青学で一番のパワープレーヤーといえば、タカさんこと
河村隆(かわむらたかし)
ですね。
タカさんの放つ打球は重量感満載で、並のパワーでは太刀打ちできない威力を誇ります。
そんなタカさんは作中で、他校のパワープレーヤー達と勝負することが多かったです。
しかし思い返してみると、タカさんの打球を返せるパワーを持つプレーヤーが少ないのであれば、タカさんは
パワープレーヤー以外と試合させた方が確実勝ち星を上げられたのではないか?
と思うのです。
その点について考察してみました。
河村隆とは?
(引用:テニスの王子様 16巻55P/許斐剛)
青春学園中等部テニス部の3年生です。普段はおとなしく礼儀正しい青年ですが、ラケットを握ると性格が変わり、英語混じりのオラオラ口調で超攻撃的になります。
相性は「タカさん」です。
実家は寿司屋を営んでおり、本人も中学を卒業後、寿司屋を継ぐつもりでいます。
タカさんの寿司屋では青学テニス部も試合後の打ち上げをしていて、だいぶお世話になっています。
青学でも随一のパワープレーヤーで、サーブやショットの威力は凄まじく、力のないプレーヤーではラケットを弾かれてしまうほどです。
またそれだけパワフルなプレーであるがゆえに、タカさん自身もたくさんラケットを壊しているようです。
得意技は、フルパワーでラケットを振り抜く「波動球」と、そこから派生した「ダッシュ波動球」などです。
(引用:テニスの王子様 16巻119P/許斐剛)
どれもパワー系の技であり、放てば敵校のパワープレーヤーですら返せない威力を誇りますが、同時に自分の腕に大きな負担をかける技でもあります。
作中では序盤から最後までパワープレーを貫きました。
パワープレーヤーの脅威
作中において、勝ち上がれば上がるほど各校にパワープレーヤーが存在していました(最強の中学・立海大にはいませんでしたが、真田や幸村などパワーではどうしようもないプレーヤーがいるので例外)。
例を挙げると、四天宝寺と不動峰の石田兄弟、比嘉中の田仁志、氷帝の樺地など。
何なら、彼らはタカさん以上に体格があります。
タカさんが身長180cm、体重65kgほどなのに対して、他校のパワープレーヤー達は身長190cm前後、体重80kgオーバーのさらなる巨漢達です。
彼らとまともに打ち合えるのは、青学だとタカさん、「百錬自得の極み」が使える手塚、リョーマ、ギリギリ桃城くらいです。
手塚と樺地が戦ったときは、同じ条件だと体格差で手塚が押されてしまうくらいパワープレーヤーは驚異的な存在であることが明らかになりました(樺地はパワー以外のスキルもかなり高かったですが)。
でもそれは逆も然り。
敵校のパワープレーヤー以外の選手にタカさんを当てればまともに打ち返せず、確実に勝てそうです。しかし青学の顧問・竜崎先生はそのような采配をほとんどしませんでした。
1勝の価値
タカさんをパワープレーヤー以外に当てれば勝てるとは思います。
しかし、よく考えるとそれはパワープレーヤーを有する敵校も同じなんですよね。
パワープレーヤーをタカさん以外の選手に当てれば勝率は格段に上がるでしょう。
結局タカさんが他のプレーヤーにパワーで勝ったところで、青学も敵校のパワープレーヤーに負けを喫してしまえば、1勝1敗であまり意味をなさなくなってしまいます。
だったら、パワープレーヤーにタカさんを当てて、パワー勝負を制してもらったほうが、1勝の価値が上がります。
味方選手を守る
さらに、先述の通り、敵校のパワープレーヤーたちはタカさんより屈強で、打ち合うだけで怪我をしかねない選手もいます。
(引用:テニスの王子様 14巻168P/許斐剛)
そんな選手に対して、手塚や、不二、リョーマと言った主力選手を当てるのは危険な行為とも言えます(のはずですが、竜崎先生は全国大会でリョーマと田仁志、手塚と樺地を戦わせるという謎采配に出ました)。
味方選手を守るためにもタカさんはパワープレーヤーと勝負しているのだと思います。
タカさんの強みを生かす
タカさんの得意技である「波動球」や「ダッシュ波動球」は、足元を固め、全力でラケットを振り抜くパワフルな技です。
例外はあれどもほぼ一撃必殺で、まともに返せません。
決まれば強い大技ですが、その分隙も多い技でもあります。
足元を固める分、動きながら打つことはできなさそうですし、振り抜いた後に打球が返ってきてしまった場合、対応が遅れそうです。
そういった意味でも、タカさんは真っ向からのパワー勝負を受けてくれる相手だからこそ生きるプレーヤーでもあると思います。
(引用:テニスの王子様 16巻127P/許斐剛)
もし、パワーのないプレーヤーが相手の場合、タカさんとのパワー対決は間違いなく避けます。波動球なんて食らいたくなくて当然です。
そうなれば、タカさんを前後左右に走らせて、パワープレーを封じてくるでしょう。それができてしまうプレーヤーは関東・全国クラスだとたくさんいます。
タカさんは当時のレギュラーメンバーの中では、新入生のリョーマを除くと最も遅くレギュラーになった選手です。
パワーは青学最強でも、他の技術、スピードなどは劣るのかもしれません。
となると、タカさんのパワー勝負に対して、真っ向勝負を受けてくれるパワープレーヤーが相手でないと、タカさんをレギュラーとして起用する意味がなくなってしまうのも事実です、シビアですけどね(しかし、青学は選手層が薄いので、タカさんに次いでレギュラーとして試合に出られそうな選手もいないです)。
タカさんは自身の強みを生かすためにも、対パワープレーヤー専用選手として起用されているのだと思います。
結論
とうことで、青学がタカさんをパワープレーヤーとばかり戦わせる理由は
・パワー勝負を制する人がいないと1勝の価値がなくなってしまう
・敵校のパワープレーヤーから味方選手を守る
・タカさんの強みを生かす
これらのためだと思います。
人間離れした技術や謎の能力などで戦うプレーヤーが多い中、パワー一本で勝負するタカさんの試合は泥臭く、テニスの王子様という作品の中ではあまり目立たないと思います。
ただ、タカさんがいないと青学が詰んでいる場面も多いんですよね。
関東大会の樺地や、全国大会の石田銀などはタカさんがいないと誰も抑え込めませんでした。
タカさんがいないと青学の全国制覇は難しかったと思います。それくらい重要な選手です。
タカさんがレギュラーになる前の青学は、敵校のパワープレーヤーに対してどう対抗していたのでしょうかね・・・
もしかしたら手塚たちの代の上の世代にタカさん並みのパワープレーヤーがいたのかもしれませんが。