青学No.1のパワープレーヤーといえば、タカさんこと河村隆くん。
恵まれたフィジカルに加え「波動球」を会得したことで、パワープレーヤーとして何段階も成長しました。
しかし、タカさんのテニス生活は順風満帆だったわけではありません。レギュラーに入れたのは3年生になってからで、それまでは一般部員扱いだったと思われます。
そして青学でレギュラーになれていない部員たちの素行はかなり悪め。軽く後述しますが、こちらの記事でもまとめています。
そんな青学でタカさんは大きな問題を起こすことなく、レギュラーになることも諦めずに技術を磨き続け、見事パワープレーヤーというアイデンティティを獲得しました。
この記事ではタカさんの「真面目さとひたむきさ」について取り上げたいと思います。
3年生で初めてレギュラー入りしたタカさん
六角戦で竜崎先生がタカさんについて「3年で初めてレギュラー入りした」と言及しています。実際にリョーマがレギュラー入りした4月の校内ランキング戦の終了後に、レギュラージャージを着ていないタカさんが描かれていました。
レギュラーは必ずレギュラージャージを着なければいけないという規則は青学にありませんが、竜崎先生の言葉を踏まえるとタカさんは3年に進学した4月のランキング戦でレギュラー入りしたと考えるべきでしょう。
レギュラーになれない部員たちの荒みっぷり
青学は私立中学で、通っている生徒たちはお坊ちゃんとお嬢様ばかり。全校生徒、さぞ素行が良いのだろう……と思われがちですが、実はそうとも言い切れないのです。
男子テニス部だけをピックアップしてみると、特にレギュラーになれない一般部員たちの荒みっぷりは深刻……
例えば2年生の林くん、池田くんは、仮入部の1年生たちを騙してカツアゲまがいのゲームをさせていました。
最もレギュラーに近い2年・荒井先輩でさえリョーマを目の敵にし、ボロボロのウッドラケットで試合をさせて恥をかかそうとしていました(逆に恥をかかされましたが)。
さらにさかのぼると、手塚部長が1年生のとき、上級生相手に利き腕ではない右で試合をしていたことにブチギレ、ラケットで手塚部長の腕を殴った一般部員もいましたね。このときの怪我が再発し、手塚部長は長年苦しめられることになりました。
彼らの元々の性格に問題があったのかもしれませんが、いくら練習してもレギュラーになれないフラストレーションがこのような行動に影響していると考えられなくもないでしょう。
タカさんだって少なからずレギュラーになれない不満を感じていたはず。
しかし彼は後輩をいびったり傷つけたりすることなく、寿司屋の修行の傍らでテニスの技術も磨き続けました。
この事実だけでも、タカさんがいかにひたむきかが分かるでしょう。
同級生は1〜2年でレギュラー入り
タカさんの同級生たちは、ずっと都大会止まりだった青学にとってまさに黄金世代(ゴールデンエイジ)。
全国区プレーヤーの手塚部長に、天才・不二くん、大石・菊丸ゴールデンペア、後に青学No.3と呼ばれるデータテニスの乾くん。
手塚部長と不二くんは1年生のときからレギュラー入りしており、大石・菊丸ペアは2年生で全国に進んでいるので、作中以前から青学の主戦力だったはず。乾くんも少なくとも2年のときにはレギュラー入りしています。
同級生が早くから青学で存在感を示す中、タカさんはずっと一般部員。作中でも自分を「無個性」と評価し、同級生との実力差にへこんでいる過去が描かれました。
タカさんが1〜2年のころ、他にもレギュラーになれない同級生がいたとは思いますが、こんなにも優秀な面々がそろっていたら「自分はいくらやってもレギュラーになんてなれない」と不貞腐れてしまっても不思議ではありません。
しかもタカさんはテニスを中学までで辞め、進学したら寿司屋の修行に専念する気でいます。タカさんにとってテニスはあくまで部活動であり、手塚部長のように「プロになってテニスで食っていこう」というほどの熱量はそもそもないはずなのです。
こんなタカさん、現実なら1〜2年のうちに幽霊部員と化しているでしょう。でも3年で引退するまでずっと練習し続けたのです。なんなら引退後にU-17日本代表合宿にも参加しちゃってます。
寿司屋の修行に支障は出ないのか?と心配になるほど、タカさんはテニスに対してひたむきなのです。
後輩が先にレギュラー入り
タカさんより1学年下である桃ちゃんと海堂くん。2人は初登場時、つまり2年の4月の段階でレギュラーでした。おそらく1年生のうちにレギュラーになっていたのでしょう。
ということは、タカさんは後輩の桃ちゃん、海堂くんに追い越されていた期間があるということ。同級生に抜かされるのならまだしも、自分より練習した時間が少ないはずの後輩が先にレギュラー入りするのは、タカさんにとってショッキングな出来事だったに違いありません。
それでもタカさんは3年生までテニスを続けました。中学生にしてこの精神力、なかなかのものです。いや、これだけの精神力がなければ青学レギュラーになることなどできないのかも。
タカさんは腐ってしまった部員たちに、自分の過去を基にしたメンタルトレーニングを施すべきです。肉体だけでなく精神もパワー系に仕立て上げましょう!
つらいこともあったけど、タカさんは元気です!
レギュラーとそれ以外の部員との待遇差。才能のある同級生たち。後輩たちの急成長。
青学でのタカさんのテニス生活は、つらいことが多かったはず。
それでも諦めなかったタカさんはレギュラーに入り、最後は全国No.1のパワープレーヤーに勝利しました。
さらにはU-17の合宿にも参加し、日本最高峰のテニスに触れることもできました。これで進学後はスッキリとした気分で寿司屋の修行に専念できることでしょう。
これが青学レギュラーになる人間の気概ってものです。ねぇ?荒井先輩?