ハンターハンターの世界にも現実世界同様、マフィアと呼ばれる組織が多数存在。そのマフィアたちがさらに組織を成し、「マフィアンコミュニティー」と呼ばれる集いを作っています。
作中でマフィアンコミュニティーはオークションを開催しましたが、幻影旅団の攻撃で阻止され、出品される予定だったお宝は全て盗まれてしまいました。
マフィアンコミュニティーは幻影旅団対策として、コミュニティーの武闘派集団「陰獣」を派遣したり、ゾルディック家を始めとする殺し屋を多数雇ったりしました。
しかし、陰獣や殺し屋たちは全滅。ゾルディック家のゼノとシルバはコミュニティーのトップであり依頼人でもあった十老頭が暗殺されたことにより任務を断念。
結局マフィアンコミュニティーは旅団になされるがままでした。
コミュニティーの対応は、正直言って旅団を相手にするには戦力不足だったと思います。
ここは素直にプロハンターの力を借りればよかったのではないかと思うのですが、ヨークシンシティで登場したプロハンターは、コミュニティー内の一組織にすぎないノストラード組に雇われたクラピカ、センリツ、バショウ、そして元から組員だったリンセンたちくらいでした。
なぜマフィアンコミュニティーはプロハンターを雇わなかったのでしょうか?考察してみたいと思います。
(引用:HUNTER×HUNTER 9巻21P/冨樫義博)
マフィアとプロハンターは対立関係?
マフィアは言わずもがな、「闇商売」とも言える職業ですよね。
脅して金を巻き上げる、違法な薬物を取引するなど、そんなイメージがあります。
一方でハンターは、専門は様々ではありますが、その使命の一つとして悪人、罪人の取り締まりがどのハンターにも課せられているのです。
それを積極的に行っている賞金首ハンター(ブラックリストハンター)や犯罪ハンター(クライムハンター)もいますが、どのハンターも悪人との戦闘をこなせるよう最低限の戦闘の心得があります(最低限と言ってもプロハンターは念を使えますので、常人ではまず敵いませんけどね)。
(引用:HUNTER×HUNTER 2巻75P/冨樫義博)
真面目なプロハンターであれば、マフィアのやっていることは取り締まりの対象と判断するはずです。
プロハンターの中にはヒソカのように見境なく殺人を行う危険人物もいますが、本来マフィアに手を貸すことはプロハンターとしては避けるべきことなのかもしれません。
マフィアも同じで、プロハンターを雇うとすれば自分たちがやっていた悪事がバレて取り締まりの対象になる危険性があります。
マフィアンコミュニティー内でプロハンターになんとか太刀打ちできそうなのは陰獣たちくらいでしょうが、10人しかいないので、あまりにも戦力不足すぎます。
悪事がバレてプロハンターが自分たちの組織の取り締まりに動き出すことを恐れ、コミュニティーはプロハンターを雇わなかったのではないか、と私は考えました。
ノストラード組は雇っていてたけど…?
クラピカらプロハンターたちが護衛として雇われたノストラード組もれっきとしたマフィアであり、コミュニティーにも所属しています。
先ほどの私の考えで言えば、ノストラード組もマフィアなのであれば、プロハンターを雇おうとは思わないはず。
それでもクラピカたちを採用したのは何故なのかも考えてみましょう。
おそらくですが、ノストラード組ってそんなに悪いことしてないんじゃないかと思うのです。
ノストラード組は、組長・ライト=ノストラードの娘・ネオンの占い能力によって大幅な資金を得て、成長していた様子でした。
ネオンの能力がクロロに盗まれ、占いができなくなった時のライトの落ち込みようと不安げな様子から、組の収入の大半がネオンの能力に依存していたことが想像できます。
(引用:HUNTER×HUNTER 15巻164P/冨樫義博)
その後、組の若頭となったクラピカを中心に立て直しが図られたようですが、クラピカの話では、現在のノストラード組の収入源はボディガード業と賭博業のみで、どちらもノストラード組が拠点としている国では合法とされている稼ぎ方のようです。
占い能力で稼ぐことを法で裁くことはできませんし、ネオンの占いは騙しているわけでもなんでもなく100%当たる占いですから、そこらのビジネスよりよっぽどクリーンなお金儲けだと思います。
その後のクラピカが行ってきた事業も違法でないのならば、ややグレーではありますが、ノストラード組は法に触れる行為はしていないものと思われます。
だからプロハンターを雇っても問題なかったのでしょう。
採用試験の時に、クラピカたちが収集するように言われた課題の物も、バショウの話では所持するだけなら合法のものだそうで、結局ノストラード組は法に触れてないんですよね。
組員をプロハンターにすればよかった?
在来のプロハンターを雇うことに抵抗があるのであれば、組員から素質がありそうな人間を選び、ハンター試験を受けさせて、念も習得させてしまうのがベストそうですよね。
ハンター試験は受験するにあたり資格は不要ですし、何なら旅団のシャルナークもプロハンターになってるくらい自由度が高いので、マフィアだから受験できないってことはないと思います。
念を学べば強くなる・・・のは確かなのですが、作中でも念を使えるにもかかわらずイマイチな強さだったキャラってたくさんいましたよね。
ゴンやキルア視点で考えると「念能力者=強者」なんですけど、彼らの周りに集まっている人たちって、プロハンターや念能力者の中でも頭抜けた天才たちなんです。
陰獣だって相手が悪かっただけで、実は上位の強さを持つ念能力者だったのです。
本来、マフィアンコミュニティーにケンカを売るような真似は誰もしません。
巨大な組織ですから、多少人間が団結したところで跡形もなく消せるだけの権力や武力はあるでしょうし、念能力者集団・陰獣も控えてますから、マフィアンコミュニティーに手を出すメリットなんてまずないのです。
ただ、例外的に幻影旅団はマフィアをターゲットにしても勝てるだけの実力と後ろ盾のある集団だったので、ケンカを売っただけです。
マフィアンコミュニティーにとっては異常事態中の異常事態だったんですよね。
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それもあって、プロハンターを雇わずとも陰獣や殺し屋を雇えば十分と判断したのでしょう。危機に慣れてなかったとも言えます。
コミュニティーの財力を生かして星持ちのハンターを数人雇うだけでも幻影旅団対策は違ったんですけどね・・・
結論
結論として、マフィアンコミュニティーが幻影旅団に攻撃された時、プロハンターを雇わなかった理由は
- マフィアの悪事が明るみになり、取り締まられてしまう可能性があったため
- コミュニティーにとって未曾有の事態であり、対処を誤ってしまったため
だと私は考えました。
まぁ、プロハンター=潔白かというと全然違いますけどね。
先述の通りクラピカは違法行為はしていないとはいえマフィアに属しています。
ゴンの父・ジンは死刑囚を使って超危険なゲームを作りました。
ヒソカやイルミは目的のために多数の同業者や一般人を犠牲にしました。
ビノールトは賞金首ハンターでありながら自分も連続殺人犯として賞金首でした。
などなど・・・ちょいと怪しい人たちはたくさんいます。
ただ大多数のプロハンターが犯罪行為を取り締まろうとしているので、マフィアンコミュニティーとしては迂闊に雇うとデメリットになってしまうことでしょう。
だから陰獣や殺し屋たちだけで幻影旅団を始末したかったのだと私は思いました。
幻影旅団編は8巻から!