今日はテニスの王子様の「青学VS聖ルドルフ」を読み返しておりました。都大会のベスト4進出と関東大会への出場権を決める大切な試合です。
この試合は聖ルドルフの選手兼マネージャーである観月はじめが青学選手たちの弱点などを細かく分析しており、青学にとって苦しい一戦となりました。
結果的に聖ルドルフは敗北したのですが、部長である赤澤と後輩の金田ペアが、青学最強のダブルスゴールデンペアこと大石・菊丸を打ち破り1勝を挙げました。
本来「全国区」と呼ばれる日本中学テニス界でも有数のシングルスプレーヤーである赤澤をあえてダブルスに使用して・・・ん?
赤澤って全国区プレーヤーなの!?
ということは手塚などとも互角に戦い会える実力だったってこと・・・いや・・・そうとは思えませんでしたが・・・
ということで今回は
聖ルドルフの赤澤は本当に全国区プレーヤーだったのか?
について考えていこうと思います。
赤澤吉朗とは?
(引用:テニスの王子様 8巻18P/許斐剛)
私立聖ルドルフ学院中学の3年生です。聖ルドルフは部活動の強化のために日本全国から優秀な選手を集めており、テニス部にも観月や木更津、柳沢など遠方からやってきた選手が多いです。彼らは部活動には週2回程度しか顔を出さず、それ以外の時は外部のテニススクールで特別なレッスンを受けています。あまり部活とは言えない状態です。
そんな中で赤澤は聖ルドルフのテニス部員としてずっと活動をし続けていた「生え抜き組」と呼ばれる選手の一人です。赤澤はスクールには行かず、部活動の中でのみテニスの練習をしていたとみられます。
そんな赤澤ですが「全国区」という全国有数のテニスプレーヤーの一人という設定があります。全国区についても説明していきます。
全国区とは?
強豪が集う全国大会でも勝ちあがれるくらいの実力を持つ選手のことを作中で全国区と呼んでいます。キャラクターでいうと、立海大付属中のレギュラー選手全員、青学の手塚、不動峰の橘、氷帝の跡部、四天宝寺の千歳などが該当します。彼らは日本中学テニス会でも屈指の実力者たちで、その名を知らぬものはいないほどの有名選手たちです。赤澤もこの全国区に名を連ねているそうなのですが・・・果たしてどうなのでしょうか?
シングルスは強いみたい
作中では、青学戦にダブルス1として登場した赤澤。その理由は後述しますが観月のとある作戦のためでした。試合前は「この俺をダブルスに使うとはね」や試合中も「シングルスなら負けなかった」などとかなりシングルスに自信があるような発言をしていました。これだけ言うのですからシングルスの腕前は相当なものなのでしょう。
乾の話では、リョーマたちが入学する1年前に聖ルドルフは青学と対戦し、赤澤は乾たちの代の先輩を倒しているそうです。青学のレギュラー選手を倒せるということは強いと言えますが、手塚たち、そしてリョーマが入ってくる前までは青学にとって冬の時代が続いていたみたいですから、その時代の渦中にいた先輩を倒したとしても果たして本当に強いのかどうか・・・手塚が入部した当初の時点で先輩たちは手塚に全滅されるレベルだったみたいですし。ただ手塚は当時から百錬自得の極みを体得しており超強かったので、実は手塚に次ぐくらいの強い選手が青学にはいて、その人を倒したと考えられなくもないです。ちょうど不二と同等くらいの。
ブレ球
赤澤の得意技は「ブレ球」という技です。いや、これを技と呼んではいけません。赤澤の悪癖によって生まれた本来好ましくないショットなのです。
赤澤はバックハンド(利き腕と逆側)のボールを打つ際に、ラケットの面の真ん中にボールが当てず、先端の方で打ってしまうという癖を持っていたのです。この癖によって、ガットとフレームのつなぎ目あたりに当たったボールには常人では見抜けないほどのブレが生じてしまいます。
(引用:テニスの王子様 7巻102P/許斐剛)
ただ動体視力の良い人間はこのボールの微妙なブレを目で追ってしまいます。観月はこの赤澤の癖に目をつけ、動体視力の良い菊丸の対戦相手としてぶつけ、ボールのブレを菊丸の目に追わせることで菊丸の体力と集中力を削ぐ作戦をとったのです。
功を奏したとはいえ、赤澤の癖は本来直さなければならないものです。やはりボールはラケット面の真ん中に当たった時にこそ一番強い威力で飛んでいきます。面の真ん中に当てることは基礎中の基礎です。実はそれができていなかった赤澤。ちょっと全国区かどうか怪しくなってきました。
赤澤が全国大会にいける余地はあるのか?
テニスの大会は、作中では団体戦しか描かれませんでしたが、個人戦というものもあります。青学は団体ではこれまで全国に行けていなかったようですが、手塚やゴールデンペアが全国区と呼ばれていることからも各自シングルス、ダブルスの個人戦で全国大会に行ったのだと思います。
赤澤も全国大会まで行ったからこそ全国区と呼ばれているのでしょうが、そもそも赤澤が都大会から先を勝ち上がって全国大会まで行ける可能性はあるのでしょうか?
全国大会を勝ち上がるにはまず関東大会で上位に入らなければなりません。しかし関東大会までに当たる全国区プレーヤーとして、先述の立海大のレギュラーたち、氷帝の跡部、青学の手塚がいます(橘はもともと九州の選手でしたので、過去に関東大会出場経験はないはずです)。それに次ぐプレーヤーとしても青学の不二、六角中の天根、山吹中の千石などがいます。どう考えてもブレ球使いの赤澤さんが勝ち抜けるレベルではない気がしますね。
全国区は全国大会に出場できれば呼ばれるわけではなく、全国大会でも勝てる実力がなければなりません。そうなるとなおさら無理な気がします。
運良く強豪選手が出場を見送った大会で勝ち上がれ、全国区というのは別に称号でも資格でもなくなんとなく「こいつは全国でも勝ちあがれるプレーヤーだぜ」っていうキャラクターにつけられるふわっとしたものなので、全国大会に行けた赤澤にもつけられた可能性もあります。が・・・こう考えると赤澤さんは残念ながら全国区を呼ばれる実力者ではないような気がします。
(引用:テニスの王子様 7巻147P/許斐剛)
なぜ赤澤は全国区認定されていたのか?
実力的には微妙な赤澤さんが全国くん認定されていた理由には、とあるシーンが大きく影響していると思います。都大会で赤澤が不動峰の橘とすれ違うシーン。
(引用:テニスの王子様 9巻136P/許斐剛)
かつての橘は金髪でしたが当時は髪をバッサリ切っています。そんな昔の橘気配を赤澤は感じ取ったのでした。普通このシーンを見ると「過去に赤澤と橘が対戦したことがあり、そのイメージが赤澤に流れ込んできた」と捉えるのが普通ですよね。でなきゃこんな気配は感じないと思います。先述の通り橘は九州のプレイヤーだったので過去に東京都代表の赤澤が出会うとすれば全国大会しかありません。ここから赤澤も全国区プレーヤーであるとされたのではないでしょうか。でも確か作中公式設定だったような気もするんですよね、赤澤の全国区という設定は。
実際のところ赤澤が橘を思い出したのは「過去に全国大会の試合で橘の姿をビデオで見たから」でした笑ビデオで見ただけの人物とすれ違ってその人からオーラを感じるものでしょうかね・・・赤澤さんの記憶力と感度は凄まじいです。それこそ全国区と言えるでしょう。
でも大会で橘と対戦しなかっただけで、赤澤が全国大会にすら入っていないという根拠にはなりませんのでね。赤澤の自信あふれる発言から見ても、シングルスは全国区ということにしておきましょう!(怪しいけど)疑ってすみませんでした!
・・・だとしたら都大会の青学戦では赤澤をシングルスに回した方が確実に勝てたような気もしますけどね・・・
聖ルドルフ戦は7巻から!