ヨークシンシティで繰り広げられたクロロVSゼノ・シルバの一戦。
幻影旅団の団長と、ゾルディック家の党首たちが戦うという大興奮のシーンですね。
このシーンの中でも印象的なのは、クロロが「0.1mgでクジラとか動けなくする薬(毒)」を塗ったベンズナイフでシルバを攻撃したシーンでしょう。
この直後、シルバは傷口から入った毒を抜くんですよね。
でも、シルバの指導のもと暗殺・拷問の訓練を積んでいた息子のキルアは、毒が効かない体質だと言ってました。
その証拠に、トンパが用意した下剤入りジュースをゴクゴクと飲んだり、蚊のようなキメラアントの毒を無力化してましたよね。
キルアには強力な毒への耐性があるようです。でもその指導をしていたシルバが毒抜きをしていることを考えると、
おいシルバ!息子にだけツライ修行させといてお前はサボってたんか!?
と、感情的になってしまいそうです。
そこで今回は、シルバには毒の耐性があるのかという点を含め
シルバはクロロの使った毒を抜かないとダメだったのか
ということを考察していきます。
シルバも毒の耐性がありそう
キルアに毒の耐性をつける訓練をさせていたことを考えると、シルバも毒の耐性はあると見ていいでしょう。
シルバが訓練させていたというより、ゾルディック家に代々伝わる修行法なのかもしれません(ゼノやイルミも毒の耐性があれば確定なのですが、描写がないので不明)。
もし暗殺に失敗して敵に捕まれば、毒物を飲ませられ自白や殺害を迫られるというリスクがあります。それはキルアもシルバも同じはず。
シルバも幼い頃からゼノじいちゃんに毒物の訓練をつまされているでしょう。その時ついた耐性は現在も残っていると思います。
ゾルディック家の料理には全部、微量の毒が入ってそうですね。
シルバは毒抜きしたといえど、体内に入った毒がブシューっと血を出しただけで全部抜け切るとは思えません。
しかもシルバの食らった毒は、「0.1mgでクジラとか動けなくする薬」ですからね。微量でも体内に残っていれば、人間一人の自由を奪うことくらいたやすいはず。
それでもシルバは「問題ない」と言ってました。これは毒の耐性がある人間でないと言えない言葉です。
私ならすぐに病院行く。
なぜクロロの使った毒を抜いたのか
では本題に入りましょう。少なからず毒に耐性があるはずのシルバは、クロロの用意した毒を抜く必要はあったのか。
その理由を大きく分けて3つの点から考えてみます。
どんな毒かわからないから
一番の理由はこれだと思います。クロロがどんな毒を使ったか不明な点が多いからです。
シルバは、クロロが持つベンズナイフの形状から刃に毒が塗られていることを推測しました。
たださすがのシルバといえど、ナイフを見ただけでどんな毒が塗られているかまではわからないでしょう。毒に色が付いているわけでもなさそうですし。
さらに、ナイフで切られたことでどれくらいの量の毒が体内に入ったかも予想しにくいはず。
クロロの用意した毒は0.1mgでクジラをも動けなくする猛毒です。少量でも危険な毒でしたので、耐性のあるシルバといえど抜いておいたほうが無難でしょう。
このように、シルバにとってクロロが用意した毒は不明な点が多いです。
毒の耐性を持っているシルバですが、すべての毒に対応できるかというと難しいと思います。
毒って一言で表してもいろんな種類がありますからね。毒によって効果や致死量、解毒できるワクチンの種類も異なるはず。
もしクロロが用意した毒がシルバでも耐えきれない可能性が1%でもあるならば抜いておいて損はありません。リスクを考えての毒抜きだったのだと思います。
関連記事:【ハンターハンター】シルバがクロロのベンズナイフの形だけで毒ナイフだと気付いたのは何故?
以前も食らったことがあったから?
こちらは私の妄想も含んでいる考察です。シルバは過去にもクロロの毒を受けており、危険度を知っていたから毒抜きした可能性について。
シルバはヨークシンシティ編の3年ほど前にクロロと戦っています。
この時の様子はほとんど描かれていませんでしたが、シルバが息子たちに「旅団には手を出すな」と指摘するくらいには苦戦を強いられたようです。
関連記事:【ハンターハンター】シルバVSクロロはどのような戦いだったのか?考察してみた!
このような指摘をした理由の一つに、クロロが使用した毒があったのではないでしょうか?
当時クロロが使っていた武器にも毒が塗ってあり、シルバは食らってしまった。
シルバは毒に耐性があったので死んだり、完全に体の動きを奪われたりはしなかったものの、とても体調が悪くなってしまった…のかもしれません。
そのため、クロロがベンズナイフに毒を塗っていると気づいた時点で毒抜きをしたと。
過去に毒をくらった経験があるにしろないにしろ、シルバはクロロの一挙手一投足を警戒していたでしょう。その行動が毒抜きとして現れていたのだと思います。
体内に入った毒は治療するのが普通
初めて「ゾルディック家の人間には毒が効かない」と私たち読者に印象付けてくれたのは、冒頭で説明した通りキルアくんですね。
毒をくらっても「効かない体質」で片付けて解毒してなかったキルアくん。
それだけゾルディック家が特殊な一族なのだと表現するためでしょうが、普通、体に入った毒ってすぐに治療すると思うんですよ。たとえ耐性があったとしても。
毒もそのうち体外に排泄されるのでしょうが、時間がかかります。
その間、体調になんらかの悪影響を及ぼす可能性があるならば、毒抜きしておいて損はないはずです。
キルアくんのイメージが強すぎて、私たち読者の認識に誤りが生まれていたと思います。
シルバの毒抜きは、やって当然のことではないでしょうか。この記事の前提が崩れてしまうかもしれませんが。
本来、シルバの毒抜きを見て「キルアは毒抜きしなくて大丈夫なのか?」と言うテーマで考察しないといけなかったんでしょうね。
キルアは(運良く)耐性のある毒しか食らわなかったということで。基本はシルバのような対応をとるべきだと思います。
追記:2019年3月1日
当ブログをお読みいただいている「蝶子」さんより、キルアが毒抜きしない理由としてヒントとなるコメントをいただきました!
記事を読ませていただきました
— 蝶子 (@pouf_daisuki) 2019年2月28日
そう言われてみると、キルアは毒抜きをしてる描写ってないですね
彼は10代特有の万能感で「毒なんか怖くも何ともない」みたいな命知らず状態なのかも?
キルアの年齢は10代前半。怖いもの知らずな部分もあり、毒に対してもそれほど警戒していない感じ。これは全く根拠がないわけではなく、「代謝の良さ」も関わってくるのではないでしょうか?
若いキルアは、体に異物が入ってもすぐに排泄されるでしょう。一方でシルバは、長男・イルミの年齢(20代半ばくらい)を考えても、年は40〜50代くらい。若い時に比べ代謝は衰えているはず。
そのため、早く毒を抜くためにも毒抜きをしている。
父と子の年齢差が毒抜きをする、しないに関わっているのかも。
経験豊富なシルバだからこそ毒抜きした
キルア以上に長い期間、暗殺の修行や拷問の訓練を積んできたであろうシルバ。毒に対しても強い耐性を持っているでしょう。クロロの毒を抜かなくても戦えたかもしれません。
それでも毒を抜いたのはやはり「どのような毒かわからないから」というシルバの豊富な経験からとった行動だったのだと私は考えます。
キルアはいいやつなのですが、少し調子に乗ってしまう面があります。
毒を使う卑怯そうな相手に対しては、「毒は効かない。お前のやることなんてお見通しだ」みたいな感覚を味合わせたいんでしょうね。
ただ、キルアがどんな毒にも耐性があるかというと、それは違うと思います。
例えば「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」のようにキメラアントですら耐えられない強力な毒や、2回以上体に入るとアナフィラキシーショック(アレルギー反応)を起こしてしまうスズメバチの毒など。
対処しきれない毒が存在するはずです。
シルバは未知の毒である可能性も考えて毒抜きをするのだとしたら、この点はシルバとキルアの経験の差が出てそうですね。
毒による攻撃の危険度を知っているからこそ耐性をつける訓練をするし、その上で毒抜きもする…
任務を完遂しようというシルバのプロ意識が伺えます。
キルアがシルバパパから学ぶことは多い
キルアは暗殺者になりたいわけではないので、シルバ並みの技術を身につける必要はないかもしれません。
しかし、今回の毒に対する行動もとい「戦闘に対する心構え」のような点では学ぶべきことが多いと感じます。
キルアは、作中だと圧倒的強者と戦うシーンってかなり少ないんですよね。
ゴンは早い段階からヒソカと戦ったり、ゲンスルーとサシで勝負したりなど、明らかに勝ちの薄い戦いをしてきました。だからこそ、敵に対して油断すこともほとんどありません。
一方キルアは、イルミの針が影響してましたが自分より強い相手との戦闘は避け、確実に勝てそうな相手との戦いが多かったです。力の差がある相手と戦うようになったのはキメラアント編以降(キルアは序盤からかなり強かったのも原因ですかね)。
勝てそうな相手との戦闘が続けば、ナメプしやすくなってしまうでしょう。
しかし、ビスケにも教えられた通り、念能力者の戦闘は何が起こるかわかりません。実力的には下の相手が、その日の調子や相性などによって想像以上の力を発揮する可能性もあります。
いくらキルアといえど、ナメプしていては勝てない敵も出てくるでしょう。
その点で、耐性があるといえど毒抜きを忘れないシルバのような精神をキルアは身につけないといけないかもしれませんね。