ハンターハンター393話『懇願』では、前話に引き続きあまり大きな進展は見られず…
391話『衝突②』の感想記事でも書きましたが、しばらくは1話につき1人くらいのペースで、エイ=イ一家の構成員を誰かしらが始末していく流れが続くのかもしれません。
今回も考察というよりは393話の感想を中心に、気になった点をまとめました。
※本誌の画像等はありませんがネタバレを含む内容のため、単行本派の方はご承知の上お読みください。
- ルイーニー、何もできず死亡
- ノブナガ「ちょっと何言ってるのかわかんねーな」
- モレナの能力は、発症者自身が使いたい念能力をある程度決められる?
- ヒソカさん、映画を見ていた
- ヒソカvs幻影旅団はエイ=イ一家が片付くまでお預けか?
- オウ=ケンイの不敵な「氷の微笑(スマイルゼロ)」
- エイ=イ構成員狩りはまだ終わらず……
ルイーニー、何もできず死亡
念能力を発現させた最初のエイ=イ一家の構成員として登場したルイーニー。
これまで数話にわたってシャ=ア一家の構成を手にかけ、ノブナガ、フィンクス、フェイタンをおちょくっていた彼ですが、なんとノブナガに瞬殺されました。
しかもノブナガは念能力を使った気配すらなし……
刀で額を貫かれ、首を落とされ、腰のあたりから切断され……と、結構エグい死に方をしたルイーニー。ノブナガが幻影旅団らしい残虐さを見せましたね。
ルイーニーについては「まぁ何らかの形で死ぬんだろうな」とは思っていましたが、これだけ引っ張ったキャラならせめてノブナガの能力を引き出すくらいの活躍はしてほしかったなぁ、というのが読んでみての気持ちです涙
ついにノブナガの「発」が見られるか……と期待していましたが、お預けになってしまいました。
このままだと本当に「半径4mの円=発」が濃厚になってしまうよ、ノブナガさん……
また、ルイーニーは幻影旅団と組んで敵対マフィアを潰し、カキン王子達も抹殺した上でブラックホエール号を占領。暗黒大陸には行かず引き返して世界を混沌に陥れたかったようですが、その交渉にも失敗。
結果として、本格的にエイ=イと旅団を敵対させる引き金になってしまいました。
ルイーニーの行動は、エイ=イにとってマイナスに働き過ぎている気がします。
ノブナガ「ちょっと何言ってるのかわかんねーな」
そんなルイーニーを仕留めた際のノブナガの一言が「ちょっと何言ってるかわからんねーな」。
これ、お笑いコンビ・サンドウィッチマンのボケ担当、富澤さんがコントでよく使う「ちょっと何言ってるのかわからないですけど」ってネタですよね笑
相方の伊達さんに散々楽しげに話させといて一気に突き放す、サンドウィッチマンの代名詞ともいえるネタです。
ノブナガはサンドウィッチマン好きなのかな?
というか、久しぶりに冨樫先生のお笑い好きがブッ込まれました。
王位継承戦編はお笑い芸人ネタ多いですね……
モレナの能力は、発症者自身が使いたい念能力をある程度決められる?
ルイーニーの死亡とパドイユ(体を凶器に変える人)の死亡を受けて、エイ=イの構成員たちは作戦会議に入りました。
ルイーニーのような空間移動の能力と、パドイユを始末したヒンリギのハト(手錠)を遠距離から撃ち落とせる能力(どちらも放出系)を、まだ能力が発現していない構成員に作らせようとしているようです。
ハトを撃ち落とせる遠距離能力はちょっと微妙な気がします。が、ルイーニーの空間移動は、作中でデモンという構成員が言った通り「アジトにいながら別の場所にいる人間を暗殺する」という効率的な使い方ができるので、再度発現する価値のある能力だと思います。
また、エイ=イの組長・モレナの念能力「恋のエチュード(サイキンオセン)」唾液を分け与えた人物(発症者)は人を殺害するとレベルが上がり、レベル20を超えると念能力が発症する……という感じなので、どんな能力が発言するかはランダムなのかと勝手に思っていました。
しかし393話に登場したエイ=イ構成員の口ぶりを見ると、発現前にどんな能力を作るのかあらかじめ決めている者もいる様子。
ということは、モレナの「恋のエチュード(サイキンオセン)」は本来の念の修行によって「発」を作り出すのと同じように、能力者本人がどんな能力にするかある程度決められるということが推測できます。
実際に「凶器に生まれ変わりたい」という願望を持っていたパドイユが、体を凶器に変える能力を発現していましたね。
ただし、生まれ持った得意系統に沿った能力でないと使い物にならなかったり、そもそも思った能力にならなかったりするのも修行で「発」を作るのと同じ様子。
モレナと構成員との会話から、得意系統は能力発現までわからないと思われるため、中にはあらかじめ考えていた能力と全く違う能力に目覚めてしまう者もいそうです(モレナは元から念能力者だったからか、念についてかなり詳しそう)。
ヒソカさん、映画を見ていた
392話『情報』で久しぶりに登場したヒソカさん。
リンチ=フルボッコのパンチにカウンターを入れて失神させた後、一緒にいたザクロ=カスタードも気絶させていたようです(ザクロとのやりとりは描かれず)。
気を失っていたザクロを発見したリンチは、自身が殴った人物がヒソカ本人であることを伝え、またザクロはヒソカが映画を見ていることを伝えました。
リンチは失神する前に念能力「体は全部知っている(ボディアンドソウル)」でヒソカを殴っているので、ヒソカが本人かどうか本音を引き出して確認していると思われます。
そのリンチが「ヒソカ本人だった」と言っているのであれば、「ヒソカがイルミに化けている説」も「イルミがヒソカに成りすましている説」も、ほぼナシと考えるべきでしょう。
渦中のヒソカさんは、シネコンで映画鑑賞。
その前にザクロを映画館に誘ったり、何の映画を見たいか聞いたりと、だいぶ余裕そうです(旅団探さなくていいの?ヒソカさん?)。
そんな発言をしながらもザクロを気絶させるという意味不明な行動から、ザクロはヒソカを「今まで遭った誰よりヤバイ」と評価しました。
確かにヤバイ……クレイジー過ぎる……警察呼ぶレベル。
でも今までのヒソカさんなら、リンチもザクロも気絶などさせず命を奪っていたように思います。
これまで読者をやってきた身からすると、むしろ「ヒソカさん丸くなったな」という印象です。
その一方で、ヒソカがリンチ、ザクロを問答無用で殺さなかった理由も予想はできます。
- あまりにも突然リンチに殴られたから、尋問するためにとりあえず生かした
- ザクロが何らかの組織の末端である発現から、始末すると旅団以外の組織を敵に回すことになって面倒だと感じた
こんなところでしょうか。
もしもヒソカさんが、リンチとザクロの2人からシュウ=ウ(何らかの組織)と接触できる可能性を見出し、それが間接的に旅団と自分を引き合わせることにつながることまで予想してたとしたら……さすがヒソカさん!
自ら旅団を探さず映画を見て余裕を決め込み、シュウ=ウの人間が接触してくるまで時間を潰すのも納得!!
……っていうのは、私がヒソカ信者過ぎる考え方かしら?
ヒソカvs幻影旅団はエイ=イ一家が片付くまでお預けか?
ザクロの情報をもとに、映画鑑賞中のヒソカに接触したヒンリギ。
ヒソカに、旅団とエイ=イ一家の戦いが終わるまで第1層の娯楽エリアで遊んでいるよう提案し、ヒソカはこれを了承しました。
だいぶ素直なヒソカさん。ヒンリギとは戦闘になりませんでしたね。
ヒソカに動かれると厄介事が増えますし、旅団の戦力が削がれてエイ=イが有利になる可能性も考えると、ヒソカには現状旅団がほぼ確実に辿り着けないであろう第1層にいてもらうのが、シュウ=ウにとってもシャ=アにとっても安心です。
他方で、ルイーニーの一件がきっかけとなり、少なくともノブナガ、フィンクス、フェイタンはエイ=イの討伐に乗り出すことがほぼ確定しています。
今後3人はクロロに連絡を取り、他の団員の協力も仰ぐことでしょう。
エイ=イの暴挙にはケツモチをしている第4王子・ツェリードニヒもブチギレ中。
旅団がエイ=イを潰したとあれば、旅団はツェリードニヒに恩を売ることもできます。
するとツェリードニヒと接触する機会にもつながり、旅団の目的の1つである「王子の財宝を奪う」ことの達成に大きく近づけるので、旅団としてはかなりメリットがあります。
さらに、ヒンリギたちシュウ=ウがヒソカの居場所を知っている(第1層の娯楽エリアにいるよう指定した)とあれば、旅団としてはこれ以上美味しい話はないでしょう。
シュウ=ウ、シャ=アが当初考えていた形とは微妙に異なりますが、これでヒソカをエサに幻影旅団をコントロールして、エイ=イ一家を潰す(可能であれば旅団共々潰す)という方向に物語が動くことになりそうです。
……となるとですよ……しばらくは、
- ヒソカ、第1層で生活
- 旅団、エイ=イ一家の始末を優先(エイ=イのシマである第3層を中心に活動)
つまり今までよりもっと、ヒソカと旅団が接触する可能性が低くなってしまいます……
エイ=イが片付くまで、ヒソカvs旅団はお預けですかね?
ただヒソカはヒンリギに「旅団からケンカを売ってきた場合は手を出す」旨の発言をしています。
もし旅団がシュウ=ウ、シャ=アの思惑通りに動かず第1層に行けば、早めにヒソカvs旅団が発生する可能性もゼロではない……かも?
ちなみに、ヒンリギはヒソカと旅団が戦ったら旅団が勝つと思っており、「箱推し(グループ全体が好きという意味。この場合、幻影旅団全体)」とのこと。
この表現。冨樫先生、相変わらずアイドル方面にどハマりしてますね……
オウ=ケンイの不敵な「氷の微笑(スマイルゼロ)」
カキンの軍人の間では、シャ=アの若頭・オウ=ケンイに笑みを向けられると必ず死ぬというウワサが流れている様子。
軍人たちからオウの笑顔は「氷の微笑(スマイルゼロ)」と呼ばれているようですね。
もしかしたらオウの念能力に関連するのかもしれませんが……今のところわからず。
ヒンリギの「てのひらを太陽に(バイオハザード)」がかなりのブッ壊れ能力だったことを考えると、同格のオウの能力もイカれた性能をしているかもしれません。
エイ=イ構成員狩りはまだ終わらず……
ヒソカを発見したシュウ=ウ。
旅団の協力を仰ぐことに成功したシャ=ア。
これにより双方の利害が一致し、シュウ=ウとシャ=アは協力。エイ=イ潰しに本格的に乗り出すことになりそうです。
とはいえ、実際にエイ=イ戦うのはおそらく旅団。ヒンリギも全面抗争に慣ればシュウ=ウがエイ=イに勝てる見込みはないものの、旅団なら苦もなく一掃できると思っているようです。
現にルイーニーはノブナガの相手にすらなってませんでしたね。
つまり、393話内でフィンクスがシャ=アの舎弟頭・ツドンケに要求したモレナの居場所さえ突き止めて旅団に報告できれば、シュウ=ウ、シャ=アの当面の目標は達成となります(後は旅団とエイ=イが協力などせず潰しあってくれれば)。
が、それも一筋縄ではいかない様子……
第3層にある一般客室の1つがエイ=イの隠しアジトにつながっているという情報をお金の力で手に入れたヒンリギとオウ。
しかし、件の客室に入った、情報のソースである軍人のマイザン伍長が突然消失。
十中八九、客室にいた男がエイ=イの構成員で、念能力を使ったのだと思われます。
出典:HUNTER×HUNTER36巻155P/冨樫義博/集英社
ヒンリギが部屋にいる男に向けて投げたナイフは消えなかったため、男の能力は「消せるのは生き物だけ」などの制約があると思われます。
その詳細が明かされるのは、次週以降になりそうです。
前話に引き続き、393話もエイ=イの構成員が思わせぶりな態度を見せて終わりました。
しばらくはこんな感じで、1話ずつ使ってエイ=イの構成員を1人ずつ始末していく流れになるんですかね……長丁場になりそうです。
392〜393話で登場したエイ=イの構成員一人ひとりに名前があって、職業まで設定されていることを考えると、例えば陰獣や団長の手刀を見逃さなかった人のように、ほぼ見せ場なく戦闘シーンもなく一気に退場!みたいな展開は期待薄でしょうか……
もっと旅団がドンパチしてるところ見たいぃぃっ!
ヒソカにガチ戦闘してほしいぃぃっ!
というのが正直な感想ですが、じっくり待ちましょう。
待つのは慣れてる……