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【テニスの王子様】「天才」と呼ばれるプレーヤーの活躍および格差まとめ

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テニスの強豪中学の活躍を描く『テニスの王子様』。登場人物の多くがテニスに関して高い素質を有しているのですが、その中でも「天才」と呼ばれる選手がいます。

才能あふれる選手たちの中で「天才」と呼ばれる彼らの実力は凄まじい!……と言いたいところなのですが、同じ「天才」の異名で呼ばれる選手にも格差があって、不遇な天才もちらほら……

そこで本記事では、「天才」の異名を持つプレーヤーの活躍を紹介し、その格差にも触れていきます。

青学の天才・不二周助

テニプリ界の「天才」といったら、やはり彼でしょう。青学の不二周助くん。抜群のテニスセンスとスキルで、手塚部長に次ぐ青学No.2として他校にも知られています。

不二くんが天才と呼ばれる所以は、超人的なカウンター技、そして技の豊富さでしょう。

  • トップスピンに対しスライス回転をかけることで二乗のスライスとなり、打球がバウンドしない「つばめ返し」「鳳凰返し」
  • 体を半回転させながら背面でスマッシュを捉え、相手が対応できない後方にロブを上げる「羆落とし」「麒麟落とし」
  • 強烈なバックスピンと逆風を利用して自分のコートに戻ってくる打球を放つ「白鯨」。そして「白鯨」から派生し、打球を自分コートに戻すのではなく角度をつけてバウンドさせる「白龍」。
  • あらゆる回転を無効化し、相手の届かない場所に打ち返す「蜻蛉包み」
  • ラケットの表面と裏面を使ってボールに超回転をかけることで、相手の打球がネットを超えなくなる「百腕巨人の門番」
  • コードボールを上空に打ち上げ、すり鉢状の会場に吹く風によりボールが急降下。コートに着弾後、観客席までボールがバウンドする「星花火」

『テニスの王子様』時点ですでに超人技を複数会得していた不二くん。その後『新テニスの王子様』では、新たに3つの「風の攻撃技(クリティカルウインド)」を開発します。

  • 相手のスマッシュをスマッシュで打ち返す「葵吹雪」
  • 打球のコースやスピードを瞬時に判断し、脳から筋肉への指令伝達速度を上げて、打球をスローモーションに感じる(実質的に時を止める)「光風」
  • わずかな風でも軌道が変わってしまうため、ラケットで打とうにも風圧で打ち返せない「狐火球」

他にも「消えるサーブ」「心の瞳(クローズドアイ)」などの技もあり、攻守ともに全く隙がない不二くん。青学の団体戦では多数の勝ち星を上げ、全国区プレーヤーにも匹敵する実力を見せました。

そしてU-17W杯ではエキシビジョンと予選の両方で勝利。相変わらず「天才」の呼び名にふさわしい活躍っぷりです。

スペインとの決勝前にはリョーマとの因縁の戦いに決着がつきましたし、不二くんは「見せ場がとても多い恵まれた天才」と言えます。

不動峰の天才・伊武深司

竜崎先生いわく不二くんに匹敵する才能を持つ、不動峰の伊武深司くん。不動峰の中で天才選手を挙げるなら、彼が該当するでしょう。

伊武くんはリョーマとの試合中に、相手の腕を一瞬だけ麻痺させる「スポット」を完全に会得。スポットはあの立海大の真田くんにも通用したので、技単体で見れば超中学級と言っても良いのではないでしょうか。

 

ただ伊武くんの技は「スポット」にしても「キックサーブ」にしても割と地味めで、不二くんのような超人技というわけではありません。テニプリ世界では、誰でもできちゃいそうなラインナップです。

そんな伊武くんを見て「天才と言えるのか?」と疑問に感じる読者は多いでしょうが、彼がまだ2年生だということを忘れてはいけません。これからピークを迎えるであろう選手なのです。

しかも、不動峰は部員が7人しかおらず、他校に比べて練習環境も整っていないチーム。そんな状況でも関東・全国で勝ち星を上げた伊武くんの才能は、目を見張るものがあります。

伊武くんはU-17代表合宿にも参加していましたから、来年ほぼ間違いなく爆発的に成長することでしょう。

立海大の天才・丸井ブン太

レギュラー全員が全国区である立海大は、全員が天才プレーヤーと言えてしまうのですが……明確に天才と呼ばれているというか、自称しているのが丸井ブン太くん。ただし、ブン太くんは「ボレーの天才」であり、ボレーに限定したスキルが天才的という評価のされ方です。前述の不二くん、伊武くんとは異なります。そのため、ボレー以外の能力は「天才」と評されるほど高くないのかもしれません(それでも立海大でレギュラーになれる実力者なので、中学生でも上位だと思われる)。

 

実際にブン太くんのボレーは天才的を超えて超常的。ボールがネットの上を滑るように移動して相手コートに落ちる「綱渡り」や、ネットを張るポールに当たったボールが相手コートに落ちる「鉄柱当て」などの妙技を得意としています。

「綱渡り」「鉄柱当て」ともに、現実のテニスでも似たような現象が起きることはあります。ただし何百・何千球打って1回起きるかどうかの偶然の産物であり、狙って起こすことはほぼ不可能。それを意図的にできてしまうブン太くんは、ボレーの技術だけで見れば中学テニス界のトップオブトップでしょう。天才を自称するだけありますね。

山吹の天才(怪童)・亜久津仁

「天才」と呼ばれることはなかったものの、その素質の高さを評価されることの多かった彼も、本記事では「天才」として扱いましょう。山吹中の怪童・亜久津仁くん。

亜久津くんは「10年に一人の逸材」と呼ばれることもあったので、むしろ「天才」以上に高く評価されていたとさえ思えます。

 

亜久津くんは、山吹中テニス部顧問の伴爺が一目惚れするほどの素質の持ち主です。小学生の頃にテニスをやっていたものの、5年ほどのブランクがあった亜久津くん。しかし長年にわたってテニス部の顧問をし、全国レベルの選手の強さも知っているであろう伴爺を、サーブ一本でベタ惚れさせました。

現に亜久津くんはろくに練習をしないままリョーマと対戦し、互角に渡り合うほどのテニスセンスを見せています。

その後U-17代表合宿に参加してからは、鬼先輩&お頭という日本代表最強格2人に成長性を見出され、世界ランクNo.2であるスイスの主将・アマデウスプロも絶賛。他のスポーツ漫画なら主人公になっていてもおかしくないであろう、破格の待遇を受けています。

もし亜久津くんが小学生の頃から真面目にテニスを続けていたら、中学3年までにプロになっていたかもしれません。

 

伴爺いわく、亜久津くんの素質はテニスに限ったものではないとのこと。テニス以外のあらゆるスポーツで頂点を狙える運動能力の持ち主らしく、マジのガチで天才です。

その一方、何でもハイレベルにできてしまうことが、亜久津くんにとって情熱を注げない要因になっていたのも事実。リョーマをはじめ、世界の強豪やプロの実力を知ったことで亜久津くんがテニスに目覚める……可能性は十分にあると思いますが、今後どうなるかは彼次第。

氷帝の天才・忍足侑士

『テニスの王子様』作中では、不二くんに次いで2番目に「天才」という異名で呼ばれたのが、氷帝の忍足侑士くん。

関東大会初戦のダブルス2では桃ちゃんのダンクスマッシュを、不二くんも得意としている「羆落とし」で無効化しました。当時は不二くんと同じ技を使う同レベルの実力者だと、多くの読者に認識されていたと思います。

しかし忍足くんは前述の4人に比べると「不遇な天才」で、出番はそこそこあるものの、戦績を見るとパッとしないのです……_

 

関東大会では試合直前に組むことになった菊丸・桃城ペアに敗北。その前に、氷帝部内の試合で宍戸・鳳ペアにも負けていると跡部様が言及しています。

全国大会で青学と再戦した際は、シングルスで桃ちゃんと戦うことに。試合結果を見ると6-4で忍足くんの完勝といった感じですが、序盤は桃ちゃんに心を見透かされて大幅なリードを許し、試合内容的にはほぼ互角でした。

桃ちゃんは青学内でのシングルスの序列でいうと、下から数えた方が早いレベル。そんな桃ちゃんと互角の忍足くんは、青学の天才・不二くんには全く歯が立たないと思われます。

このような背景があってか忍足くんは、天才は天才でも「千の技を持つ天才」という限定的な表現に変更されてしまいました。その千の技も、テニプリ界では割と普通の技術にアルファベットの略称をつけただけのものが多く、強いかといわれると……う〜ん……

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何やかんやありU-17日本代表の追加メンバーに選ばれた忍足くんですが、大会での出番は無し。スペイン戦前に跡部様と戦い、「消えるサーブ」や「破滅への輪舞曲(ロンド)」を披露しましたが、どちらも『テニスの王子様』時代のレベルの技であり、U-17W杯を経験した跡部様には勝てませんでした。

 

もし氷帝の中で「天才」を決めるとしたら、相手のプレーを見ただけでコピーできる樺地くんのほうがよっぽど天才かもしれませんね。百錬自得の極みまでやってのけましたし……という感じで、忍足くんは出番こそあるけれど、実績・実力を見ると他校の天才たちには1〜2歩劣るように思えます。

四天宝寺の天才・財前光

忍足くん以上の「超不遇な天才」がいることを忘れてはいけません。四天宝寺の天才・財前光くんです。

作中で財前くんは、全国大会準決勝のダブルス1に出場。しかし、ペアである千歳くんの「才気煥発の極み」がダブルスでは効果を発揮しないことから、サーブ・レシーブ以外は待機することを白石くんから命じられました。つまり「試合には出すけどプレーには極力関わるな」ということです。

試合前に納得した財前くんですが、千歳くんと手塚部長のラリーが長期化していることに痺れを切らし、割り込もうとします。しかし、財前くんは打球を捉えることができず空振りし、千歳くんと手塚部長は財前くんを無視してラリーを続行。財前くんと同じく待機していた乾くんからは「俺達の入れる領域じゃあ無い」と、非情な現実を突きつけられてしまいます。そこからは借りてきたネコのように大人しく、試合にはほぼ干渉しませんでした。

 

四天宝寺が全国から登場した中学のため、レギュラー全員試合描写が少ないのですが、財前くんに至っては全くなし。しかも、せっかくの見せ場になったであろう準決勝ダブルス1ではお荷物扱いされてしまったのですから、こんなに不遇なことはありません。

U-17代表合宿は、最初は断ったものの途中から合流。しかし試合をした描写は無く、代表にも選ばれていないため、やはり出番無し。

キャラクターとしての人気は高いのですが、出番に恵まれません……

 

そんな未知数過ぎる男・財前くんがなぜ四天宝寺で天才と呼ばれているのか。その秘密は、OVAにて明らかになりました。

1年前の四天宝寺中テニス部は新入部員がおらず、このままでは廃部一直線。そこで、まだ部活に入っていなかった財前くんを勧誘するため、部員たちはあの手この手を尽くします。

何とか財前くんを体験入部に誘い出せた面々。しかし財前くんはほぼテニス初心者で、過去に1〜2回やったことがある程度。全国レベルの選手がそろう四天宝寺のレベルには遠く及ばない……と思いきや、財前くんは初心者とは思えないほどのテニススキルを披露しました。おそらくこの出来事がきっかけで、財前くんは天才と呼ばれるようになったのでしょう。

ちなみに、その翌年に四天宝寺へ入学した金ちゃんもテニス未経験で、3ヶ月ほどで四天宝寺最強プレーヤーになっています。そしてU-17世界大会でも日本の勝利に貢献。

金ちゃんにすっかりお株を奪われてしまった財前くんの不遇っぷりには、涙が出ますよ……

テニプリ界では「天才(強いとは言ってない)」

作中で「天才」と呼ばれたり、素質の高さを評価される描写があった選手をまとめました。

亜久津くんは例外として、テニプリ界で「天才」は、高いテニススキルを持っているのは確か、しかしそのスキルに実績が必ずしも追いついているわけではないプレーヤーにつける異名として扱われているように感じます。

強豪チームのNo.2やNo.3くらいの選手が「天才」と呼ばれているイメージです。それを超える素質の持ち主は「全国区プレーヤー」などと呼ばれるのでしょう。

「天才(強いとは言っていない)」。これがテニプリ界の常識(たぶん)。