幻影旅団のメンバーの一人であるフェイタン。フェイタンは幻影旅団の創設メンバーであるため、団員歴はかなり長い方です。
幻影旅団の創設メンバーは全員が「流星街」出身とされているため(流星街については後述します)、国籍や戸籍などを持っておらず、親の顔すら知らないメンバーも多いのです。
フェイタンに至っては自分の生年月日を知りませんでした。
が、フェイタンは敵に攻撃されてブチギレると、母国語らしき言葉を話します!
(引用:HUNTER×HUNTER 22巻93P/冨樫義博)
戸籍も国籍もなく生年月日も知らない流星街出身のフェイタンが、同じ流星街出身の旅団メンバーすら使わない言語をなぜ話せるのでしょうか・・・
おそらくフェイタンは厳密には流星街出身ではないと思うのです。
どこかで母国語を学んでいるはず・・・って考えていくと先の生年月日の観点からも色々矛盾しそうな点が見つかってきました。
それについて考察したいと思います!
フェイタン=ポートオとは
(引用:HUNTER×HUNTER 11巻69P/冨樫義博)
幻影旅団メンバーの一人です。長髪で小柄の男性。普段は口元まで隠れるコートを着ています。
自他共に認める拷問好きで、パクノダに次ぐ「自白係」として団員からは評価されているようです。
念能力の「許されざる者(ペインバッカー)」は、拷問好きのフェイタンの性格とは真逆の「ダメージを負った分の攻撃を相手にお見舞いする」というもの。ある意味「絶対に拷問されたくない(傷つけられたくない)」という性格が故に生まれた能力とも言えますね。するのはいいけどされるのは嫌だみたいな。
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普段の喋り方(おそらくハンターハンター世界の共通語)は訛っており、キレると母国語になります。
流星街とは?
(引用:HUNTER×HUNTER 11巻170〜171P/冨樫義博)
1,500年以上前から廃棄物の処分場とされ、公式には無人とされているものの、ラペ共和国ほどの面積(東京都+埼玉県くらいの面積)に800万人ほどの人間が暮らしているとされている(800万人という数字についても根拠なし)地域です。あたり一面ゴミの山と化しています。
流星街には毎日多くの物が捨てられます。それはゴミだけでなく武器、死体、赤ん坊なども含まれます。
外界との干渉は一切行わない異質都市で流星街の者が殺されたり、外界で被害を受けたりした場合は、他の流星街の者が自爆テロなどを起こしてその関係者を抹殺するという、思想が渦巻いています。
「我々は何も拒まない。だから我々から何も奪うな。」という考えが浸透しているようで、この考えの下、自爆テロなどを行うようです。
流星街は政治的な干渉を一切受け付けず、そこに住む人々は戸籍や国籍などをもたない人間たちです。そのため、社会的には存在しない人間とされています。
社会的に存在しない人間は犯罪を働かせるにはもってこいの人間であるため、全世界のマフィアがゴミと称して流星街に武器を送り込み、その見返りとして社会的に存在しない流星街の人間をマフィアとして雇っていました。
幻影旅団メンバーのうちで、創設メンバーは皆、流星街出身とされています。
これらを踏まえて、フェイタンがなぜ流星街出身なのに一人だけ母国語を話せるのか考察していきます。
フェイタンは流星街の外からやってきた?
流星街は多くの人種が存在する地域であり、先述の通り赤ん坊を捨てていく人間もいる場所でもあります。
フェイタンもおそらく赤ん坊の時に外国から両親が流星街に捨てられた・・・と思っていたのですが、赤ん坊の時に捨てていったのでは、母国語なんて話せませんよね。
フェイタンが流星街の外からやってきたのはそうなのでしょうが、言葉を知っているとしたら少なくとも3〜4歳の時だと思います。
でもそうすると、「生年月日を知らない」っていうのはないと思うのです。3〜4歳の時ならすでに自分の生年月日くらいは認識できているはず・・・
フェイタンが何歳の時に流星街にやってきたかという点で少し矛盾が出そうです。
自力で流星街にやってきた?
まず可能性として考えられるのは、フェイタンは親に産み落とされてすぐに親が死んでしまった、あるいは親に捨てられてしまい、一時期に流星街ではないところで暮らしていたというものです。ストリートチルドレンとして10歳くらいまで育っていたのかもしれません。
まだ当時は自分が生まれた国にいたので、生活の中で母国語はマスターできたと。
しかし、生まれてすぐ何らかの形で両親の元を離れてしまったので、フェイタンは生年月日などは知らない。多分、私も両親に言われた生年月日をさも当然のように受け入れていますが、言われなかったらいつ生まれたかなんてわからないかったと思うんですよね。
その後、どんなものでも受け入れる街、「流星街」という場所の噂を聞きつけ、自力で流星街までたどり着いた。こう考えると、母国語を話せる年齢まで流星街の外にいたのに、生年月日すら知らないということの矛盾はなくなりそうです。
もちろん、赤ん坊でなくても流星街に入る事は全然できます。キメラ=アント編でメルエムがすべての計画を無しにしたのち、ピゼフ長官、ウェルフィン、ヒナの3名は流星街に向かっていましたので。
育ての親の言葉?
また、フェイタンが赤ん坊の時に流星街に捨てられたとしても、生年月日を知らないまま母国語を話せるようになるケースもあります。育ての親の国の言葉という場合です。
今まで「母国語」を「自分が生まれた国の言葉」みたいな意味合いで使ってきたのですが、これには少々語弊があります。
母国語には、「幼い時に自分の身の回りで使われていた言葉」という意味があります。「自分が生まれた国の言葉」や「自分の種族話す言葉」というような意味もあるようですが、幼少期に耳にして最初に使えるようになった言語のことも母国語と呼ぶようです。
フェイタンが赤ん坊として流星街にやってきた当時、流星街の誰かに拾われて育てられたと思うのですが、この育ての親がフェイタンがキレた時に発する言語を使う種族の人だった。この場合、フェイタンも幼少期にこの言葉を学んで使っていると思いますので、話せるようになっても不自然ではありません。まさに言葉の意味通りの母国語です。
また、赤ん坊を見て生後何日かなんて正確にはわからないでしょうから、育ての親も、フェイタンがいつ生まれたのかは知らずに育てたので、フェイタンも生年月日を知らないまま育ってしまった。これで生年月日を知らない矛盾もなくなりますね。
クラピカが「今じゃ世界で一番多人種が住む街だという説もある」と言っていますので、流星街の一部地域ではフェイタンが使った言葉を話す種族もいておかしくないと思います。
(引用:HUNTER×HUNTER 12巻22P/冨樫義博)
流星街でも共通語が使われているようなので、フェイタンも仲間とのコミュニケーションのために共通語を使えるようになったのでしょう。
ちなみに
フェイタンは共通語ではない母国語を話せること、そして生年月日を知らなかったことから、何れにしても流星街の外から来た可能性は高いです。
フィンクスも自身の生年月日を知りませんでした(さらに血液型も知りませんでした)ので同様に流星街の外から来たと思われます(フィンクスは共通語を普通に話せているので、共通語を話していた国から来たか親に育てられたのでしょう)。
しかし、クロロやノブナガは自分の名字も生年月日も血液型も知っています。同じ幻影旅団創設メンバーでも差があるのです。
この原因は、おそらくクロロとノブナガは流星街で生まれ育ったためだと思われます。親も流星街の人間で、流星街で子供を産み、育てたため、生年月日や血液型を調べることができたのだと。けれど名字までわかっているのは彼らだけでしたね。その他の創設メンバーではマチ、フランクリン、パクノダは生年月日と血液型はわかっていたようです。
どっちの予想でも当てはまるけど・・・
フェイタンに関しては先述のどちらの説でも当てはまるんですよね・・・
ただ、作中で旅団メンバーが幼少期から遊んでいる描写があります。年齢的に10歳前後かと。
もしフェイタンが赤ん坊時代から流星街にいて、旅団メンバーと仲良く育ち、一緒に遊んでいたとしたら、少なくともクロロたちと話す上で共通語には触れているはず。
おそらく作中の時間で彼らが遊んでいたシーンは15〜20年前の光景だと思います。
だとしたらフェイタンは言葉があまりにも訛りすぎな気がするのです。15〜20年触れてたらさすがにもっとペラペラ話せるだろうと。
こう考えると、フェイタンは10歳くらいまで別の国で育っていて、その後流星街にやってきた。そのため、母国語が話せるけど、かなり身についてしまっていてなかなか直らなかったと考えるべきなのかなと思います。
そういえば、パクノダが初めて自身の念能力「記憶弾(メモリーボム)」を仲間の前で披露した際、ノブナガは「5年10年の付き合いじゃねーだろが」と言っていました。
(引用:HUNTER×HUNTER 12巻127P/冨樫義博)
メモリーボムはパクノダが自分の記憶を他人に与える能力なのですが、仲間といえど銃で撃つというかなり誤解を生みそうな能力発動条件があります。
でも付き合いの長さからノブナガはすんなり受け入れました。
同様に、クラピカとの交渉後、幻影旅団メンバーの元に戻ってきたパクノダが創設メンバー全員に記憶を撃ち込む場面もありました。
若干状況は違っていたものの、フィンクスはパクノダが銃を向けた行動に動揺していました。さらに言うとこの場面以前からフィンクス、フェイタンは仲間たちを疑い続けていました。
ノブナガの言うように旅団の信頼関係が「付き合ってきた年月が長いほど強い」のであれば、フィンクスとフェイタンは流星街の外からやってきたため、創設メンバーの中でも微妙に付き合いが短いのかもしれません。
あの遊んでいたシーンよりもさらに前から、クロロ、ノブナガ、マチ、フランクリン、シャルナーク、パクノダ、ウボォーギンは知り合いで、その後10歳くらいになってフェイタン、フィンクスとも仲良くなったのかも。
幼稚園からの友達と、小学生からの友達との差みたいなものですね。
だとしたら尚更フェイタンはやはりある程度大きくなってから、流星街にやってきた説が濃厚にはなります。
幻影旅団創設メンバー内にも、地味に中の良さに差があると考えると結構リアルですね・・・あっ!そういえばフェイタンとフィンクスはヨークシンシティでもグリードアイランドでも一緒に行動してましたよね。もしかしたらこれは
「俺たちは創設メンバーだからシズクとかボノレノフとかとは一線を画してるけど、クロロとかノブナガとかマチとかの流星街出身のガチの創設メンバーとはちょっと距離感じてるんだよね・・・」
みたいな感じがあって、いつも二人で行動しているのかもしれません。
ちょっと可愛いです。
少し放り投げるようで申し訳ないのですが、フェイタンがなぜ母国語を話せるのかはご想像にお任せします!
でも、フェイタンは旅団メンバーとトランプでダウトをするシーンがありました(旧アニメ版)ので、仲がいいのだとは思いますよ(・・・あ、あの時フェイタントランプに参加してなかったな・・・まぁいいや)。
フェイタンの実力の片鱗が見られるのはハンターハンター22巻!