ベーチタクルホテルのロビーで捕まっているゴンとキルアを救出するため、ホテルを停電させたクラピカ。
ゴンとキルアはこの暗闇を利用して逃げ出そうとします。
キルアは自身の腕を縛るマチの念糸から関節を外すことで抜け出しましたが、ゴンは捕まったまま。糸を解くにはマチを仕留めるしかないと判断したキルアは、手を変形させマチのオッパ…胸を貫きます。
しかしマチは胸筋でキルアの攻撃を受け止め、「刺すなら首だよ」と余裕げにアドバイス。このタイミングで2人は逃げ切ることができませんでした。
出典:HUNTER×HUNTER12巻149P/冨樫義博/集英社
マチがキルアに言った「刺すなら首」という何気ない言葉。
これ以降、キルアが敵を仕留めるために狙う箇所が変化しているように感じるのです。
そこでこの記事では、マチのアドバイスがキルアの考え方を変えた説についてまとめます。
心臓を狙うことが多かったキルア
ヨークシンシティ編以前のキルアの戦闘を見ると、敵にトドメを刺す(命を奪う)ときは心臓を狙う傾向がありました。
例えばハンター試験のトリックタワーでのジョネス戦。キルアはジョネスの心臓を抜き取って絶命させました。
その後、最終試験ではボドロの胸を貫き、おそらく心臓を損傷させて命を奪っています。
キルアは作中でほとんど描かれていない幼少期から暗殺の仕事をしていたので、上記以前はどのようにトドメを指していたのかは分かりません。
ただ、明確に命を奪った描写のあるジョネス、ボドロに対しては心臓を攻撃するという方法を用いています。
もちろん心臓以外を狙うこともありました。
トリックタワーでズシと戦った際は、首に手刀を打ち込んで気絶させようとしていたキルア。
しかし気絶させられず、最後は鳩尾(心臓のあたり)を思い切り殴っています。
マチのアドバイス以降キルアは「首」or「頭」を狙うようになった説
マチのような筋肉オバケを相手にする場合、心臓を狙う攻撃は致命傷になりにくい様子。
もっと言えば、ウボォーギンのような強化系の筋肉マウンテンが相手だった場合、体に傷をつけられるかどうかすら怪しいです。
そのためマチは、胸部・腹部よりも筋肉が少なく、確実に致命傷となる首を狙うようキルアにアドバイスしたのだと思います(敵にアドバイスするマチたそ最高!)。
それ以降キルアは敵にトドメを刺すとき、首から上を狙うようになっているように感じられるのです。
主なキルアの戦いから、その変化を見ていきましょう!
vsサブ
グリードアイランドにて、爆弾魔(ボマー)の1人であるサブと戦闘になったキルア。
キルアはサブを殺すつもりは最初からなく、念能力と新兵器のヨーヨーが実戦で使えるか試す機会としてサブを利用するつもりだった様子。
最終的にサブを気絶させるだけで終わらせていますが、サブにダメージを与えたヨーヨーは全て頭にヒットしています。
1個50kgのヨーヨーを頭にぶつけるキルアくん。
サブは念能力者だったため死にはしませんでしたが、普通の人間なら頭がスイカみたいに砕け散っているでしょう。
手を抜きながらも、敵を仕留めることに関しては抜かりないですね。
vs蚊のキメラ=アント
NGLの麻薬工場でキルアは、蚊のようなキメラ=アントと戦闘になりました。
キルアは初手で、腕の関節を外して鞭のごとくしならせる技「蛇活」によってキメラ=アントの両腕を粉砕。
その後、毒を喰らうものの一瞬の隙をついてキメラ=アントの首を捻ります。
それだけでは死なないキメラ=アントの頭を砕いて戦闘終了。
マチのアドバイスを実践し、首を狙った戦闘といえるのではないでしょうか。
……ええ、確かにマチは「頭を粉砕しろ」とまでは言っていません。言っていませんでしたが、そうでもしないとキメラ=アントは死なないし、カイトも「頭を潰せ」と言っていたから全然オーバーキルじゃないですよ。ええ。
vsラモット
パームとデート中のゴンに近づくラモット。
一時的に念を使えなくなっていたゴンを守るべく、キルアはラモットと戦います。
本来のキルアの力ならラモット程度余裕で倒せたでしょうが、当時のキルアは精神的にやや不安定な状態にあり、さらにイルミが頭に仕込んだ針によって全力で戦うことが困難になっていました。
一方的にラモットの攻撃を受けるキルア。
しかし自力でイルミの針を抜き、安定を取り戻したキルアはオーラでラモットを威圧。
瞬時に間合いを詰めて首を切断。そして粉砕しました。
やっぱり狙うは首!そして頭破壊の必殺コンボ!
vs雑魚キメラ=アント
樹上でキメラ=アントの雑兵たちに襲われたキルアは、蟻たちの首・頭を破壊することで返り討ちにしました(仕留め損なったキメラ=アントもいましたが)。
イルミの針を抜いたことでキルアは、一段と強くなったようです。そこにマチの「刺すなら首」というアドバイス……鬼に金棒ですな。
ちなみにこの戦闘の直後に始まったイカルゴ戦では、キルアはイカルゴが宿主にしていた人間のこめかみを指で貫き、やはり首を捻ってノータイムで仕留めにいっています。
マチ師匠のアドバイスがだいぶ定着してきたようですね。
vsオロソ兄妹
ダーツのルールに則って、遠隔から見えない攻撃を仕掛けるオロソ兄妹。
キルアは自身のダーツ経験を生かしてオロソ兄が最後に攻撃してくる場所を逆算し、攻撃を回避。
そのまま死んだふりをして、生死を確認しに来たオロソ兄妹の首を一瞬でハネ飛ばしました。
このときのキルアは戦闘が続き、体がギリギリの状態だったためオロソ兄妹の頭を破壊まではできませんでしたが、マチ師匠の教え通りきちんと首を狙うことは徹底してます。
マチの一言がキルアの考え方を変えた…かは微妙
こうしてキルアの戦いを振り返ると、マチの「刺すなら首」というアドバイス以降、キルアは敵の首から上を狙うようになったと感じますよね。
ただ、マチの一言がキルアの考え方を変えたのかというと……微妙!断言はできません。
そもそもキルアは暗殺一家ゾルディック家で人殺しの訓練を積んだ元暗殺者。
標的の首や頭を狙って仕留めることを教わっていないとは考えられません。
それにキルアのガチバトルはサブ以降、相手がほぼキメラ=アントです。
人間をはるかに凌ぐ生命力を持ち、体の作りも異なるキメラ=アントはどこが致命傷になるか分かりにくいと思います。
ジョネスやボドロのように心臓を狙うにしても、どこに心臓があるのか、心臓は1つなのかすら分かりません。
外見からキメラ=アントの弱点を判断する場合、やはり頭か頭と体をつなぐ首が弱点だと考えるのがセオリーではないでしょうか。
そしてキルアはキメラ=アントの初戦となった蚊のキメラ=アントとの戦いで首と頭への攻撃が有効なのを実証済みです。そのため以降の戦いでもキルアは首や頭を積極的に狙ったとも考えられます。
ということでマチのアドバイスがキルアの考え方を変えたとは断言できない……と思わせつつ、マチ好き野郎の私としては「マチ師匠のおかげでキルアは成長できた」という強引な結論に持っていき、締めくくらせてもらいます。