ゾルディック家に生まれ、幼少期から暗殺の修行を積んできたキルア。
ハンター試験を受験した11〜12歳の時点で、すでに高いレベルの暗殺者でした。
しかし、キルアが具体的にどのような修行をしてきたのかは、作中であまり触れられていません。
キルアの修行内容が明らかとなったシーンとして、オロソ兄妹戦でのキルアの発言があります。
出典:HUNTER×HUNTER 24巻85P/冨樫義博/集英社
どうやらキルアはダーツを暗殺の修行1つとして行っていたようです。
本来ダーツは遊びやスポーツとしてたしなむ物であり、暗殺の修行になるのかどうか疑問が残るところ。
しかもキルアは「ダーツは修行の初歩」と言っています。ゾルディック家ではダーツのスキルが暗殺のベースとなるのでしょうか…?
そこで今回は、キルアの修行にダーツが取り入れられていたのはなぜかを考察しました。
キルアのダーツ歴や実力
まずは、簡単にキルアのダーツ歴やダーツの実力を振り返ってみましょう!
オロソ兄妹の能力を看破する
キルアがどれくらいダーツが上手いのか分かるのは、オロソ兄妹戦ですね。
そもそも、オロソ兄弟の能力「死亡遊戯(ダツ DE ダーツ)」がダーツに関連していることを素早く見抜けただけでも、相当高いスキルが伺えます。
頭の中に流れたデジタル音…
ダツが1度につき3本ずつ刺さる…
体に浮かび上がった模様…
オロソ兄が口にするポイント…
これだけでダーツだと気づけたのは、やはりキルアがダーツ経験者だったからでしょう。
さらにキルアは、オロソ兄がゼロワンの501というゲームを「ダブルアウト」というルールで行っていたこと、そして「ダブルイン」というダーツの技術でゲームを始めていることにも気づき、ポイントを逆算して最後に攻撃してくる箇所を予想しました。
こんな芸当、ダーツの経験者の中でも最上級者でなければできないのではないでしょうか?
しかもダツが体に刺さった状態でやってのけてますからね。さすがゾルディック家でピカイチの才能といわれるだけありますな
カウントアップで最高得点1440P
最後のダツが刺さったふりをして、誘き出したオロソ兄妹の首を落としたキルアは、自身のダーツの実力を表す数値として
「カウントで1440P」
と発言しています。
出典:HUNTER×HUNTER 24巻85P/冨樫義博/集英社
カウントとは、ダーツの「カウントアップ」というゲームでの得点のことでしょう。
「カウントアップ」とはダーツを投げて得点を加算していくゲームで、その最高得点が1440ポイントです。
つまりキルアはパーフェクトゲームを達成しているということですね。
私自身、あまりダーツをやったこうとがないのでよく分かりませんが、キルアは超プロ級の腕前と考えていいのかもしれません。
ダーツのトッププロでもパーフェクトは難しいのかな…?
6歳か7歳のときにダーツを極めている
キルアはオロソ兄に「すでにダーツを極めている」とも発言しています。
しかもそれは6歳か7歳の時のこと。
おそらく先ほどのカウントアップで1440P取れるようになったのが6歳か7歳のころだったのでしょう。
普通ではありえない経歴ですよね…
6歳か7歳の子なんて、ダーツというゲームがあることすら知らない子の方が多いのではないでしょうか?
その時点でダーツを超プロ級の腕前にまで磨き上げるなんて…やっぱりキルアくんは天才ですね。
しかもキメラアント編のキルアは13歳くらいと考えると、さらに数年ダーツのキャリアを積んで、実力が上がっている可能性もあります。
ゲームが大好きなキルア。ダーツにもどハマりしたのかもしれませんね。
……いや、キルアはダーツを「修行の初歩」と言っていましたから、ただのゲームとしてダーツをやっていたわけではないのでしょう。
暗殺の修行の1つとして、イヤイヤやらされていたのかも…?
イヤイヤやらされているのに極めちゃってたら、そら家族から才能を期待されますよ
キルアの修行にダーツが取り入れられていたのはなせ?
では本題。
キルアの修行にダーツが取り入れられていたのはなぜでしょうか?
考察していきたいと思います。
今のキルアはダーツ(投てき武器)を使って戦っていない
そもそも作中のキルアは素手で戦うことが多く、使っていた武器といえば、超重量のヨーヨーくらいです。
キルアの戦いにダーツや投てき武器のスキルはほとんど活用されていない、といってもいいでしょう。
もちろん、とっさにモノを投げて戦う場面もあるとは思うので、その想定で幼少期のキルアにダーツを学ばせていたのかもしれません。
あるいは、過去のキルアはダーツを武器にして暗殺の仕事をしたり、天空闘技場で戦ったりしていたのかも…?
ただこれらは私の憶測であり、明確な根拠はありません。
少なくとも作中の描写だけで見れば、キルアがダーツを暗殺の修行として取り入れる意味やメリットはないように感じられます。
針を投げて戦う兄が…
今回の考察の答えを出すヒントは、キルアに暗殺の教育をした人にあると私は思っています。
キルアの教育を行なっていたのは、父のシルバと兄のイルミであることは、ハンター試験でイルミ本人の口から語られています。
実際にキルアを指導したビスケも、イルミの歪な指導の痕跡(呪縛)を感じ取っていました。
またキルアの、シルバとイルミとの接し方も今回の考察の重要なポイント。
なぜキルアがダールのスキルを戦いに用いていないのか考えるヒントになりそうです。
キルアは、父のシルバに対しては尊敬の念を抱いているように感じます。
ジョネスの心臓を抜き取った時「親父はもっと上手く盗む」とゴンたちにちょっとドヤっていました。
父親の技術を真似ていることからも、シルバのことは少なくとも暗殺者としては尊敬していると思われます。
一方、イルミに対してキルアは強いトラウマを抱いているようです。
頭に仕込まれていた針の影響もあるのでしょうが、やはりイルミに対してキルア自身が抱いている恐怖心が強く表れていると思われます。
その恐怖心は、過去にイルミから施された暗殺の修行が原因かもしれません。
過度なトレーニングをイルミに積まされて、トラウマとなってしまったのではないでしょうか?
そう考えると、キルアの教育はシルバよりもイルミが主体となって行なっていた可能性が高いと思われます。
歪んだ愛情ではあるものの、キルアのことが大好きなイルミ。
愛する弟にも自分と同じ武器を使い、戦い方を真似して欲しかったのでしょう。
そのため、針を投げてターゲットの急所を狙うための初歩的な修行としてダーツを取り入れた……
これが、私の考えるキルアが修行の初歩としてダーツをやっていた理由です!
結論:兄の(歪な)愛情?
今回の考察をまとめると、キルアの修行にダーツが取り入れられていた理由は、
イルミが自分の戦い方を教えようとしたため
ではないかと推測します。
暗殺者として自身も才能を発揮している長男・イルミ。
次男・ミルキに暗殺の才能を見出すことはできませんでしたが、その次に生まれた弟・キルアがあまりにも才能あふれる逸材だったため、つい過剰に(歪な)愛をそそでしまったのでしょう。
その片鱗がダーツの修行なのではないかなと思います。
単純にキルアへの愛情だけでなく、暗殺術を教える上で、まずイルミ自身が得意としている戦い方を教えたとも考えられそうです。
やはり自分自身がプレイヤーとして実力のある分野で、後進の指導を行うのが基本ですよね。
元プロ野球選手がコーチとなって、新人のプロ野球選手を育てるように
キルアのダーツの実力を考えると、イルミのように針を投げて戦うスタイルでも相当強くなれたでしょう。
でもキルア自身は怖いお兄ちゃんに教えられた技術を使って戦うと、お兄ちゃんの顔が脳内にチラつくから嫌だったのかもしれませんね。
だからあえてダーツを使わない戦い方や念能力を選んだ…なんて妄想が進んでしまします。