私の名前はジロギン。
近所のセブンイレブンに行ったら、店内で『赤鼻のトナカイ』がBGMとして流れていました。そろそろクリスマス。時期にピッタリな選曲ですね。
レジ前にできた列に並んだ私は、BGMにあわせて、心の中で『赤鼻のトナカイ』を口ずさんでいました。
でもその年のクリスマスの日、サンタのおじさんは言いました♪
「暗い夜道はピカピカのお前の鼻が役に立つのさ」♪
いつも泣いてたトナカイさんは、「今宵こそは」と喜びました♪
そのとき、ふと思ったのです。
鼻が赤いことで周りの者たちから笑いものにされていたトナカイに対し、サンタのおじさんは、もっと早くケアしてあげるべきだったのでは?
今までたった一言、声をかけてあげることもしなかったのか……
歌詞では聖人のように言われているサンタのおじさんも、赤鼻のトナカイのことを見て見ぬふりをしてきたのなら、笑っていた連中と同罪なのではないか……
そこでこの記事では、サンタのおじさんが赤鼻のトナカイをもっと早めにケアしなかった理由を考察します。
長い間、鼻が赤いことに悩んでいたと思われるトナカイ
歌詞を見ると、赤鼻のトナカイが笑いものにされ、そのことに悩んでいた期間はかなり長かったと予想できます。
- いつもみんなの笑いもの
- いつも泣いてたトナカイさん
このように、歌詞には「いつも」という言葉が入っています。赤鼻のトナカイは生まれてから、サンタのおじさんにありがたい言葉をもらうまで、ずっと笑われ、泣いていたのでしょう。
このような背景を考えると、なおさら「サンタのおじさんは、もっと早くに赤鼻のトナカイをケアしてあげる必要があった」と思えてきます。
サンタのおじさんが赤鼻のトナカイを早めにケアしなかったのはなせか
みんなから笑われ、いつも泣いているほど悩んでいた赤鼻のトナカイを、長い間そのままにしていたと思われるサンタのおじさん。
彼はなぜもっと早くケアしてあげなかったのか、その理由を考えていきます。
「いじめ」と「いじり」の区別がついていなかった
まずは、一番考えたくないパターン。サンタのおじさんは、赤鼻のトナカイが笑われていることをいじめとは考えておらず、いじりの範疇だと捉えていた可能性。
これは現実にもある問題です。
例えば学校でいじめが起きていても、いじめている張本人は「いじりのつもりでやっていた」と言うし、児童・生徒を管理する担任の先生も「遊びの範囲だと思っていた」と言う。いじめられている子は深刻に悩んでいるのに、見て見ぬふりをされてしまう状態。本当にあってはならないことです。
赤鼻のトナカイも長い間このような状態にあったと、あまり考えたくないですが、つい考えてしまいます。サンタのおじさんはトナカイの飼い主ではあるけれども教育者ではないので、いじめ問題に疎く、いじめだと認識できていなかったのかもしれません。
この考察の通りだった場合、やはりサンタのおじさんはもっと早く赤鼻のトナカイをケアしてあげるべきだったと、怒りに近い感情が湧いてきます。
でもまぁ、最終的にサンタのおじさんは赤鼻のトナカイのことを評価する言葉を投げかけてあげて、トナカイも前向きになれたようなので、怒りの矛先はおじさんに向けないようにしようと思いますが……もし私がトナカイで、同族のトナカイへのいじめをおじさんが見過ごしていたと知ったら、ブチギレてとんでもないことになっていたでしょう。中年太りオヤジを一人ひねり潰すのなんて、造作もない。
トナカイの本気パワーを舐めたらあかん
でも何がきっかけで、サンタのおじさんは突然赤鼻のトナカイを評価するようになったのでしょうね?
もし赤鼻のトナカイが、本気トナカイパワーをサンタのおじさんに見せつけて、脅して良い評価をひねり出したのだとしたら……はたして本心だったのかどうか。
サンタのおじさんはトナカイのプライベートには干渉しない?
サンタのおじさんにとって、世界中の子どもたちにプレゼントを届けることは仕事なのでしょうか、趣味なのでしょうか。もし仕事なのだとしたら、ソリを引くトナカイたちはビジネスパートナーといいますか、同僚みたいな存在なのかもしれません。
実際に会社で働いている方は、同僚と勤務時間中は交流するけれども、プライベートまでは関わらないという場合が多いのではないでしょうか。
以下のサイトでは、職場の人とのプライベートのつながりについてアンケート調査した結果が公開されてます。SNSでつながっている職場の人のうち「本当はつながりたくなかった人がいる」と回答した人は全体の38.7%。そして「職場の人がSNSに投稿したプライベートを見たい」と回答した人は全体の10%未満となっています。
コロナ禍以前に行われた調査なので、最近は事情が変わっているかもしれませんが、この調査結果から考えると「同僚がプライベートで何をしてようが知ったこっちゃない」と考えている人が、世の中の大半だと思われます。
サンタのおじさん的にも、同僚のトナカイがプライベートで何を悩んでようが知ったこっちゃない。相談してきたらアドバイスはするけど、積極的に干渉することはない。そんな気持ちだったのかも。
サンタのおじさんとトナカイの関係性は、クリスマスだけに雪のように冷え切っていたということか…
サンタのおじさんと赤鼻のトナカイは初対面だった?
ここまで「サンタのおじさんは赤鼻のトナカイが抱える問題に目をつむっていた、聖人の皮を被った卑怯者」みたいに話を進めてしまいました。かなり偏った考察だと、自分でも思います。
これでは不公平なので、別の視点からも考察してみましょう。
サンタのおじさんと赤鼻のトナカイは、「その年のクリスマスの日」以前に面識がなかった可能性が考えられます。
すなわち、赤鼻のトナカイがサンタのおじさんのソリを引く仕事の初勤務日に「暗い夜道はピカピカのお前の鼻が役に立つんだよなー」と言われたという可能性です。
歌詞では、サンタのおじさんと赤鼻のトナカイとの間に、長い期間にわたる関係があったとは言及されていません。赤鼻のトナカイは勤務前、野生の時代かサンタ用トナカイの養成所時代に笑いものにされていた。その後、サンタのおじさんのソリを引く仕事に就いた際、おじさんと初顔合わせをし、ありがたい言葉をかけてもらった。このような背景も考えられそうです。
この考察の通りなら、赤鼻のトナカイが置かれた状況をサンタのおじさんが事前に把握することは、ほぼ不可能だったはず。むしろケアするタイミングとして、赤鼻のトナカイの初勤務日である「その年のクリスマスの日」は最速でしょう。
やはりサンタのおじさんは、私たちがイメージする通り、聖人だったといえそうです。
ただですね…この考察には穴があります
サンタのおじさんからありがたい言葉をもらった赤鼻のトナカイは「今宵こそは」と喜んでいるんですよね。「今宵こそは」という表現から、過去にも赤鼻のトナカイは夜勤をしていたと取れなくもないのです。
つまり、赤鼻のトナカイは何年か前からサンタのおじさんのソリを引く仕事をしていて、ある年になってようやくケアを受けたと……
やっぱりサンタのおじさんは赤鼻のトナカイを放置していたんじゃないか!?そのモジャモジャな髭を手入れしないのと同じように!!
トナカイ同士の問題だったからサンタのおじさんは気付けなかった?
結局3つ目の考察も、サンタのおじさんさんを聖人たらしめるオチにはなりませんでしたね……
3度目、いや4度目の正直!1つくらい、サンタのおじさんが赤鼻のトナカイを早めにケアできなかった、ダークサイドではない理由も考察してみましょう!
赤鼻のトナカイを笑いものにしていた「みんな」とは他のトナカイのことで、赤鼻のトナカイが抱える問題はトナカイ間で起きていたものだった。トナカイ同士でのコミュニケーション方法と、サンタのおじさんという推定人間のコミュニケーション方法は異なるため、おじさんは赤鼻のトナカイの悩みに気付くことができなかった。このように考えることもできそうです。
私たち人間が動物と何年生活を共にしたとしても、100%正確にコミュニケーションを取ることは、恐らくできません。その原因は、人間と動物とでは意思疎通の方法が異なるから。「動物」と一括りにしましたが、例えばコウモリとイカなど、種族や生態が異なれば、同じ動物でも完璧な意思疎通はできないと思われます。
サンタのおじさんは人間の言葉でコミュニケーションを取りますが、トナカイは、ワンピースのチョッパー以外人間の言葉を使えません。そのため、そもそも赤鼻のトナカイが悩みを抱えていること自体、サンタのおじさんが気付くのは難しかったでしょう。
『赤鼻のトナカイ』の歌詞を見ると、赤鼻のトナカイはサンタのおじさんと会話しているようでしていません。
恐らくサンタのおじさんは、赤鼻のトナカイを見て独り言のように「夜道ではお前の鼻が役に立つ」と言っただけで、ケアしてあげようという気持ちはなかったのだと思います。その一言を偶然聞いた赤鼻のトナカイは、前向きになることができたと。
赤鼻のトナカイは、人語を話せないけれど、人間が何を言っているかは理解できた……っていうのは、都合の良い解釈過ぎますかね?
でもこういう考察にしないと、サンタのおじさんがダークサイドに堕ちてしまう…
サンタのおじさんと赤鼻のトナカイとの闇に触れてはならんのじゃ…
『赤鼻のトナカイ』の歌詞について4つの考察を書きましたが、そのうち3つが、サンタのおじさんと赤鼻のトナカイの闇に触れかねないオチになってしまいました……
しかしやっぱり、サンタのおじさんは赤鼻のトナカイが抱える問題に目をつむっていた説が濃厚で、おじさんが何年もかけて分厚く重ねてきた聖人の皮が剥がれてしまうのです……
思えば、サンタのおじさんには怪しい点がいくつかあります。例えば1年のうち2〜3日しか稼働していないのに、かなりメタボリックなサンタのおじさん。一般人が知り得ない出所のお金で、文字通り私服を肥やしているのかもしれません。
たった2〜3日の稼働でブクブク太れるだけの収入を得ることができるなら、おじさんにとってこんなに美味しい商売はないでしょう。常にウハウハで、ソリを引かせる下僕同然のトナカイが、鼻が赤いことに悩んでいるのなんてチンケな問題に思えても不思議ではありません。
ただ、赤鼻のトナカイが塞ぎ込んで仕事に穴を開けると、おじさんの収入に影響する可能性があります。そのため同僚か上司の立場として助言はした。けれど、心から言ったアドバイスではなかった。こんな裏事情が『赤鼻のトナカイ』という歌から感じ取れてしまって、今年のクリスマスは一人で家に引きこもってブログを書くことしかできそうにありません。
……おっと、これ以上、闇に触れるのはやめておきましょう。トナカイの鼻は「赤」。サンタのおじさんの着ている服も「赤」。次に赤く染められるのは、私かもしれないから。
サンタのおじさんは、みんなを笑顔にしている聖人の中の聖人!闇なんてない!