都大会準々決勝で不動峰に敗退した氷帝。5位決定戦で確実に勝ち残って関東大会に進むべく、部長の跡部様は榊監督に「ジローの奴を呼んでおいて下さい」とお願いしました(「自分で呼べよ!先生をこき使うな!」というツッコミは跡部様の前では無力)。
まるで氷帝の秘密兵器かのような雰囲気を漂わせていた、ジローこと芥川慈郎くん。
しかし、いざ登場したら……それまでの雰囲気は何だったのかと思ってしまうほどの不遇っぷり。
そこで本記事では、『テニスの王子様』作中での芥川慈郎くんの活躍?をまとめいきます。
芥川慈郎(あくたがわじろう)とは?
ジローくんは氷帝正レギュラーの一角。
天性の手首の柔らかさで、どんな体勢でも狙った方向にボレーを打てる「マジックボレー」を得意としています。
ジローくんはボレーに強いこだわりを見せており、自身のネットプレーが効かない相手にもボレーで勝負を仕掛けるほど。
それだけジローくんはボレーに自信があるということです。
ジローくんがこれほどボレーに固執する理由の1つは、新人戦で立海大の丸井ブン太くんのプレーを体感したから。ブン太くんの天才的なボレーに魅了されたジローくんは、ブン太くんを目標にボレーを磨き上げてきたようです。
ただ、ブン太くんはダブルスでのネットプレーが主戦場のため、シングルスに起用されることの多いジローくんは、ブン太くんとやや違った方面に進んでいるように思えます。
テニスをしているとき以外のジローくんは、コアラかと思うほど寝てばかり。練習中も、他のチームメイトの試合中も熟睡しています。体に何か異常があるのではないかと心配になるほどの睡眠時間の長さですが、一度試合が始まれば元気いっぱいにプレーするので、今のところ大丈夫そうです。
そんなジローくんは幼稚舎(小学校)から氷帝のエリート中のエリート。
同じ内部進学組である宍戸さんと向日くんとは中学入学前から面識がありました。
ジローくんの活躍?
ここからは、ボレーの天才を目指すジローくんの作中での活躍?をまとめていきます。
不二くんの弟・裕太くんを15分で倒す
作中でのジローくんの初戦は都大会5位決定戦の聖ルドルフ戦シングルス3。不動峰の橘さんに負け、正レギュラー落ちした宍戸さんの代わりに出場しました。
対戦相手は、青学の天才・不二周助くんの弟で、リョーマと互角に近い勝負を繰り広げた不二裕太くん。
試合描写はほとんどありませんでしたが、ジローくんはマジックボレーで裕太くんを圧倒。試合結果は6-1、しかも15分でジローくんが勝ったそうです。
一時はリョーマを追い込んだ裕太くんを15分で倒してしまうなんて、ジローくんの力は凄まじい……そう思っていた時期が、ボクにもありました。
不二・兄に遊び倒される
ジローくんの活躍もあり、都大会を5位で通過した氷帝。続く関東大会では1回戦で青学と対戦します。
ジローくんはシングルス2に出場。相手は不二周助くん。今度は兄貴のほうと対決です。
弟思いの不二くんは、仇打ち……とまでは考えていなかったものの、大会前からジローくんと試合をしたいと思っていた様子。そのチャンスがやって来た形です。
裕太くんを15分で圧倒したジローくんと、天才・不二周助の一戦。超ハイレベルな接戦になるかと思いきや、不二くんのワンサイドゲーム。
ジローくんは不二くんの新披露技「消えるサーブ」「白鯨」に翻弄され、得意のネットプレーさえ封じられてしまいました。
試合を見ていた跡部様は、不二くんを「遊んでやがる」と評価。手も足も出ないとはこのことか……と痛感させられるほど一方的な結果に終わってしまったのです。
しかも不二くんは、前の試合で負傷したタカさんのラケットを使い、いつも自分が使っているラケットを温存して試合に臨みました。
ラケットは張ってあるガットの種類やテンション、グリップテープなどが個人によって異なるため、人のものを使うと思ったようにプレーできないこともあります。
そんなハンデがありながら、ジローくんをコテンパンにした周助の兄貴……悲しいかな、裕太くんはジローくんの、ジローくんは周助くんの咬ませ犬になったのでした。
全国大会の青学戦は補欠
関東大会初戦で姿を消した氷帝は、全国大会への出場枠に入れませんでした……が、全国大会の開催地枠として出場資格を得ることに。青学へのリベンジを掲げ、全国大会へ乗り込みました。
ジローくんも青学に苦渋を飲まされた一人。全国でも試合をしたかったことでしょう。
初戦の椿川戦でシングルス1に出場したジローくんは6-0で圧勝。2回戦の獅子学戦では宍戸さんとのダブルスで6-1。順当に勝ち星を上げました。
そしてついにやって来た準々決勝青学戦。ジローくんの出番は……無し!!!
残念なことにジローくんは、補欠に回されてしまったのでした。
氷帝の榊監督の方針は敗者切り捨て。試合に負けた者は(基本的に)二度と起用しません。この方針に従えば、不二くんに負けたジローくんが補欠に回されるのもうなずけます。
しかし、関東大会の青学戦で負けたのはジローくんだけではありません。向日くん、忍足くん、日吉くんも負けていますが、彼らはお咎めなし……
この扱いの差は何のか、真相は誰にも分からない。宍戸さんもめちゃくちゃ苦労して正レギュラーに復帰したのに……
もしかしたらジローくんは、練習もサボるし、試合中も応援せずに寝ているので、素行の悪さから重要な青学戦で出禁になってしまったのかも?
榊監督は教育者ですから、その辺はしっかりしていると思われます。
青学戦は試合に出られず、氷帝もリベンジできず、ジローくんの中学最後の夏は幕を閉じたのでした。
U-17合宿の同士討ちで樺地くんを下す
U-17日本代表合宿に氷帝正レギュラーは全員参加。もちろんジローくんの姿もありました。
合宿早々行われた同士討ちでは、樺地くんと対戦したジローくん。試合描写はほぼ無かったものの、樺地くん相手に勝利!
相手のプレーを見ただけで吸収し、真似できる樺地くんですが、ジローくんの手首の柔軟性までは再現できなかった様子。「樺地くんは身体的な特徴まではコピーできない」という弱点が発覚した試合でもありました。
不遇な扱いを受けていたジローくんにとって貴重な勝利シーンでしたが、同士討ちは非公式の試合であり、勝ち組と負け組に振り分ける以外特に意味はありません。
しかも、これ以降ジローくんはすっかり干されてしまい、跡部様応援団の1人と化します。
『新テニスの王子様』になっても、やっぱり不遇な扱いを受け続けるジローくんなのでした。
ジローくんは氷帝のNo.2になり得た…?
初登場時こそ、氷帝の秘密兵器感がプンプンしていたジローくんですが、作中では見せ場がない不遇選手になってしまいました。
関東大会の青学戦で不二くんと互角の勝負をしていたら「氷帝No.2はジローくん」と考える読者が増えたでしょう。
しかし結果は1-6で完敗。青学のNo.2に手も足も出なかったことで「ジローくん=氷帝のNo.2」と認識している読者は、ごく限られてしまったと思います。
しかも、全国大会で樺地くんが手塚部長をギリギリまで追い込むほど健闘しましたからね……ジローくんはストーリーが進むごとに肩身がどんどん狭くなってしまった印象です。