私の名前はジロギン。

HUNTER×HUNTERなどの漫画考察や、怪談・オカルト・都市伝説の考察、短編小説、裁判傍聴のレポートなどを書いている趣味ブログです!

【ハンターハンター】ハンター試験中に誰もギタラクル(イルミ)を警戒しなかったのはなぜか?

例年より多くの合格者を出した287期ハンター試験。

不合格者を含め、受験生のレベルはとても高かったと思われます。

 

中でも群を抜いていたのは、ヒソカとギタラクル(イルミ)。

2人は他の受験生と比較にならないほどの戦闘経験を有し、すでに念能力を身に付けていました。

 

周りの受験生も実力差を感じていた様子。

しかし、警戒されていたのはヒソカだけ。

ギタラクルには恐怖心を覚える者も、敵視する者もいませんでした。

 

試験時点でヒソカと同じ程度の実力はあったと思われるギタラクル(イルミ)。なぜ試験中に誰も警戒しなかったのでしょうか?

考察しました。

ギタラクル(イルミ)が警戒されていないことが分かるシーン

まずはギタラクルが警戒されていないことが分かるシーンを紹介します。

 

極端な話、最終試験でキルアとの試合が始まるまで、ギタラクルは誰からも注目されていません(ヒソカ除く)。

つまり、試験全体を通して未警戒の状態が続いていたわけですが、ここでは、その様子がよく分かるシーンを3つだけ取り上げます。

 

1.人生最後の敵にヒソカを選んだ槍使いのゴズ

4次試験の舞台となたゼビル島で、ヒソカは名もなき槍使いのゴズに戦いを挑まれました(旧アニメ版だと『ビアヌの戦士』と名乗ってた気がします)

f:id:g913:20220123194946j:image出典:HUNTER×HUNTER 3巻178P/冨樫義博/集英社

4次試験の合格条件は、自分が持つナンバープレート以外のプレートを集めて、最終日までに6点を取ること。

事前に決められたターゲットのプレートは3点。自分の持ち点3点を含めれば、他にターゲットのプレート1枚獲得で合格基準に乗ります。

 

しかし、ゴズ槍使いのターゲットはヒソカではありませんでした。

ヒソカを狙っていたのはゴンで、彼には別のターゲットがいたはず。

実はゴズこの槍使い、致命傷を負っており「死ぬまで戦士であったこと」を証明するべく、最後の敵として強者のヒソカを選んだのでした。

 

残念なことに、ヒソカはゴズ槍使いを「すでに目が死んでいる」と見下し、まともに相手をしません。結局、ゴズ槍使いにとどめを刺したのはギタラクル。

どうやらギタラクルは、ゴズ槍使いと出会った際に命乞いされ、あえて仕留めずに見逃してヒソカと戦うチャンスを与えていた様子(ヒソカの能力を見るための咬ませ犬にしようとしたのかも?)。

 

最後にできるだけ強い者と戦いたかったゴズ槍使いは。しかし、それならヒソカではなく、目の前にいるギタラクル(イルミ)でも、その相手として十分な強さだったと思うのです。

もしイルミを倒せたら「伝説の暗殺一家ゾルディック家の長男を倒した男」として、闇社会では間違いなく有名になりますからね。

 

しかし、当時のイルミは変装し、身分も偽っていました。

そのためゴズ槍使いは、ギタラクルの戦士としての価値に気づかず、バリバリ強さを発揮して雑魚狩りをしていたヒソカに挑んでいったのでしょう。

ギタラクルが試験中、いかに低く評価されていたかが分かるシーンです。

 

ゴズ槍使いは、ギタラクルと対峙しておきながら強さを見抜けない時点で、ヒソカに見限られても仕方なかったかもしれませんね。

 

2.ネテロの面接で301番を挙げない受験生たち

最終試験の直前、勝ち残った受験生たちはネテロとの面接を受けることになりました。

これは単にネテロがトーナメント表を作るために受験生の意見を聞くためのもの。

質問内容も「ハンターになりたい理由」「注目している受験生」「一番戦いたくない受験生」だけでした。

 

「注目している受験生」として多く名が上がったのは405番のゴンと44番のヒソカ。

ゴンは一緒に試験をクリアしてきた仲間たちからの票が多く、ヒソカは「ヤバイ奴」として注目されていました。

ここで301番のギタラクル名前が上がらないのはまだ分かります。

ギタラクルは注目を浴びるような行動をしていませんでしたし、ヒソカ以外とは交流していなかったようですし。

 

問題は「一番戦いたくない受験生」。票が多かったのはここでも44番のヒソカ。

ヒソカは明らかに他の受験生たちのレベルを超えてましたから、当然ですね。

しかし、ほぼ同格であろうギタラクルの名前を上げる人は誰もいませんでした。

 

このシーンを読んでいた私は「いいの?大丈夫なのみんな?」と心配になってしまいました。

ギタラクルと試合した場合も、ヒソカ以外、誰も勝ち目はなかったはずです。

なんなら、ヒソカよりもイルミの方が合理的に勝ちを狙いにきそうで怖い感じすら⑤ます。

 

とはいえ、こう思えるのは私が読者の視点でギタラクルのヤバさを見てきたから。

他の受験生の視点では、ギタラクルは目立たなすぎて、一番戦いたくないかどうか判断する材料すらなかったと思われます。

 

さらに悲しいことに、ギタラクルはネテロからも「ハンターとしての資質はない」と判断されたのでしょうか。ボドロより評価が低いんですよね…

いや、ネテロはギタラクルの正体を見破り「こいつゾルディック家の暗殺者やんけ。絶対ハンター活動せんやろ。むしろ暗殺者としてハンター協会に協力してくれや、キミのじいさんたちのように」と評価したのだと思いたい…

 

3.目の前に立っても気づかない実弟・キルア

最終試験のトーナメントは進み、キルアとギタラクルの試合を迎えました。

しかし、キルアと戦うつもりはなかったイルミは、変装を解除して精神的な負担をかけることに。

 

試合開始と同時に臨戦体制に入っていたキルアでしたが、トラウマ爆盛り兄貴の登場で萎縮してしまい、棄権。イルミの合格が決まりました。

 

キルアにとってイルミは実の兄。長年同じ屋根の下で生活してきたはずです。

また、イルミの気配(オーラ)にも散々触れてきたと思われます。当時のキルアは念を習得していませんでしたが、イルミの不気味なオーラは無意識に感じ取っていたでしょう。

f:id:g913:20220123195005j:image出典:HUNTER×HUNTER 5巻20P/冨樫義博/集英社

そんな兄の前に立ったキルアが、イルミが変装を解くまで何も感じていなかったことを考えると、イルミはただ変装して実力を隠していただけではない可能性がありそうです。

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ギタラクル(イルミ)が警戒されなかった理由を考察

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

周りの受験生より段違いに強かったギタラクルが、ハンター試験中に誰からも警戒されなかったのはなぜなのでしょうか。

 

その理由を3つ考察してみました。

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殺気・オーラを極限まで隠していたから

イルミのオーラに触れてきたキルアですら欺いた変装。これは、ただ見た目を変えていただけではないと思われます。

 

つまり殺気やオーラも極限まで隠していたのではないでしょうか。

だから、イルミが放つ不気味な雰囲気を感じ取れた受験生もいなかったのではないかと。

 

オーラを消す「絶」を使っていたのかもしれません。

あるいは、ギタラクルに変装するときに使う針には、オーラを抑える効果があるのかも?

 

受験生の大多数が非念能力者だったことを考えると、イルミほどの使い手が使う「絶」を看破して、実力を測るのはまず無理でしょうね…

 

ヒソカに注目が集まりすぎていたから

イルミが変装して力を隠していた一方、ヒソカは力を見せつけ、隠す様子はありませんでした。

1次試験から殺気も全開でしたし、実際に受験生を手にかけています。

さらにゼビル島では、クラピカとレオリオに欲情してオーラまで放っていた様子。

 

このようにヒソカが悪目立ちしていたことで、受験生たちの注目がギタラクルに集まりにくい状況だったとも考えられます。

 

ヒソカが受験していなかったり、おとなしくしてたりしたら「ギタラクルってやつも何気に強いかもしれない」くらいには注目されてたかもしれません。

特に、非念能力者の中では最強クラスだったハンゾー、キルアあたりは強さに気づきそうです。

 

もしヒソカが、ギタラクル=イルミだとキルアにバレないように雑魚狩りなどして注目を集めていたとしたら、友情を感じざるを得ません…これはもう『泣いた赤鬼』そのものじゃないですか。

 

トンパの情報がなかったから

「ハンター試験記念受験ジジイ」ことトンパは、試験開始前のゴンたちに、受験生の中の注目株を紹介していました。

過去に良い成績を残している実力者たちはもちろん、初受験となるルーキーの情報まで集めていたトンパ。情報収集には余念がありません(合格するためではなく、新人潰しをするためですが)。

 

トンパは話の通じそうな人には下剤入りジュールを配るコミュニケーションをとって直接情報を仕入れていたようですが。ヒソカとギタラクルだけは別。

近づいただけで殺されかねないので、関わろうとしていませんでした。

ギタラクルは見た目で敬遠していましたね。確かにカタカタしていて不気味でした。

 

本来なら、トンパはヒソカとギタラクルの情報を持っていないはず。

しかし、ヒソカは287期を含め最低でも2回は受験しており、昨年は試験官を半殺しにしています。

トンパもその様子を目撃しており、直接話さなくても、ヒソカがヤバい奴だということは理解できたでしょう。

 

そして、トンパはゴン以外の受験生にも情報提供をしていたと思われます(下剤ジュースを飲ませるためのきっかけ作りとして)。

だから、ヒソカがヤバい人物だという情報も、ルーキーを含めた受験生の中で周知の事実になっていたのではないでしょうか。

 

しかし、トンパはギタラクルに声すらかけていません。

さらにギタラクルは初受験のため、過去のデータは一切なし。変装までしています。

もしイルミが素顔のまま受験していたら、トンパがゾルディック家の一員だと気づいた可能性もなくはないですが…いや、ゾルディック家の素顔は、写真だけでも1億ジェニーの値がつく超重要情報。トンパ程度がイルミの素顔を知っているとは思えませんね。

 

そんな偶然?が重なったことでトンパはギタラクルの情報が得られず、流布することもできなかった。結果、他の受験生もギタラクルの強さや危険性を認知できず、注目すらしなかったのではないでしょうか。

 

ゼビル島でも、イルミは6点を取った時点で地面の中で眠り始め、試験終了まで寝ていたみたいです。

これでは他の受験生は、ギタラクル(イルミ)の姿を見ることすら困難だったことでしょう。

改めて思い返すと、イルミの情報管理は本当に徹底しています。

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逆にヒソカがギタラクル(イルミ)の実力に気づいたのはなぜ?

ハンター試験の受験生たちは、真のプロハンターからしたら念も使えないひよっこたち。

しかし彼らは、ある分野のプロフェッショナルであることには間違いありません。

 

そんな才能あふれる者たちを長期間欺き続けたイルミですが、ヒソカだけは変装・隠蔽に気づいていた様子。

なぜヒソカはイルミの実力を見破れたのでしょうか。

 

これは、簡単な話だと思います。

ヒソカは強者を求めており、強い人間がいるとすぐに気づきます。「感度」がビンビン過ぎるんですよね。

 

例えば、グリードアイランドでヒソカがカルトと出会ったとき。カルトは「絶」を使ってオーラと気配を消し、少し離れた物陰に隠れていました。

しかし、ヒソカは「円」も使わずにカルトの気配を察知しています。

カルトの「絶」はお粗末なものではなく、幻影旅団のマチにも「完璧だった」と言わしめるレベル。ヒソカの感度が異常だったのです。

 

ヒソカの強者レーダーに引っかかったカルトですが、当時はまだまだ修行中の身で、強さは発展途上。

それでも気づいてしまうヒソカですから、面と向かって話しができる状況でイルミが少し力を隠した程度では、看破できても不思議ではありません。

 

イルミの異質なオーラに、ヒソカさんの息子さんはビンビンになってしまったのでしょう。

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結論:イルミは変装だけでなく力を隠すのも上手い

念を高いレベルで身につけているイルミは、変装だけでなくオーラや力を隠すのもかなり上手いことが分かります。

敵地に潜入して、ターゲットを暗殺する仕事をいくつもこなしてきたと思われるイルミ。

敵に察知されないよう行動する技術もハンパないレベルなのではないかと予想できます。

 

イルミは、トラウマを与え続け、兄の存在に敏感になっていた弟すら騙し通しましたからね…

念を身に付けていない受験生たちが、初見でギタラクルの真の力を見抜くのはハードルが高過ぎたように思います。

 

…ちょっと待って。

イルミに力を隠されているのは、受験生だけではありませんよね。

私たち読者も、イルミの本当の強さや能力を見ないまま、何年も経っています。

念能力の名前すら判明していません。

 

イルミさん、そろそろ私たち読者には実力を明かしてくれませんかね…?

ヒソカとマジバトルしてくれることを期待しています…!