暗黒大陸へ向かうブラックホエール1号の中では王位をめぐってカキン帝国の王子たちが火花を散らしています。船には多数の一般人も乗り込んでいるため、王子たちの争いに巻き込まれて犠牲者が出る可能性も非常に高いです。
十二支んの面々やクラピカの依頼で船に乗り込んだビスケやハンゾー、センリツなどのプロハンターたちは、王子たちの争いに気を遣いつつ(クラピカたちは王子の護衛もしつつ)一般人には被害が及ばないように細心の注意を払い続けなければなりません。もちろんクラピカたち以外にも多数プロハンターたちが船に乗り込んでおり、王子の護衛をしています。が・・・
王子たちの護衛弱すぎじゃない?
もっと強い護衛を雇えたんじゃない?
と思ってしまうほど、すでに護衛たちの中から多くの犠牲者が出ています。これは大問題だと思うのです。今回は、そんな弱い護衛たちが王子の身辺警護を任されている理由を考えたいと思います。
相手は未知の念獣だけれども
これまでの犠牲者の多くは、直接的な念での戦闘で死亡したということではなく、王子たちに宿った念獣の力によって殺されています。念獣は「寄生型」と呼ばれる念獣で、クラピカですらその存在を知らなかった未知の念獣です。確かに念獣たちも厄介な能力を持っていそうですが・・・にしてもやられすぎじゃないですかね?
クラピカが護衛についている第14王子・ワブルの護衛は、すでにクラピカとビルという護衛の2人になってしまっています。第9王子・ハルケンブルグの護衛に関してはすでに全滅しているようです。
(引用:HUNTER×HUNTER 週刊少年ジャンプ31号/冨樫義博)
確実に殺し合いが行われると分かっているのに、王子たちはこんなにも迂闊に殺されてしまう護衛しか用意できなかったのでしょうかね?
サイールドさんなんて、念獣に「おヒマ?」って聞かれて答えちゃいましたからね。一人前のハンターならば「答えたら能力が発動するかもしれない」と考えて答えないと思います。
念能力を使える護衛もサイールドさんレベルだとしたら、わざわざ念獣なんて使わなくても強いハンターや殺し屋を雇って直接王子を殺しに行った方が早い気がします(王妃が暗殺を画策した場合は重罪となってしまうようですが、すでに自立している上位の王子たちなら自主的に暗殺の行動を取っても良さそうなものです)。
プロハンターを雇った王子もいる
クラピカたちは渡航1ヶ月前に護衛を募集した王子の護衛として応募し、見事全員通過しました。
(引用:HUNTER×HUNTER 33巻207P/冨樫義博)
第6王子・タイソン→護衛:イズナビ(一応クラピカの師匠)
第7王子・ルズールス→護衛:バショウ(クラピカの同僚)
第10王子・カチョウ→護衛:センリツ(同じく同僚)
第12王子・モモゼ→護衛:ハンゾー(クラピカの同期)
第13王子・マラヤーム→護衛:ビスケ(キルアの紹介)
第14王子・ワブル→護衛:クラピカ
まぁ経歴を見て、プロハンターだとわかればひとまず雇いますよね。彼らは王位継承戦にあたり少しでも生き残る確率をあげようとプロハンターであるクラピカたちを護衛に雇ったわけです。
王子の母親は、自分の子供より後に生まれた王子に対して1人ずつ、いわばスパイのような形で部下を護衛として忍び込ませることができます。すなわち第14王子・ワブルには計7名のスパイ(王妃の数と同じ)が護衛として紛れ込んでいました。ワブルの母親であるオイトはそのことをしならなかったようですが、要するに敵だらけってことです。ワブルに限らず下位の王子たちは同じような状況です。ご覧の通り、今回クラピカらを雇った王子たちは6番目の王子以下です。どの王子にも自分の兄のスパイが多数紛れ込んでいるわけです。非常に危険かつ継承戦では不利な状況だったわけですね。だったら外部から雇った方がまだ良さそうです。
ワブル王子の護衛が弱いのは、念すら知らない他の王子のスパイばかりだったからという理由がありますが、他の王子については自分の息がかかった護衛をつけられるので、上位の王子ほど護衛が弱いことの言い訳がしにくくなってきます。
ただ、致し方なく外部から護衛を雇うという下位の王子たちの判断は不幸中の幸いだったと言えます。なぜならクラピカとかビスケとか、強くて冷静な判断を下せるハンターを雇えたわけですから。護衛としては相当役に立つと思います。下位の王子は幼い王子も多く継承戦は不利と思われがちですが、クラピカたちが付いているのなら案外生き残りそうです。
信頼の問題
作中でバショウが言っていたセリフですが、「報酬で釣るのは素人」のやり方だそうです。ひとまずお金を出せるだけ出して、急いで強い護衛を集めようとするのは短絡的すぎるので素人の考えそうなことだということでしょう。
その前にはハンゾーが、「上位のベテラン王子ならば私設の軍隊くらい持っている」と言っていました。まさにその通りで、上位の王子たちは自分の信頼する部下たちだけで構成した軍隊を持っており、その中から自身を護衛する人間を抽出していました。ベンジャミンやツェリードニヒなどはそんな感じですね。
これは完全に「信頼」の問題です。外部から人を雇うというのは不安要素が多いです。素性もしれない人間がやってきますし、金銭のみのつながりですから、金払いが悪いとわかれば裏切る可能性も高いです。そんな連中を、わざわざ金を払ってまで護衛に付けるくらいならば、自分の配下にある人間たちを護衛に付けた方が圧倒的にいいですよね。それに自分の部下で周りを固めてしまえば確実に他の王子のスパイによる介入の余地がなくなりますし。
確かに王子達の護衛はあまり強そうとは思えないのですが、そこには「裏切られる可能性」などを考慮した上での人選があったのです。強さ弱さ以上に信頼だったわけです。
・・・ただどちらの意味での信頼なのでしょうかね。文字どおり「こいつなら頼りになる」という意味での信頼なのか。それとも「こいつならば裏切ったとしても脅威にはならないしすぐに始末できる」という意味での信頼なのか・・・
団長の手刀を見逃さなかった人の方が強そう
ツェリードニヒの部下にも念能力を知っているものはテータら2名しかおらず、護衛のほとんどが念能力すら知らない、一般人よりちょっと戦えるくらいの人たちのようです。これならば「団長の手刀を見逃さなかった人」くらいの殺し屋を雇った方が全然強いと思います。団長の手刀を見逃さなかった人はクロロがサシで戦うことを望んだくらいには強く、恐ろしく速い手刀も見逃しません。おそらく今王子に付いている護衛の大半は団長の手刀を見逃さなかった人にかなわないでしょう。手刀も見逃してしまうでしょう。
彼くらいの殺し屋やアマチュアハンターならばたくさんいるのではないかと思うのですが・・・何も巨額の費用がかかりそうなゾルディック家に依頼しろと言っているわけではないのですから、カキン帝国の王子たちの財力やネットワークを使えば集まりそうですけどね。
それよりも信頼を選んだってことでしょう。もしかしたらここら辺をきっかけに、実は冷酷無比な王子たちが何よりも部下を大切に思っていたみたいな展開が来るかな・・・?
ということで、王子たちの護衛が弱い理由は、
強いとはいえ外部のプロハンターや殺し屋では素性が知れず、他の王子のスパイが紛れ込んだり、裏切られるなどの危険が伴うので、信頼できる自分の部下を護衛にし、不安要素を排除したかったため、弱かろうが身辺を直接の部下で固めた
からだと私は思います。まだ王子たちの護衛が出尽くしたわけではないので何とも言えませんが、念を知らないレベルの護衛が多そうなので、やはり厄介になるのは王子たち自身の方だと思います。
・・・でも、結局護衛たちが弱いのは王子たちの教育不足でもあるんじゃないか・・・?いや軍事教育まで王子たち自身が施しているわけないか。
ハンターハンタークイズ!
最後はハンターハンタークイズで終わりにします!
前回の答えは
A.オレ様
でした!
それでは、今回は「ワブル王子の護衛」に関するクイズです
Q.ワブル王子の護衛(として入り込んでいた他の王子のスパイ)で最初に殺された人物の名前はなんでしょう?
難易度:星2(ダブル)
ヒントは34巻にあるよ!
答えは次回!それでは〜!