200人以上の部員を抱える、氷帝学園テニス部。
選手層が非常に厚いこともあってか、正レギュラーの一部は関東大会まで試合に出さず、代わりに準レギュラーを起用します。
しかし、準レギュラーの実力はイマイチで、他校の強豪選手と戦っても勝てる確率は低め。
それでも、1年前の都大会では優勝している氷帝ですが、作中の都大会には関東・全国レベルの猛者がそろっていました。
今回、準レギュラーを起用している氷帝は、作中の都大会で優勝することができたのかを考察します。
都大会まではダブルスを準レギュラーで固める氷帝
氷帝は毎年、主力選手である正レギュラーの半数以上を関東大会まで温存し、都大会のダブルスは準レギュラーを選出します。
作中では、ダブルス2試合を準レギュラーで回し、シングルスに正レギュラーの跡部様、樺地くん、宍戸さんが控えているという形でした。
本来、公式戦に出場することすら難しい準レギュラーを起用するというのは、氷帝の気遣いに思えます。が、どちらかというとこのオーダーは舐めプ。氷帝は「全力を出さなくても都大会レベルであれば優勝できる」とアピールしている節があるのです。
しかし作中では、都大会準々決勝で氷帝オーダーの弱点を見抜いた不動峰の橘さんが、速攻を仕掛けます。
ダブルスに主力選手を集めて準レギュラー相手に確実に勝利し、シングルス3で全国区の橘さんが出場。先に3勝するという作戦に出たのです。
これが見事にうまくいき、氷帝は準々決勝で敗退。
地区大会すら勝ち上がれなかった不動峰に強豪選手がそろっていること、そして九州二翼の橘さんが所属していることなんて、氷帝側は予測できなかったでしょう。
その結果、舐めプオーダーの最大弱点を突かれてしまったのでした。
氷帝が不動峰に勝てたとしても優勝はできたのか?
例えば跡部様が、不動峰に橘さんがいることを眼力(インサイト)で見抜き、自身がシングルス3で橘さんを下し、そのまま逆転できたとして、続く山吹中戦、青学戦を準レギュラー込みのオーダーで勝ち抜くことはできたのでしょうか?考えていきます。
ダブルスが2組とも全国レベルの山吹中は黄色信号
山吹中はダブルスが非常に強く、2組とも全国レベル。氷帝の準レギュラーが勝てる相手ではないでしょう。氷帝はほぼ確実に2連敗してしまうと思われます。
ということは、氷帝が山吹中に勝つにはシングルスで3勝しなければならないわけですが、この年の山吹中はシングルスもかなり強い。
Jr.選抜の千石さんに、10年に1人の逸材といわれる亜久津くんがいます。
氷帝のシングルス陣を樺地くん→跡部様→宍戸さんの順で出せば、千石さん・亜久津くんを抑え勝利することはできたかもしれません。
山吹中になら最終戦までもつれ込んでギリギリ勝てる未来がありそうです。が、楽勝とはいかないでしょうね。
シングルスの選手層が厚い青学に勝てる可能性は低い
決勝で戦うであろう青学は、正直、準レギュラー込みの氷帝が勝てる可能性はかなり低い……
まずダブルス2敗は確定でしょう。青学ダブルスの1組は大石・菊丸ゴールデンペアで、全国レベル。氷帝準レギュラーでは抑えられません。
もう1つのダブルスも、青学側はテキトーに組んだペアでも勝てると思われます。青学レギュラーと氷帝準レギュラーでは、個人の実力差が大きすぎますね。
残るシングルスですが、ここからが問題。
青学のシングルスには全国区の手塚くん、当時の手塚くんに勝るとも劣らない不二くん、その不二くんと互角に戦えるリョーマが控えています。
氷帝側のシングルス陣は、全国区の跡部様、相手選手のプレーをコピーする樺地くん、そして調子に乗ってるときの宍戸さん。跡部様、樺地くんなら青学シングルス3人衆に勝てる可能性はありますが、宍戸さんは厳しい……手塚くん、不二くん、リョーマの誰と当たっても負けていたでしょう。
宍戸さんの代わりにジローくんを呼んでも、結果は変わらないと思います。関東大会でジローくんは、不二くんに遊ばれてましたからね。
山吹中と比べてシングルスの層が厚い青学。氷帝はダブルス2敗、シングルス1敗で青学に敗れていたと思われます。
勝つほどシングルス陣の負担が大きくなる、氷帝の準レギュラー起用システム
おそらく、都大会の上位に進むような学校が相手では、氷帝準レギュラーは歯が立たないでしょう。
結局シングルスに控えている正レギュラーまで試合が回ることになるのなら、正レギュラーを温存しておく意味は薄くなってしまうと思われます。
だったらダブルスの正レギュラーも起用し、ダブルス2勝&シングルス1勝でスパッと試合を決めた方が、各選手にかかる負担も少ないでしょう。
氷帝の都大会でのオーダーは、勝つほどにシングルス陣の負担が大きくなるなと感じました。
でも氷帝には王者のプライド()があるからなぁ……