『テニスの王子様』の主人公・越前リョーマが所属する青春学園テニス部では、団体戦に出場する8人のレギュラーを校内ランキング戦(部内戦)で決めています。
同じ部内での試合といえど非常にシビアで、公式戦で実績を残したレギュラーでも、校内ランキング戦で負け続ければレギュラー落ちしてしまうのです。
激しい勝負を潜り抜けたレギュラー8人は、選りすぐりのメンバーといえるでしょう。
しかし、部内戦の勝敗だけでレギュラーを決めることが、必ずしもベストメンバーを選出することにつながるとは限らないのです。
特に青学最強のダブルスである大石・菊丸ペアのどちらかがレギュラー落ちしてしまったら、ダブルスの戦力を大きく下げてしまうでしょう。
今回は、青学校内ランキング戦の結果、大石・菊丸ペアが組めなくなったらどうするのか?というテーマで考察します。
- 大石・菊丸ペア(青学ゴールデンペア)とは
- 青学のレギュラーは校内ランキング戦の勝ち数で決まる
- 大石くん・菊丸くんがレギュラー落ちする可能性もあった
- 過去にもゴールデンペアが組めなくなったことがある?
- 手塚部長の「根回しゾーン」…発動!
- ダブルス要員は別途ランキング戦をやった方がいいのでは?
大石・菊丸ペア(青学ゴールデンペア)とは
青春学園テニス部の3年・大石秀一郎(おおいししゅういちろう)くんと、同じく3年・菊丸英二(きくまるえいじ)くんによる名物ダブルス。
アクロバティックなネットプレーを得意とする菊丸くんを、広い視野と守備的なプレーでサポートする大石くん。この2人のプレースタイルがマッチし、青学最強「ゴールデンペア」として他校にも名が知れ渡っています。
作中1年前は、全国大会まで出場(おそらくダブルスの個人戦)。作中では全国最強王者・立海大のジャッカル・丸井ペアに勝利し、名実ともに中学No. 1ダブルスになったのでした。
1年生の頃は、ダブルスに全く興味を示していなかった英二くん。しかし大石くんに敗北し、大石くんが陰で努力していることを知り、「大石くんを倒すまで」という期間限定でペアを組むことを提案します。
さまざまな経験を積み、3年生になるころには大石くんより強くなった英二くんですが、2人の間には強い絆が生まれ、期間限定の約束はとうの昔にどこかへ消え去っていた様子。
団体戦では必勝ダブルスとして、ゴールデンペアは青学の全国優勝に大きく貢献しました(意外と負けた試合も多いですが…)
青学のレギュラーは校内ランキング戦の勝ち数で決まる
青学では、団体戦に出場する選手(レギュラー)を校内ランキング戦によって決めます。
校内ランキング戦は、部員をA〜Dの4つのブロックに分けて総当たり戦を行い、各ブロックの1・2位の選手がレギュラーになるというシステムです。
団体戦に出場できるメンバーは7人。そこに補欠となる1人を加えた8人が青学レギュラーとして、レギュラージャージを着用。公式戦に出場します。
しかし、公式戦の経験がある選手とそうでない選手との実力差は大きく、荒井先輩のような一般部員はレギュラー相手にほとんど付け入る隙がありません。
レギュラーの座をかけた熾烈な戦いが行われる青学校内ランキング戦は、雑誌『月刊プロテニス』が注目するほどハイレベル。
ただ、かつての青学は都大会止まりで成績が振るわなかったことから、レベルが上がったのは手塚くんたちの代が入部してからでしょう。
大石くん・菊丸くんがレギュラー落ちする可能性もあった
校内ランキング戦に出場するメンバーは部長によって決められ、誰がどのブロックに入るのかも部長の一存で決まります。つまり作中では、手塚くんがランキング戦を組み立てていたということです。
これまでは、各ブロックにレギュラーを2名ずつ配置してきた手塚くん。レギュラーになれる実力がある選手8人もだいたい顔ぶれが決まっていたので、レギュラーが順当に勝ち上がる、形式的なランキング戦になっていたことでしょう。
レギュラー以外の選手は、3年生レギュラーが引退して空いたポジションに滑り込むしかなかったと思われます。
しかしリョーマが入学したことで状況が一変。これまでレギュラーだった「いつメン」にリョーマが入り込んでくることに。つまり、過去にレギュラーだった者が必ず1人落ちることになったのです。
作中では最初のランキング戦で乾くんが、次のランキング戦で桃ちゃんがレギュラー落ちしています。
幸いなことに2人ともシングルスがメインの選手であり、青学にはシングルスプレーヤーが多いことから、それほど痛手にはなりませんでした。
しかし手塚くんの采配次第では、レギュラー落ちしていたのが大石くん・菊丸くんだった可能性もあるわけです。この2人のどちらかがレギュラーから外れるのは、青学としては超ピンチ!最強ダブルス・ゴールデンペアが組めなくなってしまいます!
しかも、作中序盤はゴールデンペア以外にダブルスをこなせる選手がおらず、監督・竜崎先生もオーダーに頭を悩ませていました。ゴールデンペアが組めなくなると、青学は団体戦のダブルスで勝ちを上げられる可能性が下がり、シングルス陣にかかる負担が大きくなってしまうのです!
過去にもゴールデンペアが組めなくなったことがある?
作中時間で1年前にはすでに、全国大会に出場できるくらい強かったゴールデンペア。しかし、1年前の試合で大石くんがゴールデンペアとしてではなく、名もなき先輩とダブルスを組んで挑んだ試合が描写されています。
それが、都大会の山吹中戦。大石くんは先輩とダブルスを組み、地味'Sと対戦した結果、敗北しています。
当時ダブルスで2敗した青学ですが、シングルスで3勝し、団体戦としては逆転勝ち。ただ、この敗北は大石くんにとって禍根を残すことになりました。
山吹中はダブルスが強いことで有名であり、1年前は、団体戦に出場した2組とも全国大会まで進んでいます。
山吹の監督・伴田先生と竜崎先生が昔からの知り合いであることから、竜崎先生も山吹のダブルスがいかに脅威かは把握していたことでしょう。
そんな山吹中と戦うなら、ダブルスで大石・菊丸ペアを使わない理由はありません。
それでも大石くんと先輩のペアを出場させたのは、当時英二くんがレギュラー落ちしていたからではないでしょうか?
団体戦として勝てたから良かったものの、大石くん・菊丸くんのどちらかがレギュラー落ちし、ゴールデンペアが出場できないことが青学にとって大きな痛手になるのは間違いありません(竜崎先生はたまに謎采配をすることがあるので、実は当時英二くんもレギュラーだった可能性が微レ存)。
手塚部長の「根回しゾーン」…発動!
大石くんと英二くんはダブルスでこそ真の実力を発揮する選手であり、シングルスではやや力不足であることは否めません。校内ランキング戦では、荒井先輩などには問題なく勝てるでしょうが、レギュラー陣とシングルスで戦えば、負ける可能性が高いと思われます。
しかし青学としては、ゴールデンペアを崩すわけにはいかない……
そこで発動!手塚部長の伝家の宝刀「根回しゾーン」!!
校内ランキング戦で、大石くん・菊丸くんのブロックにはレギュラー選手は1名のみ配置。他はレギュラーになれないモブ選手で固めることで、ゴールデンペアが確実にレギュラーになれるよう仕組む、至極の忖度ゾーン!!それが「根回しゾーン」!!
校内ランキング戦は手塚くんがメンバーの振り分けをしているので、手塚くんの考え次第でいくらでも対戦相手をいじれちゃうんですよね。
もちろん、他の部員にもレギュラーになれるチャンスを与えるべきではありますが、最優先なのは青学が公式戦で勝利すること。
そんな手塚くんの気持ちを考えると、理想の団体戦メンバーになるよう逆算してランキング戦を調整してしまうのも、無理はないでしょう。
手塚の……部長としての選択だ!
ダブルス要員は別途ランキング戦をやった方がいいのでは?
英二くんは1回だけ公式戦でシングルスを行いましたが、それ以外はダブルスでしか出場していません。
大石くんは1試合もシングルスの公式戦に出ておらず、ペアも英二くんとしか組まないまま全国優勝を成し遂げました。
ダブルス要員は基本的にダブルスでしか試合に出さないのであれば、ダブルス選手だけの校内ランキング戦をやるのもアリではないかと思うのです。
シングルスではそれほど強くない選手同士がダブルスを組むことで、普段以上に強くなることがあります。ゴールデンペアはその実例ですよね。
シングルスでは日の目を浴びない選手が、ダブルスでならめちゃくちゃ活躍する可能性もゼロではないと思うのです。
青学のダブルス要員不足は、レギュラーをシングルスで決めているからこそ発生し、慢性化している問題かもしれません。シングルスでレギュラーを決めるなら、レギュラーを目指す部員たちも普段からシングルスだけを意識して練習しがちだと思います。
ならば一か八か、ダブルスのランキング戦もやって、レギュラー以外からダブルス要員を発掘してみるのも良いと思うのです。
荒井・堀尾ペアが全国区ダブルスに化ける可能性だってありますよ!竜崎先生!