幻影旅団のメンバー・ウボォーギン。
その強さは、旅団が「全員がA級の賞金首」と呼ばれる証明になりました。
印象的だったのはウボォーギンvs陰獣の一戦。
一時不利に追い込まれたものの、体が動かない状態で4人の陰獣を倒してしまいました。
今回取り上げたいのは、その戦いの直後。
ウボォーギンの体に寄生したマダライトヒルについてシャルナークが説明するシーンです。
出典:HUNTER×HUNTER/9巻57P/冨樫義博/集英社
このシーンだけシャルナークがウボォーギンに対して敬語を使っています。
他のシーンでは使っていませんし、ウボォーギン以外のメンバーに対してもタメ口で喋っています。
シャルナークがマダライトヒルの解説をする時だけ敬語だったのなぜでしょうか?
考察しました。
マダライトヒルとは
ハンターハンターの世界に存在するヒルの一種。
陰獣の1人「蛭」が体内に飼っていました。
蛭は体内に無数のヒルを飼育している念能力者。
作中ではウボォーギンを死に至らしめるため、肩口にできた傷からマダライトヒルを侵入させました。
マダライトヒルは人畜の体内に入ると、1日かけて膀胱へと進み、産卵して死亡します。
孵化した数億匹にもなるヒルの子どもは尿とともに排出されますが、その時は死ぬほどの激痛が伴うそう。
かなり危険なヒルで、さすがのウボォーギンも少しあせっていた様子。
しかし、なぜかシャルナークがマダライトヒルの生態を詳しく知っており、ウボォーギンに対策法を伝授しました。
マダライトヒルの卵が孵化するには安定したアンモニア濃度が必要です。
そのため、おしっこを出しまくるとそのうち孵化しないままの卵が無痛で排出されます。
つまり「アルコールを摂取して排尿を促せば問題ない」と説明しました。
その後、ウボォーギンはビールを飲みまくってマダライトヒルの卵を無事排泄。
おしっこは卵の色で真っ白になるようで、蛭の頭を食いちぎったウボォーギンでさえ気持ち悪がっていました。
シャルナークが敬語を使ってた理由は「ヒルの研究者モード」だったから?
では、本題に入ります。マダライトヒルを見たシャルナークが突然敬語で説明を始めたのはなぜでしょう?
私の考えでは「シャルナークはヒルを研究する兼業プロハンターであり、ウボォーギンに説明する際、研究者モードのスイッチが入ってしまったから」ではないかと考えています。
その理由をお話しします。
シャルナーク、ヒルハンター説
以前、私はこのような考察をしました。
シャルナーク、ヒルハンター説。
シャルナークは幻影旅団のメンバーでありながら、プロハンターでもあります(賞金首ハンターに狙われそうだけど大丈夫なのかな?)。
根拠となるシーンもあり、
- ハンター専用サイトを利用していた
- ウボォーギンにハンターライセンスの取得を勧めていた
- 新会長選挙の棄権者にシャルナークの名前があった
このことから、シャルナークがプロハンターであることはほぼ確定です。
そしてプロハンターは何らかの分野に特化してハントしているケースが多く、シャルナークもある分野を専門にしていると思われます。
ヒルをパッと見ただけで種別を見極め、生態についても詳しく知っていたことを考えると、シャルナークはヒルハンターなのでは?
…と、以前書いた記事で考察しようと思っていたのですが「研究分野がヒルだけ」というのはあまりにも限定し過ぎな気がします。
そういう学者さんもいると思いますが、プロハンターの専門分野はもう少し広めな印象です。
例えば、モラウの「シーハンター」、ビスケの「ストーンハンター」など、特定の一種類ではなくそのジャンル全体をハント対象にしている者が多いように思います。
そこでシャルナークは、ナックルの「ビーストハンター」のように「動物(ヒルのような小さな生き物)」を専門としているプロハンターなのではないかと考察しました。
兼業のプロハンターもいる
さらに、プロハンターは兼業している者も珍しくありません。
例えば、十二支んの丑(うし)担当・ミザイストムは、犯罪を取り締まるクライムハンターであり、民間警備会社経営、弁護士を兼業しています。
ミザイストム以外の十二支んも、ほぼ全員が兼業のプロハンター。
全ハンターの中でもトップ層である十二支んが兼業しているということは、星持ちではないプロハンターには兼業している者がかなり多いのでは?と考えられます。
そもそもハンター試験の受験者たちは様々な分野のプロフェッショナル。
どちらかというと、本業があってその傍らでプロハンターになっている者が多いのかもしれません。
イルミ、キルアの本業は暗殺者(キルアは試験時点で足を洗っていたようですが)。ハンゾーは忍者。
合格者ではないですが、プロレスラーやロッククライマーなんかもいましたよね。
このことから、シャルナークも兼業プロハンターである可能性はゼロではないと思われます。
「盗賊兼プロハンター」なのは確かですが…それは別として、シャルナークは生き物の研究者としても活動しており、普段は大学などを中心に講義を行い、日銭を稼いでいるのでは…?という考察も成り立つと思うのです。
そんな仕事をしていることから、自分の専門分野の知識を人に披露するときは、研究者モードになってしまうのではないでしょうか。
仕事中の癖で言葉遣いも敬語になってしまう…一種の職業病に近いのかな?というのが私の考察です。
表舞台でも活躍する男?シャルナーク
まとめます。
シャルナークは自分の研究対象であるマダライトヒルと、無知なウボォーギンを前にして、研究者スイッチがONに!
そして、普段仕事として講義している時のように敬語になってしまったのではないでしょうか?
幻影旅団の活動中でも、自分の専門分野となると研究者魂に火がついてしまう…一見クールな印象のシャルナークですが、実はその道のプロになりきっている熱い男なのかもしれませんね。
説明を終えたらマダライトヒルを指で潰してましたので、解説終了と同時に「冷酷な旅団モード」に戻ったのでしょう。
幻影旅団のメンバーは、クロロが召集をかけるまで各自自由に生活している様子。
光のあたる場所で活動しているメンバーがいても不思議ではなさそうです。
幻影旅団の情報はハンター専用サイトでも入手困難なため、表舞台で活動していても特定されるリスクはかなり低いのではないかと思います。
幻影旅団の中ではしっかり者で、礼儀やマナーも身につけていそうなシャルナーク。
この人柄は、普段研究者として生活する中で培った…と考えられなくもない?