雑誌・月刊プロテニスの取材が来るほどハイレベルな試合が繰り広げられる、青学テニス部の校内ランキング戦。
団体戦に出られる8人のレギュラー枠を競って、部員同士がシングルスで戦います。
しかし、この校内ランキング戦のシステムがレギュラー選出に最適かというと微妙な部分も。
そこで本記事では、青学校内ランキング戦の問題点を挙げていこうと思います。
青学校内ランキング戦のシステム
青学の校内ランキング戦では、部員がA〜Dブロックの4組に分けられ、ブロックごとに総当たり戦を行います。試合は全てシングルスの1セットマッチ。
各ブロックで勝利数の多かった2人が団体戦に出場するレギュラーに選ばれ、青学レギュラージャージを羽織ることができます。
作中の校内ランキング戦に参加していたのは基本的に2・3年生のみでしたが、1年生も秋から参加可能です。リョーマは例外で、1年生の仮入部期間から参加していました。
校内ランキング戦は定期的に行われ、特に大会前に行われる傾向がある様子。
一度レギュラーに選ばれた者でも、次の校内ランキング戦で勝ち残れる保証は無し。負けが続けば即レギュラー落ちもあり得る、非情な戦いが続きます。
このような校内ランキング戦を実施することで、レギュラーたちは自分が追われる立場にあることを意識して慢心することなくスキルを磨き、他の部員もレギュラー入りのために自己研鑽するという仕組みが出来ているのです。
青学校内ランキング戦のツッコミどころ
一見すると、青学テニス部を強豪たらしめている校内ランキング戦ですが、ツッコミどころといいますか、改善したほうがいいのでは?と口を挟みたくなる点がいくつかあるのです……
もし青学テニス部に入ったら、3年間ボール拾いで終わるであろう私ですが、この場を借りて少し物申してみようと思います。
部長が決めたガバガバな組み合わせ
誰がどのブロックに入るかは部長によって決められます。作中では手塚部長がほぼ独断で決めており、まだ仮入部のリョーマを特例で参加させたのも手塚部長の判断です。
そして作中の校内ランキング戦では、各ブロックにレギュラー8人が2人ずつになるよう調整されていました。
リョーマというイレギュラーな存在が参加したことでレギュラー相当の実力者が9人になり、1ブロックだけレギュラー候補が3人になりましたが、そうでなければ、試合経験が豊富なレギュラーが順当に勝ち残れるように配置されているのです。
例えば、1つのブロックにレギュラーが4〜5人固まるなんてことはありません。
この組み合わせには、作為的な匂いがプンプン。「校内ランキング戦は誰でもレギュラーになれる可能性がある」とは名ばかりで、レギュラーがそのまま勝ち残ることがほぼ確定しています。
レギュラーとそれ以外の部員との実力差は明らか。100回試合してもレギュラーが100回勝つでしょう。
校内ランキング戦の目的に、レギュラーたちに危機感を持たせることも含まれるなら、もっとレギュラー同士で競い合わせたほうが良いのではないか……と物申したくなるのです。ねぇ、手塚部長?
……でも部長は青学テニス部のことを最優先に考えなければならないので、実績のあるレギュラーを起用し続けるのが安牌という気持ちはよく分かります。
ランキングを決めていない
「校内ランキング戦」という名前ではありますが、結局ランキングは決めていません。
勝ち星の数で各ブロックごとの順位は決まるものの、部全体の中で誰が何位なのかは不明。ランキング戦ならば、例えば各ブロック1・2位の総当たり戦、3・4位の総当たり戦、5・6位の総当たり戦……とやって、最終的な勝ち数で順位を決めないと、本当の意味でのランキング戦にはなっていないと思うのです。
せめてレギュラーだけでも総当たり戦をして順位を決めたほうが、団体戦での試合順を考えるのが楽になると思うのですが……そんな野暮なことしないのが青学流!
ダブルスプレーヤーが不遇
校内ランキング戦は全てシングルス。ダブルスプレーヤーである大石くん・英二くんもシングルスで勝たなければ、レギュラーには選ばれません。
この2人はシングルスでもレギュラー以外には負けないくらいの実力がありますが、もしかしたら他にも「シングルスは苦手だけどダブルスは得意」という部員がいるかも。
シングルスしかやらない校内ランキング戦のシステムにおいて、ダブルスプレーヤーは不遇そのもの。シングルスでは勝てない相手にも、ダブルスでなら勝てるというケースは、テニスにおいて当たり前にあるのに……
しかもリョーマが入学してレギュラー相当の実力者が9人になったことで、既存のレギュラーのうち1人は外れることが確定的になりました。もしその1人が大石くんか英二くんだった場合、青学最強ダブルス・ゴールデンペアが組めなくなってしまいます。
ダブルスでこそ実力を発揮するプレーヤーがいる可能性や、ゴールデンペアが組めなくなってしまうリスクを考えると、シングルスではなくダブルスでも校内戦をやったほうがいいと思うのですが……この辺は手塚部長がなんとか調整している様子。
大石・菊丸ゴールデンペアが組めなくなる可能性については、こちらの記事で言及しています。
校内ランキング戦の改善案を考える
「文句ばかり言うならよぉ!テメェが最適な校内ランキング戦を考えろよ!」と言われてしまうのも仕方がないくら批判してしまいました。
そこで私なりに、校内ランキング戦の改善案を考えて締めくくろうと思います。
- A〜Dブロックそれぞれの順位ごとに、さらに総当たり戦をやって部全員のシングルスでのランキングを決める
- 最低でも各ブロック1・2位通過のレギュラーだけの総当たり戦を行って最終的な順位を決め、レギュラー同士のスキルアップと団体戦の試合順(シングルス)を決めることに役立てる
- シングルスとは別にダブルスでもランキング戦を行い、ダブルスで起用するペアを選出する
- もしシングルスでレギュラーではない選手が、ダブルスでレギュラー相当に勝ち上がった場合、シングルスでレギュラーのドベ2のペアと試合をさせ、勝敗によりどちらを団体戦で起用するか決める
まとめると、「シングルスはレギュラーだけでも順位を決めて、ダブルスのランキング戦もやろうよ」って感じです。
特に青学はダブルスが弱点なので、可能性があるならシングルスのレギュラー以外のダブルスも試してみる価値はあるのではないでしょうか。どうです?竜崎先生?