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【ハンターハンター】イルミはナニカの力をどんなことに利用するつもりなのか?

ハンターハンターの新会長選挙編後半にて、瀕死のゴンを治すべくゾルディック家の四男であるアルカ(ナニカ)の力を使ったキルア。

その力を垣間見た兄のイルミは、キルアを完全に木偶人形状態にしてでもナニカの力を使いたいと目論んでいる様子でした。

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(引用:HUNTER×HUNTER 32巻117P/冨樫義博)

 

そこで今回は、イルミはナニカの力をどんなことに利用するつもりなのか?について考えてみたいと思います。

アルカ(ナニカ)とは?

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(引用:HUNTER×HUNTER 32巻115P/冨樫義博)

名前はアルカ=ゾルディックで、キルアの弟にあたります。

性別が不明で、見た目は女の子のようでキルアも「女の子」と呼んでいましたが、他の家族や執事たちからは弟と認識されていました。

 

アルカ自身に戦闘力はなくただの子供と変わりないですが、裏の人格としてキルアが「ナニカ」と呼ぶ存在がいます。

ナニカがなぜアルカに宿っているのかは判明しておらず、父のシルバも得体の知れないものとして扱っています(正体は暗黒大陸に存在する「ガス生命体 アイ」です)。

 

ナニカは「お願い」を聞いてくれて、どんなことでも叶えてくれます。

しかし、その代償として「お願い」をした人間と別の人間がナニカの「おねだり」を3つ叶えなければならず、その「おねだり」は叶えた「お願い」が大きければ大きいほど残酷な内容になります(爪を欲したり、内臓を欲したりなど)。

ナニカの「おねだり」を3つ叶えられなかった場合、その者とその者の最愛の人間と、その者と長い時間を共にした者から順にねじ殺されていきます。

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キルアはノーリスクでナニカに願いを叶えてもらえる

ナニカの「お願い」には必ず「おねだり」が伴い、叶えた願いの代償を誰かが負わなければなりません。

イルミはこのルールは知っており、キルアがゴンを助けるにあたり、キルア以外の別の人物に「ゴンを治す」という「お願い」をさせ、自分がその代償である「おねだり」を負おうとしていると考えていました。

イルミの考えではゴンを治した後の「おねだり」はキルアに負えるレベルではなく、失敗すれば万単位の犠牲者が出て、イルミを始めゾルディック家全員が死ぬことになると踏んでいました。

 

実際にはナニカは「治す(直す)」お願いをした後に残酷な見返りを求めることはなく、キルアに被害なく安全にゴンの治療ができたので、イルミの取り越し苦労になってしまいました(その代わりナニカにまつわる能力の秘密やキルアとの関係のヒントは得られましたが)。

 

加えてキルアはナニカに「命令」することでノーリスクで治す以外の「お願い」を叶えてもらうことができるのです。

最終的にイルミはこの「命令」の存在に気がつき、ナニカをキルアごと利用しようと考えています。

イルミの目的は?

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(引用:HUNTER×HUNTER 32巻113P/冨樫義博)

作中のイルミの行動などから考えると、イルミの目的は全て「ゾルディック家の繁栄」にある様子。

積極的に暗殺の仕事をしたり、暗殺者としての才能あふれるキルアに過保護ともいえる教育(頭に針を刺して思考を強制させるなど)を施したりと、家族のために行動していました。

 

ナニカについても「ゾルディック家のため」に利用しよとしているようですが、具体的にどのような目的で使おうとしているのかまでの言及はありませんでした。

描写からするとイルミが個人的にナニカを利用しているかのようでしたが、結局はゾルディック家のために使うようです。そこらへんは徹底していますね。

 

そこでイルミの言動からなんとなくどのようにナニカを利用しようとしているのか考えてみます。

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(引用:HUNTER×HUNTER 32巻61P/冨樫義博)

直す能力を利用?

イルミが直接目撃した「ナニカは直すお願いをした後に残酷な見返りを求めない」(ツボネの爪を治した後の「おねだり」がイイコイイコだけだった)ことから、ナニカの人や物を壊す能力の面だけでなく「直す能力」をも利用しようとしている様子でした。

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(引用:HUNTER×HUNTER 32巻37P/冨樫義博)

このことから考えると、例えばゾルディック家に寄せられた暗殺の依頼で、「家族に危険が及ぶような任務であってもナニカの力で治せるのであれば怪我をも恐れず仕事ができるようになる」という感じで利用できそうです。

 

イルミ自身が仕事をするときはもちろん、キルアにも強制して仕事をさせ、多少危険でもより高額な案件をこなせればゾルディック家に入ってくるお金も増えますし、評判もうなぎ上りでしょう。

まだ未熟なカルトなども暗殺の任務に積極的に参加させられそうです(今は幻影旅団に入ってますが)。

関連記事:【ハンターハンター】カルトはどういう経緯で幻影旅団に入団したのか?考察してみた! - 私の名前はジロギン。

 

また任務中に戦闘で壊してしまった物から足がつかないように修復したりもできますよね。そう言って面でナニカの直す能力を利用してより仕事をやりやすくしているのかもしれません。

自分たちで暗殺する必要がなくなる

ナニカに直す「お願い」をした場合、残酷な「おねだり」がないのであれば、キルアでなくてもナニカを上手く使える可能性があります。

お金や物を求めるような、そういう私利私欲のためにお願いしなければいいだけですので。

 

ゾルディック家としてはより安全かつ幅広く暗殺の任務を行いたいところ。各家族が仕事を請けて自ら暗殺をしているようですし、より効率の良さを求めているのは必然かと思います。

そうであれば、できればナニカの「壊す能力」の方も利用して、ナニカにお願いすればターゲットを遠隔で確実に殺せる方が超効率がいいですよね。

これはゾルディック家としても仕事をこなす上でとても楽になりますし、家族に危険が及ばずにどんな仕事にもこれまで以上の数対応できるようになり、まさに繁栄につながりそうです。っていうか仕事しなくていいですよね。

 

キルアがナニカに「命令」すればこの「壊す能力」の方もノーリスクで使うことができます。やはりイルミは「より楽に、安全に、効率よく暗殺の仕事を行うためにナニカを使おうとしている」のではないかと思います。

 

そういえばミルキも「メスの蚊に爆弾を取り付けて血を吸おうとした瞬間に爆発させる爆弾」を編み出していましたね。やはりゾルディック家全体として「いかに効率よく仕事をするか」が課題なのかもしれません。

関連記事:【ハンターハンター】ミルキはどのような方法で暗殺をしているのか?考察してみた! - 私の名前はジロギン。

 

またナニカを使った暗殺が可能になれば同業他社(者)との差別化も可能です。作中で殺し屋って結構出てきてますからね。団長の手刀を見逃さなかった人とか。

イルミも楽がしたいのかな?

もし私の考えた通りだとすればイルミやゾルディック家の人々の考え方はかなり現代の人間らしいですよね。楽に安全に大金を稼ぐ・・・私もそういう生活ができればと思いますよ、ええ。

 

ただ少し怖いのが、これまでキルアの頭に針を刺したり、家でしたキルアを連れ戻しに来たりしていたのは、「キルアを守るため」ではなく「ゾルディック家の繁栄のためにはキルアが必要なため」だということがナニカをめぐる争いの中で判明したことですね。

キルアの暗殺者としての才能を利用し、そしてその才能を後世に残すことこそがゾルディック家のためであり、イルミの目的でした。

物理的に家族が暗殺を行っている現状であれば、より強い人材が必要となるのでキルアは頼もしい家族です。

 

しかし、イルミにとってナニカの力が使えるのであれば、キルアは完全に操作し、ナニカを利用するための媒体でもいいと考えるほど、キルアに対する愛はなさそうでした。

父であるシルバや祖父のゼノもそのような考え方だとしたら悲しいですね・・・そうでないことを冨樫先生に「お願い」したいです。

 

キルアの操作が無理だとわかれば、イルミもナニカの正体である「ガス生命体アイ」を求めて暗黒大陸に乗り込もうとする可能性は高いですね。

なるほどなるほど、こうやってゾルディック家も暗黒大陸編に関わってくるんだな・・・まぁ私の想像に過ぎませんけどね。