎
首藤くんと同じくらい、いやもっと影が薄いかもしれないこの選手、四天宝寺中の小石川健二郎(こいしかわけんじろう)くんも紹介しましょう!
「いや誰やねん!」と思った方もいるかもしれません。それもそのはず、小石川くんは同じチームメイトである四天宝寺中のメンバーからも忘れられたり、名前を正しく覚えてもらえていなかったりする悲しいプレーヤーなのです。
そんな小石川くんですが、地味に四天宝寺中の副部長を務めています。全国大会のトーナメント抽選会で、部長の白石くんと一緒に会場にいました。
もちろん小石川くんの試合描写はなし。全国大会の青学戦では、かろうじて応援席にいるシーンは描かれましたが、特に目立つような発言はしていません。
『新テニスの王子様』で「星の聖書(スターバイブル)」を会得し、四天宝寺中メンバーそれぞれの得意分野を再現できるようになった白石くんですが、ここにも小石川くんは含まれていません。公式からも存在をかき消されそうになっています。
各校の部長・副部長は比較的キャラが立っている印象があるのですが、小石川くんは極端に見せ場がありませんね……
山吹中の部長・地味'S南くんより地味
比嘉中:不知火・新垣ペア
沖縄代表・比嘉中からは不知火知弥(しらぬいともや)・新垣浩一(あらがきこういち)ペア。全国大会の青学戦でダブルス1に出場した先輩・後輩ペアです。
乾・海堂ペアと試合をしましたが、結果は3-6で敗北。やはり試合描写なし。
比嘉中・部長の木手くんが、仰向けに倒れている不知火くんを見て「比嘉中の中でダントツの肺活量と忍耐力を誇る不知火が……」と言及し、海堂くんのスタミナに驚愕していることから、持久戦になって負けたことは予想できます。
OVAではオリジナルで試合描写が追加され、海堂くんがほぼ1人で不知火・新垣ペアと戦い、新垣くんが熱中症でダウンしたことで勝敗が決したことになっていました。
原作でもアニメでも、活躍の場はほとんど描かれませんでしたね……
不知火くんに関してはどのような性格なのか、人間性すら不明なまま作品が終わってしまいました。が、その方が良かったかも……ペアの新垣くんは『新テニスの王子様』で、さらに悲しい扱いを受けています。
先輩たちが引退し、新部長になった新垣くんですが、部員たちは全員退部。一応テニス部という形は残っているものの、部員は新垣くん一人だけになってしまいました。
比嘉中を全国に導いた中心メンバーである3年レギュラーが引退したことで、カリスマ性のある部員がいなくなり、他の部員たちもやる気を失ってしまったようです。
比嘉中は、木手くんが沖縄武術をやっている少年たちを集めてチームを新生したそうなので、木手くんがいないなら、ほとんどの部員にとってチームに残る理由もないのでしょう。
1人で頑張って部を維持した新垣くん。3年生たちから激励をもらい、その後の個人戦で奮闘。好成績を残したことで、退部した部員たちが戻ってきてくれたとのことでした。
深掘りされたかと思えば、苦労を背負わされた新垣くん……なかなか不遇な扱いを受けてしまいましたね涙
部が復活して良かった良かった
牧ノ藤学院:萩栄ノ進
前年度の全国大会準優勝校・牧ノ藤学院のエース・萩栄ノ進(はぎえいのしん)くん。
「全国準優勝校のエース」という肩書きだけ見れば、間違いなく強キャラな萩くんですが、残念なことに試合描写なし。
しかも、作中で試合をした(と言及された)金ちゃん、橘さんの両者に敗北しています。
金ちゃんとの戦いは関西大会での出来事で、展開やスコアなどは不明ですが、橘さんとの試合は0-6で惨敗したようです。
萩くんが弱いというより、対戦した相手が悪かったと言った方がいいかもしれません。四天宝寺中最強の金ちゃんと、全国区の橘さんが相手では、連勝できる選手の方が少ないでしょう。
……でも萩くんは牧ノ藤学院のエースなわけで、もしかしたら全国区プレーヤーだった可能性もありますよね……
だとしたら金ちゃんはまだしも、同じ全国区プレーヤーである橘さんにボロ負けしてしまうのは、エースの名折れかも。
牧ノ藤学院は平等院のお頭の出身校でもあります。全国で早々に敗退したなんてお頭が知ったら……
滅びよ……
牧ノ藤学院:門脇悟
最後は、萩くんと同じ牧ノ藤学院から、部長の門脇悟(かどわきさとる)くん。2mを超える長身が特徴的な選手で、自分のテニスを「スーパーテニス」と称しています。
しかし、跡部様から「(手塚くんを相手にしたら)テメェじゃ15分もたない」と言われたり、全国大会では不動峰の伊武くんに試合描写なく1-6で大敗し、「何だよスーパーテニスって、普通じゃん」とディスられたりする始末。
結局スーパーテニスとは何だったのか、分からないまま退場となりました。
そんな門脇くんですが、『新テニスの王子様』でU-17合宿に参加しています。全国大会に出場した功績が評価されたのでしょう(エース・萩くんは参加していない)。
しかし、気がついたら門脇くんはいなくなっており、やはりろくな試合描写なく気配を消してしまったのでした。
種子島先輩の「不会無」以上に存在を消す「無」をマスターしたのか…?門脇くん?
まだまだたくさんいる「実力未知数プレーヤー」
本記事で取り上げたプレーヤーは、実はごく一部。実力が未知数な選手の中でも、少ないながら見せ場のあった選手をピックアップしました。
他にも緑山中の面々や、名古屋星徳の外国人留学生たち、柿の木中の九鬼くん、日々野五中の入来くん、辰巴台東のゴリラのおっさんこと小柳くんなど、挙げていけばキリがありません。
青学と全く絡みがなかったモブ学校にも、名前だけ登場している選手が大勢います。
ですが、そのような選手まで全員紹介すると、とんでもない文量になってしまうので、今回はここら辺で許してください!何でもしますから!