私の名前はジロギン。

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【テニスの王子様】比嘉中・木手永四郎という鬼強プレーヤー

26年間九州地区止まりだった沖縄県代表。長く続いた敗北の連鎖にストップをかけたのが比嘉中でした。昨年度全国ベスト4の獅子学中を破って九州大会を優勝。満を持して全国大会へ乗り込むことに。

この大躍進の立役者は、比嘉中の部長である木手永四郎(きてえいしろう)くん。沖縄武術の使い手たちを集め、その技術をテニスに応用することで独自のプレースタイルを生み出しました。

部員たちそれぞれ、全国大会でもその実力を遺憾なく発揮することに。1回戦では関東大会ベスト4で「古豪」と称され、おそらく全国大会常連校であろう六角中をストレートで撃破。

そんな猛者揃いの比嘉中で最強のプレーヤーが木手くんです。その実力は他校の全国区プレーヤーたちにも引けを取らないでしょう。

今回は比嘉中・木手永四郎の鬼強プレーヤーっぷりを見ていきます。

『殺し屋』木手永四郎とは?

比嘉中テニス部をまとめ上げる3年生。リーゼントヘアとメガネが特徴です。

普段は敬語で話し、丁寧な印象を受けます。が、性格は非常に攻撃的かつ暴力的。青学との試合では、団体戦としての敗北が確定して試合を投げ出そうとした自校の監督・早乙女晴美の腹部にボールを直撃させたり、手塚部長の顔面に向かってラケットを振り下ろしたりしました。

テニスを暴力として使うことに全くためらいがないだけでなく、手塚部長との試合中にはラケットでコートの砂を巻き上がらせて目潰しをしようとするなど、ラフプレーもいとわない。そんな選手でもあります。

 

しかし、木手くんは相手を傷つけなければ試合に勝てない弱小プレーヤーかというと大間違い。冷静かつ的確に相手の弱点を突くプレースタイルから『殺し屋』という異名で呼ばれ、手塚部長から4ゲームも先取してみせました。

昨年度全国ベスト4の獅子学中(橘さんと千歳くんはいない)と、関東大会ベスト4の六角中を破ったチームを率いるに足る実力者と言えるでしょう。

 

全国大会の後はU-17日本代表合宿に招集され、日本代表メンバーに選ばれました。比嘉中から代表に選ばれたのは木手くんのみ。その力は比嘉中トップであることはもちろん、日本の中学テニス界全体で見ても上位であることは間違いありません。

木手永四郎が鬼強プレーヤーである理由

では、木手くんの強さについて、具体的に見ていきましょう。

全方位への縮地法による圧倒的なコートカバーリング

比嘉中のレギュラー全員が体得している移動方法「縮地法」。1歩でサービスラインからベースラインまで移動できる、ある種のワープです。

初出のときは、一瞬で移動しているよう相手に錯覚させる、沖縄武術などに使われている技術とのことでした。が、今では完全にワープ技となっています。

 

縮地法は前後の動きに特化した技術で、左右や斜めの動きに用いることはできません。しかし、木手くんは例外。コートの全方向へ1歩で移動することができます。

この全方位縮地法こそ木手くんが持つ最も優れた技と言って差し支えないでしょう。縮地法によるワープであらゆる打球に追いつける、圧倒的なコートカバーリング(相手が打ってきたボールに対して素早く守備位置につく能力)。木手くんは、相手のパワーに負けたり、ミスしたりしなければ、理論上どんな打球でも返せるのです。

 

木手くんのコートカバーリング(守備力)は、中学生の中で間違いなくトップクラス。立海大レギュラーで最も高い守備力を誇るジャッカル桑原くんも、木手くんの守備を高く評価していました。

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テニスは「足ニス」なんて言われることもあるくらい、とにかく足を動かして移動しまくるスポーツです。素早く動けて、ボールに追いつく能力が高い選手は、現実でも高い成績を残しています。トッププロで例を挙げるなら、スペインのナダル選手やアルカラス選手は高いフットワーク武器に戦い、グランドスラムを何度も制覇しました。

木手くんの全方位縮地法は、ナダル選手やアルカラス選手と比較にならない速度で動くことが可能……この技術だけで、そうそう負けることはないでしょう。

 

ただし、縮地法は万能ではありません。例えば、縮地法で移動した直後にボールがイレギュラーバウンドした場合、再び縮地法を使ってボールに追いつくことはできません。つまり「2歩目の」縮地法は使えないのです。

スイス戦では、アンリ・ノーベル3世にこの弱点を見抜かれていました。

2歩目以降の縮地法は木手くんにとって今後の課題となるでしょうが……そう遠くない未来に克服すると思われます。跡部様が見た未来の木手くんは、ドロップショットを縮地法でワープさせるという原理不明な技を使いこなしていましたので、余裕で解決するでしょう。

超重力級サーブ・ビックバンを開発

比嘉中の巨漢プレーヤー・田仁志彗くんの得意技である、一撃必殺「ビッグバン」。超重量級のサーブで、相手選手を体ごと後方へ大きく吹き飛ばします。

体重100kgを超える田仁志くんの巨体、そのパワーとシナジーを発揮しているビッグバンですが、開発者は木手くん。彼が田仁志くんに教えたそう。つまり木手くんは、おそらく田仁志くんほどではないものの、パワーサーブを打てるということになります。手塚部長との試合でも打ってましたね(即座にリターンされてましたが)。

 

テニスにおいてサーブは非常に重要。相手選手の打球に影響されずに打てる唯一のショットであり、基本的にサーブを打つ選手の方が有利とされています(そのため、公平になるようサーブは1ゲームごとに交代で打つ)。

ただでさえ有利なサーブが必殺ショット級の威力があるとしたら……得られる恩恵は計り知れません。その利点を理解しているのかどうかはわかりませんが、木手くんはサーブもしっかり鍛え上げてきたようです。

 

エースを狙える高出力のサーブを持ち、リターンされてラリー勝負になったとしても全方位縮地法で全て拾える……隙がないぞ、木手永四郎……

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海賊の角笛(バイキングホーン)、大飯匙倩(おおはぶ)など豊富なストローク技を習得

木手くんが比嘉中テニス部員に伝授した技は、ビッグバンだけではない様子。甲斐裕次郎くんの「海賊の角笛(バイキングホーン)」、平古場凛くんの「大飯匙倩(おおはぶ)」も使いこなしていました。おそらくこの2つの技も、木手くんが開発したものなのでしょう。

 

海賊の角笛(バイキングホーン)は、ラケットを逆手に握ることでギリギリまでボールを引きつけてから打つショット。相手の動きを見極めながら、大きく曲がる打球でウィナーを狙います。

大飯匙倩(おおはぶ)は、蛇のようにグネグネと不規則に曲がる打球。軌道を見極める観察力と、不規則な打球をしっかり捉える技術力がなければ返球は困難を極めます。

 

これらのストローク技を持つ木手くんは、ラリー勝負になっても試合を優位に運ぶことが可能です。「ビッグバン」でサービスゲームをキープしながら、リターンゲームでは全方位縮地法で守りを固めつつ、隙を見て海賊の角笛(バイキングホーン)や大飯匙倩(おおはぶ)で攻撃に転じる……マジで強すぎないか!?

ダブルスもいける

全国大会の青学戦ではシングルス1で出場した木手くん。肘の古傷と肩の怪我から完全に回復した手塚部長を相手に4ゲーム先取し、シングルスでの高い実力を披露しました。

では、木手くんはシングルスプレーヤーなのかというと、さにあらず……ダブルスもいけます!

 

木手くんのダブルス適性が発揮されたのは、U-17合宿で行われた1軍(ジーニアス10)とのシャッフルマッチ。木手くんは、立海大の天才的ボレーヤー・丸井ブン太くんとダブルスを組み、高校生の遠野先輩&君様ペアと試合をしました。

途中、3対1のダブルスになるなど異様な展開こそありましたが、ブン太くんのネットプレーと木手くんの守備力がシナジーを発揮し、ジーニアス10の2人を相手にかなり良い勝負を繰り広げました。

 

元々ブン太くんはダブルス専門の選手で、試合中の役割はボレーによる攻撃。守備はすべて、後衛のジャッカルくんに任せるというスタイルです。ジャッカルくんの常人離れしたスタミナと広い守備範囲で、ブン太くんがボレーできないボールをカバー。ここぞというチャンスボールをブン太くんがしっかり決めるという戦い方で、2人は全国No.1ダブルスと呼ばれていました。

専ら攻撃を得意とするブン太くんにとって、守備が得意な選手はダブルスペアとして相性抜群。すなわち、全方位縮地法であらゆるボールに追いつける木手くんと組むことは、理想的と言えるのです。なんなら木手くんは自力で攻撃もできますから、ジャッカルくんの上位互換とも考えられるでしょう(ジャッカルくんが嫉妬しちゃいますが)。

 

2人はスペイン戦の代表決定戦でもペアを組み、合体技「沖縄式二刀流 獅威左亜(シーサー)」を披露。具体的にどんな技かは不明ですが、格上であろう種子島先輩&白石蔵之介くんペアと互角に戦いました。

このように木手くんはシングルスだけでなく、ダブルスでもその強さを発揮できるのです。

 

木手くんのダブルス適性は、高校生から見ても光るものがあったよう。スペイン戦の代表を決める際、木手くんは大曲先輩と君様からペアの勧誘を受けていました。ジーニアス10の中でもダブルスを主戦場にしているであろうこの2人から声をかけられるのは、相当のことです。

そんな木手くんは、先輩たちの勧誘を断ってブン太くんと組んじゃいましたが……

 

テニスの王子様の世界には、「シングルスはめちゃくちゃ強いけれど、ダブルスはさっぱり」という選手もいます(リョーマとか、リョーマとか、リョーマとか……)。その点、木手くんはシングルスもダブルスもハイレベルでこなせる万能型の選手と言えますね。

こういう選手は、どんなチームでも重宝されるでしょう。

やがては二刀流もマスター?

スイス戦で大曲先輩とダブルスを組んだ木手くんでしたが、世界ランキング2位のチームを相手にするのは厳しく、完敗してしまいました。その後、大曲先輩のラケット2本スタイル(二刀流)を伝授されたような描写があります。

大曲先輩直伝の二刀流は、先述の「獅威左亜(シーサー)」に応用されていると思いますが、この技はブン太くんと2人で実現する二刀流です。大曲先輩は1人で二刀流をやってのけています。となると、やがて木手くんは大曲先輩のように1人で二刀流をやり始めるかもしれません。

 

ただでさえ広い守備範囲を誇る木手くんがラケットを2本持てば、守備に関しては敵無しになるでしょう……どこまで進化するんだ!?

跡部様が心の奥底で畏怖している

木手くんの強さを直接的に表している描写ではありませんが、スペイン戦のシングルス3に出場した跡部様は、対戦相手のロミフェルくんが得意とする「具現化(マテリアリサール)」を受け、深層心理で畏怖する5人の選手の幻影と戦うことになりました。その5人のうちの1人が木手くん。跡部様と木手くんは、さほど接点はなかったと思いますが、跡部様は心の底で木手くんを恐れていたようです。

 

これは木手くんの沖縄武術&暴力性が原因……ではなく、やはりシングルス・ダブルスともに高い実力を示す彼に、跡部様が内心「恐怖(尊敬も含む)」を感じていたが故でしょう。プライドが高く、自信を「王様(キング)」を称する跡部様が畏怖するほど、木手くんは鬼強プレーヤーなのだと考えることができます。

 

それから、木手くんの全国大会での実績も、跡部様が畏怖する原因になっていると思われます。

木手くんは沖縄武術の使い手たちを集め、その技術をテニスに応用する形でチームを強化。無名校だった比嘉中を全国大会へ導きました。また、怪我から完全に復活した手塚部長から大量にゲームを奪い、個人としての実力も示しました。

一方で跡部様はというと、超名門テニス部である氷帝を率いながらも、慢心により都大会で不動峰中に敗北。敗者復活戦で勝ち上がり、ギリギリで関東大会に駒を進めたものの、1回戦で青学に惜敗。全国大会に進めたのは、開催地枠に選ばれたからでした。実力で全国大会に出場できたわけではありません。名門校で恵まれた設備、多くの部員がいる環境がありながらもチームとして敗退したことは、跡部様にとって黒歴史となっているでしょう。

さらに、跡部様は手塚部長との直接対決で勝利しましたが、当時の手塚部長は肘の怪我が治ったばかりの状態。その上、長時間のプレーで肩を壊すという大きなハンデを負っていました。そんな手塚部長と、跡部様は互角。もし手塚部長が万全だったならば、一方的に負けていたかもしれません。しかし、木手くんは万全な手塚部長相手に一時的にではあるものの優勢でした。

このような点から、木手くんと自身との差を感じてしまったのかもしれません。

 

もし跡部様が木手くんと戦ったとしたら、おそらく跡部様が勝つでしょう。が、全国大会という、全中学生が目指す晴れ舞台で活躍できたか否かという分かれ道が、いまだに跡部様の肩にのしかかっているのではないと思われます。

そう考えると、無名校を全国へ導いた木手くんの手腕、そして全国区プレーヤーと互角に渡り合った実力……目を見張るものがありますよね。

作中では相手が悪すぎただけでめちゃくちゃ強い木手くん

『テニスの王子様』『新テニスの王子様』を合わせても、木手くんの試合は負け描写ばかりなんですよね。

 

・全国大会2回戦で手塚部長に敗北

・シャッフルマッチで遠野先輩&君様ペアに敗北

・W杯予選でスイスのペーター&アンリペアに敗北

・スペイン戦代表決定戦で種子島先輩&白石くんペアに敗北

 

だから「木手くんに強いというイメージがない」という人もいるかもしれません。でもですね、木手くんはとにかく相手が悪い。格上ばかりなのです。

全国大会時点の手塚部長は、無我の奥の扉を開き、中学最強格に到達していました。

遠野先輩&君様ペア、ペーター&アンリペア、種子島先輩&白石くんペアは、木手くんにとって間違いなく格上の相手。特にブン太くんとダブルスを組んだ遠野先輩&君様ペア、種子島先輩&白石くんペアの試合は、中学生2人で高校生を含むダブルスを相手にしないといけなかったため、そもそも敗色濃厚な戦いでした。

 

このように分が悪い勝負ばかりしてきた木手くんですが、一選手として見たときのスペックは非常に高い。中学生に限れば、日本国内でもトップクラスに入ると思われます。

もし木手くんが無名の比嘉中ではなく、すでに実績のある中学でレギュラーに入って活躍していたら、全国区プレーヤーに名を連ねていたかもしれません。

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