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【ハンターハンター400話】第11王子フウゲツに憑いた邪霊&週刊連載以外の形で掲載へ

ハンターハンター400話『秘匿』では、エイ=イ一家のアジトを探すフィンクスたちと、センリツが護衛する第10王子・カチョウおよび第11王子・フウゲツの動向が描かれました。

 

今回は400話の感想&考察と、今後のハンターハンター連載について書いていきます。

※本誌の画像等はありませんがネタバレを含む内容のため、単行本派の方はご承知の上お読みください。

エイ=イのアジトを捜索するフィンクス・フェイタン・ノブナガ

ヒンリギがエイ=イ一家のアジト内に置いてきた生牡蠣発信機の位置を特定しつつあるフィンクスとフェイタン。

受信機の反応から、アジトは第3層の上下に当たる2層か4層にあると予想しました。

 

フェイタンは「フィンクスが円を使えていればもっと楽にアジトを探せる」と、フィンクスの円について言及。

しかしフィンクスは円が下手とのこと。円の中で人の声がしたり、何かが動いたり、動きながら円を発動することもできないそうです。

妙に神経質なフィンクス……

フィンクスの円は使える状況がかなり限定されているようですね。でもフェイタンが「フィンクスの円が使えれば」と言ったことから、円の範囲自体はかなり広いのかも?

少なくともノブナガ(半径4m)とフェイタンよりは広い可能性がありますね。

100~200mほど離れたアジトを円で探そうとしてたということは、フィンクスの円の半径も同じくらいの長さ?

その後、ヒンリギと共にアジトから追い出されたノブナガと合流したフィンクス・フェイタン。

アジトが2層か4層にある(受信機の反応から2層にある)ことを伝えますが、ノブナガは違和感を覚えている様子。

理由はカキンマフィアのカチコミの流儀に合致しないから。

カキンマフィアには、構成員がカチコミを行った際に組長が自分のシマにいなかった場合、後ほど組長同士で連絡を取り合いお互いが納得のいく条件で手打ちにし、均衡を保つ流儀があるのです。

エイ=イ一家の構成員だったルイーニーは、シャ=ア一家の下っ端たちを殺害しています。本来なら組長であるモレナが事後連絡を取らないといけないはずが、その連絡がない状況が現在です。

もしモレナがエイ=イのシマである第3層にいた場合、この流儀を無視したことになるので、マフィア同士の戦争が勃発することになります。

 

一方モレナが1層・2層にいる場合、シマにいない状態で構成員がカチコミしたことになるので事後連絡すれば流儀にはギリギリ反しません。つまりモレナがシャ=ア一家に連絡すれば戦争は避けられることになります。

ただし事後連絡は24時間以内という暗黙のルールがあり、モレナはすでに2日以上連絡をしておらず、モレナ自身、今後連絡をすることはないでしょう(モレナは戦争を起こしたい人なので)。

 

それでも2層にエイ=イのアジトがあって、その中にモレナがいたのであれば、見つかっても「シマの外にいて状況を把握できていなかった」という言い訳ができます。

 

この点はフィンクスが説明してくれましたね。

「いざというときの保身のためにモレナが2層に身を置き、他の組からの攻撃を抑える言い訳にカキンマフィアの流儀を利用する可能性もある」という説を提唱していていました。

この説にはノブナガも共感できた様子。

 

どのみちヒソカを探すために1層か2層に行く必要もあるので、ノブナガたちはシャ=ア一家の隠しルートで上層階へ行くことに決めました。

エイ=イのアジト特定まで、もう少し時間がかかりそうですね。

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遠距離攻撃担当のフランクリン

エイ=イのアジト捜索にフランクリンも連れて行くことを提案したノブナガ。

399話で侵入したアジトの様子を見て、遠距離攻撃ができるフランクリンが役立つと判断したのでしょう。

 

エイ=イのアジトの中にも、構成員・ボコンテによる念の罠が仕掛けられており、特定の部屋に入ると強制移動させられてしまいます。

つまり部屋の外から攻撃できる手段がないと、エイ=イの構成員を始末できません。

そこでフランクリンの念能力「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」の出番です!

両手の指から念弾を連射できるフランクリンなら、部屋の外から安全に攻撃できます。

 

しかもフランクリンが放つ念弾は、ノストラード組でネオンの護衛をしていたトチーノの「縁の下の11人(イレブンブラックチルドレン)」を貫く威力!……というのは強いのか弱いのか微妙な基準ですが、拳銃でも念能力者への有効打になることが分かった今、念弾を連射できるフランクリンはかなりの強キャラ。

ノブナガとヒンリギがアジトに侵入した際にフランクリンも一緒にいれば、あの場にいた構成員の大半を始末できた可能性がありましたね。

迎撃型の能力者がいたら、どうなっていたかは分かりませんが……

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第6王子・タイソンの守護霊獣

場面は変わって1006号室。クラピカの念の師匠であるイズナビが護衛についている第6王子・タイソンの部屋ですね。

タイソンの護衛は皆イケメンで、タイソンから指示された「設定」を演じている模様。

その様子を最初は冷静に見ていた若手ハンターのジュリアーノですが、タイソンより渡されたタイソン教典を読んでから態度が徐々に変化しており、他の護衛と同じくタイソンに対してかなり好意的に接しています。

 

ジュリアーノの変化からイズナビは、タイソン教典とタイソンの守護霊獣の能力がリンクしていると予想。

そしてタイソン教典を継承戦の発起人である父親のナスビー国王に読ませることができれば、国王をタイソンの配下に取り込み、継承戦そのものを中止させられるのではないかと推測しています。

 

タイソンの守護霊獣は放出系の「拡散・徴収型」に分類されます。

タイソン教典を受け取った者に目玉ジャクシが取り憑き、その者からオーラを徴収。代わりに幸福を与えるという一見すると攻撃性の低い、平和的な能力です。

与えられる幸福の度合いは教典の熟読度によって変わるそう。

一方でリスクもあり、教典に記載された唯一の禁忌を破ると厳しい罰が下ります。

 

タイソン教典をナスビーに渡す→継承戦を中止させる

というのは、作戦として短絡的といいますか、ここまで引っ張った継承戦の解決策としては簡単過ぎな気がします。

おそらくタイソンの守護霊獣による罰がジュリアーノか他の護衛に下され、被害の大きさやナスビーでは到底遵守できないであろう条件から、イズナビがこの作戦そのものを中止せざるを得ない状況になりそうだ……というのが私の予想です。

まだ守護霊獣の全容が分からない以上、油断はできませんね。

でもタイソン王子の従事者になるのは楽しそうではある

めちゃくちゃコミュニケーションが取れる第10王子・カチョウ

司法局の調取室では、第10王子・カチョウと第11王子・フウゲツの逃走を手伝った可能性があるセンリツの取調べが行われていました。

その場には司法局のカイザルと、逃走時に死亡し、守護霊獣の能力「2人セゾン(キミガイナイ)」でフウゲツを守る霊(念獣?)となったカチョウが同席。

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カチョウが死んだことを知り、涙を流すセンリツを、カチョウ自身が一喝します。

……とその前に、カチョウの姿は誰にでも見えるし、しっかりコミュニケーションが取れるんですね。

フウゲツにしか認識できないのかと思っていましたが、念を使えない(と思われる)カイザルにも見えているということは、具現化系に分類される能力なのでしょう。

 

継承戦からは逃げられないことを悟ったカチョウは、他の王子を暗殺し、妹のフウゲツを王にする決断をします。

「カチョウが死んでいると思われている」ことと、「そのカチョウが存在している」という利点を利用するとのこと。

そのためには「センリツオバサン」の力が必要だと、傷心気味のセンリツを鼓舞(挑発)し、センリツもやる気になりました。

センリツは、中学生〜高校生くらいだと思われるカチョウの倍以上の年齢ということは、20代後半〜30代後半くらいか?いや見た目で惑わされてて実は若い可能性も…

センリツに恋する?カイザル

センリツの演奏によって時が飛んだ(意識が飛んだ)のは念能力によるものだと気づいた王子たちは、センリツと接触を図ろうとしています。

第3・第4王子は部屋への招待、第1・第5・第7王子はカチョウ・フウゲツの脱走にセンリツが関与していることの黙認と、その代わりの再演奏を要求。

センリツの演奏中に意識がなくなることを利用して、他の王子の暗殺を考えているようです。

 

この状況を逆手に取ってセンリツを誘ってきた王子たち全員を騙し、センリツの能力で意識を飛ばしている間に王子たちを毒殺しようと、カイザルは提案してきました。

あまりにリスキーな提案に、センリツはカイザルが誰かしらの王子の使いであると予想しますが、カイザルの動機は「センリツが好きだから(センリツとセンリツが護衛しているカチョウ・フウゲツを守りたい)」という単純なもの。

一方センリツは、カイザルの落ち着きっぷりを心音で感じながら警戒を続けています。

 

最初にカイザルがセンリツに接触してきたときも、センリツは「私に言い寄ってきているということは念能力者に操作されている」とかなり低い自己評価からカイザルを分析していました。

しかし私個人としては、カイザルはウソをついていないんじゃないかと思います。ウソをついているならセンリツは心音の変化で分かるはず。でもカイザルの心音を聞いてもウソとは断定していない……

カイザルよ。本当にセンリツに恋しているならもっと情熱的に伝えないとダメだぞ!この真面目そうな皮を被ったスケベ男!むっつり野郎!

まぁセンリツにはクラピカという最高のパートナーがいるんですけどね、カイザルさん

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第11王子・フウゲツに憑いた邪霊とその元凶

カチョウの取り調べをとりあえずやったように見せかけたカイザルは、シュタイナー(暗黒大陸渡航前に厄災の被害者を見ていた人)に何らかのスイッチを渡します。

そして第1王子の護衛軍がVIP用保護エリアにやってきたらスイッチを押してくれと頼みました。

スイッチを押すことでカイザルに何らかの通知が飛び、第1王子の私設兵と交渉をするためのものなのかな?と思いますが、今のところ用途は不明。

直前までのカイザルの態度を見る限り、保護エリアに入るフウゲツ、ひいてはセンリツを守ることにつながる代物なのでしょう。

本当に残念だけどセンリツにはクラピカがいるから。カイザルさんは帰ってセンリツの写真だけ眺めててよ

その裏で、部屋に戻ってきたカチョウはフウゲツの異変に気づきます。

フウゲツの守護霊獣の能力「秘密の扉(マジカルワーム)」の使用は、1日1回が限度だったはず。

しかしフウゲツの話では何回も使えるようになり、さらにフウゲツだけでは往路しか作れなかったのが、復路まで作れるようになったとのこと。

能力が進化している可能性が頭をよぎるカチョウでしたが、それ以上にフウゲツの顔色が悪いことを心配します。

 

カチョウだけでは念能力の判断ができないため、センリツに相談。

センリツは面会を申請してきた第3・第4王子との面会直前に、保護エリアに入るフウゲツとすれ違えるようカイザルに手配を依頼し、その瞬間にフウゲツの様子を見ることにしました。

 

センリツの見立てでは、フウゲツのオーラは絶をしているときと同じくらい弱くなり、メンタルが不安定な状態。

さらに背後には無数のハエや「邪霊」というオバケのようなものがたくさん取り憑いていました。

カーチン!フウチンのこと全然守れてないじゃん!ヤバそうだよフウチン!

「邪霊」というのは新しく出た概念ですね。

邪霊がフウゲツに取り憑いた原因はなんだろうかと思い、数話戻って読み返してみました。

最初は、継承戦から脱出した際にカチョウ・フウゲツを襲った無数の手が邪霊の正体かと思いましたが、そうではなく第2王子・カミーラ私設兵たちの能力「つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)」によるものではないかと思います。

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「つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)」は古くからカキンに伝わる「死後伴侶」という風習をもとに生まれた能力で、能力者は対象者に縁のある物と小刃を携帯し、毎日呪い続けます。そして携帯していた物を燃やして出た灰を飲み込み、小刃で自刃すると能力が発動するというもの。

呪いの対象者は呪念によってオーラを奪われ、最も強い呪いが発動すると強制的な絶状態になり、数時間で死に至ります。

カミーラ私設兵はそれぞれが各王子を呪いの対象としており、自分の命を以って暗殺しようとしているのです。

 

「つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)」の説明には「オーラを奪われ強制的な絶状態になる」「呪い」など、現在のフウゲツの状態を表すような言葉が散見されます。

このことから、フウゲツを呪おうとしていた私設兵・メシュシが自刃し、能力が発動した可能性が高いのではないでしょうか。

「つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)」が効果があるかどうか知りつつ、護衛のハンター協会員に除念師がいるかどうか炙り出すために下位王子を呪おうと考えていたことからも、フウゲツがターゲットになった可能性は十分にあるかと。

 

ただ、カチョウ・フウゲツが脱走未遂で司法局に勾留中であることはカミーラ私設兵にも伝わっており、カミーラの執事長フカタキは司法局にいるなら距離が遠いため、呪いの効果が出るまでに半年はかかると予想していました。

一時的にフウゲツが1011号室に戻ったタイミングで呪いをかけ、司法局に再度保護される前に呪殺の準備を整えたといったところでしょうか。

しかもフウゲツが守護霊獣の能力を使いまくり、カチョウを具現化するのにオーラを使いまくって弱まっていたとしたら、絶好のタイミングですよね

センリツは面会を希望していた王子と護衛の中に、フウゲツに何らかの念をかけた者がいて、面接を通じてヒントを得られないかと考えていました。

実施に面接した第3王子・チョウライと第4王子・ツェリードニヒの私設兵長・ヴァンタインは該当せず。

他にセンリツに興味を示した第1・第5・第7王子の中に犯人がいる可能性もありますが、カミーラ私設兵の仕業であればおそらく彼らも白ですね。

チョウライがセンリツに渡したコインがどう作用するかも気になるところ

念能力者であることを隠していた第5王子・ツベッパの私設兵

さらに場所は変わって1014号室。第14王子・ワブルを警護するクラピカがいる部屋ですね。

クラピカは希望する王子の従事者に念能力を教えていました。

 

400話のラストでは、第5王子・ツベッパの私設兵がクラピカの講習前から念を使えていたことを暴露。

クラピカの「奪う人指し指の鎖(スチールチェーン)」でビルの能力を貸与し、念が使える状態にするために集まった従事者たちと個々に面会する機会を狙っての暴露だったようです。

 

同室にいた第1王子私設兵のヒュリコフは、1014号室に集まった時点ですでに念能力が使える者がハンター協会員と自分、同じ第1王子私設兵のバビマイナ以外に4名いると推察していました。

 

そのうち2名は第9王子・ハルケンブルグの私設兵で、ハルケンブルグの守護霊獣によって強制的に念に目覚めさせられていました。

残りの2名のうち1名がこの第5王子私設兵で、残りは1014号室に集まった従事者たちを殺して回っている「11にいる(サイレントマジョリティー)」の能力者だと思われます。

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今回のツベッパ私設兵はクラピカに第5王子の協力者になって欲しいことを打診。

クラピカも承諾していることから、不利な提案ではないのでしょう。

クラピカに協力的な姿勢から見て、クラピカが従事者たちを集めてまとめて暗殺しようとしていたという嫌疑がかけられるような行動をするとは考えにくいです。

ツベッパは非念能力者で、念に関する情報を得るためにクラピカと協力したいと考えていました。今回はその行動に出た形です。

ツベッパの私設兵には念能力者がいるのに、ツベッパに念のことを一切教えていないのは謎ですが(ツベッパもツェリと同じで部下から信頼されてないサイコ野郎なのかな?)、クラピカはこれで上位王子では第3・第5王子と条件付きではありますが、協力関係を結べそうですね。

ただ、ツベッパの守護霊獣がまだ能力を見せていないのが気になる点です。どうやら共同研究者(パートナー)が必要な能力で、体内にさまざまな薬品を生成する能力を持つようですが、クラピカがこの共同研究者にされてしまうのでしょうか?

クスリだけに何のリスクも無ければ良いのですが、そう簡単にいくとは思えないなぁ…

400話『秘匿』の全体的な感想

399話の予告通り、400話は王位継承戦パートに戻ってきましたね。

とはいえ、やはり話が大きく進展したかというと微妙なところ……

400話の内容を踏まえて、個人的に気になる点としては、

  • センリツの今後
  • 次に死ぬにはフウゲツ?
  • カチョウはフウゲツを守れる?
  • クラピカとツベッパが構築する関係性の内容

ですかね。

今後もマフィアパートと王位継承戦パートが交互に描かれる流れが続くのでしょう。

継承戦は今回のメインテーマのためすぐに終わらせることはできないと思いますが、マフィアパートは旅団が速攻でエイ=イを片付けて、すぐに第1層に向かってほしいなというのが正直な気持ちです。

でも今回の連載分で旅団の過去回想が読めたのはとても満足❤︎

今後のハンターハンター連載について

約4年ぶりに連載になったハンターハンターですが、401話以降は冨樫先生の体調を見ながら週刊連載ではない形で掲載することになったと、ジャンプ本誌で案内がありました。

また休載に入ることは間違いなさそうですが、今後は例えば月1連載や、不定期連載みたいな形になる可能性がありそうですね。

 

この先の話も描き続けているとのことで、次の連載は4年後みたいなことにはならないのではないか……と思っていますが、それ以上に富樫先生には体に気を遣うことを優先してもらいたいです。

健康に優るものなし!私は寿命が続く限りいくらでも待ちますよ〜